(二期10話9分50秒くらいからのアレ)
モモンガさんの身長はアニメ準拠(2メートル)でやってます。
「ウルベルトさんって、悪の大魔法使い名乗ってる割には小さいですよね?」
突然、ペロロンチーノにそう言われて。ウルベルトはピクッと反応する。
「……ペロロンさん、俺に喧嘩売ってます?小さいとか言わないで欲しいんですけど」
「いやー、でもたっちさんとやり合ってるトコとか見ると余計小さく見えるというか……」
犬猿の仲の相手まで出されてそう言われて。ウルベルトは静かに魔法を放つ準備を始める。ペロロンチーノの羽毛が良く燃えるよう、魔法最強化をした炎系魔法を。
「その発言で喧嘩売ってないとかあり得ないでしょう?俺、これでも177はあるんですけど?」
「ま、まぁまぁウルベルトさんっ!ナザリック内で魔法ブッパは勘弁して下さいよ!?ロイヤルスィートの修理代、もの凄く高いんですからっ!!」
慌ててウルベルトを止めようとするギルマスのモモンガを、ウルベルトはギロッと睨み付ける。
「モモンガさんだって悪いんですよ?モモンガさんが二メートルなんて馬鹿デカイ図体してるから、俺が小さく見えるって言われるんですよ?」
とばっちりである。いきなり自分に飛び火したソレに、モモンガは慌てる。
「ちょ!?何で俺まで巻き添えに!?てか、俺の大きさは魔王っぽさを追求したからで……って、俺より元凶のペロロンさんを責めてくれません!?」
その言葉に、さりげなく逃げようとしていたペロロンチーノがギクッとしたように立ち止まる。その様子に、ウルベルトは無言で魔法最強化&魔法三重化した拘束を掛けてペロロンチーノを拘束する。どうやら、ペロロンチーノは拘束無効の装備は身に着けていないようで、あっさりとウルベルトに拘束されていた。
「ゲッ!ちょ、酷くないです、ウルベルトさん!何で俺拘束されなきゃいけないんです!?」
「……御自身の胸に訊いてみたら良いのでは?185センチのペロロンチーノさん」
ニッコリ、と、大悪魔らしい優雅な笑みを浮かべると、ウルベルトは拘束されたペロロンチーノの方へとゆっくりと歩み寄る。
「怖!?ウルベルトさん、目がマジで怖いですっ!!止めてっ、俺謝りますから、マジ拘束解いて!?」
「嫌ですよ。貴方がその軽い口を噤むなり何なりしたら、俺の気も変わるかもしれませんけど……。ペロロンさん。黒棺で三時間反省と、大災厄食らった後治癒魔法三時間後に掛けられるまで放置、どっちがお好きですかねぇ?お好きな方を選ばせてあげますよ。俺は優しいですからね」
笑顔のままそう言い放つウルベルトに、当事者のペロロンチーノも宥め役のモモンガも凍り付いた。優しいって言葉の意味を考えつつ。
「ペロロンさんっ!!マジ謝って!!俺じゃ今のウルベルトさん止められそうに無いですっ!!」
悲鳴のようにそう言い放つモモンガに、ペロロンチーノは我に返ると拘束されたまま器用に土下座をする。それはもう、綺麗な土下座……というよりは、五体投地であった。
「ウルベルトさんっ、マジすみませんでしたあああああっ!!黒棺も大災厄も勘弁して下さいっ!!」
「……本当に反省してます?ペロロンさん、茶釜さんに怒られても結構直ぐに同じミス繰り返してますよね?」
疑うようにそう言ってペロロンチーノを睨め付けるウルベルトに、必死でペロロンチーノは言い募る。
「し、してますっ!!もう二度とウルベルトさんの前で身長の話題はしませんっ!!そ、そのっ、お詫びと言っては何ですけどっ、俺が持ってるレア素材も差し上げますので何卒今回だけはっ……!!」
「そうですね……素材次第では考えなくもないですよ?で、素材は何を?」
笑顔のまま腕を組んで、五体投地中のペロロンチーノを見下ろすウルベルト。その耳は楽しげにピコピコと揺れていた。
「は、はいっ!えっと、神器級の装備を創るのに必要なアースガルズの天空竜の心臓をっ!!」
「……ペロロンさん、貴方の身の安全ってそんなにお安かったんです?」
小首を傾げて、金色の瞳を微笑みの形にしてペロロンチーノを見下ろすウルベルトに、思わずモモンガも叫んでいた。
「ウルベルトさんっ!俺もデータクリスタル寄付しますのでっ!!ウルベルトさんが欲しがってたってデミウルゴスに聞いたアレ!!」
「おや。モモンガさんもペロロンさんを庇うんです?あんまり甘やかすのは本人の為になりませんよ?」
モモンガの言葉に、ウルベルトは愉しそうにそう言う。優雅に腕を組み替えながら。
「ウルベルトさん、俺追加でムスペルヘイムの火炎竜の心臓と瞳も出しますっ!!」
「うーん……
薄く笑んだままそう答えるウルベルトに、ペロロンチーノは必死に頷く。
「じゃ、じゃあ、スヴァルトアールヴヘイムの暗黒竜の心臓と瞳では!?オマケに鱗も付けますからっ!!」
「……商談成立ですね。じゃあ、今回だけ特別に許してあげますけど……二度はありませんよ?同士討ち解禁されてますしね、ペロロンさんも喋るときは十分に気をつけた方が良いですよ」
それはそれは愉しげに微笑んで。ウルベルトはペロロンチーノの右手の拘束だけを解く。
「素材をちゃんと頂いたら、解放してあげますよ。さ、出して下さい?モモンガさんも下さいね」
笑顔のままアイテムボックスを開いているウルベルトに、慌ててモモンガはデータクリスタルを渡す。ペロロンチーノも、必死にアイテムボックスを漁ってアイテムを探すとそのままウルベルトに渡した。データクリスタルとアイテムを確認してウルベルトは満足げに頷くと、ペロロンチーノの拘束を解く。
「……あぁ、最後に一言言っておきますけど。俺、角も含めると187センチありますので。全然小さくないですからね?」
と、そう言ってウルベルトはその場から立ち去った。
「……ペロロンさん、助かって良かったですね。てか、今後は不用意な発言しないで下さいよ……。幾ら俺が取りなすって言っても、限度がありますし。ウルベルトさん悪魔なんですから、多分俺が想像してるよりもっとヤバイ事される可能性が高いんですよ?ユグドラシルと同じように考えてると本気でヤバイですって」
五体投地状態だったペロロンチーノの手を引いて立たせながらモモンガがそう言うと、ペロロンチーノは小さく震えながら頷く。
「……姉ちゃんより怖いウルベルトさんとか初めて見ました……。そんなに身長気にしてるとは思わなかったですよ、ウルベルトさん……」
「あー……ペロロンさん、あの時のオフ会欠席でしたっけ?実はですね、オフ会の時以来、ウルベルトさんの前では身長の話は禁句なんですよ」
ペロロンチーノのその発言に、モモンガがそう言うとペロロンチーノは涙目でモモンガに詰め寄る。
「ちょ!?モモンガさん、何でそんな重要事項俺に教えてくれなかったんです!?マジで死んだかと思いましたよ!?モモンガさんの絶望のオーラじゃないですけど、何か変なの見えましたもん、さっきのウルベルトさんっ!!」
「あー……はい。とりあえず、他のギルメンにも話回しときます。ペロロンさんみたいな犠牲者は出ない方が良いですし。……るし★ふぁーさんとか地雷原でタップダンスしそうだから本当は伝えたくないんですけどねぇ……」
そう呟くと大きく溜息を吐いたモモンガを、ペロロンチーノは何とも言えず疲れた顔で見つめていた。きっとまた近日中に似たトラブルがあるんだろうなぁ、と思いつつ。
END