自由と白式   作:黒牙雷真

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第23話

紅椿のテストのあと、俺たち専用機持ちは旅館に戻り。いろいろな機械が置いてある、なんちゃってブリーフィング室のような部屋に集まっている。

 

 

千冬「二時間前、ハワイ沖で試験稼働にあった、アメリカとイスラエルの共同開発の第三世代型のIS【シルバリオ・ゴスペル】、通称【福音】が制御下を離れて暴走、監視空域を離脱したとの連絡があった」

 

千冬「情報によれば、無人のISとのことだ」

 

一夏「無人……」

 

千冬「その後、衛星による追跡の結果、福音はここから2km先の空域を通過することがわかった。時間にして50分後、学園上層部の通達により、我々がこの事態に対処することになった」

 

千冬「教員は学園の訓練機を使用して空域及び海域の封鎖を行う。よって、本作戦の要は専用機持ちに担当してもらう」

 

一夏「は、はい!?」

 

ラウラ「つまり、暴走したISを我々が止めると言うことだ」

 

一夏「マジ?」

 

雷真「マジだ、一夏」

 

一夏「なんで、雷真は驚かないんだよ!」

 

雷真「俺は似たようなことを過去に何度も経験したからな」

 

一夏「マジかよ……」

 

 

千冬「それでは作戦会議を、と言いたいところだが……。黒牙、お前には他の作戦を行ってもらう」

 

雷真「他の作戦?」

 

千冬「コイツを見てくれ」

 

 

織斑先生は中央のスクリーンにある映像を映しだした。スクリーンには"あちら側(コズミック・イラ)"の機体であるザクが五機、グフが一機。それも全てカラーリングがされており、ワンオフ機だと直ぐにわかった。

 

 

雷真「なっ!?なんで、あの機体が!」

 

千冬「やはり、驚くか。この機体も"あちら側(コズミック・イラ)"の機体なのだろう?」

 

雷真「はい!なので、今から自分はIS学園の黒牙雷真ではなく、オーブ連合首長国、第二宇宙艦隊アークエンジェル所属の黒牙雷真中尉として、その任にあたります」

 

 

俺は席を立ち上がり、オーブの敬礼をしながら、織斑先生に向けて言った。

 

 

一夏「雷真が……」

 

鈴「軍人……」

 

セシリア「信じられませんわ……」

 

ラウラ「雷真、お前が軍人だったとはな……」

 

千冬「了解した。黒牙中尉には、未確認ISの対処に当たってもらう」

 

雷真「はっ!」敬礼

 

一夏「千冬姉!雷真が軍人って、どういうことだよ!?」

 

千冬「その話は後だ。それでは改めて作戦会議を始める、まずは福音からだ。意見がある者は挙手するように」

 

セシリア「はい!目標ISの詳細なスペックデータを要求します」

 

千冬「ふむ。だが、決して公開するな。情報が漏洩した場合、諸君らには査問委員会の裁判と最低でも二年の監視が付けられる。また、黒牙が担当する未確認ISは黒牙以外は詳細なスペックデータは知らない」

 

セシリア「何故ですか?」

 

千冬「あの未確認ISは我々と別の世界の代物だからだ」

 

セシリア「別の世界って…………」

 

鈴「そんな漫画の話じゃ……」

 

ラウラ「いや、教官が言っていることは本当かも知れんぞ?雷真の乗る、ストライクには実剣実弾兵器を無力化ができる装甲に、多種多様なビーム兵器。これが別の世界で作られた物ならば辻褄が合うはずだ」

 

雷真「さすがはラウラ。軍人として、冷静に状況を認識したな」

 

ラウラ「当たり前だ」

 

セシリア「……未確認ISはわかりました」

 

千冬「よし。それでは山田くん、頼む」

 

真耶「はい」

 

 

山田先生の操作により、中央のスクリーンに福音の詳細スペックデータが映しだされていく。

 

 

セシリア「広域殲滅を目的とした、特殊射撃型……。私のISと同じ、オールレンジ攻撃が行えるようですわね」

 

鈴「攻撃と機動の両方を特化した機体ね。厄介だわ……」

 

シャル「この特殊武装がくせ者って感じがするね。連続しての防御は難しそうだね。」

 

ラウラ「このデータだけでは格闘性能が未知数。偵察は行えないのですか?」

 

千冬「それは無理だな。この機体は現在も超音速飛行を続けている。アプローチは一回が限界だ」

 

真耶「一回切りのチャンス……。っということはやはり、一撃必殺の攻撃力を持った機体で当たるしかありませんね」

 

 

山田先生の言葉に専用機持ちは一様に一夏に目線を向ける。

 

 

一夏「うんうん、えっ!?」

 

鈴「アンタの零落白夜で墜とすのよ」

 

セシリア「それしかありませんね。雷真さんは未確認ISの担当ですから。ただ、問題は……」

 

シャル「誰が、どうやって、一夏を運ぶかだけど……。エネルギーを全て攻撃に使わないと難しいだろうから、移動をどうするか?」

 

ラウラ「目標に追い付ける速度が出せるISでなければいけないな……。超高感度ハイパーセンサーも必要だろう」

 

一夏「ちょ、ちょっと待ってくれ!俺が行くのか?」

 

 

「「「「当然!」」」

 

 

女性陣の皆様は満場一致で一夏にそう答えた。

 

 

一夏「ユニゾンで言うな!」

 

千冬「織斑、これは訓練ではない……実戦だ。もし、覚悟がないなら無理強いはしない」

 

一夏「やります。俺がやってみせます」

 

千冬「それでは、この中で最高速度が出せる機体は…………」

 

???「待った、待った!」

 

 

天井から何やら天災の声が聞こえたと思ったら、本当に居たよ。この天災のウサギ……。

 

 

束「その作戦はちょっと待ったなんだよ」

 

一夏「また出た……」

 

雷真「神出鬼没だな、あの人は……」

 

そして、天井からくるりと回転しながら畳に着地。そのまま、脱兎の勢いで織斑先生にかけよる。

 

 

束「ち~ちゃん、ち~ちゃん!もっと良い作戦が私の頭の中で ナウプリンティング!」

 

千冬「出ていけ!」

 

束「聞いて、聞いて!ここはだーんぜん紅椿の出番なんだよ!」

 

千冬「何?」

 

束「紅椿は束さんが開発したIS中で最速を誇るんだよ。展開装甲ってやつで爆発的に加速するしね」

 

千冬「ふむ………わかった。福音の方は織斑、篠ノ乃の二名でいく。次に黒牙の方の作戦だが……黒牙、皆に未確認ISのスペックデータを説明してほしい」

 

雷真「わかりました」

 

 

織斑先生の指示でストライクから未確認ISのスペックデータを部屋の中心に出現させる。

 

 

 

 

~BGM:出撃!インパルス~

 

 

 

 

 

雷真「それでは説明する。まず、俺は過去に二年間行方不明になっているが、実際は異世界で四年間も過ごし、本当の戦争を二度、経験している」

 

 

「「「「!!」」」」

 

 

俺の言葉に、刀奈、簪、織斑先生、山田先生の四人以外は信じられないと顔をしているが二人だけ違った。それはラウラと篠ノ乃束だ。

 

 

雷真「そして、スクリーンに映しだされている機体だが、名前は【ZGMF-1000 ザク】、【ZGMF-1001 ザクファントム】、【ZGMF-2000 グフイグナイデット】。元々、ザクのカラーリングは緑で、グフイグナイデットが水色なのだが、一機を除いた五機を見るに、どれもワンオフ機としてカスタムされた機体のようだ」

 

雷真「ザクの基本装備、『ビーム突撃銃』が一丁、『対ビームシールド』が1つ、またビームシールドの内に収納されている『ビームトマホーク』が一本、そして腰に装備されている、『ハンドグレネード』が4つ。しかし、この他にストライクと似た換装システムによって装備が異なる、システムの名前はウィザードシステム」

 

刀奈「ストライクと同じ……」

 

簪「万能機……」

 

雷真「まずは、ブレイズウィザード、こいつはザクの背中にストライクのエールを取り付けたような機動型のウィザード。武装は背中のウィザードに備え付けられている、『ファイヤビー誘導ミサイル』が28発。これは緑色の奴がそれだ」

 

雷真「次に、ガナーウィザード、これはランチャーと同じ、砲戦型ウィザードだ。武装は『オルトロス高エネルギー長射程ビーム砲』だけだ。これはランチャーのアグニに匹敵する威力を持っている。これは赤と黒の機体がそれだ」

 

 

「「「「!!」」」」

 

 

鈴「うそ……」

 

ラウラ「アグニに匹敵するだと……」

 

雷真「最後に、スラッシュウィザード、これはソードと同じで近接格闘型のウィザードだ。武装は背中に備え付けられている、『ハイドラガトリングビーム砲』が二門、『ファルクスG7ビームアックス』が一本だ。ビームアックスは易々とストライクの対ビームシールドを切り裂く程の切れ味がある。これは水色の機体がそれだ」

 

箒「あのシールドを易々と……」

 

雷真「次はグフだ。武装は対ビームシールドの中に収納されている、『テンペストビームソード』が一本。次に両前腕部に収納されている、格闘用鞭の『スレイヤーウィップ』。最後は両前腕部に内臓されている、『ドラウプニル4連装ビームガン』。これは黄色の機体がそれだ。」

 

雷真「他にはストライクのように実剣実弾を無効化する装甲はない、あとはザクたちもISとして改造されているのか、本来なら支援空中飛翔体の『グゥル』がないと長時間の飛行は出来ないという欠点が改善されている様だ。また、これは俺の憶測だが、どの機体も無人機だとは思うが、俺が二度の戦争で戦ったことのあるパイロットの戦闘データが組み込まれている可能性があるかも知れない」

 

刀奈「ということは、その六機は……」

 

シャル「雷真と同じくらい、強いってこと……?」

 

雷真「いや……もしかしたら、俺以上だ。それにどの機体もスペックはストライクより上だ」

 

簪「そんな……」

 

雷真「だから、これは俺、一人でやる」

 

刀奈「バカ言わないで!なんで、雷真が一人で行くのよ!?雷真が行くなら私も行くわ!」

 

雷真「刀奈、お前……」

 

簪「私も!」

 

シャル「僕も!」

 

雷真「お前ら、まで……」

 

鈴「しょうがない、私も雷真の作戦に参加するわ」

 

ラウラ「私もだ」

 

雷真「なんで……」

 

ラウラ「私はお前に少し恩があるからな」

 

鈴「私はどうせ、一夏の役にたてないから、参加するだけよ。それに私も雷真には恩があるし」

 

セシリア「私も雷真さんには恩義がありますわ。だから、私も参加いたしますわ」

 

雷真「これは遊びや訓練でも無い。本当の死が間近に迫りくる作戦なんだぞ!?」

 

鈴「わかってる。前に雷真に怒られた意味も理解した。そして、あの時、なんで雷真が怒ったのも今、理解した」

 

セシリア「ですから、あの時とは違いますわ」

 

千冬「それでは黒牙の作戦には、織斑と篠ノ乃以外のメンバーで当たってもらう。いいな?」

 

 

「「「「はい!」」」」

 

 

千冬「作戦開始は30分後、各員準備にかかれ」

 

 

 

織斑先生の号令で各自、自分の機体を調整しに行くが、俺はセシリア、鈴、ラウラを呼び止めてあることを頼んだ。

 

 

 

雷真「三人に頼みがある。もしもイレギュラーが発生したら~~~~~ってくれ。頼む」

 

ラウラ「貴様、それは本気で言っているのか!?」

 

雷真「ああ、本気だ」

 

ラウラ「そうか……わかった!」

 

雷真「ぐっ!!」

 

 

ラウラは俺の頼みを了承し、そのまま歩き出すと見せかけて俺に腹パンを一つ入れた。

 

 

ラウラ「これは、シャルロットの分だ」

 

 

ラウラはシャルロットと親友であるため、俺の頼みはシャルロットを悲しませると理解したようだ。

そして…………。

 

 

鈴「これは、簪の分よ!」

 

雷真「かはっ!!」

 

 

鈴も簪と仲が良くなっているため、ラウラと同じように簪を悲しませるとわかったようで、俺の腹に一撃を入れた。

 

 

セシリア「これは、刀奈さんの分ですわ!」

 

 

セシリアは刀奈と色々と話しをして鈴と簪のように仲が良くなったみたいで、二人とは違い。ビンタを喰らった。

 

 

雷真「いっつううう」

 

 

三人はそれぞれ、俺に一撃を入れたあとは機体の調整に向かって行った。

部屋に戻ると刀奈たちが話しがあると言われた。

 

 

雷真「話しってなんだ?」

 

刀奈「雷真……貴方、一人で三機を相手する気でしょ?」

 

雷真「ああ……そのつもりだ」

 

簪「やっぱり……」

 

シャル「止めても、無駄……なんだよね?」

 

雷真「ああ。 本当なら俺があの六機、全てを破壊しなちゃいけないんだけどな」

 

 

俺は天井に顔を向けて、息を吐く。

 

 

刀奈「なら、これだけは約束して」

 

雷真「…………」

 

刀奈「もしも、何かあっても必ず、私たちの下に帰ってきて!」

 

雷真「…………」

 

刀奈「もう、雷真がいない生活は嫌なの!」ポロポロ

 

 

刀奈は俺が行方不明になって二年間の生活を思い出してしまったのか泣き出してしまった。

 

 

簪「私もお姉ちゃんと同じかな」

 

シャル「僕も、雷真がいない生活は考えたくないな」

 

雷真「わかった。その約束、なんとしても守るよ」

 

 

準備時間の30分が過ぎ。時刻は11時30分。各自、砂浜で集合して、ISを展開する。

 

 

雷真「いくぞ!」

 

「「「おう!(ええ!(ああ!」」」

 

 

そして、みんな空へ向けて飛ぶ。

 

 

雷真「黒牙雷真。ストライク、行きます!」

 

 

俺が終わらせないといけないんだ。この世界で………刀奈や簪、シャルロット。それに、皆がいる、この世界で戦争なんか起こさせてたまるか!

 

 

アヴァロン・フリーダムのビーム兵器を実技演習の授業でも使用するかについて

  • アヴァロン・フリーダムの使用禁止
  • アヴァロン・フリーダム ビーム兵器の禁止
  • 別機体のビーム兵器を使用
  • 別の機体を使う
  • 雷真は見学
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