板垣さんの真剣ロード   作:蒼ノ胤

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2話目です。


第2話

 「私が呼ぶまでココで待っていて下さい、いや~このクラスに新しい仲間が増えるなんてみんも幸せだな~。」

 

そう担任に言われ俺は教室の外で待ってる。

 

というか…あのジジィ意味わかんない事言ってたな…俺が来て幸せなんてことないだろうな…。

 

そういや、恋のヤツ結局起きれずに今日はサボるって言ってたな…初日からサボるとは…。

 

俺なんて、鶫が言ってた最後の『三大天』と会って見たくて真面目に来たというのに…。

 

鶫は俺と恋の荷物の引き取りの為に俺の自宅で待ってるし…あれ?三大天の本拠地に一人とか大丈夫かよ、俺…。

 

「入ってください。」

 

ん?呼ばれたか…。

 

 

 

ガラガラ…

 

黒板に名前を書き、教壇からクラスメイトの方に向く。

 

「今日からこのクラスで世話になる板垣 十全です。」

 

ギロッ!!

 

「「「「ヒッッ!!!」」」」

 

クラス中が縮み上がる。

 

ヤバッ!!いつもの癖で…。

 

バァン!!

 

机を叩く音が響く。

 

「何処のどいつか知んないけどなぁ!!今日来たばかりの新参者がアタシの島で勝手やってんじゃぁねぇ!!」

 

ギロッ!!

 

金髪の女が立ち上がりながら、睨んでくる。

 

…こいつが最後の三大天…『喧嘩狼』…辻堂 愛…大した殺気だ。

 

「これは、失礼した。転校初日で緊張してしまっていたようです。」

 

「あぁ~、転校初日じゃぁ緊張しても仕方ないな。辻堂も落ち着きなさい。」

 

教師のジジィが仲裁に入る。

 

「……チッ!!」

 

舌打ちをしながら、辻堂が椅子に腰を下ろす。

 

「………。」

 

「じゃあ、席は長谷の後ろが空いてるからそこに座りなさい。長谷?」

 

「ッ!はい!」

 

長谷と呼ばれた男子が少し驚いたように返事する。

 

「転校したばかりでわからない事も多いだろうから、教えてあげてくれませんか?」

 

「はい。分かりました。」

 

「ありがとう。では、板垣も席につきなさい。」

 

「はい。」

 

空いてる席に向かう。

 

「あぁ~、長谷君だっけ?これからヨロシク。」

 

「うん、こっちこそよろしく。板垣君。」

 

「自己紹介は後にしなさい。ではホームルームを締めるので授業の準備に入って下さい。」

 

そう言うと、教師のジジィは教室を出て行く。

 

「1限目は数学だったか?ヒロ。」

 

くせっ毛気味のイケメンの男子が近くに来る。

 

「うん、そうだよヴァン。あっ、そうだ。板垣君?」

 

「ん?」

 

「こちら、幼なじみの坂東太郎。」

 

「どうも。板垣です。」

 

「よろしく。」

 

「それで、板垣く…」

 

「ちょっと、待って。」

 

俺は言葉を遮る。

 

「板垣君だと堅苦しいし、下の名前でいい。」

 

「えっと、じゃあ十全君?」

 

「…ダメだな。」

 

「えッ!?」

 

「全でいい。知り合いは大体そう呼ぶし、友達とはフランクに行きたい。」

 

「そっか。俺の事もヒロでいいよ。長谷大だからヒロで。」

 

「うん、ヒロ。じゃあ、君もヴァンでいいかな。」

 

「構わない。よろしく全。」

 

「あぁ。改めてよろしく、ヒロにヴァン。」

 

自己紹介をしていると教師が到着に授業が始まる。

 

  :

  :

  :

 

…眠い…。

 

授業を聞いてると自然と眠くなる。

 

成績がいいわけではないが、数学は人並み以上に出来る。ちなみに、英語は人並み以上に出来ない。あとは大体平均の前後辺りの成績である。実は漢検1級を持ってたりする、やっぱヤンキーなら漢字だろと思ったからである…バカか、俺は。

 

チームを率いるのにバカじゃダメだと、特に計算は重要と鶫は言い結構教えられた。鶫は今大学に通っている。日本トップの大学の医学部に主席で入学し、今も学力トップにいるらしい…バカじゃないの、アイツ。

 

眠いのは授業のせいもあるが昨晩のせいもあるが…。

 

 

 

 

  ~昨晩・未明~

 

遠目に片瀬恋奈が見える。

 

「あーあ、せっかく100人目が入りそうだったのに」

 

「まーまー、こんな夜もあるシ」

 

一緒に青い髪の小柄な女の子が見える。

 

「ひーっ、ひーっ…。バケモンだ。」

 

「おっ、一人逃げきれたんかい」

 

さっきの子とは反対にかなりの大柄な…女の子?もいる。

 

やり取りは続いてる。

 

「あれだよな、片瀬恋奈ってのは…なぁ、鶫?」

 

「えぇ、そうですね、おそらくは。既にバラけて数人しかいないようですが、あれが江乃死魔のようです。」

 

「そうか…。ん?恋遅れるなよー。」

 

「うぅ~、砂浜歩きにくい…。」

 

「到着ですね。」

 

「だな。」

 

「サンダルが砂だらけぇ…。」

 

「今の湘南に挑むなら100は相手にできないと」

 

恋奈の啖呵を切る。

 

「へぇ~、そんなもんでいいなら湘南制覇もラクショウだな。」

 

俺の言葉に驚いたように恋奈達がこちらを向く。

 

「初めまして、片瀬恋奈サンでしたよね?」

 

「そうだけど…アンタは?」

 

恋奈が怪訝そうな顔で俺の方を見る。

 

「あれッ!?俺のコト知らない?結構有名なつもりだったけど…」

 

「それはそうでしょう。ここはあなたのホームグラウンドではないのですから。」

 

「全チャン自意識かじょうぅ~!!」

 

恋が指差して俺を笑ってる。

 

「アンタ達…私のこと馬鹿にしてんの?」

 

俺たちの態度が尺に触ったのか苛立ち始める。

 

「そのつもりはなかったんだけどね…もう、いいや自己紹介。」

 

ギロッ!!×3

 

「「「「…ッ!?」」」」

 

「川神市親不孝通り制覇…百鬼夜行。」

 

3人が黒い特攻服に身を包む。その背中には百鬼夜行の白い文字が…ただし、鬼の字だけが真っ赤に塗られたいる。

 

「アタシが百鬼夜行の一番槍『深紅の拳』霧生 恋!!」

 

恋が拳を突き出し名乗る。

 

「百鬼夜行・副総長『黒蛇』鶫 彼方」

 

鶫がそれに続く。

 

「で、俺が百鬼夜行・総長『白鬼』板垣 十全…以後御見知りおきを。」

 

「百鬼夜行…」

 

誰かがその名を口にする。

 

「へぇ~、アンタ達がそうなんだ。」

 

恋奈が値踏みするように見てくる。

 

「百鬼夜行…ってなんだい?」

 

長身の女の子?が聞く。

 

「チーム『百鬼夜行』…武の町川神の不良共を平定したチームよ。武術に触れる機会が多いせいか不良の力のレベルも高い川神市の不良共を真正面から潰し回ったらしい。で、そこの総長が板垣十全。話では辻堂腰越レベルの力の持ち主だそうよ。」

 

恋奈が解説してあげる。

 

「ほら、知ってただろ(`・ω・´)。」

 

「そうですね。」

 

「よかったね~。」

 

「…。(´・ω・`)」

 

興味無さげに答える、鶫と恋。

 

…マジで、しょげてきた。

 

「っていうか、アタシら知らないとかアンタバカァ?」

 

どこかのセカンドチルドレン辺りが言いそうなセリフで恋が挑発する。

 

「なんだとッ!!」

 

「やめなさい!!宝冠!!」

 

宝冠と呼ばれた女の子(やっぱ女の子であってた…)を恋奈が止める。

 

「宝冠って本名?DQNな上に似合ってねェ~。」

 

恋がケラケラ笑い出す。

 

「失礼ですよ、恋さん。」

 

鶫が止めるも、その鶫でさえ半笑いである。

 

「テメェら!!」

 

宝冠が体勢を沈めながら恋めがけて突進してくる。巨体に見合っただけの力もあるようでかなりのスピードである。

 

「へぇ~…。」

 

恋が笑うのを辞めゆっくりと体を宝冠の方へと向ける。

 

宝冠がスピードのついた状態から拳をしたから突き上げる。俗にアッパーと言うものを恋の顔面狙って放つ。

 

「「「「…ッ!!」」」」

 

恋がその拳を掌で止めて見せる。

 

「うぅ~~~、結構イタい。手が痺れるぅ~。」

 

恋は涙目で手をさする。

 

江乃死魔の面々からは驚愕の表情が浮かぶ。

 

「嘘でしょ!?辻堂ですら真っ向から受けない宝冠の攻撃を真っ向から…しかも、あっさりと…。」

 

流石の恋奈も驚く。それもそのはずで二人の体格差は身長だけで20cm近くあり見た目だけなら、その差は歴然のはず…なのに

 

「砂浜ではあまり踏ん張りがきかないでしょう、当然力は落ちます。ホンキでの彼女なら恋さんでも今みたいにはいかないでしょう。」

 

「まぁね。えっと、ゴメンね。馬鹿にして。アンタ結構強いよ…ホンキでやりたい。」

 

目を輝かせながら恋が謝り、手を差し出す。

 

「…おうよ。」

 

未だ信じられない様子の宝冠だがその手を握り返す。

 

「すまなかったな、恋奈。ウチの部下が挑発して。」

 

俺は恋奈に向かって謝る。

 

「いや、私の部下の方が先に手を出したから…。で、アンタたちの目的は何?やっぱり、湘南制覇?」

 

「ん~、それもしたいんだけど、今は違うかな。俺が湘南に来たのは父親替わりの頼まれごとと転校…それと『三大天』に興味があったから。恋と鶫は俺についてきた感じだな。」

 

俺は恋奈の問いに答える。

 

「…そう。なら今どうこうって話じゃないわけね。」

 

「まぁな。さっき目に入ったから挨拶でもと思ってな。」

 

「ならいいわ、ようこそ私の湘南へ。」

 

恋奈から手を差し出してくる。

 

「ありがとう。」

 

その手を握る。

 

…ちっさい手だな…。

 

「じゃあ、俺ら行くわ。早くウチ着きたいし。」

 

…明日、転校初日とか…いや、もう今日か…。

 

「どこらへん?」

 

…恋奈なら知ってるかな。

 

「稲村の一軒家でこれが地図。」

 

「えッ!それうちが貸出してるウチじゃない。」

 

「「えっ!?」」

 

恋奈の家って一体…。

 

俺と恋の声が重なる。

 

「まだ距離あるわよ。今からタクシー出して上げましょうか?」

 

「「タクシーッ!?」」

 

「その手があったじゃん、全チャン!!」

 

「盲点だった…。」

 

…俺らの苦労って…。

 

「二人共使おうとしないので、てっきり私は歩きたいのとばかり思ってました。」

 

「「そんなワケないだろ(ないでしょ)!!」」

 

「…アンタらバカァ?」

 

恋奈が本日二度目になるそのセリフを吐くのだった。

 

 

  :

  :

  :

 

とそんなこんなあって今とんでもなく眠いのである。

 

…ブラックアウト。

 




次は早めに出来るように頑張りたいな…。
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