もしかしたらあったかもしれない、そんな未来   作:サクサクフェイはや幻想入り

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第二十二話

一夏たちのクラス代表戦を終え、いよいよクラス対抗戦が迫ってきた。 今日は予約の日ということもあり、アリーナの受付に向かう。 向かったのだが

 

「え、予約? 悪いけど、そんなもの取ってないわよ?」

 

爪のマニュキュアをいじりながら、めんどくさそうに告げる女性。 あぁ、こっちが面倒くさい...... モニターも見ずによく言えるなそんなこと。 一応、あの時の人を疑っていたわけではないのだが、予約を入れる所を見ていたし、写真も撮っておいた。 まぁ、当然嫌な顔はされたが。 一応理由を説明すれば、この前の受付の人は許してくれたのだが。 話はそれたが、写真を見せるがとりあってもらえない

 

「どうせこんなのも人の予約加工でもしたんでしょ? とっとと、どっか行ってよね」

 

うんざりした口調で告げられ、それ以上とりあってもらえない。 受付ということもあり、人が集まっている。 こうなれば悪いのは俺で、陰口もたたかれる。 これ以上は俺の立場すらも危うい、そう判断してその場を後にしようとするのだが

 

「あら? どうしたの黒夜君」

 

「楯無先輩」

 

騒ぎを聞きつけたのか、偶然通りがかったのか、楯無先輩が現れた。 事情を説明すれば、予約の確認をする楯無先輩。 まぁ、当然俺の予約は見つかった

 

「彼の予約はあるようだけど?」

 

「あー、ほんとですねー。 でもどうしようー、他の人に貸しちゃってるしー」

 

ここまでくるといっそ清々しい。 どうやら、俺が取った予約は他人に使われていたようだ。 たぶん、俺に練習は必要ないだとか、無様な結果を出させるとかそんなものが狙いだろう。 だがまぁ、学園としてはちゃんとしてほしいところである。 学園長に責任がある、そう言っているわけではないが

 

「はぁ...... そっちのミスなんですから、その生徒には即刻使用を終了してもらって、彼に貸し出せばいいでしょう?」

 

「えー、でもー、それじゃあ可哀想じゃないですかー?」

 

やけに粘るなこの受付。 楯無先輩は生徒会長で、独自の権限を持っている。 俺の部屋とか、然りね? 普通ならここまで粘らず、非を認めて終わりだと思うが。 楯無先輩もいい加減呆れたのか、権限を持ちだした

 

「彼はどうなるのかしら? もういいわ。 なら生徒会権限でそのアリーナの予約、生徒会にしてもらえるかしら? 他の生徒は、もちろん立ち入り禁止で」

 

「か、会長!横暴よ」

 

「横暴なのはどちらかしら? どっちにしろ、元々の予約は彼のものよ? それを勝手に使っているんだもの、生徒会の予約にしても文句は言えないでしょう?」

 

周りに居た女生徒は声をあげたが、扇子で口元を隠し、笑みを絶やさない楯無先輩。 扇子には、問答無用の文字が。 なんか前と書かれている文字が違うが、気のせいだろうか。 流石に生徒会の権限には逆らえないのか、悔しそうに予約を変更する受付の女性。 というか、大事になってしまった...... 

 

「さ、行きましょうか」

 

「はい......」

 

歩き出す楯無先輩について行く。 後ろから聞こえる悪口や嫌悪の視線、どうしてこうなったのだろうか...... すると何を思ったのか、その女子たちに向かって楯無先輩が一言

 

「文句があるなら生徒会長になりなさい。 それなら誰も文句は言わないわよ。 もっとも、私が倒せれば、だけど。 今回、私は間違ったことをやったとは思っていないから。 それじゃあね」

 

『なんかこの人、喧嘩売ってるんですけどー』

 

『まぁ、最強の座を目指して奇襲とかはほぼ毎日あるらしいし、黒夜は気にしなくていいんじゃないかな?』

 

え? 何その楯無先輩の周りだけ世紀末スタイル

 

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「納得いかなーい!」

 

「いや、そんなこと言われても......」

 

そのままちょうどいいということで、模擬戦を何回かやったのだが全戦全勝。 そのことに休憩がてらドリンクを飲んでいれば、両手を上にあげ駄々っ子のようにそんなことを言い始めた

 

「これでもロシア代表なの!それなのに全戦全敗、対策を考えてもさらに対策される。 かといって、がむしゃらに近づこうにも距離は離されるし、遠距離は豊富なエネルギー系武器で封殺される。 納得いかなくても、おかしくないと思うの!」

 

「そんなこと言われましても、だてに世界大会二連覇してないですし。 正直、その程度の対策何て見飽きましたしねぇ......」

 

「うぅ~!」

 

『黒夜、黒夜。 言いすぎだよ!』

 

『うん、俺も思った』

 

ビルドファイターズの廃人どもから世界をとったのだ、その実力はだてじゃない。 と言っても、現役から離れて結構経ってるため、だいぶ動きが雑なのだが。 まぁ、バーチャルとリアルの違いというものもある。 そこは簪さんとの試合までにすり合わせをして行くしかない。 正直に告げれば、楯無先輩は恨めしそうにこちらを見ていた。 目尻に涙をためながら。 ぶっちゃけ、この人の場合冗談か、本気かわからないときがある。 とりあえず、ファローをしておかなければ

 

「いやでも、流石国家代表ですよ。 いくら対策を見飽きたと言っても、予想もつかないところで攻撃とかもありますし、危ないところはありましたから」

 

「それでも勝てない......」

 

「さっきも言った通り、世界大会二連覇してますから。 簡単には負けられませんよ。 まぁ、今は二つ名は二代目に託したはずなんですがね......」

 

「むぅ~」

 

どうやら、マジだったようだ。 一応フォローは出来たようで、今は頬を膨らましていた。 一応アリーナの使用時間も迫ってきているということで、打鉄を展開する

 

「それじゃあ最後に、やりましょうか」

 

「今度こそ勝つわよ」

 

楯無先輩もミステリアスレイディを展開し、臨戦態勢をとる。 さて、俺は何を使おうか。 頭の中で何を使おうか考えていると、何故か打鉄の重量が重くなる。 そして、重くなった背中を見てみれば不明なユニットが接続されていた

 

「そ、それは?」

 

背中に展開された武器を見て、楯無先輩も流石に顔が引くついている。 いや、俺もこんな物騒なものを使おうとは思っていない。 犯人は一人しかいないわけで

 

『おい白』

 

『不明なユニットが接続されました、直ちに使用を』

 

アカン奴やないか。 白が勝手に展開したのは、正式名称対警備組織規格外六連超振動突撃剣。 みんなのよく知る名前なら、グラインドブレードだ。 簡単に言えば6基の特大チェーンソー型超振動ブレードを円環状に並べたもの。 武器一覧にあったのは知っていたが、実際に使用したことはない。 だが、今展開して分かった。 マジで原作準拠だ。 動き始めていたグラインドブレードを収納しなかったら、リアル左腕と永遠の別れをするところだった。 こんなものを作って喜ぶか、変態どもが!

 

「気にしないでください。 真面目にやりましょう」

 

今回は楯無先輩の得意な距離で、こっちが不利な戦闘をしてみるということで。 背中に四連チェインガン二門、両腕には35ガド。 正直言って、近距離で押しつぶす気満々である。 俺の武装に、楯無先輩は顔を引きつらせつつも、表情を引き締める

 

「それじゃあ」

 

「行くわよ!」

 

 

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