女魔術師と解毒剤の水薬   作:ダラ毛虫

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心がアレすると、くずしろ先生の百合漫画を読み耽る、そんな私です更新遅くてごめんなさい m(__)m
24才未亡人と17才JKの義姉妹とか、性癖に刺さり過ぎるんだよなぁ!
1巻ラストがですね、良いんですよ、とても(陥落
2巻以降も好きですし語り始めれば止まりませんがこの辺で自重


さて、今回、原作とエピソードの順番が前後しますが、前話との時系列的にこっちを先に回しました
漫画は単行本未収録ですが、今ならまだwebで読めますよ!

女給さんの話はまた次回




彼がいない日の少女たち

 女魔術師が構えた杖の石突きに、炎が宿る。

 

 自然の火ではなく、《武器(アルマ)》に《点火(インフラマラエ)》を《付与(オッフェーロ)》した、《炎与(エンチャント・ファイア)》の火だ。

 

「……一つ!」

 先程まで稽古をつけてもらっていた、槍使いの動きをなぞり、踏み込み、木製の的を一突き。

 焼き貫く程の熱量には足りないものの、突いた箇所から広がった炎が、的を覆い、炭化させる。

 

 ゴブリンを殺すのならば、有り余る火力。

 

「二つ!」

 

 燃え尽きるのを見届けることなく、振り向き様に背後へ第二撃。

 

「三つ! 四つ! 五つ!」

 

 右へ、左へ、また前へ。

 包囲された想定で、素早く方向転換しつつ、的を穿つ。

 

 

 脳裏に、自分を取り囲むゴブリンの群れを思い描き、突いて、突いて、突いて。

 

 

 《炎与》の効果が切れるまで、間断無く繰り返す。

 

 

 前衛が崩れ、自力でゴブリン共に対処しなければならない危機を、乗り越えられるように。

 

 この訓練の結果、稼げる時間が数秒増えて、仲間の助けが間に合うかもしれないから。

 

 そうなった時、隣に居るだろう彼女を、守り通せるように。

 

 準備を怠った為に、自分が死ぬのも、仲間を失うのも、嫌だから。

 

 

 

 

「お疲れさまです」

「……珍しい組み合わせね」

「あはは……どーも」

「……ええ。どうも」

 呼吸を整え、構えを解いた女魔術師に、女神官と牛飼娘が声をかける。

 女神官は、今日は月のもので休みのはずだが、見たところ牛飼娘も休日らしい。

 

 牛飼娘と関わりが浅い女魔術師では、定期的に休んでいるのか、偶然同じ日が休みだったのかは分からないが。

 

 聞けば、街で遊んで来るよう伯父から言われたものの、特にやりたいことも無く、偶々合流した女神官と二人、ぶらぶらしていたらしい。

 年頃の娘が、二人揃って、何をするでも無く。

 

 天を仰ぐか溜め息を吐くかしたくなる有り様だが、かくいう女魔術師も、空いた時間は(もっぱ)ら訓練、若しくは魔術の勉強ーーこれも結局、冒険者としての訓練か。

 これと言って、少女らしい趣味の一つも無い。

 

「……せっかくだし、私もご一緒させてもらおうかしら」

「いいんですか? 稽古のお邪魔だったのではーー……」

 小首を傾げる女神官に、ほんの少し目尻を下げて、女魔術師は言う。

「丁度、今日の分は終わったわ。それとも、私がついていったらお邪魔?」

「そんなことないです!」

 わたわたと両手を振って慌てる小柄な少女を、はいはいといなして、隣に並ぶ。

「……ええっと……よろしくお願いします?」

「うん。よろしくね」

 牛飼娘との距離感は、まだ計りかねているけれど。

 

 とりあえず、無趣味少女三人一党(パーティー)の、結成だ。

 

 

 

 

 

 

「…………最初に行くのがギルドの工房って、どうなのよ……」

「冒険者の人たちって、どんなお店に行くのか、気になっちゃって……」

 女魔術師が呆れて肩を落とし、牛飼娘が照れたように笑う。

 気になるのは、冒険者ではなく、あの人についてだろう、と思いつつ、どうせなら目新しい品でも探そうかと切り替える。

 

 そうして、辺りを見渡して真っ先に目についたのがーー……。

「う、わぁ……」

 下着型鎧(ビキニアーマー)であった。

 

 最低限は守れて、身動きはしやすい、と言うが、実際のところ、独身女性冒険者の最終手段。

 これに引っ掛かる男が相手で本当に良いのか、などという意見は、若さ故の余裕と取られるのだろうか。

 戦女神に由来する、由緒正しい防具だと聞いた覚えはあるが、その神官戦士でも、普段使いはしないのではなかろうか。

 

「こんな危ない、水着みたいなの着れたらそれだけで勇者だよねえ」

「ですね……」

 

 

 でも、買う人がいて、需要があるから、商品になっているんだろうな。

 

 

 遠くを見つつ、女魔術師は思った。

 

 辺境最高の一党の女騎士が、この下着型鎧を前に悩んでいたことを、彼女は知らない。

 

 

 

「あ、これ……」

「お、見慣れた奴だ」

 女神官が手に取った鉄兜。真新しく、まだ角が折れていない、ゴブリンスレイヤーが使っているのと同型の代物を、牛飼娘が覗き込む。

「うわ、わ、わ……」

 試着してみた女神官は、思った以上に重たかったのか、ふらふらと危なっかしい。

 女魔術師と牛飼娘に支えられて、庇の奥で頬を赤く染め、面頬を上げれば、息苦しかったのか、ぷぁっ、と気の抜けた声を漏らす。

 

 堪えきれず、牛飼娘と二人、顔を見合わせとくすくすと笑えば、女神官は顔を真っ赤にする。

 

 

 命懸けの冒険の日々の、束の間の平穏。

 

 

 でも、こんな一日も、悪くない。

 

 

 

「せっかくだしさ。

 着てみよっか、あの鎧」

 

 

 悪くは……いや、どうだろう……しかし、まあ、多分、悪くは、ない。

 

 

 

 

 試着室で起こった出来事については、女魔術師は黙秘する。

 

 

 

 

 

 

「あーもう、国が滅んだぁ」

 

 ひとしきり工房を冷やかし、夕暮れ前のギルド内酒場に出向いた三人の耳に、妖精弓手の泣き言が届く。

 何をしているのかと寄ってみると、卓上演習(テーブルゲーム)に興じていたらしい。

 受付嬢と監察官も一緒に、ドラゴン退治の冒険者ごっこ(シナリオ)に挑戦し、そして敗戦したようだ。

 

 あれよあれよと、六人で改めて挑むことになり、駒を選ぶ。

 

 牛飼娘は、盾と剣を掲げた、鎧兜の騎士。

 女神官は、豊満な肢体をローブにくるんだ、森人(エルフ)の魔女。

 妖精弓手は鉱人(ドワーフ)の戦士、受付嬢は身軽な斥候、監察官は老練なる僧侶を、それぞれ並べる。

 

 斥候は軽戦士として、前衛が三の、後衛が二。

 ふむ、と暫し考え、女魔術師も駒を取る。

 

 騎士と斥候が、どこかの誰かを思わせる気がするが、それはそれとして。

 

獣人(パットフット)巫術師(ドルイド)、ですか」

「おぉ! お仲間だ!」

 受付嬢がほぅと息を吐き、床を磨いていた獣人女給が嬉しげな声を上げる。

「基本は術。でも、状況に応じて前にも出られる能力値(ステータス)よ」

 臨機応変にね、と、女魔術師が言えば、監察官が、お手並み拝見だよ、と笑う。

 

 

 卓上演習も、一つの訓練。

 術と武器の使い分けを、瞬時に、正確に行えるかは、常日頃からの積み重ね。

 

 遊びであっても、挑む以上は全力だ。

 

 

 

 

 

 

「あー、負けた、負けた」

「よりにもよってあそこで大失敗(ファンブル)だなんて……」

「惜しかったですね」

 あっけらかんと星を見上げる牛飼娘、悔しげに呻く女魔術師、対照的な二人の様子に、女神官は苦笑い。

 

 

 竜に敗れ、少女達は帰路につく。

 

 

「……やっぱり、火の秘薬で山ごと崩すべきだったかしら……」

「ゴブリンスレイヤーさんみたいなこと言わないでください」

「え? 彼、そんなことしてるの!?」

「大丈夫。洞窟や遺跡を崩すくらいしかしていないわ」

「崩してはいるんだ……」

「ええっと……その……たまに……はい……」

 

 

 近付く秋を感じさせる、涼しくなりつつある風と、沈みかけた夕日の最後の光を浴びて。

 

 

 屈託なく、笑い合って。

 

 

 

「また、遊ぼうか」

 

 

 

 明日からは、またそれぞれの日々へ。

 

 

 また遊ぶ日を、楽しみに。

 

 





もー何も考えねーで、五年後くらいのゴブスレさんと女神官ちゃんがひたすら無自覚にイチャイチャしてる話が書きたい


……分かってますよ俺が書いたら何故か視点が受付嬢さんと牛飼娘になって塩入れすぎたぜんざいみたいになるよ
そっから傷の舐め合い系の百合に全力疾走して「あれ? 何が書きたかったんだっけ?」ってなるよ

(´・ω・`)<だから誰か書いて
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