自由と白式   作:黒牙雷真

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第17話

ラウラのVTシステム事件後、雷真とシャルルは珍しく二人だけで夕食を食べている。

 

 

シャル「結局、学年別トーナメント中止だって。けれど、個人データを取りたいから一回戦は全部やるらしいよ」

 

雷真「みたいだな」

 

シャル「他の女子たちは酷く落ち込んでるみたい」

 

雷真「だろうな。トーナメントが中止なら、あの噂も無くなるからな」

 

 

そんな話をしていると一夏と箒が何やら話しているのが聞こえてきた。

 

 

一夏「箒、先月の約束な」

 

箒「えっ!?」

 

一夏「付き合ってもいいぞ」

 

雷真「へえ」

 

シャル「…………」

 

箒「なにっ?」

 

一夏「だから付き合ってもいいって……」

 

 

箒は一夏からそう聞くと嬉しさのあまり、一夏の胸ぐらを掴んでしまう。

 

 

一夏「ぐああっ!?」

 

箒「本当か、本当の本当なのだな?」

 

一夏「お、おう……」

 

 

箒は一度、一夏を離して、付き合うという考えに至った経緯を尋ねた。

 

 

箒「何故だ?理由を聞こうではないか」

 

一夏「幼馴染の頼みだからな。付き合うさ……」

 

箒「そうか!」

 

一夏「買い物くらい」

 

 

 

雷真「バカだ。正真正銘の唐変木のバカがいる」

 

シャル「あははは」苦笑

 

 

次の瞬間、一夏の顔面に左ストレートが炸裂。

 

 

一夏「ぐあああああ!!」

 

箒「そんなことだろうと思ったわ。フンッ!」

 

 

次は右足が一夏のボディーに炸裂し、体が宙に浮く。

 

 

 

【KO,パーフェクト!】

 

 

 

一夏「ぐぅぅぅぅぅ」

 

 

一夏は腹を抱えながら蹲る。

 

 

シャル「一夏って、わざとやってるんじゃないかって思うんだよね?」

 

雷真「その所為でこっちにまでとばっちりがくるんだぞ?主に箒、鈴、セシリアから……」

 

シャル「どんなの?」

 

雷真「大体は、男が女の子を好きになるタイミングとかだよ」

 

シャル「なるほどね。鈍感で唐変木でもある難攻不落の一夏が相手じゃねぇ」

 

雷真「無理もないか」

 

 

 

真耶「織斑くん、黒牙くん、デュノアくん。朗報ですよ!」

 

雷真「???」

 

一夏「???」

 

シャル「???」

 

真耶「今日は織斑くんと黒牙くんは大変でしたね。でも、二人の労をねぎらう素晴らしい場所が今日から解禁になったのです!」

 

一夏「えっ?」

 

雷真「場所?」

 

真耶「男子の大浴場なんです!」

 

一夏「本当ですか!?」

 

真耶「はい」

 

一夏「おっしゃあ!」

 

雷真「一夏、俺とシャルルは明日の試合の打ち合わせをするから、先に大浴場を堪能して来いよ」

 

一夏「なんでだよ?一緒に入ればいいじゃんか」

 

雷真「一夏、お前を信用しない訳じゃないが、俺たちの作戦がバレると面倒になるんだ。頼む、一夏」

 

一夏「そういうことなら、わかった。なら、先に一番風呂をもらうな?」

 

雷真「ああ。お前は今日一番の貢献人だからな」

 

 

な、なんとか一夏を丸め込めた。あのまま、一緒に大浴場に行ったらシャルルが女の子だってバレちまうからな。

 

 

 

そして、一夏と別れ、先ほど一夏に説明した通り試合の作戦を練ることにした。

 

 

シャル「ねぇ、雷真」

 

雷真「なんだ?」

 

シャル「さっきは僕を助けてくれたんでしょ?」

 

雷真「まぁな。前にシャルルに言ったろ?俺がお前の最後の希望だって」

 

シャル「そうだね。雷真は僕の……最後の希望だよ」

 

 

その時のシャルルはこの学園に来て一番いい笑顔だった気が俺にはした。

 

 

雷真「ところで、俺たちの対戦カードは誰だった?」

 

シャル「それがね……」

 

雷真「ああ」

 

シャル「刀奈と簪なんだよね」

 

雷真「はあ?」

 

雷真「はあああああ!?」

 

シャル「やっぱり、その反応するよね?」

 

雷真「当たり前だろう!」

 

シャル「多分、これは雷真に対するお仕置きだと思うよ。無論、僕にも」

 

雷真「あー、なるほどな。となると、装備はどうしよう?」

 

シャル「雷真の専用機、ストライクにはどんな武装があるの?」

 

雷真「そうだな。まずはシャルルにストライクの武装を教えないとか」

 

雷真「ストライクは主に換装システムを使うんだ。その場に応じた最適の装備で戦うことができるんだよ」

 

シャル「かなり、万能な機体だね」

 

雷真「まあな」

 

 

パソコンを開き、ストライクに装備できる、全てのストライカーをシャルルに見せて説明する。

 

 

雷真「高機動型のエール、近接型のソード、遠距離型のランチャー、その三つを合わせたマルチプルアサルト、他には複合兵装のIWSP。そして最後にIWSPが発展した、多目的型のオオトリだ」

 

シャル「色々とあるんだね」

 

雷真「どうするかな~」

 

シャル「ソードとIWSP以外はビーム系の射撃武器が付いてるんだね」

 

雷真「ああ」

 

シャル「それに最低限、何かしらのビーム兵器も付いてるし凄いよ、このストライクは」

 

雷真「俺が作った訳じゃないけど、凄いのは分かる」

 

シャル「でも、どうやってこんなにビーム兵器を………。それに、前のボーデヴィッヒさんとの騒動の時に、ボーデヴィッヒさんの専用機の攻撃をあんな至近距離で受けて無傷だなんて」

 

雷真「まあ、それについては話す時になったら話すよ」

 

シャル「うん、わかった」

 

雷真「ん?一夏からメールだ。大浴場から出たってさ、悪いが先にもらうぞ。俺が終わったらメールするから」

 

シャル「うん、行ってらっしゃい」

 

 

シャルルに許可をもらったのでお風呂セットを一式を持って大浴場に向かう。

 

 

雷真「あ"~、風呂は気持ちいな。今日は被害者が出なくて良かった」

 

雷真「もし、最悪の事態になっていたら……俺はボーデヴィッヒを殺すつもりでいたしな」

 

 

と今日の最悪の事態になった場合をひとりごちていると…………。

 

 

【ガラガラガラ】

 

 

 

シャル「お、お邪魔します」

 

雷真「はあ!?」

 

 

大浴場の入り口の方を見ると、束ねていた髪を下ろし、体をタオル一枚で隠しているシャルルの姿があった。

 

 

シャル「あんまり見ないで、雷真のエッチ……」

 

雷真「わ、悪い!」

 

 

何でだ?部屋では先にもらうって言ったのに!終わったらメールするって言ったのに!

 

 

雷真「ど、どうして入ってきたんだ?さっき、部屋で終わったらメールするって言ったのに」

 

シャル「雷真は僕と一緒に入るのは嫌?」

 

雷真「そういうことじゃなくてだな!俺だって健全な男子高校生だから、その……」

 

シャル「でも、刀奈や簪とは一緒に入ってたんでしょ?」

 

雷真「それは中学校に上がるまでの話だ!小五からはアイツらの発育が良くなったから入らないようにしたんだよ!」

 

 

なんでシャルルが刀奈のと簪との過去の話を知っているかは、前にお義父さんに三人目の娘は欲しくないかと電話した後に、俺の婚約者様二人から聞いたそうだ。その時、俺は二人によって撃沈していた。

 

 

シャル「迷惑なら上がるけど……」

 

雷真「いや、俺が上がるよ」

 

シャル「雷真、待って」

 

雷真「えっ?」

 

シャル「話があるんだ。大切な話をしたいから」

 

雷真「わかった」

 

 

それから俺たちは背中合わせで湯船に浸かっている。

 

 

シャル「前にも話したことなんだけど」

 

雷真「それなら学園に残れるようになったじゃないか」

 

シャル「うん。それを僕は自分の意志でこの学園に残ろうと思うんだ。居られるからじゃなくて、僕が残りたいから。それに雷真が居るからここに残りたいって思えたし、思えるんだ」

 

 

背中合わせのシャルルが俺の手の上に自分の手を重ねてきたことに歴戦の強者でも、流石にこれはビックリするし、心臓がバクバクだ!

 

 

雷真「そ、それは男としてシャルルみたいな美少女にそう言って貰えるのは嬉しいな。男冥利に尽きるな」

 

シャル「それとね、もう一つ決めたんだ。僕のあり方を」

 

 

そういうとシャルルは俺の肩に手を置き。身体を密着させる。

 

 

雷真「あ、あり方って?」

 

 

ちょっと待って!それ生だから、生だからさ!!

さっき巻いてた、タオルはどうしたんだ!?

流石にこの事が刀奈や簪にバレたら…………。今度こそ、俺は死ぬかもしれん。

 

 

 

シャル「僕のことはこれから"シャルロット"って呼んでくれる?二人きりの時だけでもいいから」

 

 

雷真「それが本当の君の名前なんだな?シャルロット」

 

シャル「そう、それが僕の本当の、お母さんからもらった名前なの」

 

雷真「改めて、よろしくな。シャルロット」

 

シャル「うん」

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

大浴場でのシャルロットとのやり取りから翌日。今は第2アリーナで刀奈&簪の更識姉妹ペアと対峙しているのだが……。もの凄く怖い!!

だって二人の後ろから、般若と阿修羅が見えるもの。するとプライベートチャンネルで…………。

それと装備はIWSPにしました。

 

 

刀奈「昨日はお楽しみだったみたいね、お二人さん。それも大浴場で」ゴゴゴゴ

 

「「ッ!?」」ビクッ

 

 

なぜ、どしてバレた?昨日は刀奈たちはいなかったはずだ。

 

 

簪「雷真。今、昨日は私たちはいなかったはず、って考えてるでしょ?」ゴゴゴゴ

 

雷真「い、いや、それは…………」ダラダラ

 

刀奈「私たちもね。鬼じゃないのよ」

 

簪「だから一度目は許した。けれどね……」

 

刀奈「二度目はね。それもよりによってお風呂だなんて……」

 

 

刀奈と簪が目を閉じる、再び目を開くと試合開始の合図がなる。

 

 

更識姉妹「「許せるはずがない、じゃない!!」」

 

雷真「ヒイィィィッ!?」

 

刀奈「覚悟しなさい!」

 

簪「ボコボコにしてやるんだから!」

 

 

簪はいきなり打鉄弐式の春雷を、刀奈は霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)の蒼流旋に装備されているガトリングガンで、雷真が乗るストライクを狙い撃つ。それを雷真はIWSPのコンバインシールドで防ぎながら回避する。

 

 

雷真「ちょっ、いきなりかよ!?試合中はストライクのSEかバッテリーが切れてフェイズシフトダウンしたら負け扱いなのに二対一とか……。それに、二人の動きが普段よりも良いってどういうことだよ!?」

 

簪「逃がさない!」

 

 

簪は打鉄弐式の山嵐を48発中、16発を雷真に向かって放つ。それを雷真はイーゲルシュテルンで迎撃するが、その隙に刀奈が後ろから蒼流旋のガトリングガンを撃ってくる。

 

 

雷真「クッ!?」

 

 

特訓の時と桁違いに連携が上手い!?ミサイルを俺が迎撃することを読んで、瞬時加速(イグニッション・ブースト)で刀奈が後ろからガトリングガンで攻撃するなんて……。

それにシャルロットからの援護も刀奈の霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)が作る、水の障壁で銃弾が止められてしまう。

 

 

シャル「雷真!?クソッ、この障壁が邪魔で雷真の援護ができない!」

 

刀奈「そう簡単に貴女は行かせないわよ?」

 

雷真「なら、これで!」

 

 

後退しながらコンバインシールドを構え、イーゲルシュテルンと単装砲で刀奈を狙い撃つが……。

 

 

簪「私を忘れてない?」

 

雷真「本当に連携が上手すぎだろ!?」

 

 

刀奈を狙っている俺に横から簪が接近してきて、近接武器であり対複合装甲用の超振動薙刀の夢現で攻撃をしかけてくる。

 

 

雷真「IWSPじゃ、部が悪い」

 

 

レールガンを地面に向けて放ち、土煙を上げさせて煙幕に使い、その隙に他の装備に換装するつもりだっのだが…………。

 

 

簪「そんなこと……」

 

刀奈「させないわよ。ハアアアアア!!」

 

雷真「なっ!?」

 

 

ストライクを他の装備に換装するためにIWSPを一度パージした、その時に土煙の向こう側から蒼流旋と夢現が此方に飛んできた。

 

 

雷真「やられた!」

 

 

これにより俺は今、武装がイーゲルシュテルンとアーマーシュナイダーしかない、丸腰と何ら変わらない状態だ。

 

 

雷真「まさか、刀奈と簪の連携にここまで押されるとはな。マズッたな……」

 

刀奈「さあ、今の貴方は丸腰同然よ?」

 

簪「どうするのかな?」

 

雷真「…………」ニヤリ

 

更識姉妹「「ッ!?」」

 

雷真「シャルル、今だ!」

 

シャル「OK!」

 

簪「なっ、瞬時加速(イグニッション・ブースト)!?過去にそんなにデータはなかったのに!?」

 

シャル「そりゃ、今初めてやったからね」

 

刀奈「それに、どうやって水の障壁を…………ッ!!」

 

刀奈「グレネードランチャー!?」

 

 

シャルロットはその手に持つ、二丁のグレネードランチャーで刀奈が操る、アクア・ナノマシンをグレネードランチャーの爆風で霧散させて、その隙に瞬時加速(イグニッション・ブースト)でこちらに来てもらったのだ。

 

 

シャル「そう。昨日のうちに雷真から刀奈の専用機の特性を聞いといたのさ。簪の方は過去の戦闘データがないけど遠距がメインの機体だって聞いていたからね」

 

雷真「そういうとことだ」

 

シャル「それと、雷真に集中し過ぎて他が疎かになってるよ?」

 

刀奈「言ってくれるじゃない?」

 

シャル「雷真、今のうちに!」

 

雷真「サンキュー!」

 

刀奈「しまった!?」

 

 

シャルロットのおかげで、俺はストライクをオオトリに換装ができた。

 

 

雷真「こっからは反撃だ。シャルロットは簪を頼む!」

 

シャル「ッ!!(今、名前で……。これは恋する乙女としては勝つしかないね)」

 

シャル「うん、任せて!」

 

雷真「さっきまで、一方的にやられてたからな。本気で行くぞ、刀奈」

 

刀奈「ッ!?」

 

 

俺はビームライフルとレールガンで刀奈を狙いながら高速移動する。刀奈はそれを回避しようとするが回避が間に合わず、SEがどんどん削れていく。

 

 

刀奈「そんな高速で移動しながら、一発も外さないなんて……」

 

雷真「まだまだ!」

 

 

オオトリに備え付けられているミサイルランチャーと小型ミサイルを全弾、余すことなく刀奈に向けて放つ。

 

 

刀奈「ハアアアッ!!」

 

 

刀奈は回避ができないと思い、アクア・ナノマシンで水の障壁を作り、防御体制に入るが……。俺は背中から大型対艦刀を刀奈に向けて投擲する。しかし、それは水の膜によって途中で止められてしまうがそれでいい。少しでも水の膜を貫いてくれれば構わない。

 

 

刀奈「残念。あと少しだったわね、雷真」

 

雷真「刀奈、それは悪手だぜ?」

 

刀奈「えっ?」

 

雷真「セラアアアア!!」

 

 

刀奈のアクア・ナノマシンで刀身半ばで止まっている大型対艦刀の持ち手に向かって瞬時加速(イグニッション・ブースト)で刀奈に向かうように蹴りを入れる。すると力エネルギーが新たに働き、水の膜を突き破る。

 

 

刀奈「きゃああああ!!」

 

 

アクア・ナノマシンで刀身半ばで止まっていた、大型対艦刀は新たな力エネルギーによって刀奈の専用機である、霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)にダメージを与え。SEが尽き、アナウンスが響く。

 

『更識刀奈、SEempty!』

 

 

 

雷真「シャルロットの方は……」

 

 

シャル「ヤアアアッ!!」

 

 

なんとシャルロットはゼロ距離で簪にパイルバンカー、通称:盾殺しを打ち込んでいた。

 

 

簪「ぐぅぅぅ!!」

 

シャル「僕だって負けられないんだ!こんな僕を救ってくれた雷真のためにも!」

 

雷真「シャルロット、お前…………」

 

 

 

パイルバンカーを打ち込んで後、二人はプライベートチャンネルで何やら話しているようだ。

 

 

シャル「僕は雷真が好きなんだ!だから、君たち二人みたいに雷真の隣に居たいんだ。そのためにもこの試合に勝って、君たちに認めさせてみせる!僕も君たちと同じくらい雷真のことを愛しているということを!」

 

簪「だったら、私もこのまま負ける訳には行かない!婚約者として、雷真を愛する一人の女として!」

 

シャル「それは僕も同じさ!」

 

 

それから二人の戦いは熾烈を極めた。簪が山嵐を撃てば、シャルロットがそれを二丁の連装ショットガンで迎撃。その迎撃によってできた爆煙を利用して簪が夢現を持って突撃。それを待ち構えるようにシャルロットが近接ブレードを構えて打ち合う。

 

それを俺は刀奈と一緒に見ている。流石にあの戦いに茶々を入れるほど野暮じゃないさ。

 

 

雷真「スゲエな……」

 

刀奈「あれは女の戦いよ」

 

雷真「えっ?」

 

刀奈「それも貴方が関わっている、戦いね」

 

雷真「おい、刀奈。その言い方だとシャルロットは俺のことを……」

 

刀奈「あら気づいていなかったの?それと彼女、本名はシャルロットっていうのね」

 

雷真「薄々は感じていたが、それが合っているのかは曖昧だったしな」

 

刀奈「なら、もしも彼女が貴方に告白したらどうする?」

 

雷真「それは……」

 

刀奈「全く、私たちの旦那様は女誑しで優柔不断なんだから」

 

雷真「本当にすみません」

 

刀奈「まぁ、私も彼女なら三人目に加えてもいいと考えてるわ。あんなに雷真のことを想って、簪ちゃんと正面からぶつかる程だし。それに大切な妹だもの」

 

 

シャルロットが俺に対して恋心を抱いているか刀奈と話をしているとシャルロットたちは互いに最後の一撃を繰り出そうと空中で対峙する。

 

そして…………

 

 

簪「ヤアアアッ!!」

 

シャル「ハアアアッ!!」

 

 

両者互いに瞬時加速(イグニッション・ブースト)で相手に向かって突撃をする。そして、アリーナ内に大きく、【ガキンッ!】と金属がぶつかり合う音が響く。音が止むと【プシュー!】と圧力が抜ける音が聞こえ。

アリーナにアナウンスが流れる。

 

 

『更識簪、ならびにシャルル・デュノア、SEempty!』

 

『黒牙雷真のSEが残っているため、よって勝者は黒牙雷真&シャルル・デュノア、ペアです!皆様、選手に大きな拍手を』

 

 

IS学園の生徒たちが簪とシャルロットに大きな拍手と喝采を送る。

 

 

そして、その日の夜。やはりと言うべきか、俺とシャルロットの部屋に刀奈と簪が来ており、刀奈が言っていたことが本当かどうかを確かめることになった。

 

 

刀奈「それではシャルルくん。いいえ、シャルロットちゃん。貴女は雷真のことが好きなの?」

 

シャル「うん……。好き、大好き。だって雷真は僕のことを救ってくれたから」

 

 

刀奈と簪はシャルロットの『救ってくれた』に大きなため息を吐く。

 

 

更識姉妹「「はぁ~」」

 

刀奈「この男は……。まさか、私たちと同じ理由でシャルロットちゃんを堕とすなんて……」

 

簪「本当にね」

 

シャル「え?え?え?」

 

簪「えっとね、シャルロット。私たちが雷真に惚れたのが今から五年前のことなの」

 

刀奈「ある日、学校の帰りに知らない黒服の大人たちに私たちは誘拐されたの」

 

簪「それを額から血を流して、ボロボロの状態で、尚且つ一人で私たちを救ってくれたのが雷真なの」

 

刀奈「だから、貴女と私たちは雷真に恋心を抱いた境遇がちょっと似ているのよ」

 

シャル「本当だ、ちょっと似てる。僕の場合はデュノア社によって、雷真と一夏の専用機のデータを盗んで来いって言われたんだけど。まさか、僕がシャワーから出て服を着ようとしている最中に雷真が脱衣場に入ってきて、僕が女だってバレるとは思わなかったよ」

 

雷真「ちょっ、シャルロット!?」

 

シャル「えっ?あっ!」

 

簪「へぇ~」

 

刀奈「脱衣場で服を着ようとしている最中に、ねぇ……」

 

雷真「あ、あれは不幸な事故と言うかなんと言いますか…………」

 

更識姉妹「「問答無用!もう、いっぺん死んで来い!この浮気者のド変態!!」」

 

雷真「ギャアアアア!!」

 

 

そこで俺の意識は途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、朝起きたら。何故か頭痛がひどいので薬を飲んでから、刀奈、簪、シャルロットの三人と共に朝食を食べて学校に行く。それと何故か、三人は凄く仲が良くなっていた。そして教室に向かう途中でシャルロットとは別れ席に着き、ホームルームになるがシャルロットの姿が見えなかった。

 

 

真耶「えっと、今日は皆さんに転校生を紹介します」

 

 

山田先生のその言葉で俺は刀奈の方に勢いよく振り向く。

 

 

雷真「ッ!?」バッ

 

刀奈「フフフフ」

 

 

その時の刀奈の手に扇子があり。それを開くと扇子の真ん中に『ビックリ大成功!』と書かれていた。

 

 

真耶「入ってきてください」

 

???「はい」

 

 

やっぱりだ!席についてないと思ったら、こういうことかよ!

 

そう、その転校生は女子の制服を着ていた。シャルル・デュノア、改め、シャルロット・デュノアである。

 

 

シャル「シャルロット・デュノアです。皆さん、改めてよろしくお願いします」

 

 

真耶「えっと、デュノアくんは…………デュノアさん、ということでした」

 

箒「はっ?」

 

「つまり、デュノアくんは女?」

 

「おかしいと思った。美少年じゃなくて美少女だった訳ね!」

 

「って、黒牙くんは同室だから知らないことは……」

 

「ちょっと待って、昨日と一昨日って男子が大浴場を使ったわよね?」

 

 

その言葉で隣のクラスからISを纏った、鈴がやってきた。

 

 

鈴「一夏ぁぁぁあ!」

 

 

そして、鈴は龍咆を一夏に向けて撃とうとする。

 

 

一夏「ちょっと待て!それは死ぬ、それ絶対に死ぬぅぅぅぅぅう!」

 

 

一夏は甲龍の龍咆を撃たれると思い、目を瞑るが………一向に龍咆の衝撃がやってこない。

 

 

一夏「あれ……死んでない?」

 

 

一夏が目を開けると、一夏の前にはシュヴァルツェア・レーゲンを纏い、AICを発動している。ラウラの姿があった。

 

 

一夏「ラウラ……。助かったぜ、サンキュー」

 

 

一夏がそう言い終わると………

 

 

ラウラ「んっ……」

 

一夏「んぐっ!?」

 

 

雷真「ワオ!」

 

刀奈「あらあら、フフフフ」

 

シャル「わあ~!///////」

 

 

俺と刀奈。それとシャルロット以外の女子は皆、ラウラが一夏にキスをしたので驚きのあまり口が開いたままだ。

 

 

ラウラ「お、お前は私の嫁にする。決定事項だ。異論は認めん!」

 

 

「「「え、えええええええ!?」

 

一夏「んあ?……はあああああ!?」

 

 

雷真「アハハハハ」

 

刀奈「面白くなりそうねwww」

 

シャル「いやいや、二人とも笑っちゃ可哀想だよ」

 

 

 

こうして、完全に学年別トーナメントの騒動は幕を閉じた。

 

 

アヴァロン・フリーダムのビーム兵器を実技演習の授業でも使用するかについて

  • アヴァロン・フリーダムの使用禁止
  • アヴァロン・フリーダム ビーム兵器の禁止
  • 別機体のビーム兵器を使用
  • 別の機体を使う
  • 雷真は見学

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