暗がりの喧騒、酔っ払いの怒号、明るすぎる街灯。夜の繁華街を形容させる言葉とはこんなものだろうか。しかし、今宵は違う酔いつぶれた酒飲みはおらず、客引き嬢も姿を見せない。その空気は一種の不気味さを生んでいた。
「誰もいないじゃねえか!!」
「はっはっは、落ち着けよ昭義。その蛍光ピンクの蝶ネクタイ、似合ってるぜえ」
何故、男二人でこんなところを散歩せねばならないのか。自分の状況を振り返り、そのむさ苦しさで絶叫しそうになった。いや、もうしてた。
「…まあ、綺麗なネエチャンがいねえのは残念だが気ぃぬくなよ。大体誰もいないのは魔術的な要因か、お前さんの顔が怖くて逃げたかの二択だ」
「十中八九前者だな。そうに違いない。そうであってくれ」
その時だった
背中に悪寒が走る。なるほど、これが殺意というものか。やっと聖杯戦争っぽいことが始まったんだと、俺の感想は妙に落ち着いていた。迎え撃つ準備はとうに出来ている。殺意には殺意で。
「フハハハハハ!我こそはライダーのサーヴァント!互い望みを叶える為に血に濡れた夜を作ろうではないか!!」
…笑い声は思っていたよりも高く、姿は少女であった。17、18くらいだろうか。電灯の光で輝く紫色の頭髪は人外っぽさを演出していた。が、はっきり言って拍子抜けだ。
「ライダーのサーヴァントか。…悪かねえな。よし、俺はキャスター、魔術師のクラスだからって舐めてかかると痛い目見るぜ。嬢ちゃん」
「安心しろキャスター。余はクラスや容姿で相手の能力を見限るような真似はしない。そちらのマスターと違ってな」
…ばれてる。
「昭義、お前ってやつは・・・見直したぜ!やっぱあの嬢ちゃん可愛いよなあ!見る目あんじゃねえか」
一緒にすんな!シリアスをぶち壊すな!俺の所為なんだけどね!
「というかなんだその恰好は。お前何しに来たんだよ…」
ごめんねライダーちゃん!ホント、何でこんな格好してるんだろう!?
「おい、そろそろいいかいライダー?今宵は短い。肩慣らしなら早えうちにしとこうぜ」
「ふむ、、待たせたなら悪かったな。キャスター。マスターからの戦闘許可はとってある。では行くぞ」
そして、火花が散った
圧巻の一声だった。まずライダーが馬を召喚し、騎乗した。芦毛の美しい馬だ。そしてキャスターに突っ込む。これをキャスター懐から出したバッジを投げつけ、相殺する。光が馬の目を貫き、その勢いを無くす。何度でも相殺する。
「くッ、余の愛馬の突進を容易く受け止め続けるか。キャスター」
「ああ、ある程度の知名度補正を受けてるんでね!と、いう訳で…受け止めなあ!『ねらった金庫』!!」
突如金庫が出現し、キャスターがダイヤルを捻る。カチッと音がしたと同時に犬が飛び出す。
「ワン!」
「脆い!『皇帝特権』!!」
ライダーが馬上槍で犬を打ち砕く。無残!犬は爆散する。ネジが散り、魔力の粒子となって消滅する。
「まったく、ひでえことするなあ嬢ちゃん」
「犬には良くない思い出があるからな」
「まあいい、嬢ちゃんもある程度有名な英雄だったみてえだな。皇帝とか言ってたし」
「そういうお前は分かり辛いな。なんだ金庫って。泥棒か?」
「さて、どうだかね!」
キャスター、ライダーに急接近する。そして、拳を振りかざす。が、突然の不意打ちにもしっかり対応するライダー。その拳を蹴り上げる。
「今だ!『地球から来た男』!!」
キャスターが白く輝く光の魔弾を繰り出す。ライダー、これもキャスターの魔弾を弾く!が、無意味!ライダーはその場にドサリと倒れた。随分あっさりと。あれ、キャスタ―強くないか?
「さて、今宵は俺の勝ちみてえだな。よーし、昭義よ今からイケナイことするから先に帰っててくれ。大丈夫、もうすぐ夜明けだ。新手は来ねえよ・・・たぶん」
「なんだよイケナイことって!?通報するぞ、キャスター」
「大切なことだ。分かってくれ」
彼の今までにない紳士的な目に俺は諭されてしまった。許せ、ライダーお前の貞操は早くも無くなりそうだ。
CLASS:ライダー
マスター:???
真名:???
性別:女性
身長・体重:167*54
属性:混沌・中庸
筋力A 魔力B 耐久C 幸運B 敏捷A+ 宝具B
クラス別能力
騎乗B:騎乗の才能。どんなに暴れ馬でも獣なら乗りこなせる。幻想種は該当しない。
対魔力C:二節以下の詠唱による魔術を無効化する。
保有スキル
戦闘続行B:往生際が悪い
皇帝特権A+:なんでもありのアレ
カリスマA:軍団を指揮する才能。最早死ぬことさえ惜しまずに突撃させられる。一国を運営することすら容易。
宝具
??? ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:2~50 最大捕捉:100人
??? ランク:A 種別:対国宝具 レンジ:100 最大捕捉:700人
??? ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:0 最大捕捉:1人