もしかしたらあったかもしれない、そんな未来   作:サクサクフェイはや幻想入り

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プロローグⅡ

少女の言っている意味が分からず、俺が聞き返すと意外そうな顔をする少女

 

「うん?だからIS()に乗って、ビルドファイターズの時のように自由に空を飛び回らないかいって言ったんだよ」

 

「ビルドファイターズはゲームの話で......」

 

「でも操縦なんかはISをもとにしてるから、楽勝と思うよ?」

 

そう、アレはゲームの話だ。 急加速や急停止などをしてもGがかかることはない。 いくらISと言えど、Gを完全に殺すことなどはできない。 ましてや、ネクストなど普通の人間がその機動をISでやろうものなら、機体、操縦者両方とも廃人確定になる。 だがこの少女は、それをわかったうえで話しかけてきているのだ。 ある意味恐ろしい...... だが、それが分かっていても俺は、何処か惹かれていた。 またあの時のように、自由に空を翔け回る。 しかも、ゲームでは味わえなかった本物の風や空を

 

「僕は君の試合を見て育ったからね、だから君が望むなら君の翼になるよ」

 

「・・・・・・・いやいやいや、ちょっと待った。 なんだ、試合を見て育ったって」

 

「だってママンがはまっててさ。 ちょうど僕が開発中の時期だったからさ、試合ずっと見てたんだ。 君はバトルを楽しんでた、だから僕も興味がわいたんだ、君が見て、感じて、楽しんだものを知りたいって」

 

「・・・・・・」

 

これは意外な事実だ。 あの篠ノ之束博士が、パクリともいえるビルドファイターズにはまっていたなんて。 ともかく、言いたいことは分かった。 あの時、ビルドファイターズをやっていた時、確かに楽しかった。 その熱狂を、もう一度取り戻せるなら...... 俺は無意識のうちに、白い少女の手を取っていた。 少女は最初は驚いたようだが、徐々に笑顔になっていく

 

「僕の手を取ったということは」

 

「あぁ、これからよろしく頼む」

 

「やったー!」

 

子供のようにぴょんぴょん跳ねて喜ぶ少女に苦笑しつつ、大事なことを聞く

 

「そう言えば名前聞いてないんだが」

 

「ん、名前? 僕に名前はないよ? しいて言うなら、コアナンバーくらいだけど」

 

「そうなのか?」

 

「うん。 完成すると同時に、ママンにIS学園においていかれたわけだし」

 

「・・・・・・」

 

なるほどね。 俺が納得していると、何故か白い少女が俺の服の裾を引っ張る

 

「どうした?」

 

「名前。 せっかくだから君がつけてよ!」

 

「・・・・・・」

 

これまた、ヘビーな問題が。 名前を付けてくれと簡単に言うが、そんなもの簡単に思いつくはずもなく、俺は途方に暮れる。 周りを見ても真っ白だし、少女も白い。 まぁこうなれば、安直だが

 

「白」

 

「うん?」

 

「お前の名前だよ、白」

 

「白、白...... うん、そっか!僕は白!えへへ~」

 

嬉しそうにはにかんだと思ったら、そこらじゅうを走り回る白。 落ち着きがないと苦笑するが、そろそろ限界だった。 揺れが大きくなりすぎて、立っているのもやっとだ。 そんなこと関係ないと言わんばかりに、白は走り回っているが

 

「おい白、そろそろ」

 

「あー、そうだった!もうそろそろ限界だし、今日はここまでかな」

 

「やっぱり」

 

段々と意識が遠くなり始める

 

「今回はちょっと間借りさせてもらっただけだから。 学園で待ってるねー、黒夜!」

 

「あー、まぁ分かった。 それと最後に------」

 

最後の言葉が届いたかわからないが、視界が暗転する。 そして目を覚ませば。 呆然とする職員と、打鉄を装着した俺の姿だった

 

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こうして、俺の新しい生活が幕を開けた。 と言っても、元々俺は一人暮らし。 必要な荷物を持ち、すぐにIS学園に保護された。 流石にすぐにIS学園と行かず、数日はホテル暮らしだった。 護衛の人も、女ではなく男の人。 まぁ、呆然とした女職員もすぐに俺のことを捕えようとしていたくらいだったから、そこらへん配慮してくれたんだと思う。 そして、俺の事はニュースに流れていない。 いや、一瞬だけ流れてすぐに消えた。 大体の想像はつく。 女性利権団体だろう。 女尊男卑の過激派とでもいうのだろうか。 噂によると、国際IS委員会とかともパイプを持っているらしいし。 ともかく、これは護衛の人から教えてもらったことだが、俺はいろいろと危ないらしい。 最初の操縦者、織斑一夏は後ろ盾があるからいいのだが、俺にはそこらへんはない。 いや、過去の知り合いに当たればないことはないが。 普段から密に連絡を取っているわけではないし、こんな時だけ利用するのもおかしな話だと思うから。 話しはずれたが、俺には後ろ盾はない。 俺が孤児院育ちと言うのが主な理由だ。 対して織斑一夏は、ブリュンヒルデと言う大きな後ろ盾がある。 ブリュンヒルデと言うのはモンドグロッゾ、ISでいうオリンピックのようなものの事だがその優勝者に与えられる称号らしい。 それにそのブリュンヒルデ、女性利権団体にご神体なようなものとして奉られている。 もちろん、ISの生みの親、篠ノ之束博士もだが。 ともかく、その弟と言うこともあり、唯一の例外として認められた織斑一夏。 なら俺は? もちろん邪魔ものということだ。 護衛の人達も色々大変らしい。 お疲れ様です。 さて、今日なのだが、一応ホテルの軟禁から解放される。 行き先? もちろん

 

「君が白石黒夜か?」

 

「はい、そう言う貴女は?」

 

「IS学園の教師で、今日の君の試験官でもある織斑千冬だ」

 

一応筆記試験はホテルで受け合格、次に実技試験ということでIS学園を訪れていた。 最初からラスボス級の人が試験官ということだが、俺は大丈夫なのだろうか? 織斑先生に案内されながらIS学園を歩く

 

「今回の試験だが、私とISで戦ってもらう」

 

「・・・・・・初心者なんですが?」

 

「何も勝てと言っているわけじゃない。 実力を示せと言っているんだ」

 

それって同じことでは? そう思ったが、口に出さないでおいた。 ここで何か言って先方を怒らせることはないし、いろいろと面倒なことはしたくない。 ところで

 

「試験て聞いてますけど、ISの方は」

 

「む、そうだったな。 これが君のISだ」

 

そう言って渡されたISの待機状態でもあるネックレスをとれば

 

『やっほー、久しぶりだね黒夜』

 

『白か』

 

どうやら他の人には聞こえないようで、織斑先生は先に行ってしまっていた。 俺はそれを追いかけつつ、白と話す

 

『それで、この()はどういうことだ?』

 

『ん? 気に入らなかった?』

 

織斑先生から渡されたネックレス、その色は白だった

 

『あの時言ったはずだ。 白い閃光の名は譲った、と』

 

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