ポンポンッ。
俺の頭を叩く何かがある。
「…ゥン…ン…。」
視界が開け、頭がクリアになっていく。
「…フフフッ…転校初日にしかも初授業で居眠りなんていい度胸ね…板垣君?」
こめかみに青スジを立てた鬼…もとい女教師が仁王立ちしていた。
「…スイマセン…((((;゚Д゚))))」
…マジで恐いヨ…キレた亜巳ネェに匹敵すよ…。
「…ハァァ。いいわ、転校初日ってことで見逃してあげるわ。」
「…アリガトウゴザイマス…(((゜Д゜;)))。」
「次から授業はしっかり聞くようにねッ。」
「…ハイ…。」
一般にビビる総長ってどうなんだよ…と言うかあの女教師ホントに一般かよ!?
「じゃあ、授業を再開します。」
女教師の名前は長谷 冴子先生と言うらしい。授業の教え方・先生の人柄などなどでとても生徒に人気のある先生というコトらしい…長谷?
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~昼休み~
「なぁ、ヒロ?」
俺はヒロとヴァンを含む数人の生徒と昼食を取りながら、授業中に思った疑問をヒロに聞くことにした。
「なに?全?」
「長谷先生ってヒロの血縁か何かなのか?同じ苗字だったから。」
「あぁ、そういえば言ってなかったね。俺の姉さんなんだよ。」
「そうだったのか。教師に血縁がいるってのもメンドウだな。」
「ははッ、まぁね…。」
そんなたわいも無い話をしている俺とヒロを尻目にヴァンは既に昼食を終えようとしている。
「もふもふ……ごちそうさま。」
「いつもながら早」
「カロリー×イトはいい。はやい、うまい、栄養満点。」
「…いつもソレなのか?」
「基本的にそうだな…コレはイイものだ。」
「…そうか…。」
味気なくて俺には考えられんな…。
ヴァンはそのまま教室を出て行く。
「ヒロシの弁当がうまそうなのはいつものコトだとして…板垣君の弁当も結構うまそうだよな?」
クラスメイト1の英が俺の弁当の中身をマジマジと見ている。
「(モグモグ…ぐまぐま)…そう?」
「たまご焼にハンバーグ…普通と言えば普通だけど、家庭的なメニュータイ。」
クラスメイト2の比良戸も覗き込んでくる。
「板垣って一人暮らしだっけ?」
クラスメイト3の南が聞いてくる。
「じゃあ、もしかして実は彼女の手作り弁当なんてワクワクアイテムじゃ」
「いや?違うな…(ぐまぐま…。」
「そうか…なんだ」
「残念なような、ホットしたような」
「安心タイ」
3人が一様に安堵の表情を浮かべる。
「じゃあ、全部自分で作ったの?」
ヒロが聞いて来る。
「違う。作る気になればできるだろうけど、コレは鶫…あぁ、一緒に住んでるやつが作った。」
「それって、オンナァッ!?」
「うるさい、南。男だ、男。」
「なんだ」
急に南の興味が薄れる。
…こいつの態度…いい加減ウザイ。
「でも、これかなり料理うまいよね。俺家事とかやるから余計自分と比較してわかるなぁ。そのたまご焼なんて焦げ目一つないし、栄養バランスもいいしね。」
「…まぁな。」
…全く腹立つので話を流す。鶫 彼方と云う男は完璧に近いのである。勉強・運動は勿論料理の腕もハンパじゃない。和洋中どれをとっても店を構えるほどである。…今日の朝自宅を出るときさも当然のように「コレ、昼食にどうぞ。」とか言って渡されたのだ。俺だって作れないワケじゃないもんねッ!!なんて言ってみる。
「やっぱ、飲みもん欲しかったな。」
最後のたまご焼を食べて完食である。
「ん?じゃあ、買ってこようか?」
…なんでコイツこんなに人がいいんだ…。
ヒロが席を立とうとする。
「いや自分でも行くだろうし、場所教えてくれ。」
「わかった、じゃあ行こうか。」
「おう。」
俺はヒロと共に席を立つ。
「購買の前にもあるんだけど、今混んでるだろうからそっちは後で案内するよ。部室棟の方にあるから。」
「ん~。」
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「ぁンだよ100円玉ねーじゃん」
「ここ、札は認識しませんからね」
「どーします?愛はんの頼まれごとやのに」
あからさまにガラの悪い連中が自販機の前にいる。
「ん?」
「おーおー、いいところに」
ヒロがヤンキーの子と目があったようでコチラに近づいてくる。
「悪いな。ビンボーなオレらのために募金してくれるなんて」
「え……」
「くれんだろ」
手を出しながらニヤつく3人のヤンキー。
…カツアゲか…ヤンキーの俺がこう思うも何なんだが、品性もないのかコイツら…。
「ヒロ~、渡す必要ねぇぞ。」
俺はヤンキー共の間を抜け自販機の前に来る。
「「「あ゛ッ!?」」」
3人がヒロから俺の方に来る。
「俺らは別にカツアゲとかしようってんじゃなんだ」
「せやせや、こっちは同じ稲村学園としての優しさーゆうんを見せて欲しいだけやのに」
「ま、イヤだっつーなら痛い目みるけどね」
俺の後ろを囲むように3人が立つ。
「……。」
さてと、どれにしようかな…ジュース系にしようか…炭酸系…お茶…。
「ん。たまにはコレもいいかな」
ココアのボタンを押す。
「オイ!!シカトしてんじゃねぇ!!」
ココアを取り出し、手に取る。
「あっ、最後のココアじゃん。なんかラッキーじゃん。」
「「「はぁ!?」」」
3人が声を揃え自販機に目を移す。
『売切』
「「「あっーーー!!」」」
…コイツら練習とかしてんじゃないのか…。
「おいッ!!テメェそれよこせッ!!」
「ヤダ」
「ふざけんなッ!!」
「せや、わいら愛はんからソレを買うてくるよう頼まれてるんや」
「…ドンマイ」
「渡さねぇってんならッ!!」
ヤンキー娘が俺の胸ぐらを掴みに来る。
「早くソイツを渡せッ!!」
「…離せよ…。」
「あ゛ぁ!?」
「俺は離せって言ったんだよ…聞き返してんじゃねぇよ…。」
…もうメンドウだ…
「今すぐ離さねぇなら…」
「クミ、まだ代金渡して……ん?」
「あ…」
蚊帳の外になっていたヒロが声を上げる。ヒロの視線の先にいたのは辻堂愛である。
「…クミ。なにしてんだ?」
ヤンキー娘が慌てて手を離す。
「え…あ、えっと」
「…」
「…テメェアタシの言った用事を人様から巻き上げた金で済まそうってんじゃないよな」
「いやッ!違うんですよ!!愛さん!!」
慌てて辻堂の元に駆け寄る。
…違くはないだろ…カツアゲしようとしたし…。
「…」
「愛さんに頼まれたココアを買おうとしたらコイツの買ったココアが最後のココアでアッチの自販機じゃココア売ってないし、だからッ!!」
…一文章にココアって何回言ったんだよ…コイツ。
「…ハァ。一般には絡むなって何度言ったら分かる」
…ん?
「ココアはもういいから、カッコ悪ィ真似してねーでさっさと謝ってこい」
「はっ、はい!」
…巻き上げはカッコ悪いか…フフッ。
「いや、謝罪はいらねぇよ。それより…ホラよ。」
辻堂にココアを投げて渡す。
「…?」
無言でキャッチする。
「それやるよ。」
「はぁ?なんで?」
「下がこんな奴らなら、お前もたかが知れてるって思ったコトへの謝罪かな。オマエいいよ、カッコつけてる。ヤンキーらしい、そう言う生き方俺は好きだぜ。」
「なッ!?」
辻堂は驚いたようで固まってる。
その表情を見ておかしくなる。
「…行こうぜ、ヒロ。」
「う、うん。」
ヒロは辻堂の方を一瞥すると俺の後を追ってくる。そして、俺らは自販機を後にした。
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「そういえば、飲み物よかったの?全。」
「あッ!!」
キーンコーンカーンコーンッ。
「あ、昼休み終わりのチャイム。」
「ああッ!!」
「ハハッ、…ドンマイ。」
こうして転校初の昼時間が終わった。
こんな感じで3話です。では、また一週間後位に…できればいいな…。