輝きがほしい比企谷八幡   作:SHSH

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第十五話

 高海さんと運命の邂逅を果たした俺は、涙ながらに抱き合う事もなく自己紹介を終え、指定された席へと着いていた。

 

(…さて、問題はここからだ)

 

 自分で言うのもなんだが、俺の顔は目以外はそこそこ整っている。それゆえ、休み時間の間におそらく質問攻めに遭うだろう。 念のためシミュレーションをしておく。

 

『ねぇねぇ、比企谷君って彼女いるの?』

『い、いないけど』

『じゃあ、趣味は?』

『読書…とか』

『そーなんだ!オススメの本とか教えてよ』

『…特には』

『じゃ、じゃあ好きな女の子のタイプとかは?』

『俺を養ってくれる人』

『そ、そうなんだ…』

『……』

 

 

 

 って全然駄目じゃねぇか!

 生憎女子にオススメする様な本は読んでないんだよ!いや、出来そうなものはあるけど、この女学院で出すには余りにもリスクが高すぎる。クソッ、俺はピエロになることすら出来ないのか。

 あーでもない、こーでもない、と考えている内に朝のHRが終わり、激戦の火ぶたが切って落とされた。

 

(来るなら、来い!)

 

 衝撃に備え身構える。教室内が一気に騒がしくなり、静寂が尻尾を巻いて逃げていく。皆が席を立ちある場所へと向かう……そう、転校生である桜内さんの席に。まぁ分かってたけどね。備えあれば憂いなしっていうじゃん?…備えたが故に憂う事になってしまったが。

 涙が零れないように上を向いていると、高海さんが声を掛けてくる。

 

「比企谷君、一昨日ぶりだね」

「あ、あぁ、そうだな。一昨日は助かった」

「えへへ、よかった~、ちゃんとお家に帰れたんだね」

「そりゃあ、交番まで行けばこっちのものだからな。高海さんがいなければ、どうなってたか」

 

 大袈裟だよ~という彼女の隣で、グレーの髪色をした女の子が仲間になりたそうな目でこちらを見ている。

 

 仲間にしますか?

 はい←

 いいえ

 

 "はい"を選ぼうとしたところでその女の子が口を開く。

 

「私の名前は渡辺曜だよ!よろしくね比企谷君!」

 

 渡辺曜と名乗った女の子は、正に体育会系、リア充です!という風貌をしていた。

 

「よ、よろしく渡辺さん」

 

 とりあえず挨拶代わりに吃っておく。これがボッチの流儀だ。

 

「曜ちゃんはね、高飛び込みの選手なんだよ!」

「お、おう、そうなのか」

 

 興奮しているのか顔が近い。いい匂いがする。

 

「それに、曜ちゃんすっごいかわいいでしょ!?」

 

 ね?ね?と言った顔でこちらを見てくる高海さん。

 

「ちょ、千歌ちゃん!変なこと言わないでよ…。ごめんね比企谷君」

「…いや、全然気にしてないから」

 

 本当に気にはしていない。…意識はしてるけど

 …それに

 

「かわいいのは事実だしな」

 

「え…」

 

「でしょ!いやー比企谷君はお目が高い!」

 

 …しまった。ここでボッチの弊害が出るとは、しかし渡辺さんを見る限りまんざらでもなさそうだ。つまりセーフ

 

「もうっ!からかわないでよ//」

 

 プイッと余所を向いてしまうところがまたかわいい。だがそれを口に出すと流石に怒られそうだ。

 すると、突然高海さんが声を上げる

 

「あっ!そうだ!」

「ん?どうしたんだ」

「私ね、スクールアイドルやることにしたんだ」

 

 "スクールアイドル"聞いたことがあるような、ないような。あれか、学生がアイドル活動するやつか…そのまんまだな。

 

「そうか、それは良かった」

「それでね、比企谷君」

 

 なんだろう、嫌な予感がするような、しないような…

 

 

 

 

 

 

「手伝って!」

 

 やっぱ、してた。




なんていうか、まぁ…あれですよね。つまり…その、難しい!
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