輝きがほしい比企谷八幡   作:SHSH

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第十七話

「ということで、スクールアイドル部を作ろうと思います!」

「それはいいんだが、創部するには部員が五人以上必要なんだろ?当てはあるのか?」

 

 女の子を名前で呼ぶことになったお昼休みも、今は昔。一日の授業が終わり放課後になった現在、俺と千歌は教室でスクールアイドル活動について相談し合っていた。ちなみに、曜は水泳部へと行ってしまった。去り際に"ヨーソロー!"と言いながら敬礼をしていたが、どういう意味だったのだろうか。帰ったらググろう。

 

「フッフッフ…、ないから勧誘するんだよ!」

 

 ないのか…、"フッフッフ"に強キャラ感出てたから、あるのかと思ったよ。

 

「まぁ、勧誘するなら一年生か。ニ、三年生は既に部活に入ってるだろうしな」

「うん、そうだね。」

 

 でもね…と千歌が続ける。

 

「いま現在、確実にどの部活にも入っていない二年生の女の子がいるんだよ」

「…桜内か」

「そう!流石八幡君!分かってる~」

 

 と言いながら、肘でつついてくる。

 当たってる、当たってるから//……肘が。いや、当ててんのか。

 

「桜内なら、まだ教室にいるから誘ってきたらいいんじゃないか?」

 

 先程まで桜内を質問攻めにしていた数人も、聞くことがなくなったのか、いつの間にかいなくなっている。つまり、今がチャンス!

 

「よし!じゃあ、誘ってくるね!」

「おう」

 

 誘いに行った千歌を自分の席から見守る。

 "誘いに行ってきたら"とは言ったものの、果たして桜内がスクールアイドルをやると言うだろうか?彼女はピアノから逃げてきたと言っていた。そんな彼女が別の何かに打ち込もうとする姿が想像出来ない。

 遠目に見ていると、千歌が桜内に手を差し出していた。

 

「一緒にスクールアイドルやりませんか?」

 

 千歌の声が教室内に響く。気付けば教室は俺達三人だけになっていた。

 

「…ごめんなさい!」

 

「…え?なんで…」

「私地味だから、スクールアイドルなんてキラキラしたものは出来ません!」

 

 失礼します!と付け加えて足早に去っていく桜内。その後ろ姿を見つめる千歌の背中はどこか哀愁を帯びていた。

 すると、徐に千歌がこちらを振り返り、自信満々にこう言った。

 

「いける!」

 

 どこが!?…背中の哀愁はなんだったんだ。

 

「あれは…いけるのか?」

「うん!桜内さんは絶対に押しに弱いよ!」

 

 あー…無理矢理押し通すのか。成る程。

 

「…とはいえ、程度は弁えろよ」

 

 そう軽く忠告すると

 

「分かってるって!」

 

 満面の笑みでこう返してくる。いや、それ分かってない時の笑顔だよね…

 

「あ、それと一年生も勧誘しなきゃ」

「そうだな、明日の朝、校門で勧誘してみたらどうだ?」

「いいね!それ採用!じゃあ、明日の朝八時に校門に集合ね!」

「おう」

 

 では、さらば!と走り去っていく千歌。ここで、ある事に気付く。

 

『明日の朝八時に校門に集合ね!』

『おう』

 

 

『おう』

 

 

『おう』

 

 

 

 

「oh…」

 

 明日の早起きが決まった瞬間であった。

 

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