女魔術師と解毒剤の水薬   作:ダラ毛虫

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原作2巻(漫画版4巻)突入!

サブタイトルにもルビ振れると初めて知り、今回導入しましたが、また使うかは未定です



クオーレっとさん、誤字報告ありがとうございます




第2部:小説版2巻・漫画版4巻~
次の冒険へ(ネクスト・セッション)


 ゴブリンスレイヤー、女神官、妖精弓手、鉱人道士、蜥蜴僧侶、そして女魔術師。

 彼らが一党(パーティー)を組み始めて、もう星々の巡りは半分ほど過ぎ去っている。

 

「うん。こっちから行けるわ。登ってきて」

 先行する妖精弓手に従い一党が登攀(とうはん)するのは、彼らの背丈ほどもある大樹の根が幾重にも重なり、崖のようになった地形。

「……もうちょっと体、鍛えた方がいいでしょうか……」

 ゴブリンスレイヤーに手を引かれ、支えられながら大樹を乗り越えた女神官は、自分と同じく後衛の黒曜等級でありながら、身軽に登攀を終えた女魔術師に問いかける。

「魔術師や神官でも、動けないよりは動けた方が良いでしょうね」

「ですよね……。普段は、どんなことをしているんですか?」

「そうね……」

 ふむ、と女魔術師は、しばし考えて、答える。

「街の近くの林やゴブリンが居ない山の中とかを、防具を装備して荷物も持ったまま走ったり、走りながら投石紐(スリング)や投げナイフを的に当てたり、冒険者ギルドで手が空いている冒険者に接近戦の稽古をつけてもらったり、かしら」

「…………魔術師ですよね?」

「魔術の勉強ももちろんしているわよ」

 野伏か何かのような訓練内容に、女神官が苦笑しつつ確認すると、少しだけむっとした表情で女魔術師が言う。

「鍛えすぎて、鉱人(ドワーフ)みたいなずんぐりむっくりになったら、大変よ?」

 そんな少女たちを、妖精弓手が耳を揺らし、にんまりと目を細めてからかうと、鉱人道士が胴間声で怒鳴り返す。

 そのまま、いつも通りのじゃれあうような喧嘩をする、妖精弓手と鉱人道士。

 仲が良いなぁ、と、女神官は微笑ましく、女魔術師は呆れ混じりに、賑やかな2人を見守った。

 

 

 やがて一党は、神代の頃の都市の跡、妖精弓手曰く、「神秘! 秘密! 謎! 伝説!」な古代遺跡を進むが、彼は相変わらずゴブリンゴブリン。

 立身出世、金等級への昇級が話題に上がっても、その間もゴブリンは村を襲うからな、と前も聞いた台詞。

 抜群の安定感に、妖精弓手、女神官、女魔術師の一党の女性陣は、頭痛を堪えるように首を振ったり、仕方のない人だと微笑んだり、溜め息を吐いたりして、それから、くすくすと声をあげて笑いあった。

 

 

 ほどなく、かつての大通りと思わしき道を抜けた彼らは、目的地である、ゴブリンが居るかもしれない神殿に辿り着いた。

 見張りは居ないが、妖精弓手が嗅ぎとった臭いから、ゴブリンが(ねぐら)にしているとゴブリンスレイヤーが判断。

 雑嚢鞄から、松脂と硫黄を球状に拵えた煙玉を取り出すと、器用に片手で火打ち石を叩き火を点け、穴蔵の中へと放り込む。

「……お前さん、えげつねェことしよるな」

「そうか?」

 呆れと恐れとが入り混じった顔の鉱人道士に、いかにも無自覚な返事をするゴブリンスレイヤー。

 

 重く沈んだ毒気に(いぶ)り出され、けたたましい喚き声と共に、煙の壁を突き破って飛び出してくる小柄な影。

「連中、装備が上等だ。気をつけろ」

「……こんなの、私が知ってる冒険じゃない」

 それを、鉈で薪を割るように殺したゴブリンスレイヤーと、顔をしかめながらも矢を放ち、一射で3匹を貫く妖精弓手。

「この分なら呪文は必要なさそうじゃのぉ」

「突入した後が私たちの仕事、かしらね」

 術師2人も、投石紐で石礫を放つ。

「今回のはもう冒険じゃないからね! 報酬の数には入れないから!」

「わかった」

 

 こうなると、すっかりもう。

 

「ゴブリン共は皆殺しだ」

 

 毎度毎度の、ゴブリン退治だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「報酬は1人金貨1袋。来るのか、来ないのか、好きにしろ」

 まだ昼日中のギルド内酒場で、ゴブリンスレイヤーは一党に『相談』をする。

「前にも言いましたけどっ、それは2択を迫っているだけで、相談とは言いませんっ」

「そうなのか」

 女神官の指摘に、不思議そうに首を傾げるゴブリンスレイヤー。

 

 まったくまったく、と、色々文句を言いつつも、一党は全員、当然、女魔術師も、ついて行くことが決まった。

 

 

 

 目指すは水の街。

 辺境の街から広野を東に2日ばかり行ったところにある、中央の西端、近隣で最大の都市。

 

 その地下に広がる、迷宮のような地下水道が、次の冒険の舞台だ。

 

 




半年経った女魔術師:黒曜等級

呪文使用回数:3、4回
修得魔術:《力矢》《火球》《火矢》《矢避》《稲妻》《眠雲》《雷矢》《光明》《粘糸》《抗魔》《水を出す呪文》等
技能:投石紐、初歩杖術、ナイフ投げ、etc.
武器:頑丈な杖(ゴブリンロード戦の懸賞金で購入)
防具:初級魔術師装備(半年前より更に改造)
道具:鞄(解毒剤、治癒、強壮の水薬、松明、ロープ、油、火の秘薬、ペトロレウム、etc.)、
   大型ナイフ、投石紐(複数)、投げナイフ(複数)、解毒剤(毛皮で覆い破損防止)、
   背負い袋(毛布等野営道具類、角灯、その他予備)




さて、術師は手札の数とばかりに、『原作で出た只人の魔術師が使えそうな魔術』を修得させまくった結果、残りは魔女さんの氷の呪文(詳細不明)のみ……
がんばるぞー! うおー!
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