無事に、シャルロットと鈴を俺たちの偽物から救出することに成功して、シャルロットと鈴のかなり恥ずかしい光景を目にしたあと、俺はお役御免なのでシャルロットと鈴と共に現実世界へ戻るため、簪に声をかける。
雷真「簪、俺とシャルロット、それから鈴を現実世界に戻してくれ」
簪にそう言うと一夏が慌てる。
一夏「ちょっ、雷真!手伝ってくれないのかよ!?」
雷真「いや、だってな………。シャルロットやさっきの鈴を見るに、どうやら扉の先の世界は箒たちの中で“
雷真「なぁ、鈴?」
鈴「ちょっ! なんで、私に振るのよ!?」
雷真「だって、鈴なら箒たちと同盟を結んでいる物だと……」
鈴「そんなものは結んでないわよ!」
雷真「まぁ、何にせよ。箒たちを救えるのは俺じゃない。一夏だけだ。これが、刀奈や簪なら別だがな」
鈍感である一夏には、分からないだろうが、あの扉の先は、シャルロットたちが望む、俺たちだけの世界。ならば、残りの箒、セシリア、ラウラの三人の世界には、必ずと言っていいほど偽物の一夏が存在する。
ならば、その世界から箒たちを救えるのは本物の一夏だけとなる。
一夏「なんか分からないけど、わかった」
雷真「なら、行ってこい」
一夏との話が終わり、今度こそ現実世界へと戻ろうとすると突如、そいつは現れた。その、そいつとは【GATーX303 イージス】だった。
雷真「イージス!? 」
雷真「来い、フリーダム!」
イージスは、
雷真「なっ!?(フリーダムが展開されない!?)」
シャルロットと鈴の二人を突き飛ばすとシャルロットは俺に突き飛ばされながら、フリーダムが展開されていないことに気付いたのか、俺の名前を叫びながら手を伸ばすが届くことはない。
雷真「ぐっ!?」
シャル「雷真!」
イージスにまんまと組付かれたあと、シャルロットたちからどんどん距離を離される。何とか抜け出そうと試みるが電脳世界とはいえ生身では、
雷真「こいつ、どこから!?」
雷真「こっっの……!クソッ、駄目かっ!」
脱出が駄目だと悟り、イージスの行き先を探ろうと首を回すと、イージスの先にはスカイブルー色の扉があり、イージスがそのまま近付くと独りでに扉が開き、中へと連れて行かれた。
扉を潜るとそこは、大きな湖と一面の花畑だった。イージスは、俺を捕まえたまま花畑と湖の中間に到達すると、俺を少し高い場所から解放し、何処かへ去ってしまった。加えて、少し高い場所で解放されたことにより、尻餅を着くこととなった。
雷真「いでっ!」
雷真「いっ痛!イージスの野郎………あとで絶対に破壊してやる」
尻餅を着いた尻を擦りながら、イージスを破壊することを決意して辺りを見渡す。
雷真「てか、ここ何処だよ。辺り一面、花畑と湖……。ガバメントも一夏に投げつけちゃったし。それに、フリーダムも展開不能」
雷真「イージスの他にも
警戒はしつつも、この世界から出るための手掛かりを探すためにまずは、湖へと向かって歩く。
雷真「………。(何も出てこない……?)」
何も出てこないまま、湖へと到達し、湖の中を覗くとそこには見覚えのある
雷真「ストライクフリーダム?! なんで!?」
何故かは知らないが、湖の中に
すると、サクッサクッと、草花の上をゆっくりと歩く足音が背後から聞こえて来たので慌てて警戒心を最大まで上げながら湖へと背を向けながら構える。
???「やれやれ、彼女は手荒な方法で君を此処に連れてきたようだ。申し訳ない。彼女に、悪気がある訳ではないんだ」
雷真「なっ………なんで!なんで、貴方がこの世界にいる!?」
雷真「ギルバート・デュランダル!」
草花を踏む音の主は、“
ギルバート「初めましてというべきなのだろう。黒牙雷真くん。いや、この世界のキラ・ヤマトくん」
雷真「なに?」
雷真「俺が、この世界のキラとは、どういう意味だ!」
ギルバート「そのままの意味だよ。この世界で、唯一のスーパーコーディネイターなのだから。薄々気付いたはずだ、君自身も」
雷真「………」
ギルバート「他者よりも早く学習し、他者よりも早くモノにし、他者よりも早く強くなる。そんな君は、
確かに、デュランダル議長の言っていることは考えて、感じたことがある。幼馴染の刀奈や簪、本音、姉さんを見ていても俺は学業、運動、武術なんかも難なく習得して、自分のモノにしてきた。けれど、努力はしてきた。
雷真「仮に俺が、コーディネイターだとしても。何故、スーパーコーディネイターなんだ?」
ギルバート「君は、自分がどういう存在なのかを忘れているようだね」
雷真「それは、どういう意味だ?」
ギルバート「君は、この世界の、ましてや、
雷真「転生、者?」
ギルバート「そう。君は転生者。私もタリアとレイと共にあの世という場所に行って、神に聞かされたことだが驚いたよ」
ギルバート「他にも臨海学校の時、ガイア、アビス、カオス、セイバーたちビーム攻撃を受けても火傷程度で済んでいたのは奇跡だとかの次元で解決できる話ではないのだよ」
雷真「言われてみれば………」
これまた、確かに。あの時は、本当に死を覚悟した。でも、俺は奇跡的に生きていた。なら、転生者という存在の俺は、なんのためにここにいるんだ?
雷真「なら、今の貴方はどういう存在で、何の目的があって俺が転生者だと打ち明けたんだ?」
ギルバート「まずは、存在から説明しよう。今の私は、君を転生させた神の部下だ。次に、君が転生者だということを打ち明けた理由」
ギルバート「それは、ラウ・ル・クルーゼたちを止めるか、あるいは殺してもらいたいからだ。どうやら邪神の一人が、何の気まぐれかラウたち、死ぬはずだった者たちをこちら側の世界に移動させた」
ギルバート「それにより少しずつだが、この世界のバランスが崩れ始めている。それを君に止めてもらいたい」
雷真「色々とあって頭が混乱しているが、そんなこと、俺に出来るのか?」
デュランダル議長が言っていることは、ぶっちゃけた話、クルーゼたちを倒して、この世界を救って来いという話らしい。そんなの、俺に出来るのか?
この間の戦闘で、クルーゼの新しい機体に手も足も出なかったのに………。
ギルバート「それの心配は無用だ。君には、彼女から新たな剣を手にして、共に戦ってもらうからね」
雷真「さっきから、その彼女とは一体誰なんだ?」
ギルバート「彼女は、君の相棒だよ。名前はソラくん。またの名を■■■■■・■■■■■」
雷真「ぐっ!」
デュランダル議長が“ソラ”という女性の名前のあとに別の名前を口にするが、俺にはノイズ音にしか聞こえず頭を押さえてしまう。
ギルバート「その様子だと、まだ彼女の本当の新しい名前は聞こえていないようだ」
???「まったくだよ。早くボクの新しい名前を呼んで欲しいんだけどね」
ギルバート「おや、来たのかね?ソラくん」
突如、頭上から聞こえて来た声に、視線を頭上に向けるとそこには、背中からどこまでも包み込む大空の色をした翼を広げ、舞い降りてくる中学生くらいの、水色の髪に、水色のワンピースを来た少女がいた。
ソラ「存外、彼らもやるみたいでね。そんなに時間もかからないうちに彼らは、ここにやってくるはずだよ。それに早くしないと彼女達が危険だからね。それと───」
ソラ「やっと会えたね。雷真」ダキッ
雷真「おっと」
ソラと少女は、花畑に降りるとデュランダル議長と少し話したあと、いきなり俺に抱き付いてきた。その瞬間、彼女がフリーダムであることが理解した。
雷真「えっ?フリーダム?」
ソラ「ムッ!それは、前の名前であって、今のボクの名前じゃないよ!それに、この姿のボクのことは“ソラ”って呼んでよ」
雷真「わ、わかった」
ソラ「じゃあ、雷真。そろそろ、時間がないから行くよ」
雷真「ちょっ、何処へ!」
彼女は、俺の手を引っ張り、時間がないと言いながら湖の中へとズンズン進んで行く。そのまま、湖の中へとが入るが冷たさや息苦しさをまったく感じない。しかし、声は出せないようになっている。
雷真「(どうなってるんだ、この湖?)」
ソラ「………」
そして、湖の中に沈んでいたストライクフリーダムの前までたどり着くと、彼女はストライクフリーダムの識別番号がかかれている所で止まり、指で示す。
彼女の目から識別番号を読め、とでもいうような視線を向けられたので彼女の手を離して、進む。そして、識別番号の所にある苔を取り除いて、識別番号を読んでみる。
雷真「(ZGMF-X40AIS アヴァロン・フリーダム。これって、もしかして………!?)」
目の前にあるストライクフリーダムは、ストライクフリーダムと識別番号が違うことに気付いて彼女の、ソラの方に視線をやると「やっと名前を呼んでくれたね」とでもいうような優しい微笑みを俺へ向けていた。
微笑みを向けられたあと、ソラが現れた時と同じように彼女の背中からスカイブルーの翼が広がる。水中であるにも関わらず、そのまま俺を連れて水中から大空へと一気に飛翔した。
雷真「ソラ、あれが新しいお前の姿なのか?」
ソラ「そうだよ。ボクは、ずっと待ってた。君が、ボクの新しい名前を呼んでくれることを」
雷真「そうか。なら、これからよろしく頼む。アヴァロン・フリーダム」
ソラ「うん!でも、この姿のボクを呼ぶ時は“ソラ”って呼ぶことを忘れないでよ?」
雷真「わかってる」
ソラ「なら、いいけど。おっと、どうやら彼らは試練を超えてきたようだね」
雷真「彼ら?試練?」
ソラの要領を得ない話を疑問に思っていると、後ろから俺の呼ぶ声が聞こえてきた。そちらに振り返るとそこには、専用機を展開している一夏と一夏ハーレムズがいた。
一夏「雷真!」
雷真「ん? お前ら………」
一夏「雷真、無事か?それで、その子は誰?」
雷真「お、おう。こいつは、フリーダムだ。で、どうしたんだよ、そんなに慌てて」
一夏「フリーダム!? と、取り敢えず、無事なら早く現実世界へ戻ろう。会長たちが
雷真「なに!?」
一夏から刀奈たちが
真耶『皆さん、聞こえますか?皆さん!』
雷真「聞こえてますよ、山田先生!」
真耶『その声は、黒牙くん!? 良かった、ようやく黒牙くんと通信が繋がって……』
雷真「刀奈たちが
真耶『それが、黒牙くんがイージスに捕まって、直ぐにザフト製の無人と思われる
雷真「ソラやデュランダル議長と話していたら、現実世界だとそんなことが起きていたのかよ。刀奈、簪、シャルロット、姉さん………」
ソラ「雷真」
雷真「ソラ?」
ソラ「行こう。彼女達を、大切な花を守るために」
ソラの決意がこもった眼差しを見て、迷いはなくなった。何故なら、俺には相棒であるソラが共に戦ってくれる。
雷真「ああ!」
アヴァロン・フリーダムのビーム兵器を実技演習の授業でも使用するかについて
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アヴァロン・フリーダムの使用禁止
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アヴァロン・フリーダム ビーム兵器の禁止
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別機体のビーム兵器を使用
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別の機体を使う
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雷真は見学