Fate/Decade Order   作:メーQUEEN

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投稿が遅れたのは私の責任だ…だが私は謝らない








嘘です、投稿遅れてごめんなさい!

今回、実験的ですが最後だけマシュ視点で進めてみました。
特に問題が無いようでしたら、今後はマシュ視点でも話を進めてみます!


プロローグ・仮面ライダー

少女、マシュ・キリエライトは事の一部始終を浮かない表情で見ていた。会話を完璧に聞き取れた訳では無かったが、どうやら先程彼女が話しかけた男は侵入者であったらしい。

この世界においてはどこよりも警備が厳重であろうカルデアにおいて侵入者などそうそう現れるものではない。

だから彼女がその侵入者…門矢士に対して嫌悪、或いは恐怖の感情を抱く事は至極当然な事だと言えよう。しかし彼女が彼に対して思った事はもっと彼のことが知りたいという純粋な興味であった。不思議と彼に対しては恐怖を感じない。というより、何故だかマシュは士に対して妙な即視感があったのだ。彼とは初めて会った様な気がしない…いつなのかはわからないが彼はずっと前からの知り合いである様な気がしてならなかった。

 

「何か気になった事でもあったかな、マシュ」

 

廊下の真ん中で1人考え事をしていたマシュはレフの呼びかけでスッと現実に引き戻される。

 

「い、いえ…カルデアに侵入者なんて珍しいと思って」

 

マシュは咄嗟に適当な事を言ってお茶を濁した。まさかいきなり現れた謎の侵入者に即視感を抱いていたなんて事を信じてもらえるわけがないと思ったのだ。

 

「うむ…確かに。正直、私も侵入者を見たのは今回が初めてだよ」

 

「カルデアの警備システムは盤石なものだと思っていたのだが…少し、警備体制を見直さ無ければならないようだ」

 

レフは少し深刻そうな表情で語った。しかし、マシュにはそんなことはあまり問題には思えなかった。

 

「侵入者の件は後にしよう、それよりも、そろそろじゃなかったかな?あまり遅れるとオルガが…」

 

そう言ってレフは腕時計を見る。その様子を見てマシュはしまった!という顔をして足元の白い生物を抱き上げ、慌ててその場を去って行った

 

「……話には聞いていたが、まさかこんな早くに出会うとはな」

 

マシュの姿が見えなくなった事を確認した後、レフは先程とは打って変わった様子でそう呟いた。

 

「まぁいい、幸いにも今の奴は変身出来ない。このままあの女諸共バックルも吹っ飛べばお前は終わりだ」

 

「……ディケイド」

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで…君が例の侵入者?」

 

「…俺がこの施設の関係者に見えるか?」

 

「だよねー…あ、良かったらコーヒーでも飲むかい?」

 

「いらん。実態もわからない組織の物を口にするほど、俺はマヌケじゃない」

 

「まぁまぁ、そんなこと言わずにさ。お茶でも飲みながらゆっくり話し合おうよ、ただここで待っているのも退屈だろ?そうだ、ケーキも一緒に出すよ!」

 

「だからいらねぇ。はぁ…全く、お前は俺とお茶会でもする気かよ」

 

ベッドに腰掛けた士は呆れた様子で目の前で2人分のお茶を淹れている白衣の青年にツッコミを入れていた。

本来ならば、捕らえられた侵入者は監禁部屋へと連行され、オルガマリーらが来るまでは監視員と共に酷く小ざっぱりした部屋に押し込められる。もちろん、士もそうなる事は覚悟の上だった。しかし実際に士が連れてこられたのは、明らかに監視員といった風貌では無い白衣の青年がいるただの空き部屋。しかも監視員を自称した男はまるで親しい友人かの様に侵入者である士に接してきた。呆れて言葉も出なかった士だったが、これからの事を考えればこれほど恵まれた状況は無い。罠である可能性も否定は出来ないが、とりあえずはここで相手の出方を見ることにした。

 

「そういえば自己紹介がまだだったね、僕はロマ二・アーキマン。みんなからはドクターロマンって呼ばれてるよ、君は?」

 

2人分のコーヒーとケーキを運んできたロマ二は士の前に座るとコーヒーカップを片手に話しかけてきた

 

「はぁ…門矢士だ」

 

ふてぶてしくそう答えながらも士はカップに手を伸ばす

 

「門矢士君か…どこかで聞いた事があるような……」

 

「ん?お前、俺のこと知ってるのか」

 

「なんでもないよ、ところで…君は一体どこから来たんだい?」

 

一瞬、小首を傾げたロマ二だったがすぐさま話題を変えた。

 

「はっきりとはわからない…が、少なくとも俺はこの世界の人間ではない」

 

「この世界の人間じゃない?それって、どういう…」

 

「俺は様々な世界を旅している…全ての世界を救う為にな」

 

イマイチ理解出来ていないロマ二をよそに士はドヤ顔でコーヒーを啜る。

 

「ちょ、ちょっと待って!じゃあ君は別の世界から僕達の世界を救う為にここに来たって言うのか!?」

 

「最強の救世主がお前らを助けにわざわざ来てやったんだ、ありがたく思えよ」

 

軽くパニックになっているロマ二の反応を楽しむかのように士はケーキに手をつけた。

 

「俺からも聞きたいことがある、ここは一体なんだんだ?確かカルデア…とか言う名前だったか」

 

「ああ、えーと…説明すると長くなるんだけど…」

 

戸惑いながらもロマ二はカルデアの目的や成り立ちなどについての説明を始めた。しばらく黙って聞いていた士だったが、半分ほどのところで皿を置くと

 

「そうか、大体わかった」

 

と言ってそれ以上は聞こうとはしなかった。

 

「あとは…この世界のライダーを探すだけか」

 

そう士が呟いた直後、カルデアは地獄と化した。

 

 

 

 

 

それはあっという間の出来事でした。

マスターの皆さんがコフィンに入ったのを確認した所長がファーストオーダーの開始を告げた瞬間、頭が割れるほどの爆音とオレンジ色の光が何もかもを吹き飛ばした。

今まで聞いた事も無いけたたましいサイレンの音。さっきまで何かを形作っていたであろう瓦礫の山。一面に広がる火の海。そして、瓦礫に押し潰されて感覚を失った自身の下半身。ここで私は自分を取り巻く環境の異常さに気付くと同時に、自らの死を悟った。

別に死ぬのは怖くはない。どの道、私はあと数年で死ぬ運命だ。さっきの爆発はそれを少し早めただけに過ぎない。だから、死ぬ事に関しては恐れも何も感じない。…はずなのに

私は涙を流していた。何故なのかはわからない。必死に考えてみたがやっぱりわからない。そして考えている内に段々と眠くなってきた。

 

ああ…もうダメか。

 

全てを受け入れようと目を閉じた瞬間、入り口の方から鈍い音と共一筋の微かな光が差してきた。

「やれやれ、初っ端から組織壊滅とか急展開すぎるだろ」

聞き覚えのある声が入り口の方から聞こえる。そしてそれは、帰ってくるはずの呼びかけをしながらこちらに近づいてきた。

「おい!聞こえるか?おい!!」

肩を揺らして必死に呼びかけてくるその声に、私は顔を向ける。

「あな……た…は…」

 

「喋るな、今ここから出してやる!」

 

私を助けようと必死に瓦礫を退かそうとするその声の主は…さっき私が廊下で見つけた、侵入者・門矢士だった。

 

「チッ…ベルトさえあればこんな瓦礫、余裕でぶっ壊せるんだがなッ!」

 

怒った様子で瓦礫を蹴る彼に、私は口を開いた。

 

「もう……いい…です……」

 

「はぁ?」

 

「もう…私は……ダメ…です…助かり……ません」

 

「そんなの、まだわからないだろ!」

 

「……私…もう下半身に感覚が無いん……です」

 

「だから……私はもう助かりません…はやく…逃げて……ください…」

 

ぼやけていく世界の中で、私は必死に説得した。

もう死ぬだけの自分のせいで、無傷の彼を殺させる訳にはいかない。

だが、彼は私の説得を聞き入れようとはしなかった。

 

「悪いがそれは出来ない。目の前で死にかけてる奴を放って逃げ出すなんて、ヒーローのすることじゃないからな」

 

「私は……どうせ…死ぬん…です……だから…!」

 

頑として動かない彼を睨みつけながら、私は蚊の鳴くような声で叫んだ。

 

「なら、尚更ここから離れるわけにはいかない」

 

「なんで……!」

 

「どんな絶望的な状況でも最後まで絶対に諦めない…それが「仮面ライダー」だからだ」

 

「仮面…ライダー……」

 

「お前はまだ死んだわけじゃない…どんなに弱っていようがお前が生きてる限り、俺は絶対にお前の命を諦めない!」

 

彼は真っ直ぐな目で私を見つめながらそう言った。それは私に対する励ましでもなんでも無く、純粋な彼の想いに違い無いと私は感じた。

 

「……なら、一つだけ……わがまま言っても…いい…ですか……?」

 

「なんだ、言ってみろ」

 

目に涙を溜めながら、私は最後の力を振り絞って精一杯手を伸ばしながら言った。

 

「私…が……死ぬ…まで…手……握ってて…もらえませんか……?」

 

今にも力尽きそうな私の手を、彼は何も言わず力強く握った。

 

「あり……が…とう……つか…さ…さん……」

 

私の顔をジッと見つめてくる彼に対して、私は微笑みながら最後の言葉を口にした。その直後、全身から一気に力が抜けた。それでも、彼は手を離さない。むしろ、さっきよりも強く私の手を握ってきた。

そして…さっきまでは氷のように冷たかった自分の手に温もりを感じながら、私は…ゆっくりと闇の中に沈んでいった。

 

だが…私達は気付いていなかった。

彼が私の手を握った時から…私達の体は光となってどこかに転送され始めていたことを。

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