収穫祭まで行かなかった (´・ω・`)<でも受付嬢さん書けて楽しかった(小並感
「いつもいつもゴブリンゴブリン。服は汚すし装備見せてくれないし。毎度やらかすし……」
今回はそこに、臨時で
「やらかすのはあなたもだからね!? 爆弾とか! 爆発とか! 燃やしたりとか!」
「はいはいわかったわかったから」
当然、我関せずと強めの酒を舐めていて、妖精弓手に絡まれている女魔術師も、この場に居る。
どうにかこうにか、妖精弓手の絡み酒から脱出した女魔術師は、参加者の最後の1人、受付嬢の隣に移動した。
「とまれ小鬼殺し殿に神官殿がついたとなれば……まあ、焦る者もおりますかな?」
「ライバル、多いもの、ねぇ」
移動した先は、更なる窮地だった。
「ここはじっくり、隙を窺って行きたいかな、と」
要するに、恋とか愛とか懸想とか何やかんや、そんな感じの話題の真っ只中。
「あなた、は、どう思うの、かしら、ね?」
即座に撤退を試みるも、女魔術師は逃げられない。
「そうですね。私も気になります」
にこやかな受付嬢と魔女。
「わ、私は……その……あの……えっと……」
女魔術師は逃げられない。
「色々教えてもらっているし一緒にいると勉強になるし初めて会った時にもそれからも助けてくれたし……!
わ、悪くは思っていないけど……! でも、あの子も応援したいし……! だから……!」
女魔術師は混乱している。
「うんうん」
「それで、あなたの、気持ちは、どうなの、かしら、ね?」
女魔術師は逃げられない。
「なになに何の話ー!?」
妖精弓手が乱入してきた。
「彼女はゴブリンスレイヤーさんをどう思っているのか、ですよ」
「仲、良いらしいし、ね」
「あー! そーよそーよ! オルクボルグがやらかすのにこの子までやらかして、もーどーしよーもないのよ!
2人で! 2人だけで! あれこれ今回のはあーだったとか次はあーしよーとか企むし!」
「2人って強調する必要ないでしょ!?」
「ふむふむ……これは予想以上に……」
「強力な、ライバル、よ、ね」
ゴブリンスレイヤーのずかずかと無造作で乱雑な足音が、女魔術師には福音に聞こえた。
「攫われた娘たちも、無事だった」
「あら」
「……そう」
ゴブリンスレイヤーが語るゴブリン退治の報告に、受付嬢はぱちくりと目を瞬かせ、女魔術師は目を細める。
「良い事、ではありますけど……。珍しいですね、それ」
「攫われてからの期間は?」
「半月だ」
「食料扱い……? 上位種が何かの人質に、とかでもなくてですか?」
いや、と彼は首を左右に振る。
そもそも、食べる物も少ない鉱山を狙うのが奇妙だ。
組合に5年間勤め、ゴブリン退治にも数多く触れた受付嬢。
半年ではあるが、彼と共にゴブリン退治を繰り返した女魔術師。
そして、誰よりも多くゴブリンを殺してきた、ゴブリンスレイヤー。
この場においてのみならず、辺境全体でも有数の、ゴブリンの生態を知悉する3人が、揃って考え込んだ。
ゴブリンに攫られた娘が、繁殖の母胎にも慰み者や嬲り者にもされず、半月もの間、無事に助かる。
有り得ない、とは言えない。実際にこうして起こっていることだ。
しかし、それでも、納得がいかない、引っ掛かりを覚える出来事であるのは、間違いない。
「……うぅん、それだけだと、まだ何とも言えないですね」
「上位種から何らかの命令を受けた、っていう可能性もあるけれど、あくまでも可能性ね」
「口頭報告は今済ませるが、後で詳細報告を仕上げて提出する。確認を頼む」
何かがある、かもしれない。
現状では、まだそれだけしか、分からない。
「ところで、ゴブリンスレイヤーさん」
酔ってぐったりと卓に突っ伏す妖精弓手に絡まれ、仲間や友達への挨拶について説教されていたゴブリンスレイヤーに、受付嬢がすっと近付く。
目を見張るほどに自然に、さりげない風に身を乗り出して、彼の膝に手をついて、真剣そのものの表情で見詰める。
明後日の収穫祭に向けての戦いは、既に始まっている。
「魔術師殿は、良いのですかな?」
「わわわわわわわわわたしはべつにそそそそんな」
「嬢ちゃん、ちいっと落ち着かんかい」
既に始まっているのだ。
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余計なところが筆者に似た可能性大、ってうるせーやい
次回こそ祭り回! さあどうなる女魔術師!
書き始めてから考えよう!←いつものノープラン