もしかしたらあったかもしれない、そんな未来 作:サクサクフェイはや幻想入り
凰さん対簪さんだが、結果は簪さんの勝利。 龍砲と言う不可視の衝撃砲を繰り出すも、簪さんには通用しなかったようでことごとく避けられていた。 龍砲を避けつつ、ミサイルポットを起動し発射。 攻撃に使っていた龍砲でそれを防ぐも、今度は薙刀による接近戦。 凰さんは近接武器を持っていたが、リーチが違いそれに戸惑っている間に片方の龍砲をつぶされていた。 接近戦も不利と悟った凰さんは近距離ながら龍砲を撃ち距離を離すことに成功したが、今度は荷電粒子砲を貰いもう一つの砲門も沈黙。 そこからは遠近両方の距離で立ち回られ敗退、そんな試合内容だった。 特に面白みもない試合だった。 そんなわけで俺の番が回ってきたわけだが
「鈴は強いからな、気を付けろ!」
「あぁ」
一夏から激励の言葉をもらい、更衣室を後にする。 強いから気を付けろって、何に気を付けたらいいのやら......
『ともかく気を付ければいいんじゃないかな?』
『戦ってれば気を付けるのは当たり前だろ』
『あはは~』
楽しそうに笑う白だが、俺はまったく楽しくない。 ともかく俺の試合だ、気を引き締めなければ。 ・・・・・・まぁ、凰さんには悪いが、俺の負け試合なのだが
アリーナに出れば、そこに凰さんの姿はない。 整備に時間がかかっているのか、それともただ準備しているだけなのか。 暇だが、やることがない
『なら僕と話そうよ!』
『まぁ、暇だから構わないが』
そんなわけで、白との会話になった
『あの無人機のホワイトグリントが使ってたジェネレーターあったじゃない?』
『あぁ、企業連の開発したジェネレーターよりも、かなりいい性能だった奴だろ?』
白の情報だと、あれでも未完成らしいが、無人機が使っているのを見た感じ、エネルギー問題は解決していたように見える
『あのジェネレーターね、爆発前に転送されたんだよ!』
『は?』
『だから、爆発前に僕に転送されたから、僕の手元に...... あっ!来たみたいだよ!』
『ちょっと待て!話を終わらせようとするな!』
重大なことをぽろっと言ったような気がしたが、本当に対戦相手の凰さんが来たらしく、相手をしなければならない。 くそぅ、早めに終わらせてさっきの話を詳しく聞かなければ
「アンタが対戦相手の白石? 冴えないわね」
「それはどうも、中国代表候補生の凰鈴音」
「あーごめん、私思ったことハッキリ言っちゃうタイプだから......」
「それ、フォローしているように見えて、してないからな?」
「そう?」
そう言って首をかしげる凰さんだが、それって純粋に冴えないって言ってるってことだから。 別にいいんだけど
「さっきの試合は負けたけど、今回は勝つわよ!」
「お手柔らかに」
青龍刀を両手に構え、やる気満々と言った感じの凰さん。 それに対して、俺は焔火を両手に展開し、両腕を下げたまま
『温度差が半端ない』
『もともとやる気がないからな』
直後、試合開始のブザーが鳴る。 あー、衝撃砲が迫ってきているが、ここは受けることにする。 てか、いきなり顔面狙いとかえげつなくない? 絶対防御があるとはいえ、顔面に直撃する衝撃砲。 眼鏡は吹っ飛ばなかったようだが、顔面が痛い。 倒れないように後ろに踏ん張ったからいいものの、最初から無様に転倒するところだった。 文句を言おうとするも、連続で衝撃砲が撃ちだされていた。 とりあえず、顔狙いの数発は回避しそれ以外のところは、かすったりして受け流す
「へぇ、やるじゃない!」
「いきなり顔面狙いは、危ないと思うのだが......」
「いや、わざとじゃないのよ? 適当に撃ったら顔面だっただけで、それは謝る。 ごめん」
このご時世、素直に謝れることはいいことだと思うけど、逆に戦慄だよ。 適当に撃ったら顔面当たったとか。 嘘を言っている感じではないので本当なのだろうが。 ちなみに、こうして謝ってはいるが、攻撃の手は緩めていない。 まぁ、戦いの場だし謝ったりするほうがおかしいのだが。 文句は別にOKだと思うの。 世に平穏のあらんことを、別に信者じゃないけど。 SEも順調に削れてきているためか、今度は接近戦に移る模様。 俺は龍砲が止んだ一瞬のすきに、焔火をフルオートで撃ち、後退し始める
「逃がすわけ、ないでしょ!!」
両手の焔火が狙い撃ちされるが、右腕の方を避ける。 流石に、武器がなくなるのだけはつらいからな。 左手は直撃し、砕け散る。 簪さんとの試合の時も思ったが、やはり打鉄は重い。 スラスターを吹かすが、打鉄のスラスター出力に合わせている今のままでは離しきれない。 あっというまに距離を詰められ、青龍刀を振るわれる。 だが、俺も葵を展開し、一振りを受ける
「残念だったわね!双天牙月は一基じゃないのよ!!」
「っ!?」
見えているので知ってはいるが、二振りめで振り払われる。 勝負を決めようというのか、両手の双天牙月を振りかぶるが、流石にこのまま何もしないで負けなのは嫌だからね。 スラスターを吹かし、無理やり姿勢を整え右腕の焔火をフルオートで掃射する。 これには驚いたようだが、反応が遅すぎる。 急いでよけようとしたが、
「アンタ、初心者のふりしてない?」
「いやいや、ISに触れてまもない初心者だけど?」
嘘言っていない
『だまして悪いが性分なんでな!』
それだと俺が詐欺師みたいだからやめようか。 あまり変わらないような気がするけど。 俺の言葉に厳しい視線を向けながら、突っ込んでくる。 だがさっきと違うのは、龍砲を放ちながら突っ込んでくるため逃げ場がない。 焔火を撃ちだすも、双天牙月を連結しそれを回すことで弾いていた。 思わず舌打ちしたくなったがこらえ、連結された双天牙月を葵で受け止める
「受け止めたわね、これで終わりよ!!」
龍砲を撃ちだしたぐらいでは、終わらないSEなのだが? なんて思っていると、白から情報が
『なるほどねー。 今回は威力重視でチャージしてるみたい』
『そんなことできるのか?』
『んー、まぁできるみたいだね。 ちなみに、さっき食らったのより数倍痛いよ。 しかもこのままだと顔に直撃だね!』
何やら白に恐ろしいことを言われるが、それなら回避しなければならない。 と言っても、白の話では近距離だし、普通によける時間はないとのこと。 まぁ、ダメージを少なくする方法ならいくらでもある
「何もできないで終わるのは嫌かな? はっ!!」
「っ!? でも遅いわよ!」
受け止めていた双天牙月を弾くも、鈴さんから遅いとの言葉が。 まぁ、遅いだろうね。 言ってるそばから、体勢を立て直してるし。 だが、さっきも言った通り何もできないで終わるのは嫌なので
「っ!? クッソ!!」
まだ体勢を立て直し切っていない、凰さんに向かって焔火を突き出す。 だが、それは明後日の方向で。 鈴さんは不信に思ったようだが、その焔火の方向を思い出し悪態をつくがもう遅い。 俺は龍砲に焔火を突き刺し、引き金を引く。 チャージされていたエネルギーに銃弾、それに内部破壊。 そんなことをすれば当然暴発するわけで。 直後爆発、俺と凰さんは巻き込まれる。 煙が晴れたころには、試合の結果も出ていた。 勝者は凰さん。 俺は目論見通り、敗者と言うわけだ。 まぁ、当初の目的通り、三分の二SEを削れているので良しとしよう。 何か言いたそうにこちらを睨む凰さんに手を振り、その場を後にする。 インターバルを挟めば、最後の試合だ。 まぁ、その前に一夏と簪さんの試合があるのだが