雷真「貴方たちは、デュエイン・ハルバートン准将にナタル・バジルール中尉!?」
ナタル「久しぶりだな、クロキバ少尉」
デュエイン「本当に久しぶりだな、少年」
俺はハルバートン准将とバジルール中尉の二人がこちら側に、ましてや生きていることに驚いていると後ろにいる簪が二人について尋ねてくる。
簪「雷真、知り合い?」
雷真「ああ。この二人は、"
簪「本当だ」
雷真「それで、何故お二人がこちら側に?」
デュエイン「その事についてや"
雷真「でしたら、少々お待ちを」
デュエイン「分かった」
ハルバートン准将が落ち着ける場所と言ったので、ケータイを取り出し。直ぐに織斑先生へ電話する。
千冬『もしもし、私だ』
雷真「あっ、織斑先生。急な電話ですみません」
千冬『それで、どうした?』
雷真「それが"
千冬『なに!?』
雷真「できれば、織斑先生にも知らせておこうと思ったので」
千冬『分かった。それで、他には?』
雷真「他には、悪いのですがこれから学園祭を抜けて、知り合いの方と話をしたいのですがいいですか?」
千冬『………………分かった、許可をしよう。ただし、私も同席させてもらう』
雷真「わかりました。それでは、例の整備場で」
千冬『分かった。では、』
雷真「はい」
織斑先生から了承を得たので通話を切る。
雷真「簪。悪いが刀奈に午後にある生徒会の演劇には出られないと伝えてくれるか?」
簪「うん…………分かった」
雷真「すまないな」
簪「ううん、大丈夫。軍事関連なんでしょう?」
雷真「ああ、そういうことだから。それでは、お二人とも、落ち着ける場所へご案内します」
デュエイン「無理を言ってすまないな」
雷真「いえ。自分としてもお二人の情報が少しでも欲しいですから」
ナタル「君も立派な軍人だな」
雷真「まぁ、四年もやっていれば。あっ、部長さん。ピアノ、ありがとうございます」
ハルバートン准将とバジルール中尉のことで忘れていた。吹奏楽部の部長に、お礼を言う。
部長「う、うん。それと、もしかして、黒牙くんの家って軍人家系?」
雷真「あー、まぁ、そんなところです」
雷真「じゃあ、簪。刀奈によろしくな」
簪「うん」
雷真「では、お二人共行きましょう」
デュエイン「うむ」
ナタル「分かった」
俺は簪と部長さんと別れたあと、ハルバートン准将とバジルール中尉を連れてカオスたちの機密整備区画へと案内する。整備区画に到着すると既に織斑先生が待っていた。
雷真「織斑先生」
千冬「黒牙か。で、そちらの二人が黒牙が言っていた…………」
雷真「はい、そうです」
デュエイン「デュエイン・ハルバートンです」
ナタル「ナタル・バジルールです」
千冬「ご存知かもしれませんが、織斑千冬です」
雷真「それでは、情報交換と行きましょう」
それから、情報交換すると………まず、ハルバートン准将なのだが、地球降下作戦時にガモフ艦の特攻によりメネラオスと共に殉職したはずが、気付いたら二年前のこちら側に来ていたという。
それに何と、ハルバートン准将は現在、この世界ではIS委員会の日本支部支部長の一人だとか。
バジルール中尉は、アークエンジェルのローエングリンをドミニオンが受けた際に死んだと思っていたが、ハルバートン准将と同じような形でこちら側に飛ばされており、来たのは一年前とのこと。
また、ムルタ・アズラエルの生死は分からず。バジルール中尉はハルバートン准将の秘書をしているらしい。
雷真「本当に驚きましたよ。お二人とも"
デュエイン「それはそうだろう。私はローラシア級ガモフと轟沈。彼女に関してはアークエンジェルの陽電子破城砲を撃たれているのだからな。無理もない」
ナタル「私もそう思います。奇跡とはいえ、無事生きて、尚且つ、ローエングリンの身体への汚染影響もない」
雷真「本当に奇跡ですね。それは」
デュエイン「私たちのことは以上だ。次は君の方から私たちがいなくなったあとの"
雷真「分かっています。それでは、改めて、オーブ連合首長国、第二宇宙艦隊アークエンジェル所属の黒牙雷真中尉です」
デュエイン「ほほう、君はオーブの軍人で、中尉とは。それにアークエンジェルはオーブ軍に加わったのか」
雷真「はい。第二次ヤキン・ドゥーエの後にも、また戦争が起こりまして」
ナタル「なに!?」
雷真「まずは、これを見てください」
俺はフリーダムの
デュエイン「これは!? ナタルくん、これは地球軍の新型
ナタル「いえ! 私が知っているのは、フォビドゥン、レイダー、カラミティーです。ですから、この
雷真「それはそうです。何せ、この四機はZAFTが開発したセカンドステージの
ナタル「セカンドステージ?」
雷真「セカンドステージとは、第二次ヤキン・ドゥーエ戦争以降にZAFTが開発した
ナタル「まさか、キラ・ヤマトの次に、君がフリーダムのパイロットとは………」
雷真「まぁ、色々ありましたから。詳しくはこの端末にレポートにして纏めてあります」
再び、フリーダム
デュエイン「これは?」
雷真「これはZAFTの技術で作成した物で、端末の真ん中に指を当ててから左へ、スクロールしてみてください」
ナタル「なんと!?」
デュエイン「これは凄いな」
雷真「あとはタブレットなどを使うように指でスクロールしてもらえば、自分が作成したレポートが読めます」
デュエイン「うむ。では、暫し拝見させてもらおう」
ナタル「私もそうさせてもらう」
雷真「どうぞ。それとコーヒーをお持ちしますので、適当に座ってください」
デュエイン「ありがとう」
ナタル「感謝する」
そうして、二人は俺が渡した棒状の携帯端末のレポートを必死に読んでいる。コーヒーを二人の前に置くと感謝の言葉を一言言ったあと、また読み続ける。
千冬「黒牙、私は山田先生と本部へ戻る。あとは頼んだぞ」
雷真「わかりました」
織斑先生が本部に戻ってから約2時間くらい経過するとハルバートンさんとナタルさんは深く息を吐いた。
デュエイン「まったく。私が殉職してからというもの。連合の奴らは何を考えているのだ」
ナタル「それには私も同感ですね。ドミニオンのフォビドゥン、レイダー、カラミティのパイロットの詳細は知ってはいましたが、ここまで非道な物だったとは……」
デュエイン「それだけではない! あまつさえ、核を、それも三度もだぞ、三度!!」
ナタル「それは連合が完全にブルーコスモスによって掌握されていたのですから仕方がありません」
デュエイン「はぁ~。連合に所属していた者として、恥ずかしい限りだ。まったく」
ナタル「今となっては、それは私も同感です」
二人は《元》とはいえ自分たちが所属していた軍の悪行に頭を抱えてしまった。
デュエイン「黒牙中尉。この度の情報の提供、誠に感謝する」
雷真「いえ。自分としては、お二人に協力を仰ぎたかったですから」
デュエイン「協力?」
ナタル「具体的には、どういう協力をして欲しいんだ?此方としても、内容によっては、出来ることもあるが出来ないこともある」
雷真「そうですね。これは、遠くない未来。ISを使った、もしくはIS型の
デュエイン「戦争………だと?!」
ナタル「まさか………そんな」
雷真「現在、世界ではISは女性にしか扱えないと周知された女尊男卑です。しかし、ここに存在するIS型の
ナタル「そんなことが!?」
雷真「ええ。それに、ここにはありませんがこの四機以外にもZAFTの
デュエイン「…………」
ナタル「…………」
雷真「他には、誰が、何処で、どの様に、どんな経緯で、これらを製造しているのか今の所、まだ自分には見当がつかないんです」
雷真「ですから、お二人にはIS型の
デュエイン「ふむ…………」
ナタル「…………」
デュエイン「分かった。此方で、君に有益だと思える情報を耳にしたら流そう」
ナタル「支部長がそう言われるのであれば…………私は」
雷真「ありがとうございます」
二人から協力を得られたことが本日一番の収穫だ。本当は別の所にあったんだけど、儲け物だ。
雷真「それでは、自分もそろそろ学園祭に戻らないといけないので、出口までご案内します」
デュエイン「では、頼もう」
ナタル「よろしく、頼む」
雷真「はい」
二人を機密整備場から出口へ案内して、別れたあと。俺は、元々の仕事に戻ることにした。それは一夏の護衛だ。
そのために、生徒会主催の演劇が行われているアリーナに入ると、通路の奥。詳しく言えば、ロッカールームの辺りから爆発音が聞こえる。
雷真「まさか、もう始めてるとは………。ちょっと、ミスったかな?でも、これから挽回すればいいか」
少し相手の出方が早かったことに反省しながら、まずは一夏の様子を見てから援護に出るかを考えることにした。
そして、バレないようにロッカールームに入ると…………。
一夏「ハアーッ!!」
???「ぐあああああ!!」
雷真「…………」
あれれ~、可笑しいな?てっきり、一夏がピンチだと思って援護しに来たのに。何故か、一夏を狙ってたテロリストの方が一夏によってボコボコにされてるんですけど?
てか、あの機体は………先日、アメリカから奪取されたはずの第二世代型の『アラクネ』だな。
オータム「このクソガキッ!よくも、このファントム・タスクのオータム様を怒らせやがったな!?」
一夏「知るかよ、そんなこと。それよりもアンタの目的はなんなんだよ!」
そう言って、一夏は物理刀状態の雪片弐型の切っ先をオータムというファントム・タスクのメンバーに向ける。
オータム「そんなは簡単だ。お前の白式が目的なんだよ!」
オータムは一夏の問いに答えながら、その手に持っている射撃武装を一夏に向けて放つ。しかし、それを一夏は冷静に捉えながらロッカーを盾にして円状飛翔をする。
そして、オータムの武装が完全に弾切れを起こすと、一夏はオータムの背後から
一夏「デヤアアアアッ!!」
オータム「ヘッ…………あめぇんだよ!」
一夏「なっ!?」
後ろから奇襲した一夏をオータムはその場で高く跳び。身体を捻り、蜘蛛のように天井に張り付くと両手から蜘蛛糸のような物を射出させて一夏を捕縛する。
一夏「くそっ…………このっ!」
オータム「無駄、無駄。この、アラクネの糸はそう簡単には引き千切れねえよ」
雷真「…………」
あちゃ~。これは場所が悪かったな。一夏には悪いがファントム・タスクについてもっと情報が欲しいから助けるのはあとな。
オータム「んじゃ、お楽しみタイムと行こうぜ」
一夏「…………」
オータムは捕縛した一夏を大の字に蜘蛛で吊し上げると懐から六本脚のついた機械を取り出す。
オータム「さて、白式をいただくとするか」
一夏「なに?」
一夏「がああああっ!!」
一夏はオータムによって装着された六本脚の機械から電流に似たエネルギーが流される。
オータム「フッハハハ!そうそう、ついでに教えてやんよ。第二回モンド・グロッソでお前を拉致したのは我々、ファントム・タスクだ!」
オータム「感動のご対面だな。フッハハハハ!」
一夏「てめぇ…………!」
雷真「(そろそろ、助けるか)」
一夏はオータムの言葉で頭に来たのか、無理に身体を動かし、その動きに反応して一夏の身体に装着されている機械から、更に強いエネルギーが流し込まれる。
一夏「ぐああああっ!!」
オータム「フッハハ!お前には、もう用はないから殺してやるよ」
オータムが一夏を殺すと言ったので一夏を助けるために出ることにした。
雷真「一夏を殺される訳にはいかないな。俺は友人を殺されるのを見逃してやるほど甘くはないんでね」
オータム「なっ!?」
オータム「てめぇ、何処から入った?今、ここの全システムはロックしてるはずだ!」
雷真「全システムをロック?ああ、あの子供でも解除できる三流のキーロックのことか」
オータム「てめぇ、誰が三流だと!?」
雷真「フリーダム!」
オータムがそう叫ぶと同時にフリーダムを緊急展開させて、ルプスビームライフルで一夏を縛り上げている蜘蛛糸を撃ち、一夏を解放する。
一夏「雷真…………」
雷真「よう、一夏。よく、戦ったな。あとは任せろ。ここからは俺のステージだ」
オータム「てめぇー!」
雷真「ごちゃごちゃと五月蝿いから少し黙れ」
お仕置き感覚でオータムが乗る、アラクネの両手のマニピュレーターをビームライフルで撃ち抜き、破壊する。
オータム「なにっ!?」
雷真「なにを驚いてんだよ。これぐらい、楽勝だろう?」
オータム「そうか………その武装に、その全身装甲のIS。奴と同じタイプのISか!!」
雷真「奴?お前、何か知っているのか!?」
オータム「そんなことを、てめぇなんかに教えるかよ!」
雷真「なら、吐かせるまでだ!」
アヴァロン・フリーダムのビーム兵器を実技演習の授業でも使用するかについて
-
アヴァロン・フリーダムの使用禁止
-
アヴァロン・フリーダム ビーム兵器の禁止
-
別機体のビーム兵器を使用
-
別の機体を使う
-
雷真は見学