自由と白式   作:黒牙雷真

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第14話

刀奈と簪のO☆HA☆NA☆SHIを受けたあとは刀奈たちと共に食堂に行ったが、食堂にいる生徒が俺のボロボロの姿に驚いていた。

 

そして、その翌日。教室ではまた、一夏の例の噂が流れているようだ。

 

 

雷真「一夏も大変だな」苦笑

 

シャル「そうだね」苦笑

 

 

またそして、今日の放課後は一夏たちと特訓をせずに簪の専用機『打鉄弐式』のテスト飛行だ。

 

 

雷真「簪、なんかあったら叫べよ?助けるから」

 

簪「大丈夫だよ。雷真やお姉ちゃん、皆が協力してくれたんだから、きっと大丈夫」

 

雷真「けど、無茶はするなよ?」

 

簪「わかってる」

 

 

簪はそういって打鉄弐式を纏い、カタパルトに乗る。カタパルトの進路がクリアされたら出撃準備の完了だ。

 

 

簪「更識簪。打鉄弐式、行きます!」

 

 

その言葉を合図に簪は打鉄弐式で空を飛んだ。念のため、俺もストライクで出ることにする。装備はエールストライカーにするつもりだ。

 

 

雷真「ストライク、起動!」

 

 

今回は管制をする人が誰も居ないが頭の中でコズミック・イラの義姉である、ミリアリア・ハウの管制をする声を思い出す。

 

 

ミリアリア『APUオンライン。カタパルト接続。エールストライカー、スタンバイ。』

 

 

足をカタパルトに接続してからストライクにエールストライカーとビームライフル、対ビームシールドを一緒に装備する。

 

 

ミリアリア『各パワーフロウ正常。進路クリア。ストライク、発進、どうぞ!』

 

 

雷真「黒牙雷真、ストライク。行きます!」

 

 

カタパルトを起動させて、空へとストライクに乗る、雷真を射出する。射出された雷真は綺麗なバレルロールで空を飛ぶ。

 

カタパルトから出ると一度、地上に降りて、簪の様子を見る。

 

 

簪「機体制御は大丈夫。あとはハイパーセンサーの接続と連動。姿勢保持スラスター問題無し。展開時のポイントを調整。PIC干渉領域からズラして、グラビィティーヘッドを機体前方6cm調整。それから脚部ブースターバランスを4-で再点火」

 

 

簪は飛行をしながらホロウ・ウィンドウをタイピングして、打鉄弐式の微調整をしていく。

 

 

簪「全システム……良好。やった、ついに私の専用機が完成した!」

 

 

簪は空を飛びながら喜んでいるが、それもつかの間。いきなり打鉄弐式の全スラスターが止まったのである。

 

 

簪「えっ……?」

 

簪「きゃああああああ!!」

 

 

打鉄弐式の重さと重力により、簪は勢いよく地面へと落下していく。

 

 

簪「怖い…………怖いよ!お願い、助けて」ポロポロ

 

 

簪「助けて、雷真!!」ポロポロ

 

 

簪は自分のヒーローで恋人であり、婚約者の名前を叫んだ。その叫びに答えたかのように空の彼方から全身装甲でトリコロールカラーのISが高速で、簪に向かって飛んでくる。それは、雷真が乗る【GAT-X105ストライク】だ。

 

しかし、いつもデータで見ているストライクより、明らかに飛行速度が早い。

 

 

雷真「かんざしぃぃぃい!!」

 

 

 

簪「雷真……?」ポロポロ

 

 

 

 

雷真は通常はかけているストライクのセーフティを全て解除して、落下している簪を助けた。簪を安心させるために頭部の装甲を外す。

 

 

雷真「簪、大丈夫か?」

 

簪「うん……。雷真が助けてくれたお陰で無事だよ。それと雷真、目が……」

 

雷真「ああ、これか。前に話した、"あっち側(コズミック・イラ)"で覚醒した力だ。」

 

簪「なんか、格好いいね。それ」

 

雷真「そうか?」

 

簪「うん」

 

雷真「そうか」

 

 

簪をお姫様抱っこのまま、ゆっくりと地上に降りて、簪を降ろす。しかし、簪は落下する恐怖で腰が抜けた。そのまま簪のお願いでお姫様抱っこの状態で整備室に戻り、全てのスラスターのシステムを調べたが異常が見られなかった。

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

~少し時間を遡り、簪が言った雷真の目について~

 

 

ストライクを装着して、地上から簪を見ているがあまり心配することはないみたいだ。

なので、簪と共に空を飛ぼうとエールのスラスターと脚部のバーニアを噴かせる。

また、俺は子供じみたイタズラをしようと思い、簪を驚かせるために遠回りをする。

 

しかし、この時、もっと早く簪に近づいていれば、もっと安全に助けることが出来たのではないかと後悔する。

 

 

雷真「なんとか、形に成ってるな。あとは実戦訓練で慣れていくだけだな」

 

 

そんなことを口に出していると、いきなり簪の専用機の打鉄弐式のスラスターが全て停止し、そのまま地面に向けて落下していく。

 

 

雷真「簪は何をやってるんだ?」

 

 

簪の行動を疑問に思い、簪に近づくと…………。

 

 

簪「助けて、雷真!!」ポロポロ

 

雷真「ッ!?」キュパーン

 

 

この時、簪の『助けて』の声がトリガーになったのかは分からないが、意識をしていないのに俺の頭の中の何かが弾け、SEEDの発動状況になった。

 

なんで、SEEDが……?それより、今は簪が優先だ。絶対に死なせない!

 

すぐにストライクにかけてあるセーフティを全て解除する。これにより、今までよりもストライクの速力が上がる。

 

 

雷真「かんざしぃぃぃい!」

 

簪「雷真…………?」ポロポロ

 

雷真「簪、大丈夫か?」

 

簪「うん……。雷真が助けてくれたお陰で無事だよ。それと雷真、目が…………」

 

雷真「ああ、これか。前に話した、"あっち側(コズミック・イラ)"で覚醒した力だ」

 

簪「なんか、格好いいね。それ」

 

雷真「そうか?」

 

簪「うん」

 

雷真「そうか」

 

 

 

~現在に戻り~

 

 

 

雷真「このまま、地上に降りるからな」

 

簪「う、うん……。//////」

 

 

ゆっくり、減速しながら地上に降りる。

 

 

雷真「簪、立てるか?」

 

簪「…………」

 

雷真「簪?」

 

簪「ごめん……腰が抜けたみたい」

 

雷真「プッ、アハハハハ」

 

簪「笑うこと無いじゃない!もう……。////」

 

雷真「なら、ちょっと我慢してくれな」

 

簪「えっ?」

 

 

俺は簪を一度観客席に座らせてから、簪に背中を向け、腰を落とす

 

 

雷真「よし、いいぞ」

 

簪「えっ?これって……」

 

雷真「そっ、おんぶの体勢だ」

 

簪「本当はあのままお姫様抱っこでよかったんだけどな……」

 

雷真「なら、そうするか?」

 

簪「いいの?」

 

雷真「ああ。俺は構わないよ?」

 

簪「じゃあ、お願いします」

 

雷真「了解、お姫様」

 

簪「お、お姫様!?」

 

雷真「だって、そうだろ?簪と刀奈は俺にとっては自分の命と同じくらい大切な《花》なんだ」

 

簪「花……。なんで、私たちは花なの?」

 

雷真「前にも話したが俺は"あっち側(コズミック・イラ)"で本当の戦争を二度も経験しているからな。それで戦争で散った《花》は戻らないけど、新しく植えることはできると、友達は言ってたんだよ」

 

簪「そうなんだ」

 

雷真「だから、思ったんだ。俺は、俺の大切な人の平和を守るために戦いたいと。もう二度とあんな悲劇は繰り返したくないから……。今度こそ、《花》を散らせたりなんかさせない、絶対に」

 

簪「雷真……」

 

雷真「湿っぽい話しは終わり。そろそろ、整備室に着くぞ」

 

簪「うん、ありがとう」

 

 

それから簪や整備科の人と共に打鉄弐式のシステム的不備を探していくが見当たらない。しかし…………。

 

 

雷真「簪、打鉄弐式は一夏が見つかる前までは開発が優先されてたんだろう?」

 

簪「そうだよ?」

 

雷真「一応、内部点検してみたら?」

 

 

それから色々と点検とかをしているがスラスターが止まった原因は分からなかった。

 

 

その後は簪たちと別れて、一夏たちを見に第三アリーナに向かっていると……。

 

 

一夏「よう、雷真」

 

雷真「おう、まだアリーナに行ってなかったのか」

 

シャル「うん。一夏が今日の授業で分からない部分があったみたいで僕が教えてたんだ」

 

雷真「なるほどな」

 

 

一夏がアリーナに行っていない経緯をシャルルに聞いているとクラスの女子たちが廊下を走りながら、こんなことを言っていた。

 

 

「第三アリーナで代表候補生三人が模擬戦やってるって」

 

雷真「おい、今の!」

 

一夏「ああ!」

 

シャル「急がないと!」

 

 

俺たちは全力疾走で第三アリーナに向けて走る。

 

 

アヴァロン・フリーダムのビーム兵器を実技演習の授業でも使用するかについて

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