もしかしたらあったかもしれない、そんな未来 作:サクサクフェイはや幻想入り
そんなわけで、とるべりあ様ありがとうございます!
本編始まるよー
四時間目の授業も終わり、昼休みになると同時にそれは起きた。 昼飯を確保して、何処か静かに食べようと思っていた俺は教科書を片付け、椅子から腰を浮かす。 ピンポンパンポーンと放送が入ったが、特に気にせずに教室から出ようとした
『一年三組、白石黒夜君、一年三組、白石黒夜君。 至急生徒会室まで来てください。 繰り返して.......』
この瞬間、教室内の空気がガラッと変わった。 あぁ、ついに、ようやくかという声が聞こえてくる。 待て待て待て、俺は何もやってないし、呼び出されるようなことはしていない。 冤罪とかで呼び出されるのは、まぁ仕方ないとして、呼び出したのは楯無先輩だ。 そんなことになる前に学園長に伝えると思うし。 あかん、マジで原因が分からん。 とりあえず、至急生徒会室と言っていたし、生徒会室に向かわなければ。 昼飯は、この際諦めるしかない。 最悪、放課後に少し小腹を満たせば構わないし。 そんなことを考えつつ、生徒会室に到着した。 ノックをすると呼んだ張本人が、切羽詰まった声で入室を促した。 そんなに俺の状況がやばいのか、やばい案件なのだろうか。 少し覚悟を決めつつ、生徒会室の中に入る。 だが、俺のそんな覚悟は一言目であっさりと砕かれた。 悪い意味で
「簪ちゃんと何をしゃべったらいいかわからないのよー!」
「あ、すみません帰っていいですか?」
「どうぞ」
楯無先輩に泣きつかれたが、それを引きはがし布仏先輩に告げる。 布仏先輩も呆れたように許可を出してくれたが、楯無先輩がそれを許さなかった
「待って、待ってくださいお願いします!!」
「人が何かやらかしたかと思って来れば、開口一番妹さんと何をしゃべったらいいかわからないとかいう人の相談に乗るほど俺は優しくないですよ」
「反省してます!というか、校内放送はやりすぎました!次は改めるから相談に乗ってー!」
「「はぁ......」」
自分でも校内放送はやりすぎだと思っているのか、次は改めるとのこと。 というか、次もあるのか? そのことに少しげんなりしながら、適当な席に着く。 布仏先輩は紅茶を出してくれた。 その香りをかぎ、少し落ち着いた。 布仏先輩にお礼を言いつつ、話を促す
「それで? 朝話しかけるって言って別れましたけど、その様子では駄目だったと」
「ええと、そのぅ...... はい......」
朝のことを思い出したら、おなかがすいてきた。 腹を抑えていると、何故か目の前にショートケーキが。 出した人に視線を向ければ、布仏先輩だった。 なぜに?
「あの?」
「お昼休みになってからすぐの呼び出しです、何も食べていないんじゃないですか?」
「いえ、まぁ、そうですけど」
確かに布仏先輩の言う通りで、これから昼飯買いに行くところではあった。 でも、何故にケーキ? というか、そもそも何で生徒会室にケーキがあるんだ? 来賓とかに出すとかならおかしくはないのだが、ここは生徒会室だ。 来賓とか来るはずもない。 そんな俺の疑問に、布仏先輩が答えてくれる
「本音の、私の妹の分です」
「本音と言うと、のほほんさんですか」
「あぁ、あの子のあだ名ですか。 知っているなら話は早いです。 あの子はお菓子が大好きなので、生徒会室に冷蔵庫を設置しそのなかにお菓子をため込んでいるんです」
のほほんさん
『随分アグレッシブだね!』
どうやら白と同じ感想になったようだ。 あんなにのほほんとしているのに、お菓子が絡むと人が変わるのか。 人は見かけによらない、まさにその言葉の体現者だろう。 というかそもそも、冷蔵庫の設置とか簡単にしてもいいのか? それも許可ださないといけないようなするが...... そう思い、ポンコツと化した生徒会長を見る。 あぁ、普通に許可出しそうだ。 なんというか、本当に布仏先輩苦労してそう。 それはそうと
「勝手に食べてもいいんですか?」
「本音は、お菓子を食べすぎるので、その......」
あー、少しでも減らせば食べる量も減ると。 最後まで言わなかったが、そう言うことなんだろう。 ぶっちゃけ、俺も腹が減りすぎてカロリーを摂取したいのだ。 のほほんさんには悪いが、いただくことにしよう
「まぁ、そう言うことなら遠慮なく。 ・・・・・・」
一口食べれば、口の中に甘さが広がる。 甘さが広がったのはいいのだが、想像以上甘ったるかった。 布仏先輩を見れば、紅茶を薦めてきた。 くそぅ、分かってて出したってことか。 紅茶を飲みつつ、今度はのほほんさんが心配になった。 少なくともケーキがこの甘さなのだ、毎日これくらい甘いものを食べていると仮定すると、糖尿病に良くかからなかったな今まで。 布仏先輩にお礼を言い、楯無先輩の話を聞くことにした
「それで、ダメだったの事ですが、どんな感じで? 二口目も甘いわ......」
「遠くから簪ちゃんを見つけて、話しかけようとしたんだけど、ある程度の距離まで行ったら頭真っ白になっちゃって」
「一応話しかける気はあるんですね、直前で駄目になるみたいですけど」
「それで、このままじゃいけないと思って休み時間とかも話しかけようとしたんだけど......」
「ダメだったと。 ところで休み時間話しかけようとしたみたいですけど、そんなに移動教室あるんでしたっけ?」
「それはもちろん簪ちゃんに話しかけるために!」
笑顔で言うことじゃないから。 布仏先輩を見れば、頭を抱えていた。 うんまぁ、やりすぎだろうな。 たぶん楯無先輩のこのシスコンぶりだ、毎時間話しかけようとして立ち尽くしてたパターンだぞ。 クラスの子たちも不思議だったんじゃないだろうか? なぜか自分のクラスの前に立ち止まっている上級生。 不思議すぎる
「一つ言っておきますと、度が過ぎればいくら家族と言っても、ストーカーと大差ないですからね?」
「ガーン!」
ショックを受ける楯無先輩だが、その横で布仏先輩は頷いていた
『白さんや』
『もちろん確認はバッチし!聞いてきたけど、毎時間だそうです!』
あー、やっぱりという感想しか出てこない。 というか、そもそも
「俺も妹と上手くいってないのに、相談するのが間違いじゃないですかね? ごちそうさまでした」
「はっ!」
今頃気が付いたみたいな感じだが、何故今更なんだ。 どっちかと言うと、俺じゃなくて布仏先輩に聞くべきでは?
「布仏先輩はどうですか? 妹さんと仲良さそうですし」
「確かに仲はいいですが、あの子の人柄、というのもありますからね」
確かに布仏先輩の言う通りだ。 のほほんさん、好き嫌いははっきりしてそうだけど、嫌いな人でも仲が悪いところが想像できない
「まぁ、話すにしてもほどほどにしておいたほうがいいですよ最初は。 喧嘩もしているわけですし。 それにあまりにしつこいと、ウザがられますよ」
「・・・・・・」
『返事がない、ただの屍のようだ』
どうやら言い過ぎたらしく、声をかけるも返事がない。 まぁ、楯無先輩の行動が極端だということが分かった。 今回の放送を含め。 用事も終わりかと思い生徒会長を出ようとすると、扉が開く
「あ~、シロクロまだいたんだー」
「あれ? のほほんさん」
なぜかのほほんさんとばったりと
「あー!!」
いきなり騒ぎ始めるのほほんさんだが、視線を負えば机の上に置かれたケーキの包装紙の方に視線が。 あぁ、ケーキ食ったのバレた。 その後、新しいケーキを買うことで何とかのほほんさんの機嫌を直してもらった。 布仏先輩はそれを見て、俺に謝ってはいたが。 流石に代金を出すと言ったときは、食ったのは自分なのでいいと突っぱねたが