自由と白式   作:黒牙雷真

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第71話

一夏「雷真を救うために、その試練って奴をクリアすればいいなら………俺はあんたを倒す!行くぞ!」

 

キラ「………」

 

 

雷真を助けるためにスカイブルーの扉へと突入した俺たちは、雷真の記憶から再現されていると思われる宇宙で、それぞれ一機ずつGATシリーズと戦闘している。

 

その中でも最強のパイロットであり、雷真と同じ、ストライクのパイロットと俺は対峙している。しかし、雷真以上の腕に俺は悪戦苦闘していた。

 

 

キラ「そんな感情任せの攻撃が当たると思う?」

 

一夏「チッ!」

 

 

ストライクの戦い方は、雷真から嫌っていうほど見せられたんだ。こっちにだって、チャンスはある!だから、そのチャンスを見逃さないように今は集中力を切らすな。

 

 

一夏「うおおおおっ!!」

 

キラ「雷真から言われなかった? 大振りが過ぎるってさ!」

 

一夏「ぐわあっ!」

 

 

物理刀形態の雪片弐型でストライクへ斬りかかるが雷真以上の操作で雪片弐型を簡単に躱わされ、そのまま、顔面に回し蹴りを喰らわされ、脳が揺れる。

 

 

キラ「ねぇ、織斑一夏くん。君は、雷真から何を教わったの?ストライクの装甲の特性を知りながら、物理刀で攻めてくるなんて愚の骨頂だ」

 

キラ「そんな君が、本当に雷真を救えるとでも思っているの?いいや。誰かを守れるとでも思ってるの?」

 

 

確かに、今の攻め方は間違っている。ストライクの装甲は、俺たちのISは別物で、PS(フェイズシフト)装甲による物理的な攻撃は電力が続く限りは無効化できる。加えて、ストライクは、他のGATシリーズとは違って、換装システムによるバックパックから電力を補給できる、特性もある。

 

それに、キラ・ヤマトは雷真よりも強い。なら、俺が出きるのは一つだけ。今までも、やって来た。一撃必殺技の一太刀を浴びせること。それだけ。

 

 

一夏「分かってる。けれど、俺にはセシリアやシャルロットみたいな射撃の腕はない。まして、あんたや雷真みたいに機体操作が上手い訳でもない」

 

一夏「それでも、仲間のためなら俺は何度だって立ち上がってやる根性なら負けねぇ!」

 

一夏「はぁああああっ!!」

 

キラ「結果的に、精神論か………」

 

 

雪片弐型は物理刀のままで最低限、余計なエネルギーを消費しないように雪羅もここぞという場面以外は撃たずに雪片弐型でストライクを攻め立てる。

 

けれど、キラはエールストライカーのビームライフルとイーゲルシュテルンのみの攻撃で、できるだけ俺を懐に入れないように攻めてくる。

 

 

一夏「クソッ!攻め切れないッ!?」

 

キラ「そんな威勢や感情だけじゃ何も救えやしないよ。僕と雷真は、これだけの力を持っていても守れなかったモノの方が多いんだ」

 

一夏「えっ?」

 

キラ「もしかしたら、僕たちが否定した人たちのやり方の方が救えた人の数は多かったかもしれない。そう考える時がある。けれど、その人たちを否定したからこそ、僕たちは今があるんだ」

 

一夏「雷真たちの今………」

 

キラ「変わらない世界は嫌だからね。君は、どうだい。織斑一夏くん」

 

一夏「………」

 

キラ「明日を切り開くには、時には友人を殺すことにもなる。そんな、人を殺す覚悟が君にはあるかい?少なくとも、雷真にはあるよ」

 

一夏「人を………殺す………覚悟……」

 

 

ガキの頃、それもまだ千冬姉が学生の頃。俺は、千冬姉から真剣を渡されたことがある。その時の真剣は、凄く重くて、持っているだけでも足がガクガクと震えるほどだった。

 

その時、千冬姉は真剣の重さは命の重さだと言った。その重さが人の命を奪う重さだと。そんな重さを雷真は四年間も経験した。でも、あの時、雷真は俺に言ってくれたんだ。

 

 

一夏「俺には、そんな覚悟はないし、力もいらない!それに、雷真は言っていたんだ、大切な者のためにとッ!」

 

一夏「だから、俺も!大切な人たちを守るために戦う!」

 

キラ「なら、それを証明してごらん!」

 

一夏「ぐぅっ!」

 

 

今のでキラは本気になったようで、先ほどまでが遊びだったと思うほどの射撃精度と機体操作で俺を攻め立ててくる。流石に、このままではヤバいので温存して置きたかったが瞬時加速(イグニッション・ブースト)と零落白夜を駆使してキラを攻める。

 

 

キラ「瞬時加速(イグニッション・ブースト)………なら、僕も使わせてもらうよ」

 

一夏「負けるもんか!」

 

 

キラは、俺に合わせてなのか拡張領域(バススロット)から大艦刀を取り出し、瞬時加速(イグニッション・ブースト)で切り結んでくる。

 

 

一夏「うおおおおおっ!!」

 

キラ「はぁああああっ!!」

 

 

何度か切り結ぶ中で、次第にキラの動きが少しずつだが、見えるようになってきた。なので、一か八かではあるが零落白夜を囮に雷真が見せてくれたデスティニーの動きで懐に攻め込み、雪羅をデスティニーのパルマフィオキーナという武装のようにゼロ距離で放つことを試してみることにした。

 

そのためには、個別瞬時加速(リボルバー・イグニッション・ブースト)でキラの攻撃を避けて、懐に入る必要がある。タイミングを誤れば、そのまま俺はストライクの大艦刀のビーム刃に両断されるだろう。

 

もしも両断されたら電脳世界といえど、現実世界の身体に何の影響もないとは考え難い。なので、本当に一瞬の判断が勝負となる。

 

 

 

一夏「すぅー、はぁー」

 

 

個別瞬時加速(リボルバー・イグニッション・ブースト)の成功率はまだ30%ほどだ。失敗すれば、現実世界なら即死。電脳世界でも、現実世界の身体に何かしらが起こる。

 

 

一夏「白式───俺に、力を貸してくれ」

 

 

今一度、集中力を高めながら、相棒である白式に語りかける。その時、脳内に臨海学校の時に夢で見た少女の声が少しだけ聞こえた。

 

 

───いいよ。少しだけ、力を貸しあげる───

 

 

 

 

一夏「!! (聞こえた!なら、この声は白式か!)」

 

一夏「ありがとう、白式」

 

 

白式にお礼を言いながら、背部のウィングスラスターを大きく展開し、雪片弐型を正眼で構える。

 

 

一夏「………」

 

キラ「………」

 

 

お互いに相手の出方を探りながら円状制御飛翔(サークル・ロンド)を行い、少し離れた場所にいるであろう箒たちと他のGATシリーズの戦闘で起きる爆発音で、一際大きな爆発音が鳴り響いたのを合図に、俺とキラは互いに同じタイミングで突撃する。

 

 

一夏「うおおおおっ!!」

 

キラ「はぁああああっ!!」

 

 

見据えるはキラが持っている大艦刀。そいつが届く少し前で雪片弐型を片手で持ち、個別瞬時加速(リボルバー・イグニッション・ブースト)で攻撃を回避しながらゼロ距離で雪羅を放つ!

 

 

一夏「ここだぁあああっ!!」

 

キラ「これはデスティニーの!?」

 

 

あの時、個別瞬時加速(リボルバー・イグニッション・ブースト)で雷真が俺に見せてくれたように大艦刀が当たる少し前でグルリと回転しながら回避して、そのままゼロ距離で雪羅を連射してストライクのボディーに攻撃を当てることができた。

 

 

キラ「ふふっ」

 

一夏「これで………どうだ」

 

 

ストライクのボディーに攻撃を入れられたことに安堵しながら、雪羅を当てるほんの一瞬だけどキラの笑い声が聞こえたきがした。それのことに警戒心はそのままにしながらストライクの爆煙が止むのを待つ。

 

そして、爆発が止むとそこにはストライクの残骸やキラの死体も見つからなかった。雷真の記憶から再現された者といえど、俺はキラという人間を殺したということを認識し、手が震えた。

 

 

一夏「これが、人を殺す感触。雷真は、この震えを四年間も経験してきたのかよ………」

 

 

雷真が言っていたことを俺自身が電脳世界で、擬似的な身体といえど、感じたことに少しずつだけど恐怖と、呆気なく人を殺すこと出来てしまうということに、いずれ人はそれに慣れてしまうということにも恐怖を感じた。

 

そんな恐怖を感じながら改めて、己が覚悟は大切な人を守ることにあると確信すると、白式のハイパーセンサーに少し離れてはいるが箒たちの反応が此方に向かっていることを確認できた。

 

 

箒「一夏、無事か!?」

 

一夏「ああ………」

 

鈴「一夏、どうしたのよ?」

 

一夏「いや、俺、電脳の世界の、作り物だとしても人を殺したんだなって………それに、この言い表しようもない感触を雷真は四年間もずっと感じて来たんだなって、さ………」

 

セシリア「それは………」

 

一夏「前に、雷真に聞いたんだよ」

 

ラウラ「どういう質問かは予想がつくが。どういう質問をしたんだ?」

 

一夏「どうやれば、俺も雷真のように強くなるれのかを聞いたんだよ」

 

箒「それで、雷真は何と?」

 

一夏「雷真は、それしか選択できなかったから身についた力だって………言ってた」

 

 

俺の言葉に四人は黙ってしまう。すると、姿は見えないが倒したはずのキラの声が聞こえてきた。

 

 

キラ「どうやら、全員試練を乗り越えることが出来たみたいだね」

 

一夏「キラ・ヤマト!?」

 

「「「えっ!?」」」

 

 

キラの声が聞こえてた瞬間に再び、警戒心を最大にする。

 

 

キラ「僕はもう、君たちと戦うつもりはないよ。今の僕の役割は、君たちの道案内役の印みたいなものだから」

 

一夏「道案内?」

 

 

道案内という言葉に問うと、何処からか緑色の翼を生やした機械仕掛けの鳥が飛んできた。

 

 

一夏「鳥?」

 

キラ「その子はトリィ。トリィが君たちを雷真がいる所へ、案内してくれるよ」

 

一夏「本当か!?」

 

キラ「うん。その子に着いていけば、雷真に会えるから。トリィ、雷真の所へお願い」

 

トリィ「トリィー!」

 

 

トリィという機械仕掛けの鳥が飛翔すると、俺たちもそれに続いて追いかける。すると、この宇宙空間に入った時の扉と同じ色の扉の前でトリィがホバリングする。

 

 

一夏「ここが雷真がいる。本当の扉か」

 

 

会長たちのこともあるので躊躇なく、扉を開けて中にはいる。なかに入いるとそこは一面花畑だった。

 

 

一夏「今度は………」

 

セシリア「一面、花畑ですわね………」

 

 

今度の空間は、誰の記憶から再現されたのか分からないまま、トリィの後を追い続けると少し離れたところに湖が見えてきた。

 

湖との距離が30mほどになるとハイパーセンサーで湖から飛び出て来る、水色の髪をした少女と雷真の姿を確認することができた。

 

 

一夏「あれは………雷真!?」

 

箒「なに?」

 

セシリア「どこですの?」

 

一夏「目の前の湖の上だ!てか、雷真といる少女から翼が生えているのは幻覚か?」

 

ラウラ「幻覚ではなかろう。ここは、電脳世界なのだからな」

 

鈴「何はともあれ、雷真を見つけたんだなら連れて帰るわよ!」

 

一夏「そうだな」

 

 

鈴の言うとおり、今は雷真を連れて帰るのが先決なので雷真と水色の少女に近付く。

 

 

一夏「雷真!」

 

雷真「ん? お前ら………」

 

一夏「雷真、無事か?それで、その子は誰?」

 

 

どうやら、雷真は無事のようだ。なので、ついでに雷真が掴まっている少女について質問すると驚きの返答が返って来た。

 

 

雷真「お、おう。こいつは、フリーダムだ。で、どうしたんだよ、そんなに慌て」

 

一夏「フリーダム!? と、取り敢えず、無事なら早く現実世界へ戻ろう。会長たちがMS(モビルスーツ)ISと戦ってるみたいなんだ!」

 

雷真「なに!?」

 

 

雷真は、会長たちがMS(モビルスーツ)ISと戦っていると知ると焦った表情を出す。

 

 

真耶『皆さん、聞こえますか?皆さん!』

 

雷真「聞こえてますよ、山田先生!」

 

真耶『その声は、黒牙くん!? 良かった、ようやく黒牙くんと通信が繋がって……』

 

雷真「刀奈たちがMS(モビルスーツ)ISと戦っているってどういうことなんですか?」

 

 

現実世界から山田先生の声が聞こえ、会長たちがMS(モビルスーツ)ISと戦っている経緯を雷真は山田先生に聞いた。

 

 

真耶『それが、黒牙くんがイージスに捕まって、直ぐにザフト製の無人と思われるMS(モビルスーツ)ISが学園に多数襲来。今は、織斑先生、刀奈さん、簪さん、デュノアさん、布仏さんが応戦しています』

 

雷真「ソラやデュランダル議長と話していたら、現実世界だとそんなことが起きていたのかよ。刀奈、簪、シャルロット、姉さん………」

 

ソラ「雷真」

 

雷真「ソラ?」

 

ソラ「行こう。彼女達を、大切な花を守るために」

 

雷真「ああ!」

 

真耶『では、皆さんを現実世界に帰還させます!』

 

 

山田先生のその言葉で、俺たちは現実世界に帰還した。

アヴァロン・フリーダムのビーム兵器を実技演習の授業でも使用するかについて

  • アヴァロン・フリーダムの使用禁止
  • アヴァロン・フリーダム ビーム兵器の禁止
  • 別機体のビーム兵器を使用
  • 別の機体を使う
  • 雷真は見学
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