インフィニット・ストラトス~獣耳とかツイてる彼女~ 作:王・オブ・王
IS……通称インフィニット・ストラトス。
10年前、作られたその“機体”は世界を震撼させた。
日本に建設された特殊国立の高等学校。それがIS学園。
ISと呼ばれる“機体”の操縦訓練が主な授業である。
学園の土地はあらゆる国家機関に属さず、いかなる国家や組織であろうと学園の関係者に対して一切の干渉が許されないという国際規約。
こんなありえない学園ができたのも全てISがこの世界にできたからだ。
ISとは女性にしか使えないこともあり、女尊男卑になった世の中。
つまりIS学園の生徒は全て女性だった。そう“だった”のだ。
この世の中で、ただ一人だけISを使える男性がいる。
そんな男子生徒は一人、IS学園に通っているのだが……。
「関係な~し!」
そう言ってケラケラと笑う少女。
耳に携帯電話を当てて話をしながら、ソファの上に座ってテレビを見ている。
ハーフパンツとキャミソール姿の少女は長い髪の毛をアップにして思いっきりくつろぎ気分。
『ほんとな、でもアイツは嫌だなんて言うしよ~』
「まぁ私もIS学園なんて行った日には―――」
『強制送還されそうだな』
「女の子にそんな口聞いてたらモテないよ弾」
電話の向こうの
テレビから聞こえる音を少女は聞き流しているが広い家に一人の少女なのだからそれでもまだ寂しいぐらいだ。
「ISか、戦争の兵器なんだよね結局……」
少しばかりだが黄昏るような表情を浮かべる少女。
『……賢者タイムか?』
「失敬な! すでに一時間前に済ましている!」
『一時間前かよ! あ~知りたくなかった!』
電話の向こうから聞こえてくる声に、再び少女はケラケラと笑った。
別に先ほどのことで本気で黄昏ていたわけではない。彼女はそういう少女だ。
「とりあえず“一夏”は向こうで頑張ってるみたいだし、私たちは自由を満喫しようじゃないか!」
『あぁ! 俺たちの青春はこれからだ!』
「むふふ~、楽しみですなぁ。憧れの高校せ―――」
ふとした瞬間、少女の声が途切れた。
それを不思議に思ったのか、電話の向こうから弾の声が何度も聞こえてくるが、うんともすんとも少女は言葉を発さない。
気づけば肩に置かれている手。少女はギギギ……と壊れた機械のようにぎこちなく振返る。
「ごめん弾、約束は果たせそうにない」
『はぁ? なに言って』
そこで、携帯電話の通話を切った。
向こうから聞こえてくる友人の声を思い出し、その平和さに涙すら浮かべかけるが……そこは我慢。
後ろから肩に手を置いた人物を見て絶望を胸に刻み付ける。
すぐ近くのその“女性”からは良い香りが漂ってくるが、少女にとっては火薬と死の匂いにしか感じられなかった。
「待たせたな」
「待ってないよ」
「待たせたな」
「……はい」
諦めて、頷く少女。
「お前が普通の高校に通えると思ったか?」
「えっと……私が望めばと」
目の前の女性の言葉に、少女はうなだれながらも反論した。
けれどそれもその女性相手にはすべて無駄だ。
「私が通わせん、ケダモノが」
「……はい」
女性に首を掴まれて立ち上がらせた少女、すでに抵抗する気力は無い。
こうして彼女は拉致される。
いずれ『狼』とまで呼ばれる少女の誕生秘話のようなものであった。
あとがき
みなさん、まぁ今回はプロローグということで!
これだけでも楽しんでいただけたならまた次話も見ていただければ僥倖です。
色々とダメダメというか……主人公の設定を理解できた方は少なからずいると思います。
そうです、今回読者の需要を削ってまでなぜこのキングがこの設定にしたのか……単純に好きだから!
これを機に皆様方にもお好きになっていただければと、では次回!
せ、せめて読むだけ読んでみていただければまさに僥倖!