BLEACH The Magical Girls Site 作:未来跳躍
ここでは依然投稿していたのですが、諸事情により作品を削除して執筆を辞めていたのですが、どうしても書きたくなったのでまた投稿を始めまたいと思います。
しかし、久しぶりですので誤字脱字、文法間違いがあればご指摘していただければ幸いです。
死神、それはあの世と言われる尸魂界に存在する魂のバランサー。
彼らは現世で成仏出来なかった魂を尸魂界に魂葬したり、魂を求めて生者や死者を構わず襲う悪霊、虚を退治したりする。
そんな尸魂界の技術開発局で物語は始まる。
「う~ん。う~ん」
一人の技術開発局局員が机でずっと資料に目を通しながら渋い顔で唸っていた。
そんな局員の様子に気が付いた技術開発局副局長の阿近が声を掛けた。
「どうした?そんな渋い顔をして」
「あ、阿近さん。実はどうも魂魄の数の計算が合わないんですよ」
「どういう事だ。それ見してみろ」
阿近はそういうと、局員から手渡された資料に目を通す。そこには現世での死んだ人数と、成仏して自然に尸魂界に入って来た魂魄の数、死神が魂葬して送った数など夥しい量の数字が記載されていた。阿近はそれらを軽く目を通すだけで計算していくと、確かに数が合わない。
「確かに合わねえな」
「そうなんですよ」
「それに消失した魂魄に共通点があるのも妙だな」
「えっ!?共通点ですか?」
不意に言った阿近の言葉に局員は目を丸くして尋ねた。
「気付かねえのか。消失した魂魄は全員東京に住む女子だってことにな」
阿近に言われて再度確認すると、確かに消失した魂魄は東京、しかも東京に住む女子中学生から女子高生の者達であった。
「これはくせえな。オイ、至急東京に配属された各隊員達に調査を依頼しろ」
「は、はい。ただ今!」
「俺の思い過ごしなら良いんだけどな…」
残念ながら、彼の心配は間違いでも何でない。
これはここから始まる大きな戦いの序章の開始のベルが鳴ったにすぎない。
そう、一人の少年がある二人の少女に出会うまでの始まりにすぎないのだ。
ENTER.1 Deathberry meet the magical girl
一人の少年がいた。彼の名前は黒崎一護。東京西部、武蔵野市の空座町に住む高校生だ。ただ彼は普通ではない。もちろん彼の奇抜な髪の色もそうだが、彼は高校生兼、死神代行をやっている。幼い頃から幽霊が見える、話せる、触れると言った超霊媒体質であった彼は数ヶ月前に死神である朽木ルキアと出会い、家族を護る為に彼女から死神の力を譲渡してもらったことから死神代行として戦う事になった。自分を護るために罪を犯したルキアを救う為に、仲間と共に尸魂界に乗り出し、数々の強敵を打ち破り彼女の救出に成功した。
そんな彼も普段は普通の高校生なのである。
「なぁなぁ聞いているのか、一護」
一護の机の上に乗り出すほど顔を近づけて尋ねてくるのは、一護の同級生で友人の浅野啓吾。
泣き虫のさびしがり屋なのだが、クラスのムードメーカーでもあり、気軽に話せる男だ。
彼が急に目の前に現れるものだから一護は一瞬驚いて拳が出そうになったが、すぐに落ち着いて気だるそうに答える。
「あぁ?悪い、聞いてなかった」
「率直っ!だから、隣町に新しいボウリング場が出来たからそこに遊びに行こうって話だよ。お前、最近遊びに誘っているのに全部断ってんじゃねえか!」
「浅野君がしつこいからじゃないですか?」
「えっ?水色、俺ってそんなにしつこいか?というか敬語で話すのやめてぇぇぇぇ!!」
アハハと笑みを浮かべて浅野をからかうのは同じく友人の小島水色。頭のキレが良く悪知恵ならだれにも負けない。彼のおかげで高校の入学式から何度も助けられた。
「まあ、確かに最近一護は忙しそうだよね」
水色の言う通りだが、一護は高校生と死神代行の二足のわらじを履いているのだ。勉強と虚退治で一日の大半は失われているので、そんなに遊ぶ余裕などない。
だが、かといってこれ以上断るのもさすがに悪いとも思うので――。
「しゃあねえな。付いて行くぜ。井上達も来るか?」
一護は同じく友達である井上織姫と彼女の親友であり一護の幼馴染の有沢竜貴、中学のころからの親友である茶渡泰虎に問いかける。
「うん!私も行くよ。竜貴ちゃんは?」
「あたしも今日は稽古ないから大丈夫だよ」
「そうか、チャドは?」
「俺も問題ない」
「分かった。石「すまないが、僕は用事があるから失礼する」――まだ、言ってねえだろうが…」
一護は最後に石田雨竜に声を掛けたが言う前にあっさりと断られてしまった。
なので、6人で放課後に遊びに行く事になった。
すっかり空が茜色になった夕方。
ボウリング場でボウリングしたりゲームで楽しんで久々に羽を伸ばした一護は誘った浅野達と帰る為に駅へと歩いていた。
そこでの事を談笑しながら、角を曲がると突然現れた少女が一護とぶつかった。
「いてて。悪い、大丈夫か?」
「――っ!」
立ち上がった一護はこけた少女に手を指し伸ばすが、彼女は一護の手を取らずすぐに立ち上がり猛ダッシュで走り去っていった。
「あっ!オイ!」
一護は呼び止めようと手を伸ばすが、少女の背中はすぐに見えなくなっていた。
「なんでえ、あの子。ぶつかっておいて挨拶もしないなんて」
「一護の顔が怖かったからじゃない?」
「あぁ、そうか!一護ったらダメだぞ♡女の子を怖がらせたら――って、痛い痛い!頭を締めないで!!」
浅野にヘッドロックを掛けながら、一護は去っていた少女の顔が気になった。あれは自分に驚いた顔じゃない。もっと別のものから逃げていた恐怖の顔なのではないかと思ってしまうような顔だった。
再び歩き始め、ようやく駅が見え始めた頃にある異変に気付く。駅に大勢の人だかりが出来ているのだ。
「オイ、なんだなんだ?」
「なぁ、おっさん。何があったんだ?」
浅野が近くにいた初老の男に尋ねると、男は青ざめた顔で返した。
「人身事故だよ。中学生くらいの男女の二人が電車で轢かれたんだよ」
「マジかよ。じゃあ、今電車は?」
「運転を見合わせているよ。何時復旧するかは分からないね」
ガーンっとショックを受ける浅野だが、他の皆は事故が起きてしまったのは仕方がない事なので待つかバスで帰るかと話していた。ただ、一護だけは先程ぶつかった少女の事がどうしても頭から離れなかった。
家に帰ってきて一護は絶句した。
「うん、ようやく帰って来たか。遅いぞ一護」
自分の部屋の真ん中で堂々とプリンを喰っている知り合いがいた。
「ルキア!お前なんで此処にいるんだよ!?」
朽木ルキア、一護が最初に出会った死神で彼の運命を大きく変えた張本人。
死神なので本来なら尸魂界に戻っているはずなのだが、今は青と白のワンピースを着た義骸に入り、一護の部屋を我が物顔で椅子に座ってプリンを味わっていた。
「安心しろ。貴様の家族にはすでに話を付けてある。これは小腹が空いたので冷蔵庫から失敬した」
「ハアッ!?何勝手に人のプリン食ってんだ!返せ」
手を伸ばしプリンを返そうとしてもらうが、ルキアは溜息をついた後再びプリンを乗せたスプーンを口に運び、一護に言い返す。
「男がプリン一つで怒るな。みみっちいぞ」
「人のもん勝手に食っておいてなんつう態度だ!」
結局プリンは全部食われてしまい、一護とルキアの口喧嘩が勃発する。五分間言い合いが続いたがキリがないのでルキアは強引に話を変える事にした。
「そんなことよりもだ。私が来たのはある調査を命じられたからだ」
「調査?」
まだ言いたい事があったが、ルキアの言葉が気になった一護は黙って彼女の話を聞く事にする。
「あぁ、実は魂魄の消失事件が多発しているのだ」
「魂魄の消失ってどういう事だよ」
「焦るな。順を追って説明する。事の発端は技術開発局が算出する現世と尸魂界の魂魄調査で分かった事なのだが、現世で魂魄が尸魂界に流れず消失しているということが判明したのだ」
「消失って虚に襲われたってことなのか?」
一護の問いにルキアは首を横に振る。
「ここ空座町は重霊地で霊脈の関係上、虚は多数出現するが、本来ならば虚の出現は少ないものなのだ。仮に出現したとしても、現世に派遣されている死神達が退治するし、虚の出現は尸魂界でしっかりと監視されている。
だが、ここのところ消失した地域内でそんな報告はなかった。つまり、今回は虚のものではないという事なのだ」
「そうか、それじゃあ一体誰が?」
「それを調べる為に私が来たのだ」
ルキアの声がより重いものへと変わる。
「一護、心しておけ。此度の事件はまた大きなものになるかもしれんからな。特に貴様は安易に首を出すのではないぞ」
「子供じゃねえんだから一々言われなくても分かってるよ」
「あっ!ネエさーーん!!――おぶっ」
話が終わった途端、遊子の部屋から脱出したコンがルキアに抱きつこうと飛びかかるが、みごとな踵落としで踏みつぶされた。
深夜、事故の起こった踏切。
「ここか」
事故が起こったためか、そこは何時にも増して静かだった。
だが、そこに足音が響く。ぺたぺたと草鞋の様な足音が――。
現れたのは黒いローブに全身を覆っているので男か女なのかも分からない者だった。
ローブの者の視線の先には――、
『おい、なんなんだ。これは』
『ちょっとあんた!あたし達はどうなっているのよ』
事故で死んだ二人組がまだそこにいた。死んで因果の鎖がここに絡まっていたからだ。
所謂地縛霊と呼ばれるものである。
「良かった。まだここにいてくれたか。他の死神に魂葬されていたらどうしようかと思っていた所だ」
『オイ、人の話無視してんじゃねえぞ!さっさと俺達を助けろや!』
「死んでここまで元気があるとはすばらしい。君達ならちょうど良さそうだ」
ローブの者が笑みを浮かべ腰から取り出したのは、一本の日本刀だった。
『何だその刀、本物か?』
『ちょっと、アンタ何する気よ?』
ローブの物は手にした刀を躊躇なく二人に胸、因果の鎖がつながっている部分に差し込んだ。
すると、二人は苦しそうに悶え始めた。
『グウゥゥ…助…けて』
『て、テメエ…何を…?』
ゆっくりと鎖は消え、代わりに胸に穴が広がっていく二人を見てローブの者は答える。
「君達には怪物になってもらう。あの子の力を見る為のね」
そして、やがて穴が完全の丸へと開いた瞬間、二人は獣の様な叫びを挙げて霧散していった。
それを見届けると、ローブの者は姿を闇の中へと溶け込んで消えた。
翌日の放課後
「いっっちご~~!!今日、俺ん家でゲームやらねえ?」
「悪い。今日は用事があって無理」
一護は浅野の誘いを軽く受け流して、急いで教室を出た。
「なんだよ、一護の奴。あんなに慌てて…。なぁ、皆はどうだ?俺ん家来ねえか」
「ごめんね。今日は部活があって」
「あたしも空手の稽古」
「俺も今日はバンドで」
浅野の笑顔の呼びかけに、井上、有沢、茶渡の三人はそれぞれの用事に向かっていった。
笑顔のまま硬直した浅野はゆっくりと水色へと顔を向けるが、
「ごめん。今日はホームパーティーに行かなきゃならないから」
水色は爽やかな笑顔で答えると早々に教室を出ていった。ただ一人残された浅野は寂しく家路に着くのであった。
教室を出た一護は急いで自宅に戻ると、代行証を使って死神化する。
「それじゃ俺は行ってくるけど、ちゃんと留守番してろよ」
「ほーい」
少し心配があるが、一護はコンに自分の体を預けると、窓から外へ駆け抜けていった。
一護が向かったのは、昨日の踏切だった。とりあえず、事故で死んだ二人を魂葬するためだ。
昨日は浅野達がいた上に人が多かったので魂葬をしなかったが、昨日のルキアの話を聞いたせいかどうしても気になったので戻って来た。
「いねえな。もう成仏しちまったか…。ま、それならそれでいいか」
一応辺りを見渡しても此処ら辺には整も虚の気配も感じない。思い過ごしだったかと少し安堵する。
しかし――。
「――ッ!!この気配、虚か。少し離れているな。急ぐか」
すぐに虚の気配の方向へと瞬歩で駆け抜ける。運命の邂逅まであと少し――。