自由と白式   作:黒牙雷真

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第31話

カオスたちを撃破して、刀奈たちの前まで行き、刀奈たちに武器を向けられながらフリーダムのヘッド装甲とオーブのパイロットスーツのヘルメットを取る。俺だということが分かった三人は泣き出してしまった。

 

 

雷真「いい加減、泣き止めよ」

 

刀奈「だって……」ポロポロ

 

簪「そうだよ……」ポロポロ

 

シャル「本当だよ……」ポロポロ

 

雷真「それより、刀奈が持ってるそれってソードの…………」

 

刀奈「ええ、ソードストライクの武装よ。これ以外にもビームライフルに対ビームシールドも貴方がロストした孤島の波打ち際に漂着していたの」

 

雷真「なるほどな。刀奈たちだけがこっちにいるってことは、他の皆はシルベリオ・ゴスペルの方か?」

 

刀奈「そうよ。箒ちゃん、セシリアちゃん、鈴ちゃん、ラウラちゃんで福音を撃破しに行ったわ」

 

雷真「わかった。俺は箒たちの手助けに行ってくるから三人はゆっくりと来るといい」

 

シャル「ううん。僕たちは花月荘に一度戻るよ」

 

簪「さっきの戦闘でSEがあまりないし。なにより、お姉ちゃんの霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)はSEが残り僅かだから」

 

雷真「なら、一度降りれる場所に移動しよう」

 

刀奈「何をするの?」

 

雷真「いいから」

 

 

俺は刀奈たちと孤島に降りてからフリーダムのSEを三人のISに譲渡することにした。

 

 

雷真「それじゃ、まずは刀奈。手を出して」

 

刀奈「え、ええ」

 

 

霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)の手を掴み、フリーダムのエネルギーを譲渡する。

 

 

雷真「フリーダム。 霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)にエネルギーの譲渡を開始」

 

刀奈「えっ!SEが回復してる!?」

 

シャル「でも、そんなことしたら雷真のISのエネルギーが……」

 

簪「二人とも大丈夫だよ」

 

刀奈「簪ちゃん?今のはどういうこと?」

 

簪「雷真のISをストライクから抽出したデータで探してみたんだけど、その、雷真の新しいISはエネルギーの枯渇の心配はないんだよ」

 

シャル「エネルギーの枯渇がない?」

 

簪「うん。 なんたって、雷真が乗ってる【ZGMF-X10A フリーダム】は動力源に核を使ってるから」

 

 

「「核!?」」

 

 

刀奈とシャルロットの二人は簪からされたフリーダムの動力源の説明を聞いて凄く驚いていた。

 

 

刀奈「ちょっと待って、核を動力にしているISなんて聞いたことがないわよ!?」

 

雷真「だろうな。なんせ、フリーダムは"あっち側(コズミック・イラ)"から乗ってきた物だからな」

 

シャル「"あっち側(コズミック・イラ)"って…………まさか!?」

 

雷真「そっ。俺はストライクで墜とされた時に、また"あっち側(コズミック・イラ)"の世界に行っててな。それでこっちに還ってくる時にフリーダムを貰ったのさ」

 

刀奈「はぁ~。もう、私たちの旦那様は何処まで規格外なのよ」

 

雷真「悪かったよ。次は簪とシャルロットも」

 

簪「うん」

 

シャル「よろしく」

 

 

簪とシャルロットの手も握って、フリーダムからエネルギーを譲渡する。

譲渡が終わるとシャルロットが刀奈から受け取ったであろう、ラミネートアンチビームシールドを受け取り、後ろ腰にマウントする。

 

 

雷真「SEの補給も終わったし、三人はゆっくりと来いよ?」

 

 

 

三人のSE補給が終わるとフリーダムのスラスターを一気に噴かして箒たちが居るであろう海域に向かう。

 

 

 

シャル「さっきの戦闘で分かってたけど……」

 

刀奈「やっぱり、速いわね……」

 

簪「マルチロックオン・システムはフリーダムの物だったんだ」

 

 

 

 

 

 

~BGM: STRIKE出撃!~

 

 

 

 

 

刀奈たちを置いて急いで箒たちの所へ向かっていると少し先の海上で爆発やレーザー、レール砲などが行き交っていた。

 

 

雷真「あれか!」

 

雷真「一夏の奴……白式が第二形態に進化したのか?」

 

 

箒たちが目視できる距離までになると福音以外にもう一機。白いISが居たので、その機体は一夏だと理解した。

 

 

雷真「まさか、一夏まで機体を新しくするとはな」ニヤリ

 

雷真「ッ!!」

 

 

一夏が強くなったことに少し笑みを浮かべていると福音が身体を捻るように回転させてエネルギー弾をばら蒔いた。

 

 

一夏「鈴!?」

 

鈴「はっ!」

 

雷真「させるか!」

 

 

二段階瞬時加速(ダブル・イグニッション)で福音のエネルギー弾が当たる前に鈴を抱き上げて射線上から離脱する。

 

 

鈴「アンタ、一体……?」

 

一夏「鈴、大丈夫か!」

 

鈴「ええ……私は大丈夫よ。ソイツが助けてくれたから」

 

一夏「そうか。誰か知らないけど鈴を助けてくれて……」

 

雷真「礼は後で聞いてやるか今は戦闘に集中しろ、一夏!」

 

 

俺はそれだけを言い残して福音に突撃する。

 

 

一夏「今のって……!」

 

鈴「雷真!?」

 

 

福音に近付きながらセシリアにオープンチャンネルで通信する。

 

 

雷真「セシリア、聞こえるか?」

 

セシリア「その声は……雷真さん!?貴方、生きて……」

 

雷真「話は後だ。ブルー・ティアーズのビット兵器で福音を牽制してくれ。やれるな?」

 

セシリア「お任せくださいまし!」

 

 

セシリアにビット兵器で福音の動きを阻害させる。その隙に俺がラケルタビームサーベル二本を引き抜き、二刀流で福音に突撃する。

 

 

雷真「まずは翼だ!」

 

雷真「そこだぁぁぁぁあ!!」

 

 

ストライクにもあったイメージ・インターフェースを利用して俺が出来るキラの動きを再現する。

それは福音とすれ違い様に福音の背中にあるエネルギー翼を発生させる翼を切断する。

 

すると福音は翼を失ったことにより海面へと落ちていく。

 

 

雷真「一夏!」

 

一夏「任せろ!」

 

一夏「ウオオオオオッ!!」

 

 

一夏は落下している福音を二次移行(セカンドシフト)で新たに追加されたデスティニーのパルマフィオキーナのような武装で近くの孤島の砂浜まで押し込み、砂浜に着くと零落白夜で止めを刺そうと雪片弐型を突き立てるが福音が抵抗する。

 

なので俺は一夏の上から急降下して雪片弐型の柄の部分を踏みつける様に真下に蹴りを入れる。それを何度も繰り返す。

 

 

雷真「一夏、そのままだ!」

 

一夏「分かってる!ウオオオオオッ!!」

 

雷真「貫け!」

 

一夏「貫け!」

 

 

「「貫けぇぇぇぇぇえ!!」

 

 

俺と一夏の声が重なり、俺が二段階瞬時加速(ダブル・イグニッション)で蹴りを入れるとあまりの力により福音の抵抗を打ち破り、そのまま、深々と白式の雪片弐型が福音の胴体を貫いた。

それにより、福音は完全に行動を停止した。

 

 

雷真「終わったな、一夏」

 

一夏「ああ。やっと、終わった」

 

 

福音か止まったことに一息着くと一夏は此方に向いた。

 

 

一夏「お前、本当に雷真で良いのか?」

 

雷真「この声で分かれよ」

 

 

仕方なく、フリーダムのヘッド装甲とヘルメットを取り、顔を見せる。

すると箒やセシリア、鈴、ラウラまでやってきた。

 

 

箒「雷真、お前、カオスたちに墜とされたんじゃ……」

 

雷真「ああ、一度墜とされたよ」

 

鈴「なら、その機体は?」

 

雷真「この機体は"あっち側(コズミック・イラ)"から乗ってきた物なんだ」

 

セシリア「あっち側って、雷真さんが言ってらした異世界のことですの?」

 

雷真「それであってる」

 

ラウラ「つくづく、貴様は異世界に飛ばされるようだな?」

 

雷真「それにはどう反応していいか分からないな」

 

 

しばらく、一夏たちと話をしていると刀奈たちがやって来て、福音を回収してからIS学園の皆が待つ、花月荘へと帰る。

 

花月荘に着く頃には太陽が昇り、朝になっていた。

そして、花月荘に到着したのでフリーダムを解除すると俺の身体の力がガクリと抜け、倒れそうになる。

 

 

雷真「うおっ!?」

 

刀奈「雷真!?」

 

簪「雷真!?」

 

 

倒れそうになる俺を昔と同じように刀奈と簪が支えてくれた。

 

 

雷真「悪い。やっぱり、宇宙から大気圏を突破してきたから身体がいうことを聞かないみたいだ」

 

刀奈「なら、私たちに任せなさい」

 

簪「任せて」

 

雷真「すまない」

 

 

二人に支えられながら花月荘の入り口に行くと、そこには織斑先生と山田先生が俺たちを待っていた。

 

 

一夏「千冬姉……」

 

雷真「織斑先生に山田先生……」

 

千冬「『作戦完了!』と言いたい所だが黒牙を除いたお前たちは重大な違反を犯した」

 

 

「「「「「はい!」」」」」

 

 

千冬「帰ったら直ぐ、反省文の提出だ。懲罰用の特別トレーニングも用意してあるから、そのつもりで居ろ」

 

摩耶「あ、あの……織斑先生。もう、そろそろこの辺で………皆、疲れてるはずですし。何より黒牙くんを休ませてあげないと」

 

千冬「しかしまぁ……よくやった」

 

 

「「「えっ……?」」」

 

 

千冬「全員、特に黒牙、よく帰ってきた。ゆっくりと休め」

 

 

 

まさかの織斑先生からお褒めの言葉をもらって俺たちは解散し、朝食になるのだが。やはり俺は大気圏突破の影響で身体の筋肉が悲鳴を上げ、自分の力ではまともに飯を食えないので刀奈に部屋で食わせてもらうことになった。

 

 

刀奈「はい、あ~ん」

 

雷真「あ~ん」

 

雷真「うん。美味い」

 

刀奈「良かった。ところ、あのフリーダムは本当に核を動力としてるの?」

 

雷真「ああ。だから、フリーダムのエネルギーは無尽蔵に精製される。それにパワーはストライクの四倍だ」

 

刀奈「四倍!?」

 

雷真「だから、その分、フリーダムの機動性も上がるから扱いがまだ慣れないんだよ。それにあの時に見せた目を覚えているか?」

 

刀奈「ええ。あの据わったような目ね」

 

雷真「あれはSEEDと呼ばれていて、所謂ゾーンみたいな物なんだけど、それを使っても上手く扱えなかったから学園に戻ったら特訓しないとな」

 

刀奈「あまり無茶はしないでよ?今回みたいに雷真が居なくなるなんて私たちは嫌だからね」

 

雷真「分かったよ。もう、あまり無茶はしないよ。お前たちの涙や悲しむ顔は見たくないからな」

 

刀奈「約束よ?」

 

雷真「ああ、約束だ」

 

 

 

 

 

 

こうして俺たちの波乱の臨海学校は終わりを告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある施設である男がモニターを見ていた。

 

 

???「よもや、ザクやグフのみならず、カオス、ガイヤ、アビス、セイバーまで撃破されるとは……」

 

???「全く、君も本当に彼や奴と同じで私の邪魔をしてくれるものだ」

 

???「ストライク、ムウ・ラ・フラガ、フリーダム、キラ・ヤマト」

 

???「いつか私と戦う運命にあるのかな?この世界のキラ・ヤマトである、クロキバ・ライシンくん?」

 

 

その男は椅子の背凭れに身体を預けながら顔に出来た傷を撫で高らかに笑い始めた。

 

また、男が見ていたモニターの横にあるもう一つのモニターがあり、そのモニターにはある機体の状態と名前が載っていた。

その名は…………【ZGMF-X666S レジェンド】

 

 

???「フッハハハハハ!!」

 

 




ネタ切れなので少しお休みします

アヴァロン・フリーダムのビーム兵器を実技演習の授業でも使用するかについて

  • アヴァロン・フリーダムの使用禁止
  • アヴァロン・フリーダム ビーム兵器の禁止
  • 別機体のビーム兵器を使用
  • 別の機体を使う
  • 雷真は見学

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