自由と白式   作:黒牙雷真

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第19話

千冬「本っ当にすまない。こちらの不手際でバスの定員がオーバーするとは……」

 

雷真「そんな謝らないでくださいよ。俺もシャルロットも怒ってませんから」

 

シャル「そうですよ。逆に織斑先生のお陰で雷真が運転するバイクに乗れますし」

 

 

何故、織斑先生が俺たちに謝っているかというと……。臨海学校の一組のバスだけ定員オーバーで二人だけ乗れないという事態が起きたのだ。

なので幸い、バイクを持っている俺と後一人、俺のバイクの後ろに乗せることになったのだ。

 

そこで勃発したのが一組の刀奈とシャルロットの二人の婚約者によるバイクでタンデムする権利を競う勝負。結果はシャルロットが勝ち、刀奈がバスに乗ることになった。簪は他のクラスのため断念。

 

 

雷真「シャルロットさんや、それは単にお前が乗りたいだけでは?」

 

シャル「だって憧れなんだもん。好きな男性とバイクに二人乗りするの……」

 

千冬「そ、そうか……。では、十分運転には気をつけるように。それと先に宿に行っても構わないぞ?」

 

雷真「いえ、せっかくですから皆のバスと一緒に行きますよ」

 

千冬「そうか、では私はバスに乗るとする」

 

雷真「了解です」

 

 

織斑先生との話を終えて、俺とシャルロットは駐車場へビートチェイサーを取りに行く。

 

 

シャル「雷真、これが雷真のバイク?」

 

雷真「そう。ビートチェイサー2000だ」

 

シャル「ビートチェイサー2000?」

 

雷真「元々、このバイクはとあるアニメのバイクでな。それをモチーフにお義父さんが再現と改造をしてくれたんだ。その時に著作権や肖像権なんかで揉めたけどなんとかなったそうだ」

 

シャル「そ、そうなんだ」

 

 

ビートチェイサーにビートアクセラーを差し込んでエンジンを入れる。

 

 

雷真「シャルロット、はい」

 

シャル「ありがとう」

 

 

シャルロットにヘルメットを渡してからビートチェイサーに跨がる。その後にシャルロットもビートチェイサーの後部座席に跨がる。それとシャルロットには念のため長ズボンを制服の下に履いてもらっている。

 

エンジンが後ろ側にあるとはいえ、なんかの拍子でエンジンに触れて生足が火傷をされては困る。

それが大切な婚約者なら尚更だ。

 

 

シャル「乗れたよ」

 

雷真「それじゃ、次にこのベルトを腰の後ろをぐるりと一周させてから俺の腰にある、嵌め込みに差し込んで」

 

シャル「わかった」

 

 

後ろから【カチッ!】と音が鳴るのを確認してから、もう一度シャルロットに準備は大丈夫か聞く

 

 

雷真「準備は大丈夫か?」

 

シャル「うん!大丈夫」

 

雷真「じゃあ、しっかり捕まってろよ?」

 

シャル「了解」

 

 

俺たち以外の生徒を乗せた、バスが動きだす。それを追いかけるようにバイクを走らせる。高速に乗るとシャルロットは歓喜の声を上げだした。

 

 

シャル「うわー、ISと違うけどバイクも結構早いね?」

 

 

ヘルメットについているインカムからシャルロットの声が聞こえてきたので返答する。

 

 

雷真「まぁ、このビートチェイサーだけが特注品なんだよ」

 

シャル「どういうこと?」

 

雷真「普通のオフロードなら速度が250出せれば凄いほうだ。それに比べて、ビートチェイサーは設計上はアニメと同じで最高時速570kmなんだよ」

 

シャル「つまり、このバイクの最高時速は……」

 

雷真「あまく計算してマッハ0.5が最高だな」

 

シャル「す、凄い」

 

雷真「でも、そこまで出したら速度違反で捕まるけどな」

 

 

高速道路を走っているとIS学園のバスがサービスエリアに入ったので続いて俺たちも入ることにした。

 

 

雷真「シャルロット、トイレ休憩に入るぞ」

 

シャル「うん、わかった」

 

 

サービスエリアに入るとバイク専用の駐車場に停めてからタンデム用のベルトを外し、バイクから降りて体を伸ばす。

 

 

雷真「ん~、はっ!」

 

シャル「んん~、っぱ」

 

雷真「流石に体が凝ったろ?」

 

シャル「流石に一時間も同じ体勢だとね」

 

雷真「それじゃ、体を解すついでにサービスエリアの中を見てくればいい。それと小腹が空いているなら早目に食べておいてくれ。運転の最中に後ろでリバースされても困るから」

 

シャル「わかったよ」

 

 

シャルロットはそう言ってクラスの皆の所へ行ってしまった。俺は一応、織斑先生のところに行き、現状報告。休憩とはいえ、バスの中のような団体行動をしている訳ではなく、バイクでの行動。それもタンデムとなれば、それなりにリスクが生まれるので報告だ。報・連・相、が大切だ、何事も。

 

 

雷真「お疲れ様です」

 

真耶「あっ、黒牙くん」

 

千冬「おお、黒牙」

 

 

俺はバスでスケジュール表やらを確認している、山田先生と織斑先生に息抜きにと思って自作したブレンドコーヒーの粉と氷水を入れた魔法瓶をストライクの拡張領域(バススロット)から出して、その場でブレンドコーヒーを紙コップに淹れて渡す。

 

 

雷真「どうぞ」

 

真耶「ありがとうございます」

 

千冬「これは、すまないな」

 

雷真「いえ」

 

「「ッ!!」」

 

 

千冬「うまいな……」

 

真耶「美味しいですね、このコーヒー」

 

千冬「黒牙、このコーヒーはインスタントなのか?」

 

雷真「いえ、それは俺のオリジナルブレンドですよ。作り方は"あっち側"(コズミック・イラ)でザフトの元隊長に教えてもらいました。」

 

真耶「苦味や渋味が少なくて、コーヒーの香りがとても豊かで、リラックスできますね。先輩?」

 

千冬「そうだな。このコーヒーは心を落ち着かせてくれる。礼を言う、黒牙」

 

雷真「そんなたいしたことはしてないですよ」

 

 

それからは時間になるまで織斑先生と山田先生と共に雑談等を話しながら時間を潰していた。

 

そして、再びバスが動きだし、シャルロットを後ろに乗せてバイクを走らせるのだが…………。いきなり、一組を乗せているバスが待避所に止まってしまったため、バスを追い越してしまった。

 

 

シャル「何かあったのかな?」

 

雷真「分からない。けれど一応、刀奈の方に連絡を取ってみる」

 

 

俺たちも一つ先の待避所に止まり。刀奈に連絡を取ると……。何でも、本音がお菓子の食べ過ぎで、気持ち悪くなり、リバースしたらしい。

 

 

雷真「はぁ~」

 

シャル「心配して損したかも」

 

雷真「取り敢えず、俺たちはどうしたら良いか、織斑先生に替わってくれるか?」

 

 

刀奈『わかったわ』

 

千冬『電話を替わった』

 

 

雷真「織斑先生、俺たちはこのまま、どうしたらいいですか?先に行っているバスを追うか、それとも、そちらと合流した方がいいですか?」

 

 

千冬『そうだな……。そちらは先に行ってくれて構わん』

 

 

雷真「了解です」

 

シャル「織斑先生、なんだって?」

 

雷真「先に行ってくれってさ」

 

シャル「了解だよ」

 

 

それから、バイクを走らせる。そして、二度目のトイレ休憩になり、本音のところにお見舞いに行くと………。

 

 

雷真「本音、大丈夫か?」

 

本音「こ、今回は無理」グデー

 

雷真「こんな本音を見るのは何時以来だ?」

 

 

グロッキーな本音の見舞いを終えて、一人バイクに戻るとそこには四組の先生と顔を青白くして具合が悪そうな簪の姿があった。

 

 

雷真「簪!?。大丈夫か?」

 

簪「雷真…………」

 

先生「貴方が黒牙くん?」

 

雷真「あっ、はい」

 

先生「簪さん、バスの中で乗り物酔いになっちゃってね……。それで、簪さんが貴方のバイクなら多分、大丈夫だろうって」

 

簪「ごめん、雷真」

 

雷真「こんなんで謝んな」

 

雷真「わかりました。取り敢えずは学園からタンデムしてきてる、パートナーに聞いてから、どうするかを考えます」

 

先生「お願いね」

 

 

 

先生から簪のことを聞いて、シャルロットが戻るのを待った。シャルロットが戻ってきたら、簪のことを全て話し、タンデムを簪と交替することを伝える。

 

 

雷真「……ということなんだ」

 

簪「ごめんね、シャルロット」

 

シャル「ううん、これは仕方ないよ。じゃあ、僕は4組のバスに乗るから」

 

雷真「わかった」

 

簪「ありがとう」

 

シャル「それじゃあね」

 

 

シャルロットは4組の先生と共に4組が使用しているバスに向かった。

 

 

雷真「簪、俺たちもそろそろ行こうか?」

 

簪「うん……」

 

 

簪はまだ顔が青いが、先ほどよりは少しましになっている。ヘルメットを渡してバイクに跨がり、後部座席に簪が乗り、慣れた手つきでタンデムベルトを取り付けていく。

 

 

雷真「準備はいいか?」

 

簪「うん」

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

サービスエリアで簪を後ろに乗せた俺は、学園のバスと共に、今回の合宿先に無事に着くことが出来た。

 

 

雷真「くあ~、体がバキバキだ……」コキバキ

 

簪「運転お疲れ様、雷真」

 

雷真「ああ。簪も体調はどうだ?」

 

簪「うん。雷真のお陰で乗り物酔いも治ったよ」

 

雷真「それは良かった」

 

千冬「全員、クラス順に整列!織斑と黒牙は私のところに来るように」

 

 

「「「はい!」」」

 

 

一夏「はい」

 

雷真「はい」

 

千冬「それではここが今日から3日間お世話になる花月荘だ。全員、従業員の皆さんの仕事を増やさないように注意しろ」

 

 

「「「はい!よろしくお願いします」」」

 

 

織斑先生の注意事項のあと、IS学園一年全員で女将さんに挨拶する。また、この花月荘は毎年IS学園の合宿所としているらしい。

 

 

女将「今年の1年生も元気があってよろしいですね。それじゃあみなさん、お部屋の方にどうぞ。海に行かれる方は別館の方で着替えられるようになっていますからそちらをご利用なさってください。場所がわからなければいつでも従業員に訊いてくださいまし」

 

 

女将さんは優しい人らしく、優しい笑顔でIS学園の生徒にお辞儀をした。

そして、俺と一夏以外の生徒は従業員の人に案内をしてもらい、自分が寝泊する部屋に向かった。

 

 

女将「で、こちらが噂の……?」

 

千冬「えぇ、今年は男子がいるせいで浴場分けが難しくなってしまって申し訳ありません」

 

女将「いえいえ、いい男じゃありませんか。しっかりしていてそうな感じをお受けしますよ」

 

千冬「二人とも挨拶をしろ」

 

一夏「織斑一夏です。よろしくお願いします」

 

雷真「黒牙雷真です。御手数をお掛けしますが、よろしくお願いします」

 

女将「ご丁寧にどうも、清洲景子です」

 

千冬「それでは挨拶も終わったことだし、お前たちの部屋に行くぞ」

 

 

「「はい!」」

 

 

それからは織斑先生の後を追いかけ、花月荘の中に入り、南側の三階、つまり海側の部屋に着いた。

 

着いた部屋には『教師室』と書かれて札と、『更識』と書かれた札があった。

 

 

雷真「はあ?」

 

千冬「織斑は私と同じ部屋。黒牙は、お前の婚約者三人と同じ部屋だ」

 

雷真「いやいやいやいや!?。ちょっと待ってくださいよ!!」

 

千冬「なんだ?」

 

雷真「流石にまずいでしょ!?年頃の男女が同じ部屋だなんて」

 

千冬「お前は今更なにを言う。入学初日から更識姉と同居、デュノアが転校してきてからはデュノアと同居。そんな、お前が今更だろうに」

 

雷真「うぐっ!?」

 

雷真「そ、そうですけど!」

 

千冬「これは決まりだ。予備の部屋とかはないからな。異性交遊もほどほどにしろよ?」

 

雷真「流石に他の生徒がいるのにしませんよ!」

 

千冬「フフフフ」

 

 

織斑先生は笑いながら自分の部屋に入って行った。

 

 

一夏「雷真、その……なんだ?頑張れよ」

 

雷真「なにをだよ!」

 

雷真「はぁ~」

 

 

仕方なく、俺は『更識』と書かれた部屋に入る

 

【ガラガラガラガラ】

 

 

刀奈「お帰りなさい。ごはんにします?お風呂にします?それとも、わ・た・し?」

 

簪「そ、それとも、わ、わ、わ、私にしますか?//////」

 

シャル「そ、それとも、僕…………?//////」

 

雷真「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雷真「ぶはっ!?」鼻血ブー

 

 

「「「ら、雷真!?」」」

 

 

刀奈「だ、大丈夫?」

 

雷真「お、お前ら、なんつう格好を…………」鼻抑え

 

シャル「こ、これは……」

 

簪「お姉ちゃんが雷真を驚かそうって……」

 

雷真「その下はちゃんと着てるんだろうな?」鼻抑え

 

刀奈「はい、ティッシュ」

 

雷真「サンキュー」鼻にツメツメ

 

シャル「うん。一応、このエプロンの下には水着を着てるよ」

 

雷真「それは良かった」

 

 

俺がなぜ、鼻血を出したのかは……。まさか部屋に入ったら中には刀奈、簪、シャルロットの三人が裸エプロンならぬ、水着エプロンをしていたのだ。三人の格好を光の加減のいたずらか裸エプロンをしているように見えたため、俺のキャパシティがオーバーフローして鼻血が噴出たのだ。

 

 

雷真「取り敢えず、服を着てくれ」

 

刀奈「水着を着ているじゃない?」

 

雷真「まあ、そうだが……」

 

シャル「雷真、僕たちは今から海に行くけど雷真はどうする?」

 

雷真「少し休んでから行くよ」

 

シャル「わかった」

 

 

刀奈、簪、シャルロットの三人は俺をおいて、海に向かって行った。

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雷真にちょっとした、イタズラをした私たちは三人で先に海に来ている。

 

 

刀奈「簪ちゃん、シャルロットちゃん、早く!」

 

簪「待ってよ、お姉ちゃん」

 

シャル「そうだよ。待ってよ、刀奈」

 

 

私たちはそれぞれ、海に向かって走り出す。すると山田先生から注意事項が大声で説明された。

 

 

真耶「今、11時で~す。夕方までは自由行動、夕食に遅れないように旅館に戻ること、いいですね?」

 

 

「「「は~い!」」」

 

 

本音「かっちゃん、かんちゃん、デュッチー」

 

刀奈「あら、本音」

 

簪「本音……。貴女、やっぱり着ぐるみなんだね」

 

本音「ちゃんとこれも水着なんだよ?」

 

シャル「そ、そうなんだ……」

 

本音「あれ?ライライは?いつも三人と一緒にいるのに~」

 

刀奈「えっと、それは……」

 

簪「うん、それはね……」

 

シャル「雷真はバイクの運転で少し疲れたみたいだから少し休むって」アセアセ

 

刀奈「(シャルロットちゃん、ナイス!)」

 

簪「(シャルロット、ナイスアシスト!)」

 

本音「ふ~ん、そうなんだ。じゃあ、私はもう行くね」

 

刀奈「ええ」

 

簪「わかった」

 

シャル「うん」

 

 

本音はそのまま、一夏くんのところへ。友達と一緒にビーチボールを持って走って行った。

 

 

「「「はぁ~」」」

 

 

刀奈「シャルロットちゃん。さっきのはナイスよ」

 

簪「本当だよ」

 

シャル「なんとかなって、良かったよ」

 

簪「もしも、本音や他のみんなに私たちが雷真に水着エプロンをやって鼻血を出させちゃった、なんて知られたら……」

 

シャル「恥ずかしいもんね」

 

刀奈「そんなにかしら?少しだけ恥ずかしいのは分かるけど」

 

簪「そう思うのはお姉ちゃんだけだよ!」

 

シャル「そうだよ!」

 

 

こうして、刀奈、簪、シャルロットのちょっとした、黒歴史の拡散は避けられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雷真「まったく、刀奈にも困ったものだ。時と場合を考えてからやってくれよ………。こっちの身が持たないぞ」

 

 

俺は拡張領域からブレンドコーヒーの粉と魔法瓶を取り出して、一息入れる。

 

 

雷真「ふぅ~、青い海を見ながら飲むコーヒーはまた格別だな」

 

 

それから、約2時間ほどコーヒーを何杯か飲みながら小説を読み。ゆっくりと過ごしていると、俺の携帯が鳴る。

 

 

雷真「誰だ?人がのんびりしているのに……」

 

 

携帯を見ると、着信の主は刀奈からだ。

 

 

雷真「あ~、もしもし?」

 

刀奈『あっ、雷真?今すぐ、海に来なさい』

 

雷真「え~」

 

刀奈『いいから、来る!じゃあ、待ってるわよ~♪』

 

雷真「ちょ、刀奈!……切れてる」

 

雷真「はぁ~、仕方ない。行くか」

 

 

俺は仕方なく、刀奈たちがいるビーチへと足を運ぶことにした。

 

 

 

アヴァロン・フリーダムのビーム兵器を実技演習の授業でも使用するかについて

  • アヴァロン・フリーダムの使用禁止
  • アヴァロン・フリーダム ビーム兵器の禁止
  • 別機体のビーム兵器を使用
  • 別の機体を使う
  • 雷真は見学
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