自由と白式   作:黒牙雷真

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第34話

【ピピピピピッ!ピピピピピッ!】

 

 

 

雷真「ん、ん~、んあ?」

 

 

目覚ましのアラームかと思って起きたら、どうやら刀奈からの着信音だったらしく、電話に出る。

 

 

雷真「しもしも?」

 

刀奈『あー、やっと出た!雷真、今貴方どこにいるのよ!?」

 

雷真「内緒、でも学園内にはいる」

 

刀奈『なら、とっとと部屋に戻って準備しない!今日は家に帰る予定でしょ?』

 

雷真「えっ?」

 

 

俺は身体を起こして、ケータイのカレンダーを見ると8月◯◯日。うん、マジで今日は家に帰る予定日のようだ。

 

 

雷真「分かった。部屋で着替えてからエントランスで集合でいいか?」

 

刀奈『ええ、それでいいわ。遅れないでよ?』

 

雷真「分かってる」

 

 

刀奈との通話を切り、自分の身体にかけていた毛布を剥いで立ち上がり、身体を伸ばすとゴキゴキッと関節の中にある空気が鳴る。

 

 

雷真「んー、やっぱりベッドの上で寝ないから身体が少し痛いな」

 

 

織斑先生にカオスたちとこの整備場を一任されてから俺は、ずっと入り浸っているのだ。理由は簡単。カオスたちの復元とカオスたちの武装を元に刀奈たちでも使える武装の製作。

 

 

雷真「よし、行くか」

 

 

身体をほぐしたあと、カオスたちをそれぞれの色のペンダントの待機状態にしてから拡張領域(バススロット)にしまい、整備場内にある全ての機械の電源、照明などを落としてから俺がいじった異世界の技術を詰め込んだセキュリティをONにして整備場を出る。

 

寮の自室に入るとまずはシャワーで寝汗や寝癖などを落としてからバイクの鍵を持ってエントランスへと向かう。

 

 

 

刀奈「あー、やっときた」

 

簪「雷真、遅い」

 

雷真「悪い悪い」

 

シャル「今まで何をしてたの?」

 

雷真「まぁー、ちょっとな」

 

シャル「ふーん。あまり無茶はダメだよ?」

 

雷真「分かってるさ。それより、早く行こうぜ」

 

 

 

そんなこんなで三人にあれこれ質問されるも最終的にオーブの国家機密と言って納得してもらった。

マジで、これで納得してくれるなんて俺の婚約者様は優しいです。

 

そして着きましたは我が家、更識の屋敷である。まずは屋敷の入り口門の敷居を跨ぐ。すると後ろでシャルロットが屋敷の門を見て固まっていた。

 

 

シャル「…………」

 

雷真「どうした、シャルロット?」

 

シャル「あ、いや、その………なんていうかすごいね」

 

雷真「なに言ってんだよ。もう、ここはお前の家でもあるんだぞ?」

 

刀奈「そうよ、シャルロットちゃん」

 

簪「血の繋がりがなくても私たちは姉妹」

 

雷真「だから、遠慮する必要はなんもねぇよ」

 

刀奈「ほら」

 

 

俺と刀奈でシャルロットの両手を引っ張り、敷居を跨がせる。そのまま俺たちはシャルロットの両手を引いて、簪はシャルロットの背中を押しながら玄関へと向かう。

 

 

「「「ただいま!」」」

 

シャル「お、お邪魔します」

 

刀奈「ノンノン!シャルロットちゃん『お邪魔します』じゃないわよ」

 

シャル「え………あっ、た、ただいま?」

 

刀奈「お帰りなさい、シャルロットちゃん」

 

簪「お帰りなさい、シャルロット」

 

雷真「お帰り、シャルロット」

 

シャル「うん!(やっぱり、家族にただいまって言うのは良いな)」

 

 

屋敷の中に入るとまずはそれぞれ、荷物を自室に置くことにした。荷物を置いたあとは、お義母さんに挨拶してから普段は襖で仕切っている部屋を襖を取り外し長い一部屋に変えて宴会場になっている部屋へと向かう。

 

 

 

シャル「ねぇ、雷真」

 

雷真「なんだ?」

 

シャル「これから何が始まるの?」

 

雷真「ああ。それは俺たちが帰ってきたから、その宴を行うんだよ」

 

シャル「宴?」

 

雷真「古い日本のパーティーのような物だ。祝いごとや縁起の良い時やお互いに仲を深める時に行うんだ」

 

シャル「なるほど」

 

 

シャルロットにこれから行われる宴会の話をしていると台所の縁側の方から料理を持って、刀奈、簪、それと更識家のお手伝いさんたちがやって来た。

 

 

刀奈「雷真、アナタも手伝いなさいよ」

 

簪「そうだよ」

 

雷真「俺が入ったら逆に邪魔になるだろう?」

 

刀奈「まったくも」

 

シャル「ぼ、僕も手伝った方が…………」

 

刀奈「シャルロットちゃんは大丈夫。シャルロットちゃんは今日の主役だから」

 

シャル「主役?」

 

刀奈「そっ。だから、座って待ってて」

 

シャル「分かった」

 

 

 

それから15分後。色々な料理がテーブルの上に溢れんばかりに並べられたあと、更識家のそれぞれの部隊の人やお手伝いさんも集まり。そして、乾杯の音頭はやはり、この人。第16代目、更識楯無であるお義父さんだ。

 

 

更識父「それでは、我が娘である、刀奈、簪。そして、その婚約者である我が義理の息子の雷真と、新たに私の娘となったシャルロットがここに集まった。この良き日に…………乾杯!」

 

 

「「「「「乾杯!!」」」」」

 

 

お義父さんの音頭が終わると部隊の人たちは料理の争奪戦を始めたり、酒で互いに家庭の愚痴を語ったりで凄い。お手伝いさんはお手伝いさんで、彼氏が欲しいだの、刀奈たちに何時になったら俺と結婚するだの恋愛トークで盛り上がっている。

 

で、俺はと言うと…………。

 

 

雷真「お義父さん、シャルロットの受け入れ、ありがとうございます」土下座

 

 

俺は頭を畳に付けて感謝の言葉をお義父さんに述べた。するとそれを見た皆がさっきまでのどんちゃん騒ぎが静かになり、後ろの方から誰かが畳の上を早歩きで此方に来るのが分かった。

 

多分、この足の運び方はシャルロットだろう。

 

 

シャル「ぼ、僕も、こんな僕を受け入れてもらい。ありがとうございます」

 

更識父「二人とも、頭をあげなさい」

 

 

お義父さんに頭をあげろと言われたので頭を畳からあげて、お義父さんの顔を見る。

 

 

雷真「…………」

 

シャル「…………」

 

更識父「まず、雷真君から。雷真君、君は今まで自分のために何かをねだったことは少なかったね」

 

雷真「はい。それは本当の息子ではない幼い俺を本当の息子のように育ててくれましたから。俺はお義父さんとお義母さんにできるだけ負担にならないよう頑張ってきました」

 

更識父「そうだったのか………」

 

雷真「だから、俺は将来、育ててくれた分の恩返しができるように更識の仕事を手伝いたいと思って、最初のお願いとして護身術や剣術、槍術を身に付けたいとねだりました」

 

更識父「それは君が6歳の頃だったかな?あれは……」

 

雷真「はい。それにあるアニメを見て、思ったんです。目の前で悲しみの涙を流している大切な人がいるのに何も出来ないなんて嫌だから。できることなら救いたい、救えなくても話を聞いてやれるくらいのことはできると思ったんです」

 

雷真「それが、俺がシャルロットを救いたかった本当の思いです」

 

シャル「雷真…………」

 

更識父「そうか……流石は我が息子だ。よくやった、雷真」

 

雷真「ッ!!」

 

雷真「………。(やばい、今の俺、泣きそうだ)」俯き

 

 

お義父さんは俺の話が終わると、視線を俺からシャルロットに変えた。

 

 

更識父「次にデュノアさん。すまないが、『シャルロット』と呼んでもいいかな?」

 

シャル「は、はい!」

 

更識父「まずは、さきほどシャルロットが言った『こんな』なんて言葉は私は聞きたくない。ましてや、それが私の娘なら、尚更だ。それよりも、もっと聞きたい言葉があるんだがね」

 

シャル「ッ!!」

 

シャル「あ、ありがとう、お父さん」ポロポロ

 

更識父「なに、娘のためだ。気にするな」ナデナデ

 

 

俺とシャルロットは嬉し涙を流しながらお義父さんの大きな、それは大きな、その手で頭を撫でられた。

 

 

更識父「さっ、湿っぽい話は終わりだ。皆、存分に酒を飲み、飯を食ってくれ!」パンパン

 

 

お義父さんは手を鳴らして、俺が作り出してしまった湿っぽい空気を消してくれた。それにより、再び、どんちゃん騒ぎが始まった。

 

俺とシャルロットは元居た席に戻ると刀奈と簪にコップへジュースが注がれ、刀奈の掛け声の下、四人でグラスをコチンッと交わす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────チリーン

 

 

 

 

縁側の風鈴が夏の風で鈴の音を鳴らす。

 

 

 

 

 

刀奈「そりゃあー!」

 

簪「お姉ちゃん、危ないよ!?」

 

シャル「そうだよ!?」

 

本音「ゴー、シュッ!」バチバチ

 

刀奈「ちょっ、本音!?」

 

簪「本音のバカーっ!?」

 

シャル「わわわわっ!?」

 

 

現在、宴が終わり。乙女たちは近くのスーパーで買った花火を庭で遊んでいる。

刀奈、簪、シャルロットは『手持ち火炎』という名の花火で。そして本音は何故か知らないが『ネズミ花火』を束で着火させて刀奈たちを困らせていた。

 

 

雷真「火傷をするなよー」

 

 

刀奈たちに一声かけてると台所の方から虚さんが御盆に乗せた切り分けられているスイカを持ってきてくれた。

 

 

虚「皆さん、スイカを持ってきましたよ」

 

本音「わーい、スイカだー!」

 

刀奈「私たちも頂きましょうか」

 

簪「うん」

 

シャル「そうだね」

 

 

花火で遊んでいた刀奈たちも燃え尽きた花火を水の入ったバケツに入れてから縁側に座り。虚さんが持ってきたスイカを食べる。

 

 

刀奈「う~ん、美味しい」シャクシャク

 

簪「うん、美味しい」シャクシャク

 

シャル「日本のスイカは丸いんだね」

 

雷真「フランスのスイカは日本のトウガンに似てるからな」

 

本音「それとスイカに塩を少しかけるともっと甘くなるよ、でゅっちー」

 

シャル「そうなんだ」

 

 

シャルロットは本音に勧められて、その手に持つスイカに少しだけ塩を振り、かぶり付く。

 

 

シャル「本当だ!さっきよりも甘味が増してる」シャクシャク

 

刀奈「やっぱり、夏はスイカが美味しいわね」シャクシャク

 

本音「ぷぷぷぷぷぷーっ!」

 

簪「ちょっ、本音、スイカの種を飛ばすのハシタナイよ」

 

本音「いや~、ついやっちゃうんだよね~」テヘヘ

 

虚「『つい』ではありません!掃除をするのは誰だと思ってるの!?」

 

本音「は~い」

 

雷真「にしても、今年はちゃんと平和で夏らしいことができて良かった」シャクシャク

 

刀奈「そうね。半年前までは雷真は異世界に居たんですものね」

 

簪「言われてみれば」

 

シャル「僕も初めて雷真が『軍人だ』って聞いた時は驚いたよ」

 

虚「早い物ですね」

 

雷真「この平和が何時までも続いてくれれば良いんだがな」

 

 

俺たちは空に浮かぶ、夏の満月を見ながら、そう口にした。

 

 

 

 

 

 

─────カポンッ!

 

 

 

───ジャアアアアアアー!!

 

 

 

 

雷真「あ"ぁぁぁ…………」

 

 

スイカを食べたあと、本音と虚さんは隣の布仏家に戻り。刀奈、簪、シャルロットは居間で簪が所有しているゲームで白熱している。その間に俺は一番風呂をもらい、湯船に浸かっている。

 

 

雷真「IS学園の大浴場も良いけど。こういう普通のサイズの風呂がやっぱり一番だな」

 

 

我が家の風呂のサイズはIS学園の大浴場よりは狭く、一般的な家庭の風呂よりは少しデカい。もっと分かり易くいえば、旅館の部屋に備え付けられている檜風呂に似ている。

 

なんせ、大の大人が三人も入れるデカさの風呂なのだから。

 

 

雷真「ふぅ~」

 

雷真「こう、気持ちいいと成人してないが酒が飲みたくなるのが分かるな」

 

 

10分ほど、肩をマッサージしながら湯船に浸かってから湯船を出て、脱衣場に繋がるドアを開けて風呂場から脱衣場に行こうとすると…………。

 

 

 

─────ガラガラガラ

 

 

刀奈「へ?」

 

簪「え?」

 

シャル「ふぇ?」

 

雷真「は?」

 

 

よくアニメであるあるのように、我が婚約者である美少女三人がバスタオル姿で出てくるではありませんか。

 

 

簪「はぅぅぅぅ!?/////」

 

シャル「うわああああ!?/////」

 

刀奈「もーう、雷真のエッチ♥️//////」

 

 

簪とシャルロットは悲鳴をあげながら身体を抱きしめながらしゃがみ込み、刀奈も悲鳴をあげはしなかったが身体を抱きしめながらしゃがみ込む。

三人のバスタオル姿に見惚れていた俺はワンテンポ遅れて我に返り、後ろを向く。

 

 

雷真「わ、悪い!?/////」

 

刀奈「雷真、バスチェアに座って目を閉じて」

 

雷真「わ、分かった」

 

 

俺は刀奈に指示されるまま、湯船と同じ檜の木で作られたバスチェアに座り、目を閉じる。

 

 

刀奈「そのままよ。そのまま」

 

 

刀奈の声の通りバスチェアの上でジッとしていると脱衣場から「ペタペタ」と水気を帯びたタイルの上を歩く音が一つ。その音がドンドン近付くと後ろから何かを目元にタオルか何かを巻き付けられるがこれは多分、目隠しだろう。

 

 

刀奈「これでいいわ。もう、いいわよ。二人とも」

 

簪「うぅぅぅ」

 

シャル「うぅぅぅ」

 

 

再び、脱衣場の方から「ペタペタ」と歩く音が二つ聞こえたきた。これは簪とシャルロットだ。

そして、その音が止むと…………。

 

 

簪「雷真の……エッチ。//////」ボソッ

シャル「雷真の……エッチ。//////」ボソッ

 

雷真「~~~ッ!?」

 

 

 

刀奈と違い。普段ではありえない、簪とシャルロットから熱を帯びた艶かしい声で両耳から囁かれた。それにより、今までに感じたことがなくて言い表し辛い感覚が俺の身体を駆け巡った。

 

また、その感覚と囁きで俺の頭は真っ白になってしまった。

 

 

 

そのあと、俺が三人によってどうなったかはご想像にお任せする。けれど、一つだけ、一つだけ言わせて欲しい。理性のケーブルは一本だけ繋ぎ止めた、とだけ記しておく。

 

 

 

アヴァロン・フリーダムのビーム兵器を実技演習の授業でも使用するかについて

  • アヴァロン・フリーダムの使用禁止
  • アヴァロン・フリーダム ビーム兵器の禁止
  • 別機体のビーム兵器を使用
  • 別の機体を使う
  • 雷真は見学
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