オルコットの決闘宣言から数日が経ち、決闘当日になった。現在、俺たちはオルコットと決闘するため第三アリーナに来ている。
一夏「なぁ箒」
箒「なんだ?」
一夏「ISのことを教えてくれる……って話しだったよな?」
箒「」プイッ
一夏「なっ!目を逸らすな!一週間、剣道の稽古しかしなかったじゃないか」
一夏は箒にISのことを教えてもらうつもりだったのだが結局、剣道の鍛練しかしていなかったようだ。
箒「し、仕方がないだろう!お前のISはまだ届いていないのだから」
一夏「ISの知識とか基本的なことかあるだろう」
雷真「なあ、一夏。箒だけに頼ったお前も悪いだろう」
一夏「なんで?」
雷真「休み時間とか箒以外に聞くとかしろよ」
一夏「言われてみれば……。クソォォォ!過去の俺を殴ってやりたい」
一夏が自分の不甲斐なさを叫ぶとモニターに映像が映し出される。
一夏「あれがアイツの専用機か?」
と呑気に言っている。
真耶『織斑くん、織斑くん、織斑くん!』
山田先生から三回も名前を呼ばれる。
一夏「ッ!?」
真耶『来ました!織斑くんの専用IS』
千冬『織斑、直ぐに準備をしろ。アリーナを使用できる時間は限られているからな。ぶっつけ本番で物にしろ』
織斑先生からの通信が切れると待機所にあるシャッターの一つが開く。そこから銀色のパワードスーツのような物が現れた。
真耶『これが織斑くんの専用IS、白式です!』
千冬『直ぐに装着しろ、時間がない。そして、黒牙は第三待機所に行け、そこには更識姉妹がいるはずだ』
雷真「刀奈たちが?わかりました」
俺は第一待機所を出る前に一夏に一声かける。
雷真「一夏」
一夏「なんだ、雷真?」
雷真「必ず勝てよ」
一夏「ああ!」
一夏の返事を聞いて俺は第三者待機所に向かう。
すると、道中で虚さんと本音に出会う。
虚「雷真くん、こっちです」
本音「ライライ、こっちだよ~」
雷真「虚さんに本音、道案内サンキュー」
虚「中でお嬢様方がお待ちです」
雷真「わかりました」
俺は二人と共に第三者待機所に入ると中には刀奈と簪がテーブルの前で待っていた。
雷真「悪い、待たせた」
刀奈「いいわよ。男の子の友情ってやつでしょ?」
雷真「ああ。それで、俺の機体なんだが……」
刀奈「それについてはここにあるわ」
刀奈は右手をテーブルの上にあるアタッシュケースの上に置いた。だが、そのアタッシュケースは普通のとは違い、横にアタッシュケースを開ける留め金のようなものがない。
雷真「そのアタッシュケースの中に俺の機体があるのか?」
刀奈「ええ。ただし、このISは私たち更識の力を持っても解析が出来なかったの」
雷真「それはどういう意味だ?」
刀奈「とりあえず今は時間が無いからケースを開けるわ、簪ちゃん」
簪「うん、お姉ちゃん」
二人は首から掛けていた鍵のようなもの取り出す。その二本の鍵は金銀に別れていた。
雷真「何処かで似たような光景を見たような……」
刀奈「簪ちゃん、準備はいい?」
簪「いいよ」
鍵を挿して互いに息を合わせる。
刀奈「それじゃ、3、2、1、今!」
そして、刀奈の合図で鍵を回す。するとアタッシュケースはカシュッという音をたてながらケースを開き始め中から白い煙が床に溢れていく。
煙が止むとそこには白い翼を型通った首飾りがあった。
刀奈「これがアナタのISよ、雷真」
雷真「これが俺の……」
刀奈「これはアナタが行方不明から帰って来た時にアナタの側にあったの」
雷真「えっ!?」
刀奈「そして、この首飾りからIS反応があって調べたんだけど、ロックが掛かっていて全然情報が得られなかったの」
雷真「そうか……。取り敢えず、触れてみるわ」
刀奈「ええ」
俺は首飾りに近づいて首飾りに触れると……。
雷真「まぶっ!?」
簪「きゃっ!!」
刀奈「何よ!?」
虚「お嬢様方!?」
本音「前が見えないよ~」
眩い光が視界を埋めつくし、光が止むとそこには…………。コズミックラ・イラでキラと交代で乗った、GAT-X105ストライクが存在していた。
雷真「す、ストライク!?なんで、こいつが……」
ストライクが何故、こちら側の世界にあるのかを疑問に思っていると……。
『音声認識システム起動。クロキバ・ライシンの音声をキャッチ。録音テープ1を再生します』
雷真「録音テープって……」
俺はストライクがあることに困惑している中、勝手に録音テープが流れるシステムが言った。
???『よう、坊主。これが流れてるってことは無事に元の世界に帰れたようだな』
雷真「この声は…………フラガ、一佐!?」
ムウ『お前は何故、ストライクがそこにあるのか疑問に思ってるだろう?その答えは神様からの予言だ』
雷真「はあああああ!?」
ムウ『何でもお前さん、また戦いの道を進むらしいな?だから、俺たち、アークエンジェルのクルーからの餞別だ。上手く使えよな?つってもお前は俺よりもそいつを上手く動かせるもんな』
雷真「色々とありすぎて何がなにやら」
ムウ『最後にもう一人、お前に激励してくれる奴がいるからな。それじゃあな、死ぬなよ、クロキバ・ライシン中尉』
システム『音声テープ1を終了。続いて、音声テープ2を再生します』
雷真「次は誰だ?」
???『やあ、ライシン。元気かい?』
雷真「この声は間違いない、キラ!」
キラ『このテープが流れてるってことは、やっぱり君の世界でも争いは絶えないんだね』
雷真「そうだな……」
キラ『けれど、争いは他の花まで散らしてしまう。だから、それを防ぐために、君にこの機体を送るよ。そして、この言葉も……【想いだけでも、力だけでも】とね』
雷真「想いだけでも、力だけでも……」
キラ『本当はもっと話していたいけど、時間がないから、これが最後だ。君に会えて、僕は本当に嬉しかったよ、親友』
雷真「そんなの俺だって同じに決まってんだろう、親友」ポロポロ
システム『音声テープ全ての再生が終了しました』
戦友たちの声を久しぶりに聞いて感動のあまり涙が流れていることを気づいていない俺は刀奈に心配を掛けていたようだ。
刀奈「雷真…………大丈夫?」
雷真「ああ、久しぶりに戦友と話しができたからな。それに一層、負けられない理由ができた」
そうして、俺は新たな闘志を燃やし、ストライクに乗り、システムを起動させると……。
Welcome to M,O,S
G eneral
U nilateral
N euro - Link
D ispersive
A utonomic
M aneuver
と表示された。
雷真「OSは………。(確か、キラは初めてストライクに乗った時、OSが無茶苦茶で死ぬ思いをしたって言ってたな)」
システムを起動し、OSを調べて行く。
雷真「おいおい、何だよこの出鱈目なOSの作りは!?こりゃ、キラだって戦闘時にOSを書き換えてれば死ぬ思いをするはずだ」
雷真「時間がない!」
俺はホロウウィンドウを出現させて、高速でタイプして行く。
雷真「キャリブレーション取りつつゼロ・モーメント・ポイントおよびCPGを再設定。クソッ! なら擬似皮質の分子イオンポンプに制御モジュール直結、ニューラルリンゲージ・ネットワーク再構築。てかマジで、キラはこんなOSを戦闘時に書き換えたのか?本当、恐れいるぜ!ったく」
雷真「次、メタ運動野パラメータ更新、フィードフォワード制御再起動、伝達関数コリオリ偏差修正。運動ルーチン接続、システムオンライン、ブートストラップ起動!!」
雷真「これで、終わり!」
最後のタイプを終えて、念のために再度システムの設定を確認する。
▽▲▽
私たちは雷真にアタッシュケースの中身を渡すと突然光りだし、待機所にはなかったはずの見たこともないISがそこにはあった。
雷真「す、ストライク!?なんで、こいつが……」
雷真は見たこともないISについて知っているようだけれど、次の瞬間。機械音声がなり、雷真の音声をキャッチしたことにより録音音声テープが再生されていく。
それを聞いた雷真は目から涙を流していた。
刀奈「雷真……大丈夫?」
雷真「ああ、久しぶりに戦友と話ができたからな」
それから雷真はストライクというISに乗り込み高速でホロウウィンドウをタイプしていく。
簪「は、早い……」
そう雷真のタイピングは約一秒間に20文字はタイプしているのではないかという速度でタイプしている。
また、私たちが聞いたこともない用語を口にしながらタイプしているのだ。
刀奈「簪ちゃん、雷真が口にしてる用語分かる?」
簪「流石の私でも分からない」
刀奈「雷真、アナタはあの二年間で何があったの……」
私は雷真が行方不明になった二年間のことを聞かされていない。私が聞いても、まだ決心がついていないから待っていてくれと言われるだけ……。
私に本当のことを言ってくれないことが悲しい。
▽▲▽
雷真「ふぅ~、一通り確認は終わったな」
30分ほど、ストライクのOSやらを調べて行くと、なんとOS設定以外は第二次ヤキンドゥーエ攻防戦までの戦闘データとセカンドステージまでのザフト、連合、オーブの三軍の
雷真「OS以外はまんま、あの時のストライクかよ」
刀奈「雷真、調子はどう?」
雷真「問題ない。セッティングも終わったから一度解除するわ」
ストライクに『解除』と念じ、ストライクを待機状態に戻す。
雷真「よし。ところで一夏の方は?」
本音「おりむ~、苦戦してるみたい」
雷真「そうか……」
モニターを見ていると一夏の機体がさっき見た時と少し違う姿に変わっていた。
雷真「あれは白式なのか?」
簪「多分、
雷真「へぇ~」
簪から一夏が乗る機体の変化の説明を受けてから少し経つと…………一夏は刀の刀身からビームのようなものを出し、オルコットに切りかかるが……。
『白式、シールドエネルギーempty。勝者、セシリア・オルコット』
雷真「あのバカ、武装の特性を理解しないで使いやがって」
本音「ライライ、なんで、おりむ~は負けたの?」
雷真「あれは、一夏の機体にある
簪「なんで、雷真は知ってるの?」
雷真「それは前に織斑先生がモンド・グロッソに出ていた頃の記事を読み漁ったからな」
刀奈「へぇ~、そんなこともしてたんだ」
雷真「まぁな」
三人に一夏の敗因を説明した後、織斑先生から通信が来る。
千冬『黒牙、約15分後にオルコットとの試合だ。準備はいいな?』
雷真「もちろんです」
千冬『わかった。それとそこに居る四人、その内の誰かが黒牙の出撃準備のアナウンスをしてやれ』
刀奈「雷真、誰にするの?」
雷真「そうだな……。簪、頼めるか?」
簪「えっ、私!?」
雷真「そう。簪に頼みたい」
簪「お姉ちゃんじゃなくて私に……。わかった、やってみる!」
雷真「頼んだぜ」
簪「うん!」
簪がアナウンスを務めることになり、オルコットの準備ができるまで虚が淹れるお茶を飲みながら待つ。
千冬『黒牙、オルコットの準備が出来た、お前も準備をしろ』
雷真「了解」
俺は首に掛けている白い羽の首飾りに『起動』と念じる。すると首飾りが光りだし、俺の体にストライクを装着する。
刀奈「やっぱり、全身装甲なのね」
雷真「ああ」
簪『雷真、カタパルトに乗って』
管制棟から簪の指示が飛んでくる。
雷真「了解だ」
簪『カタパルト接続、進路クリア、システム・オールグリーン、発進タイミングを雷真に譲渡するよ』
雷真「了解」
カタパルトにストライクの足を乗っけて接続、そして頭の中であるイメージをする。それはストライクの装備である、エールストライカーを背負うイメージだ。すると、背中に確かな重みが加わり……。
雷真「黒牙雷真、ストライク。行きます!」
エールストライカーのスラスターと脚部のバーニアを吹かし、カタパルトから飛び出し空を飛ぶ。
その際、ストライクの装甲である。フェイズシフトと起動させると灰色の装甲がトリコロールカラーに染まる。
アヴァロン・フリーダムのビーム兵器を実技演習の授業でも使用するかについて
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アヴァロン・フリーダムの使用禁止
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アヴァロン・フリーダム ビーム兵器の禁止
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別機体のビーム兵器を使用
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別の機体を使う
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雷真は見学