どこにでもいる40過ぎのおっさんの一週間の楽しみはキン肉マンの連載の確認だった。
「今週のキン肉マンはどうなってるかなぁ。運命の王子達が出て来てさらに熱いから毎週月曜日が待ち遠しいぜ。」
スマホで更新された最新話を読んでいると、クラクションの音とライトに気づいた瞬間俺の意識は絶たれた。
目がさめると体が縮んでいた!
なんてコ◯ンにでもなった気分だったが別に黒づくめの組織に怪しい薬を飲まされた訳でもなんでもないらしい。おそらく歩きスマホなんぞしていたためにあのとき車に轢かれて死んでしまったのだろう。キン肉マンの続きを読めなくなってしまったのは残念だが人生をやり直せるのだから儲けもの、強くてニューゲーム!余裕で学校の勉強を乗り越えて良い会社に入って勝ち組だ!…
と思っていた時代が俺にもありました。
なんだよ個性って!ヴィランって!え?マジもんのヒーローがいるの!?いやー全然違う世界じゃんか…幸せエリート計画が…ショックだわ…幸いなことは俺がきちんと個性を持っていることだったな。
俺の個性は「強力巨人」そう、あのキン肉マンビッグボディの肉体を持つ個性だった。フェニックスにぼろ負けした印象から最弱候補だなんだと揶揄される彼だが、俺はその逞しさと五王子唯一無二と言われる強力、ストロングマン時代の優しさに憧れ新シリーズでの活躍を楽しみにしているほどのファンだった。
そんな自分が彼とおなじ力を手に入れることができたのだ!この力を使って誰かの役に立つ人間になろうと決意した。
なんやかんやで中学生になるころにはビッグボディと同じ体格まで成長しており、俺は休みの日は近所の畑の手入れの手伝いをしながらヒーローになるべく勉強をしていた。そんなある日のこと
「おぅい、強坊!畑を広げようと思うんだが、そこのじゃまな切り株をどかしてくれんかぁ!」
「任せてくんれ!朝飯前だ」
近所の爺ちゃんの頼みに、人の胴回りほどの切り株を一気に引っこ抜く。
「いやぁ、いつも助かるわい。ほれ、このトマトを御礼と言っちゃなんだが持っていきんさい」
「別に御礼が欲しくてやってるわけじゃないだよ、でもありがたくもらっとくだ」
6個くらい入っているだろうか、手伝うとよく畑でとれる野菜を分けてくれる。食べ盛りな自分を抱える家としては有り難いことで親も喜んでくれている。トマトの入った袋を片手に家に向かっていると側溝に車が嵌って立ち往生していた。
「大丈夫ですか?この車あげちゃいますね」
「あ、手伝ってくれるんですか?すいません…よろしくお願いします」
車の持ち主の男性に声をかけてからミニバンを持ち上げてゆっくりと車道におろす。すると男性は興奮した様子で話しかけてきた。
「おぉー!すごいですね。増強系の個性なんですかね?すごく体格もいいですし…あっ失礼しました。私は月刊ヒーローの見聞 記録と申します。取材の帰りにやらかしてしまいましてね、もし私が知らないだけなら失礼なんですがヒーローの方ではないですよね?素晴らしいパワーなのでもしかしたらとは思いまして」
どうやら俺の体格をみて大人と勘違いしているらしい。
「いや、自分はまだ中学生なので…」
そう答えると見聞さんは驚いた様子でこちらに尋ねてきた。
「なんと!まだ中学生でしたかこれは失礼。じゃあヒーローを目指してたりするのかな?」
「まあ、そうですね。できたら雄英のヒーロー科に行けたらと思ってるんですよ」
「そうですか!いやぁ将来有望なヒーローの卵に会えて嬉しいね。よかったら名前を聞いてもいいかな?」
「強力 強 といいます。見聞さんに取材して貰えるように頑張りますね」
「強力君か、覚えたよ。今日はありがとう、助かったよつぎは取材で会おう!」
そういうと車に乗って走り去って行った。
そして月日は流れ俺は雄英の受験の日を迎えることになる。
主人公 強力 強 ごうりき つよし
個性 強力巨人 (異形系)
身長 245cm
体重 215kg
予定は未定。様々なことはこれから決めるのじゃ