自由と白式   作:黒牙雷真

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第35話

雷真「アミューズメントパーク?」

 

刀奈「そっ。臨海学校の時は色々とあって最後まで満喫できなかったし。それに夏休みは雷真はどこか行ってるからデートも一人二回までしかできなかったし。夏休みの最終日くらいパーっと遊びたいのよ」

 

 

刀奈の言う通り、今日は夏休み最後の休みなのだ。そして、夏休み中、俺は特訓以外は週に4回ほど機密整備場に籠ってはカオスたちの復元に新武装の開発で、まともに刀奈たちに構ってやれる日がなかったのだ。

 

また、現在、俺はベッドで横になりながら小説を読んでいる。刀奈は隣で四つん這いになり此方を見ている。

 

 

雷真「デートはきちんと二回ずつしたろうが。それに夏休み中は俺の部屋で何回も泊まったりしてたろ?」ペラ

 

刀奈「それでも、学生のうちに色々としてたいの!」

 

雷真「まだ、あと二年もあるだろう?」ペラ

 

刀奈「雷真は私たちと行くのは嫌なの?」上目遣い

 

雷真「い、嫌じゃないけど………」

 

 

刀奈の上目遣い&ウルウル目に押されていると空間ウィンドウが開き一夏から通話チャンネルが開く。

 

 

雷真「ちょっと、悪い。もしもし?」

 

一夏『もしもし、雷真?』

 

雷真「なんだ?」

 

一夏『いきなりなんだが、さっきラウラにこれに誘われたんだが』

 

 

一夏が空間ウィンドウ越しの俺に見えるように見せたのは刀奈が行きたがっているウォーター・アミューズメントパークのチラシだった。

 

 

一夏『良かったら、雷真も行かないか?』

 

雷真「…………」チラリ

 

刀奈「……」(。◇ ∀ ◇。)ウキウキ

 

 

一夏の言葉を聞いて刀奈の方を向くと隣で四つん這いになっている刀奈が目をキラキラと輝かせながらウキウキワクワクとした視線を向けてくる。

 

 

雷真「はぁ~、仕方ない。分かった。準備ができたら駅前で集合な」

 

一夏『おう!』

 

 

一夏が通話を切ると俺は刀奈の方に向けて、呆れ笑いする。

 

 

雷真「どうやら、一夏も行くようだから。簪とシャルロットも誘って行くか」

 

刀奈「やったー!」( ≧∀≦)ノ!

 

 

刀奈はウォーター・アミューズメントパークに行けることが物凄く嬉しいのか、ベッドの上で飛び上がり。これまた、物凄い速さで簪とシャルロットの元に向かって行った。

 

刀奈が二人を呼びに行っている間にベッドの下の収納スペースにしまった臨海学校で着た水着と必要最低限の持ち物だけ持ってエントランスに行くと既に刀奈、簪、シャルロットの姿があった。

また、簪とシャルロットの目が先ほどの刀奈と同じ目をしている。

 

 

簪「……」(。◇ ∀ ◇。)

 

シャル「……」(。◇ ∀ ◇。)

 

雷真「分かったから、行くぞ」

 

 

そして、ウォーター・アミューズメントパークに行きたい子供三人(年下)を連れて駅前に着くと、何故か…………いや、絶対にこれはそうだ。

 

 

箒「…………」イライラ

 

セシリア「…………」イライラ

 

鈴「………」イライラ

 

ラウラ「…………」イライラ

 

 

唐変木で朴念仁の一夏の奴が箒、セシリア、鈴、ラウラの気持ちも理解せずに俺たちと同様に駅前に呼んだのだろう。

それもスゲエーご立腹だぞ。

 

 

雷真「刀奈、簪、シャルロット。悪いがあの四人に一夏に呼ばれたのか確かめてくれるか?男の俺が行ったら返って怒らせかねないから」

 

刀奈「分かったわ」

 

簪「うん」

 

シャル「任せて」

 

 

刀奈たちに機嫌が悪い一夏ハーレムズを任せて、俺は空間ウィンドウを開き、ハロや更識にいる俺専属の部隊に帰省してから製造させているある物の開発状況を確認する。

 

 

雷真「アスランがくれたハロに"あっち側(コズミック・イラ)"の武装や色々な設計図がインストールされてるお陰で作れはするが……。しかし、ISサイズまでに縮小するとなるとな…………」

 

雷真「アレもまだ25%………か。まだまだだな」

 

 

開発状況を確認し終わると刀奈たちの方へ視線を向けると何やら三人とも一夏ハーレムを宥めている。

そして、そのハーレムの中心はというと…………。

 

 

一夏「わりぃー、遅れた!」

 

一夏ハーレム「「「「遅い!!」」」」

 

一夏「お、おう。わりぃ………」

 

 

と遅れてきた一夏はハーレムメンバーに怒られた。

そこへ刀奈が一声かけて宥める。

 

 

刀奈「はいはい。怒るのはそこまで、早くアミューズメントパークに行きましょう」

 

シャル「そうだね」

 

簪「うん。プール楽しみ」

 

雷真「簪の場合はパークで行われる戦隊物のヒーローショーが目当てだろうが。それと一夏」

 

一夏「なんだ?」

 

雷真「女心を少しは学べ」

 

一夏「はぁ?」

 

 

 

念のため唐変木にアドバイスをしてから刀奈たちのあとを追う。

 

ウォーター・アミューズメントパークについたらまずは各人、男女に分かれて水着に着替える。

 

 

一夏「へぇー、ここは温水プールもあるのか~。ちょっと気になるな」

 

雷真「一夏、見取図を見てないで早く着替えろ。俺は先に行くぞ」

 

一夏「ちょっ!待ってくれよー!?」

 

 

準備が遅い一夏を置いて先にプールへと向かうとそこには既に刀奈、簪、シャルロットの三人が準備運動をしていた。

 

 

シャル「あっ、雷真」

 

雷真「よっ、お待たせ」

 

簪「他の皆は?」

 

雷真「一夏は置いてきた。んで、一夏ハーレムズは知らん」

 

刀奈「あっ?なるほど、それでか」

 

雷真「何か知ってるのか?」

 

刀奈「雷真、私たちを見て何か変化とかない?」

 

雷真「変化?あぁ」

 

 

刀奈に変化と言われたので刀奈たちを見て、刀奈が言っている意味を理解した。

 

 

雷真「そうだな。まずは刀奈から、臨海学校の時と違った、水色と紺の横縞模様のビキニが良く似合ってる」

 

雷真「次に簪。前のような白と黒のビキニではなく、オレンジのタンクトップビキニも良く似合ってる」

 

雷真「次にシャルロット。シャルロットも二人と同じで臨海学校とは違って、水色のビキニがシャルロットの綺麗な髪を際出たせて凄く似合ってる」

 

 

それぞれ、三人の水着姿の感想を言うと三人とも顔を赤くして俯いてしまった。

 

 

刀奈「あ、ありがとう。///////」

 

簪「は、恥ずかしい。///////」

 

シャル「えへへ、綺麗だって。///////」

 

刀奈「って、それとは別に変化してるところがあるでしょ!?」

 

雷真「他に?だとなると………その足場に置いてる、イルカやサメの浮き輪か?」

 

刀奈「そうよ!」

 

簪「セシリアが気前良く私たち全員に買ってくれた」

 

雷真「なるほど、一夏と二人っきりになるためか」

 

シャル「まぁ、僕たちは雷真が平等に大切にしてくれるから抜け駆けなんてしないで済むから安心だよ」

 

雷真「そりゃ、お前たち三人は世界を敵に回してでも守りたい者たちだからな」

 

刀奈「雷真…………」

 

簪「雷真…………」

 

シャル「雷真………」

 

雷真「それよりも早く、プールで遊ぼうぜ?」

 

刀奈「そうね。行きましょうか」

 

簪「うん!」

 

シャル「賛成!」

 

 

それから、まずは流れるプールにて、浮き輪に乗りながらプカプカと漂う。それだけでも意外と楽しい物だな。

ある程度、流れに任せていると前方から聞きなれた声が聞こえてきた。

 

 

???「オー、隊長!セッシーがエッチぃ水着を着てます~」

 

雷真「この声は…………?」

 

簪「本音?」

 

 

浮き輪を回転させて目線を前方に向けてるとバナナボートに乗っている幼馴染の本音とクラスメートの相川清香、谷本癒子ともう一人。分からないので美也子さんとしよう。

そして、その四名でどうやらセシリアと一夏を観察しているようだ。

 

 

「「「「セシリアはエロいなー」」」」

 

 

セシリア「え、エロくないですわ!」

 

 

セシリアがそう本音たちに抗議の叫びを上げると一夏とセシリアの二人は後ろから激流に襲われて流されて行ってしまった。

 

 

本音「おりむー、バイバーイ」

 

雷真「おーい、本音」

 

本音「あっ、ライライたちだ」

 

簪「本音たちもプールに遊びに来たの?」

 

谷本「私たち以外にもIS学園の子達は来てるよ」

 

シャル「へぇー、そうなんだ」

 

刀奈「だから、虚も今日は用事があるって言っていたのね」

 

 

それから本音たちと平行するように駄弁りながら、ある程度流されていると先に進むルートとプールサイドに上がるルートの二手に分かれる分岐点が見えたので俺たちはプールサイドへ向かうルートを選んだ。

 

 

雷真「そんじゃ皆、また学園でなー」

 

本音「バイバーイ」

 

 

 

 

 

本音と別れ、プールサイドに上がった俺たちは次にウォータースライダーに乗ることにした。そして、ウォータースライダーに乗るための階段の前に着くとシャルロットがあることを見つけた。

 

 

シャル「ねぇ、このウォータースライダーにはペア滑りコースってのがあるみたいだよ?」

 

雷真「へぇー、ペア滑りコースなら一人一回ずつ乗るか?」

 

簪「いいの?」

 

雷真「いいも何も、さっき言ったろうが。俺はお前たちが大切なんだ。だから、喜んでくれるならこれくらいはお安い御用だ」

 

雷真「んで、誰から最初に乗るんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雷真「じゅあ、手を回すぞ?」

 

シャル「う、うん。//////」

 

 

あの後、三人はじゃんけんをした結果、シャルロット、刀奈、簪の順番となった。そして、今はウォータースライダーの入口で俺の前にシャルロットが座り職員に説明され、滑る準備をするためにシャルロットの臍の辺りに腕を回す。

 

 

職員「それでは、行ってらっしゃい!」

 

 

職員に背中を押されると、意外と早い流れに俺たちは驚きのあまり声を上げてしまう。また、縦横無尽に左右にカーブしたり、アップダウンをしたりとかなり楽しめるウォータースライダーのようだ。

 

 

 

雷真「うおああああ!!(これは、意外と早いな!!)」

 

シャル「きゃあああ!!」

 

 

ウォータースライダーの出口に着くと勢い余って、シャルロットを抱きしめたまま出口から吹き飛ばされる感じで下のプールへと着水する。

この時、普通に着水できていれば良かったのだが、吹き飛ばされながら着水したためシャルロットから手を離してしまった。

 

それで何が言いたいかというと…………。

 

 

雷真「んむっ…………!?」ブクブク

 

シャル「んんっ…………!?」ブクブク

 

 

水中で漫画やアニメのようにキスをしてしまったのだ。それもマウスtoマウスである。しかも、これがシャルロットとのファーストキスである。

 

そして、息が限界になった俺たちは直ぐに酸素を求めて浮上する。息が整い、シャルロットを見ると耳まで赤くしながら俯いていた。

 

 

雷真「シャルロット、えっと、その………」

 

シャル「え、えっとねぇ、雷真。/////」

 

雷真「お、おう………」

 

シャル「今のは…………僕のファーストキスだからね。///////」

 

雷真「あ、ああ。そうだな………」

 

シャル「でも、こんな事故みたいの嫌だから。その………」

 

雷真「その先は言わなくても分かるから、安心しろ」

 

シャル「…………うん。///////」

 

 

俺は、ここはケジメという何とかいうか。男として、大切な女の子の初めてのキスを事故で済ます訳にいかないと思ったので、シャルロットの肩に手を置く。するとシャルロットは少し驚いたのかビクッと身体を跳ね上げる。

 

 

雷真「シャルロット…………」

 

シャル「雷真…………」

 

 

シャルロットの名前を呼ぶと彼女は顔を徐々に上げて俺を見る。その時、シャルロットの瞳は潤んでおり、頬も少し赤らんでいた。

 

そして、今更ながら俺はこう思った。

 

ああ、なんてこんな、可愛いくて綺麗な女性を…………いや、女性たちと俺は婚約関係にあるのだろうと、改めてそんな贅沢な幸せを実感した。

 

 

雷真「んっ…………」

 

シャル「んっ…………」

 

雷真「んっは………」

 

シャル「んっは………ねぇ、雷真?」

 

雷真「なんだ?」

 

シャル「大切な人とのキスって、こんなにも心を幸せな気持ちにしてくれる物なんだね?知らなかったよ」ニッコリ

 

雷真「ッ!?//////」ボッ!

 

 

ヤバい、今のシャルロットの顔はスゲー色っぽい!!

そう思っていると忘れていた、二人の婚約者様から声がかかる。

 

 

刀奈「何、二人で良い雰囲気になってるのよ」ジトー

 

簪「シャルロット、ズルい。私も、まだキス一回しかされてないのに」ジトー

 

雷真「えっと…………次は簪だろう?早く行こぜ」

 

簪「誤魔化されないよ、雷真。あとでキスしてもらうからね」

 

刀奈「私も私もー!」

 

雷真「わ、分かったから、部屋に帰ってからな」

 

更識姉妹「「はーい!」」

 

雷真「はぁー、まったくこれも惚れた弱みだよな」

 

 

 

その後は、アミューズメントパークのプール全てを回り、簪のお目当てであるヒーローショーを見て。夜は一夏たちと共にお祭りに行って、夏休み最後の日を満喫したのであった。

 

 

アヴァロン・フリーダムのビーム兵器を実技演習の授業でも使用するかについて

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