刀奈「ほら雷真,いくわよ」
簪「いくよ」
雷真「わかった、わかったから、そんなに引っ張るな!」
今日は土曜日。なので学生の人間は大いに休日を楽しんでいる。そんな中、俺たちは久しぶりに実家に帰ってきていた。俺の場合、実家でいいのか?
「「「ただいま!」」」
更識父「おかえり、三人とも」
刀奈「お父さん、ただいま」
簪「ただいま」
雷真「ただいま戻りました」
俺のたちはそれぞれお義父さんに帰ってきたことを挨拶する。するとお義父さんは何か気づいたのか俺に後で書斎にくるよう伝えてくる。
更識父「雷真くん、あとで私の書斎に来なさい。話しがある」
雷真「わかりました」
手洗いうがいをしてから仏壇に向かい手を合わせる。今は亡き、刀奈たちのお母さんに帰ってきた挨拶をする。
【チーン】
「「「…………」」」合掌
刀奈「ただいま、お母さん」
簪「ただいま」
雷真「ただいま戻りました」
挨拶が済むと俺はお義父さん書斎へ。刀奈と簪は昼飯の用意をしに台所へ。
お義父さんの書斎の前に立つと四回ノックする。
更識父「入ってきなさい」
雷真「失礼します。それで、どんな話しですか?」
更識父「そんなに固くならなくていいよ。なに、簪のことだよ。まあ、座りなさい」
雷真「わかりました」
お義父さんに勧められるまま、お義父さんと対面するように座布団の上に正座で座る。
更識父「それでは雷真くん、簪は君に告白したかな?」
雷真「はあ?あっ、はい!」
ヤベぇぇ!一瞬反応に遅れた。まさかの簪の話しがあの告白の話しだとは思わなかった。それにお義父さんは義理の息子である俺には厳しい時があるが娘には稽古以外は激甘なの、わすれてた!
更識父「そうか、そうか!これで私も安心だよ。君になら娘たちを任せられるしね。」
雷真「ありがとうございます」
更識父「いっそのこと、【楯無】の名前も受け継ぐかね?」
雷真「それはまだ…………。けれど、刀奈か簪が襲名しなければならないのであれば、できることなら俺が襲名したいと思っています」
更識父「ハハハハハ!まさか、本気にするとはな、アハハハ。けれど自分で言っておきながら、言うがね。それは厳しいよ、なんせ君は世界で貴重な二人目の男性IS操縦者なんだがらね」
雷真「わかっています」
更識父「なら、更識を君の代で変えてみるのもいいだろう。暗部から離れ、普通の一般家庭にしてしまえば」
雷真「本気で言ってますか?」
更識父「君なら、それができるだろ?」
雷真「はぁ~、まあ、考えておきますよ」
更識父「それでは、これで話しは終わりだよ」
雷真「わかりました」
こうして、刀奈を含めた簪とも交際することをお義父さんへの報告は終了した。その後は昼飯を食べて、自室でゴロゴロしたり、刀奈、簪と後から帰ってきた本音、虚さんとゲームをしたりして、久しぶりにのんびりとできた。
そして、翌日の日曜日は早朝の特訓を終えたあと、俺は教員用駐車場に駐めてある、自分のバイクの【ビートチェイサー2000】の洗車をするために来ている。
雷真「やっぱり、埃を被ってるな」
洗車が終わると右グリップのビートアクセラーを着けて、暗証番号を入力してエンジンをかける。
雷真「よし、エンジンとかは平気だな」
一度、ビートチェイサーに乗り。何回か噴かせていると、簪とその友達らしき生徒がくる。
簪「雷真、バイクの調子はどう?」
雷真「ああ、問題ないよ」
「ねぇねぇ、黒牙くん。これって、ビートチェイサー2000?」
雷真「ああ、そうだ」
「凄い!本物のビートチェイサーを見られるなんて!」
「だよね~。ねぇ、黒牙くん。少し乗ってもいい?」
雷真「いいけど」
簪の友達たちは、やはり整備科の生徒らしく。みんな、ビートチェイサーに夢中だ。
「いいなあ、私もビートチェイサー欲しいな」
「でも、私はトライチェイサーかな?」
「私はブルースペイダーかしら」
「私はオートバジンもいいと思うよ」
皆、仮面ライダー好きの人なのか色々なライダーのバイクを話している。無論、俺はクウガ派だ。
(ちなみに作者もです)
雷真「そろそろ、俺は部屋に戻るからいいか?」
「ああ、ごめん」
「黒牙、ありがとう」
「夢が一つ叶ったわ」
雷真「それはよかった」
ビートチェイサーのエンジンを落として、ビートアクセラーを抜き、部屋に戻る。
部屋に戻ったあとは簪の専用機に搭載する、マルチロックオン・システムを開発するためにパソコンとにらめっこだ。
その日の夜、山田先生から…………。
雷真「引っ越し……ですか?」
山田「はい。部屋の準備が整ったので黒牙くんは一人部屋へ移動してもらいます」
刀奈「えええええ!?そんな…………雷真と離れるなんて」
山田「決定事項ですから……」
刀奈「だったら!」
雷真「会長権限を使うなよ?」
刀奈「うぐっ!」
雷真「今までは織斑先生のご好意で何にも言われてないが、他の生徒にバレてみろ?皆に何て言われるか」
刀奈「婚約者ならいいじゃない!」
雷真「親しき仲にも礼儀ありだ。お前は俺がそういうの我慢してるの知ってんだろうが」
刀奈「そりゃ、雷真だって男の子だし。発育のいい綺麗で可愛い婚約者の寝間着姿や寝顔を見たら?狼になりたくなるのも分かるけど」
真耶「あわわわわ!?く、黒牙くん、そうなんですか?」
雷真「山田先生、流石に本当の歳が18で軍人経験がある俺でも、今は健全な男子高校生ですよ?性欲だってありますよ。特に刀奈は他の女子より俺へのスキンシップが激しいんですよ」
雷真「その度に何度、煩悩退散と唱えたことか………」
真耶「それは、ご苦労様です……」
雷真「正直に言って、山田先生もその類に入るんですよ」
真耶「私もですか!?」
雷真「失礼を承知で言わせてもらいます。山田先生は男性経験が無さすぎで男性との距離感がわかっていません。少し、考えてください」
真耶「わ、わかりました。すみません」
雷真「今後、気をつけてくれれば構いませんよ。それで今から引っ越しをした方がいいですか?」
真耶「はい。できれば……」
雷真「わかりました。荷物もそんなにないので直ぐに移動できますよ」
真耶「ありがとうございます」
それから荷物を纏めて山田先生に付いて行くのが……。
真耶「ここが黒牙くんの新しい部屋になります」
雷真「てか、隣じゃないですか!」
そう、引っ越しと言うからもう少し離れているかと思えば。まさかの隣だとは…………。
刀奈「心配した、私がバカみたいじゃない」
雷真「そうだな」
刀奈「少しは否定しなさいよ!」
こうして、夜は更ける
雷真が引っ越しをした翌日。一組の教室では来月の学年別トーナメントで優勝したら一夏と付き合えるという噂が流れている。
その後は織斑先生が来て、ホームルームが始まった。
真耶「今日はなんと転校生を紹介します」
山田先生の説明の後に教室に入ってきたのは金髪の男子?だった
シャル「シャルル・デュノアです。フランスから来ました。皆さん、よろしくお願いします」
「お、男?」
シャル「はい。こちらに僕と同じ境遇の方がいると聞いて本国から転入を…………」
ヤバい、この展開は……!?。耳詮をセットして耳を手で守り
「「「きゃああああああ!」」」
女性特有の黄色い音波攻撃が耳栓をしていない、一夏に単独ダメージを与えた。
一夏「」ピクピク
雷真「一夏、ドンマイ」
黄色い歓声が止むとデュノアは驚いた顔をしていた。それもそうだろう。最初は誰でもそうなる。
シャル「ふえ?」
「男子、三人目の男子!」
「それも美形、守ってあげたくなる系の」
女子たちはそれぞれ感想を言っているが織斑絶対?によって静まる。
千冬「騒ぐな、静かにしろ。今日は二組と合同でIS自習を行う。各人は速やかに着替えて第二グラウンドに集合。それから織斑、黒牙」
雷真「わかってます。織斑先生の手を煩わせませんよ」
千冬「そうか。頼んだぞ」
雷真「了解」
千冬「解散!」
そんじゃまあ、いきますか。捕まらないにうちに。
雷真「一夏、デュノア、いくぞ!」
一夏「おう!」
シャル「君が黒き……」
雷真「デュノア、話は後だ。今は移動が先だ。」
俺は一夏の席に近づいてデュノアの手を取り教室を出る。一夏は離れないように俺たちに付いてくる。
シャル「うわっ!?」
デュノアの手を引いて走りながらアリーナに向かう。
シャル「ねぇ、なんでそんなに急いでるの?」
雷真「一夏、説明」
一夏「ああ。俺たち男子は女子と違ってアリーナで着替えないといけないんだ。そして、アリーナまで距離がある。着替えで時間が取られて授業に遅れたら千冬姉の出席簿が頭に落ちてくるし」
雷真「アリーナまでの行く道を妨害する奴等がいるしな」
シャル「そ、そうなんだ」
「あっ、織斑くんと黒牙くん、発見」
「見て、転校生の子もいるよ」
雷真「ヤバい!急ぐぞ」
一夏「おう!」
シャル「ちょ、ちょっと!?」
女子たちに追いかけられながら俺たちはアリーナを目指すが女子たちの連携が上手い。
雷真「クソっ、一夏、別れるぞ!」
一夏「了解」
雷真「デュノア、悪い!」
シャル「うぇっ?うえええええ!?」
雷真は一瞬でデュノアをお姫様抱っこで抱え、全力で走る。雷真はスーパーコーディネーターのため、常人より身体能力が上である。全力で走れば100mを9秒ほどで切れる実力である。
シャル「なんで、皆、僕たちを追いかけるの?」
雷真「それは俺たちが唯一ISを動かせる男子だからだよ」
シャル「そ、そうか」
なんとか女子たちの追尾を振り切りアリーナの更衣室にたどり着く。
雷真「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、」
シャル「黒牙くん、ありがとう」
雷真「いや、大丈夫。そんじゃ改めて、黒牙雷真だ。雷真で構わない」
シャル「よろしく、雷真」
一夏「俺のことを忘れてもらっちゃ困るぜ?」
雷真「よう、一夏。お疲れ」
一夏「雷真こそ」
雷真と一夏は互いに拳と拳をぶつけあう。
一夏「俺は織斑一夏。一夏で構わない」
シャル「よろしくね、一夏。二人とも僕のこともシャルルでいいよ」
「「よろしくな、シャルル」」
雷真「あっ、そろそろ着替えないとヤバい……」
雷真の言葉で三人ともイソイソと着替える。その時、シャルルが何故か悲鳴を上げたり、顔を赤くて染めたりしていた。
千冬「本日から実習を開始する」
「「「はい!」」」
千冬「まずは戦闘を実演してもらおう。凰、オルコット!」
凰「はい!」
セシリア「はい!」
千冬「専用機持ちなら直ぐに始められるだろう。前に出ろ」
鈴とセシリアは渋々といった感じで出るが織斑先生が何か耳打をしたら、途端にやる気を出した。
セシリア「それでお相手は?鈴さんでも構いませんが………まさか!?織斑先生、雷真さんではありませんわよね……!」
鈴「無理よ!雷真の実力は国家代表となんら変わんないほどなんだから!?」
鈴とセシリアの二人はまさか、対戦相手が雷真ではないかと心配になり顔が青くなる。それもそのはず、クラス対抗以降は鈴も含めて一夏の特訓を行っているため、雷真と一騎討ちをすることが度々あり対戦すると毎回ボロボロに負けるのだ。また鈴とセシリアの発言で周りの女子から意外と言った声が上がる。
「へぇ~、黒牙くんって、そんなに強いんだ」
「知らなかった」
千冬「流石に私もそこまで鬼ではない。相手は黒牙ではないさ」
流石に死線を四年も生き抜いた、ベテラン操縦者の相手などさせるものか。今の私でも負けるかもしれんのに。
と思ったそうだ。
「「ふぅ~」」
織斑先生の言葉で二人は安堵の息を吐く。
雷真「なんだよ?人を化け物のような言い方をしやがって」
千冬「それで対戦相手だが……」
織斑先生が鈴たちの対戦相手の名前を言う前に空から緑色のISに乗った、山田先生が回転しながら落ちてくる。
真耶「うわわわ!?退いてください!」
雷真「一夏!回転速度合わせて、山田先生を救出」
一夏「おう!」
一夏は白式を起動させて、回転速度を合わせながら山田先生を捕まえ、白式のスラスターを噴かせて回転速度と落下速度を落とす。
真耶「た、助かりました。織斑くん」
一夏「いえいえ、無事で何よりです」
一夏の動きを見て織斑先生がこちらに来る。
千冬「黒牙、あの動きはお前が教えたのか?」
雷真「ええ、回転落下した状態での敵の攻撃を捌くやり方、相手との落下速度を合わせての距離の取り方、等々」
千冬「なるほどな。流石は死線を生き抜いたことはある」
雷真「どうも」
織斑先生はその後、一夏の下へ行き、何か言ったあと一夏が小さくガッツポーズを取る。
そして、鈴&セシリアvs山田先生の試合だが……。
まさかの鈴たちの敗北。
その後、グループに別れてIS操縦者の自習になる。そのため専用機持ちがサポートすることになるが、男子である雷真、一夏、シャルルの三人のグループは何故かお見合いのようになる。また雷真のグループは刀奈の"凍てつく波動"により普通に終了するが、一夏の方は一騒動あったようだ。
そして、授業が終わると一夏から昼ごはんの誘いを受ける。
一夏「なあ、二人とも」
雷真「なんだ?」
シャル「どうしたの?」
一夏「今日の昼、一緒に食べないか?」
雷真「一夏、先に聞くがメンバーは?」
一夏「メンバーは箒にセシリア、鈴だな」
雷真「はぁ~。俺は箒たちに悪いからシャルルと一緒に刀奈たちと食べるよ」
一夏「なんで箒たちが出て来るんだ?」
雷真「いい加減、気がつけよ。唐変木め」
一夏「はぁ?」
シャル「???」
着替えを済ませて、シャルルを連れて刀奈たちと共に食堂で食べることにした。メニューは刀奈が天ぷらうどん、簪が天ぷら蕎麦、俺が鴨せいろ、シャルルはクリームパスタだ。
やはり、ここでも刀奈と簪は双子の特性なのか天ぷらが被っている。
また、既に自己紹介も終えている。
シャル「それで雷真。なんで、さっきは一夏の誘いを断ったの?」
雷真「あ?それはな、一夏を求めて箒たちは恋の戦争をしてるんだよ」
シャル「じゃあ、一夏のあの反応は……」
雷真「ああ、まったく気がついていない」
簪「それ、雷真が言うの?」
雷真「うぐっ!」
刀奈「そうね。雷真は簪ちゃんのことを気がつけていなかったものね」
雷真「その節は誠に申し訳ございません」
シャル「えっと……何の話?」
雷真「いや、なんでもない」
流石に本音たち以外に俺が刀奈と簪の二人と付き合っていて、婚約関係にあるってバレたら色々と面倒になるか誤魔さないと。
シャル「そ、そう?雷真がそういうなら、聞かないけど」
雷真「助かる」
昼休みが終わって今日に行くと一夏が何故か青い顔をして机に突っ伏していた。
雷真「一夏、大丈夫か?」
一夏「ああ、三人と食べさせ合いをしてたら腹が、な」
雷真「御愁傷様で」
そして、今日の授業が終わり。いつも通り、一夏の特訓を終えて部屋に戻るとそこにはシャルルがいた。
シャル「あれ、雷真?」
雷真「なんだ、新しい同居人はシャルルなのか。よろしくな」
シャル「うん、よろしく」
その後は夕食を食べて今日の授業の復習をしながらコーヒーを飲む。一段落ついたらコーヒーを淹れ直す。
シャル「このコーヒー、美味しいね」
雷真「だろ?ある人から配合を教えてもらったんだよ」
シャル「そうなんだ。ねぇ、雷真」
雷真「なんだ?」
俺はパソコンで簪のマルチロックオン・システムの最終段階を作りながらシャルルの話を聞く。
シャル「雷真はさ。いつも、早朝と放課後に特訓してるんだよね?」
雷真「ああ。一夏に頼まれてな、だから一夏の特訓にも付き合ってる」
シャル「ならさ、僕も参加してもいいかな?専用機もあるから、力になれると思うし」
雷真「ふむ……。わかった、明日から頼む」
シャル「うん」
アヴァロン・フリーダムのビーム兵器を実技演習の授業でも使用するかについて
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アヴァロン・フリーダムの使用禁止
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アヴァロン・フリーダム ビーム兵器の禁止
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別機体のビーム兵器を使用
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別の機体を使う
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雷真は見学