もしかしたらあったかもしれない、そんな未来 作:サクサクフェイはや幻想入り
無理やりと言うか、付き合わされた模擬戦で文字通り更識会長をボコボコにし、熱い再戦を何回か繰り返してようやく終了した。 武器を変え、戦法を変えてやったが全戦全勝、最後には駄々をこねた子供みたいになった更識会長を偶然通りがかった、というよりも探していた布仏先輩に預け俺は校内を散歩していた。 もう夕暮れ時なのだが、一つ思ったことがある。 俺の部屋ってどこだろう、大事なことを忘れていた。 ホテルは当然使えないし、学園の寮にしてもカギを貰っていない。 とりあえず散歩をしつつ、職員室を目指すことにした。 それにしても、ちょっとは手加減をすればよかっただろうか? まさかあそこまで粘られるとは思っておらず、最後には目尻に涙まで溜まっていた始末だ。 でも、手加減したら失礼だし。 延々とループしそうな考えはいったん辞め、ルームメイトを考える。 やはり同じ男なのだろうか? それとも、個別で一人部屋とか。 出来れば周りを気にしない一人部屋がいいのだが、まぁなるようにしかならないだろ。 ちょうど職員室に着いたので、思考を打ち切り声をかけて職員室に入る
『ノックして、もしもーし』
それを俺がやった場合、ふざけているのか!みたいな感じで修正が来そうである。 職員室を見回すが担任の姿はなく、出払っているのか試験の時見た緑髪の眼鏡の女性しかいなかった
「あのー?」
「は、はいなんでしょうか?」
いきなり声をかけたことに驚いたのか、多少どもったが、受け答えをしてくれる。 良かった、普通の人のようだ。 多いとは言わないが、今の世の中女尊男卑思考の人が多いからな、気を付けないとならない。 だが見たところ、この先生は普通のようだ
「あの一年三組の白石黒夜なのですが、クラス担任は何処にいるか知りませんか? 寮のことについて聞きたかったんですが」
「りょ、寮ですね!担任の先生は帰ってしまったので、私がカギを預かってますから」
妙におどおどしているが、もしかして男性恐怖症とか? いや、普通に会話しているから多分緊張しているだけなのか。 なんというか、ここまでおどおどされていると逆に申し訳なくなるというか。 山田先生の話を聞きつつ、そんなことを考えていた。 寮の簡単な説明を受け、鍵を貰う。 どうやら俺の部屋は今まで倉庫として使われていたらしく、急に決まったことなので掃除もしていないとのこと。 だが、一人部屋ということなので好都合だった。 別に山田先生が悪いわけでもないのにペコペコ頭を下げられ、逆にこっちが恐縮してしまいながら、お礼を言って職員室を出る。 素振りぐらいはできるだろうが、走り込みは今日は出来なさそうだ
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部屋について、鍵をひねる。 扉を開ければ埃っぽい空気と、ぽつんと部屋のど真ん中においてあるベッドや冷蔵庫などの家電製品の数々。 喧嘩売ってるのだろうかこれは。 ベッドは重そうなので一人では到底移動できなさそうだし、部屋が全体的に汚い。 壁紙の剥がれなどはないが、全体的に埃溜まってるし、蜘蛛の巣もある。 どうも倉庫として使われていたのは本当のようだ。 これには覗いていた女子も苦い顔をして、散らばっていく。 見るのは勝手だが、リアクションだけはどうにかしろ。 汚いって、俺のせいじゃないし。 唯一の救いなのが、俺の荷物がベッドの上にあるということか。 一応、掃除はされていないが、シャワールームもあるようだしそこは安心。 シンク等もあるから、部屋での飲食も大丈夫なようだ。 扉を閉め
「はぁ、やるか......」
制服やベッドなど、汚れたくないものには借りてきたブルーシートをかけ、掃除を始める。 こんな掃除も慣れたものだ。 元々俺は施設育ちで、一番上ということもあり施設の手伝いなどをしていた。 一応、片付けなどもあるだろうから、うるさくなるかもしれないということは隣の部屋の住人には説明済みだ。 すごく嫌な顔をされたが、一応了承はしてもらった。 まずは、上の埃等を落としていく。 その際、ついでだからとエアコンや電気なども掃除しておく。 球切れもしていたしな。 次に掃除するのは壁やシンク周りだ。 壁は湿った雑巾などで拭いておく。 シンク周りは比較的綺麗だったので、洗い流して終了。 後は、床周り。 これも借りてきていた掃除機を使い、ごみを吸い取る。 まぁ、こんなところだろう。 夕方からやって、結局夜になってしまった。 時計を見れば、食堂はとっくに締まっている時間だった
「うわ、なんか食べるものあったか?」
俺の荷物をあされば、非常用に取っておいてあった乾パンと水だった。 わびしい、そう思いながら乾パンを食べ終える。 というかこの部屋、ないものが多すぎる。 机もないし、冷蔵庫とかがまだあるからいいが。 これは担任に言ってもどうにもならないし、学園長に直接でいいか。 こうして、俺の学園一日目は幕を閉じる
『お休み黒夜』
『お前は寝るのかわからんが、お休み白』