自由と白式   作:黒牙雷真

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第76話

ハルバートン「それでは、中尉。性能テストを行ってくれ」

 

雷真「分かりました。ソラ、頼む」

 

ソラ『オーケー!』

 

 

ソラが返答するといつもの如く慣れた感覚でアヴァロン・フリーダムが展開されたら、ゆっくりとメルカバー内の格納庫を歩行して、リニアカタパルトまで移動する。

 

 

シノブ『CPUオンライン。カタパルト、接続。各パワーフロウ正常。進路クリア、【ZGMF-X40AIS アヴァロン・フリーダム】。発進、どうぞ!』

 

雷真「黒牙雷真! フリーダム、行きます!」

 

 

リニアカタパルトによってメルカバーから射出されるとルーティンワークのようにバレルロールを行い、VPS(ヴァリブル・フェイズシフト)装甲を起動させてフリーダムの装甲が色鮮やかに変色した後、空中でホバリングしてメルカバーからの指示を待つ。

 

 

ナタル『こちら、ナタル・バジルール。今回の性能テストの指示は私が出す。質問はあるか?』

 

雷真「大丈夫です」

 

ナタル『なら、四段階に別けて最高速度まで飛行速度を測定しろ』

 

雷真「了解」

 

 

ナタルさんからフリーダムの飛行速度を測定する指示が飛んできたので、飛行速度の測定を行う。

 

 

ソラ『雷真、ボクの速さを測るのはいいけど、四段階にどうやって分けるの?』

 

雷真「それなら、考えがある。ストライクやフリーダム、ストライクフリーダムのスペックデータはあるよな?」

 

ソラ『うん、あるよ』

 

雷真「そのストライクたちのスペックデータを元にアヴァロン・フリーダムの飛行速度を四段階に分けようと思ってるんだが、出来るか?」

 

ソラ『ちょっと待ってね………………うん!出来るよ!』

 

雷真「了解。それじゃあ、早速、エールストライクの最高速度だ」

 

 

過去の戦争で使われたMS(モビルスーツ)たちのスペックデータを元にフリーダムの飛行速度を四段階に分けて、最後は『自由の翼』を発動して、フリーダムの最高速度を出す。最高速度を出した状態での旋回をする際、身体の骨や筋肉がギチギチと悲鳴を上げたを感じて少し速度を落とした。

 

飛行速度のテストが終わると次は、ビーム兵器の性能テストが始まった。標的は、ラミネート装甲板に対ビームコーティングとフライトユニットを取り付けたビーム兵器用のターゲットドローン。元々、これはアストレイ隊の演習用にアキトが開発したものである。

 

 

雷真「ソラ、まずはセーフティをかけた状態でビームライフルを使いたい。頼めるか?」

 

ソラ『あー、それなんだけど。多分、セーフティをかけた状態でもあのドローンは壊れちゃうかも』

 

雷真「え?」

 

ソラ『取り敢えず撃ってみなよ』

 

雷真「わかった」

 

 

ソラに促されるままに高エネルギービームライフルⅡをドローンに撃つと、対ビームコーティングが施されているのにも関わらずドローンが爆散してしまった。

 

 

 

雷真「………」

 

ソラ『やっぱりこうなったね』

 

雷真「いやいや、おかしいだろう!?」

 

 

ビームライフルⅡの威力に驚きながら、次にビームCIMSのテストを行ったが結果は、破壊とまでは行かないが演出用ドローンがバチバチと火花を散らしながら中破してしまった。

 

 

雷真「ビームCIMSでもこれか………」

 

ソラ『基本的に僕のビーム兵器は君が望んだ、奴らを倒すためにかなり強力なってるよ。それらをどう扱うかは、雷真………君次第だよ』

 

雷真「……分かってる」

 

 

その後もフリーダムの新しいビーム兵器の性能テストをやっていくのだが、インパルスのデスティニーシルエットに装備されていたウルフスベイン長射程ビーム砲塔の発展型だと推測できるウルフスベインⅡ長射程ビーム砲塔はバカげた威力を誇っていた。

 

ウルフスベインⅡは背部に装備されているのでバラキエーナ収束ビーム砲よりも強力なものであることは分かってはいたのだが、まさかビーム砲の余波で演出用ドローンが大破するとは思わなかった。

 

 

雷真「さ、流石にこれは授業では使えないなぁ……」

 

ソラ『だから、言ったでしょう』

 

 

性能テストを終えて、メルカバーに帰投してフリーダムの性能テストの結果を報告書としてまとめてから織斑先生の所へ向かっていると、その途中で歩く天災ならぬ、海走る天災に遭遇してしまったことに俺は自分の運の悪さを呪ったのは言うまでもない。

 

 

束「ハロハロー、らっくーん!」

 

雷真「なんで、あの人は海の上を普通に走れるんだよ……。物理法則を無視し過ぎだろう」

 

 

もはや、目の前で走るウサギは人類を超越したナニカではないだろうか?

 

 

束「と~うちゃ~く!」

 

雷真「………」

 

 

うん。何も言うまい。

 

 

束「やぁやぁ、改めて久しぶりだね。らっくん!」

 

雷真「そうだな。それじゃあ、さようなら」

 

束「ワアワアちょっと待った!今日はおふざけに着たわけじゃないんだよ。このデカブツについて、らっくんに聞きに来たんだよ」

 

雷真「デカブツ?」

 

 

篠ノ之束の口から出た「デカブツ」という単語に何故か戦士としての感が聞かなければならないと俺を動かした。

 

 

束「このデカブツったらいきなり束さんのお家を無茶苦茶にしたんだよ! だから、報復として解体してやろうと思ったらいっくんの白式みたいなエネルギーシールドを出されて逃げられちゃったんだよ……」

 

雷真「取り敢えず、そのデカブツとやらの映像か何かないのか?」

 

束「あるよん!ほい、御開帳!」パチン

 

 

篠ノ之束がフィンガースナップを鳴らすと空間ウィンドウから現れ、空間ウィンドウに撮されたのは隠しカメラから撮影されているのか第三者の目線からの映像が流れた。

 

そして、その映像に映っていたデカブツとやらの正体を見た途端、俺の顔は酷く歪んだと思う。

 

 

雷真「こいつは……【YMAG-X7F ゲルズゲー】。それもMA(モビルアーマー)サイズが四機にISサイズが八機だと!?」

 

束「やっぱり、らっくんは知ってるんだね。コイツらは何者? 答えようによっては、らっくんも潰すよ」

 

雷真「この世界では敵かどうかは知らないが、コイツらがいた世界では俺と俺が所属していた軍はコイツらとは敵対していた。けれど、戦争のあとには休戦協定を結んでいる」

 

 

やはり、クルーゼ同様に“あちら側(コズミック・イラ)”で死んだと思われた地球連合軍のパイロットや技術者が“こちら側”に飛ばされてきたことが原因でゲルズゲーがMA(モビルアーマー)サイズとISサイズで存在しているのだろう。

 

けれど、現状一番厄介なのはうちの諜報班ですらゲルズゲーを含めてMA(モビルアーマー)を確認出来なかったということだ。それにゲルズゲーたちがいるということは陽電子リフレクターを応用した防御兵器がコイツらの基地に備え付けられているのであれば、破壊できるのは俺しかいない。

 

 

束「ふ~ん。らっくんの言葉が本当なら君もコイツらを壊してくれるのかな?」

 

雷真「さぁな。コイツらが俺の大切な【花】たちに銃を向けるのであれば、容赦はしない。それだけだ」

 

束「うん。それだけ聞ければ束さんは満足かな。そ~れ~よ~り、らっくんのISを見せてよ!」

 

雷真「なら、ソラに聞けばいい。決めるのはソラだ」

 

 

そう言って、制服の下に仕舞っていた待機状態のソラを出してやるとソラは即答で篠ノ之束を拒絶した。

 

 

ソラ『いやだね。ボクは雷真の【剣】だ。雷真が許した人以外はさわられたくない』

 

束「オー!これは天災束さんでもびっくりだよー! まさか、待機状態でありながら言語を喋れるISが存在しているだなんてー!! ねぇねぇ、らっくん。その子、一度解体して隅々まで分析していい?」

 

雷真「ダメに決まってるだろう! 仮にやろうものならば、ソラは勝手に起動できるから即戦闘だぞ。それにソラが戦えなくなったらゲルズゲーも破壊できないぞ」

 

束「んー、それは束さん的にも困るから止める。それじゃあ、知りたいこともしれたから束さんは帰るねぇ。あっ、ちーちゃんたちによろしく言っておいてね。バーハハーイ!」

 

 

そう言い残して天災ウサギは、また海上の上と走って何処かへ言ってしまった。その後、念のために織斑先生に天災ウサギが来たことを報告するとめちゃくちゃ頭を抱えていた。お疲れ様です。

 

職員室にアヴァロン・フリーダムの報告書を提出したあと、寮の自室に戻り、ベッドに身体を投げる。

 

 

雷真「くはぁ~、疲れたぁ……」

 

ソラ『お疲れ様』

 

雷真「ソラもな。てか、授業でソラを使えないことに関してマジでどうしよう………」

 

ソラ『確かに、ボクを使うちゃうとアリーナとか大変なことになりそうだよね。前のボクでさえ、雷真がセーフティをかけてエネルギーを推進力に極力振り分けてあれだったからねぇ』

 

雷真「最悪、アストレアを使うことを視野に入れないとかなぁ………」

 

ソラ『えー、ボク以外の子を使うの?』

 

雷真「使うかどうかは織斑先生次第になるな。悪いが少し眠る。何かあったら起こしてくれ」

 

ソラ『りょーかい』

 

ソラの返事を来てから身体の力を抜き、自然と睡魔に身を任せる。

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

《sideシャルロット》

 

 

 

シャル「ん~、ん~」

 

ラウラ「どうしたのだ、シャルロット。先ほどからガイアの詳細データを見ながら唸っているようだが?」

 

シャル「ラウラはさ、僕は何色が似合うと思う?」

 

ラウラ「何を悩んでると思えば、シャルロットに似合う色とはいえばオレンジカラーだろうに。何故、そんなことを?」

 

シャル「雷真からもらったガイアの色は黒なんだ。それで、配色を変更しようと思ってガイアのマニュアルを見てたらちょっと僕の手にはあまる設定なんだよ」

 

 

ラウラに言われるまで、ずっとガイアのマニュアルを見ながら雷真に頼らず、自分の力でVPS(ヴァリブル・フェイズシフト)装甲の配色を変えようと頑張っていたのだが、電圧やら何やらの設定が必要で、正直オーバーテクノロジー過ぎてよくわからないのが結論である。

 

 

ラウラ「なら、ガイアたちを改修した雷真に頼べばいいではないか。何を迷っているんのだ?」

 

シャル「一応、僕の機体だから自分で出来ることはやろうと思ったんだけどなぁ……」

 

ラウラ「健気なのだなシャルロットは……。ならば、布仏先輩に相談してみてはどうだ? あの人であれば、メルカバーの整備班の連絡先くらいは知っているであろう」

 

シャル「そっか! ちょっと行ってくるね」

 

 

ラウラに促されるままに、僕は布仏先輩を訪ねに彼女の部屋に向かい、ノックする。

 

 

虚「はーい」

 

シャル「デュノアです。すみません、いきなり」

 

虚「大丈夫よ。それで私に何か用かしら?」

 

シャル「ガイアについて相談がありまして」

 

虚「その事なら中でお聞きします。どうぞ、入ってください」

 

シャル「お邪魔します」

 

 

虚さんに招き入れられるままに、彼女の部屋に入ると幸いにもルームメイトの先輩は不在だった。だから、虚さんも僕を招き入れたのだろう。

 

 

虚「好きなところに座ってください。お茶を用意しますので」

 

シャル「あ、ありがとうございます」

 

 

備え付けの椅子に座ろうとしたところで、虚さんの机と思われる場所の上に飾られていた写真が目に入り、目を奪われた。

 

その写真には、何と幼い頃と思われる雷真たちと刀奈に良く似た着物を着た綺麗な女性が映っていたのだ。

 

 

シャル「これは………子供の頃の雷真と刀奈たちですか?」

 

虚「ええ。お嬢様たちのお母様が映っているのでもうかれこれ8年くらい前になると思います。とても強くて、凛々しくて、美しい方でした」

 

シャル「……そうなんですか。なら、大人になった刀奈はこんな感じになるんですか?」

 

虚「さぁ? それはその時になってみないと分かりません。ですが、心の強さでは既に簪お嬢様が奥様に近いですね」

 

シャル「確かに、臨海学校の時に簪が刀奈の心を奮い立たせていたので虚さんが言っていることは分かるかも……」

 

 

臨海学校の時、雷真とストライクがロストした時は僕も生きた心地がしなかった。でも、僕たちよりも刀奈の方がほうが酷かった。

 

 

虚「お待たせしました、お茶の準備が出来ました」

 

シャル「ありがとうございます」





アヴァロン・フリーダムのビーム兵器を実技演習の授業でも使用するかについて

  • アヴァロン・フリーダムの使用禁止
  • アヴァロン・フリーダム ビーム兵器の禁止
  • 別機体のビーム兵器を使用
  • 別の機体を使う
  • 雷真は見学
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