もしかしたらあったかもしれない、そんな未来 作:サクサクフェイはや幻想入り
「またこうなるのね......」
「いやなら構いませんよ? 別に、楯無先輩とやる必要はないんですから」
起動試験をもろもろ終え、今度は模擬戦だ。 ちょうどいいということで選ばれた楯無先輩だが、ちょっと嫌そうなので気を使って言ったのだが
「別に構わないわ。 この間の動画を見て、私もやりたくなったもの」
「そこらへんは姉妹なんですね......」
簪さんもそうだが、楯無先輩も動画を見て本気でやりたいらしい。 まぁあの時は不特定多数の目があったが、今回は秘匿された
「それじゃあ、やりましょうか」
「えぇ」
有澤さんのほうを向き、合図を送る。 程よい緊張感が場を包み、高まっていく
『白、PA展開』
『了解!』
ブザーが鳴ると同時にPAを展開、楯無先輩の放ったガトリングガンの弾を防ぐ。 このぐらいでは、PAを削ることはできないらしい。 流石天災科学者謹製と言ったところか
「それがPA? 全く攻撃が通ってる気がしないんだけど......」
「・・・・・・行きますよ」
楯無先輩の軽口には応じず、QBで一気に距離を詰める。 流石PAを展開したおかげか、ほとんど体に負荷を感じない。 一瞬で距離を詰めるが、このぐらいはいつもやっているので特に驚くこともなく、蒼流旋を突き出される。 俺はそれをアサルトライフルを突き出すことでそらし、引き金を引く。 この程度では、やはり水に防がれる。 やはり、楯無先輩とこの武装では相性が悪い。 PAは一定の攻撃力があれば破れるが、この楯無先輩の展開する水は、このアサルトライフルでは破れない。 PAなら、この距離の接射なら破れるんだが...... まぁ、やり方はいくらでもあるが
「相変わらず、容赦がなくてお姉さんこわーい」
「軽口が叩けるなら、まだまだ大丈夫そうですね」
「っ!?」
QBの乗った蹴りを放つ。 この近距離で、しかもQBを使って蹴り上げれば水を展開しても、吸収しきれないだろう。 俺の目論見通り、蹴り上げたことにより空中に浮く楯無先輩。 その間に、肩の分裂ミサイルを発射する。 楯無先輩は急いで姿勢を制御し、蒼流旋についているガトリングガンを放つが、ミサイルはすでに分裂している。 クリアパッションを発動して、一気にミサイルを爆発させるが、俺はそれを待っていた。 二段QBを発動し、一気に近づき
「あの映像の!?」
「そうですよ」
直後、楯無先輩と俺は閃光に包まれる。 と言っても、俺の方はセンサー類の保護シャッターが下りているため、一時的な機能不全に陥ることはない。 俺はその場を急いで離脱、状況の把握に努める。 楯無先輩に動きはない。 いや、動けないと言うべきなのかな? 機能不全で、ロック関係が一時的にダメになってるだろうし、そもそもあの光を見たのだから視界も確保できないだろうし
『PA再展開まであと一分!』
一分とは言うが、時間は着々と過ぎていく。 残り三十秒くらいだろうか。 ようやく楯無先輩が動き始める
「つぅ...... やってくれたじゃないの。 水の防御も意味なかったし、閃光のせいで目はちかちかするし、耳鳴りもひどいし」
「まぁ、そう言うものですからね」
残り十秒。 楯無先輩は機体状況を確認しているのか、動きはない。 その間に
『PA再展開、完了!合計で二分、てところかな』
『上々だろう。 前回のジェネレーターなら倍以上、もしくは撃ちきり。 QBは別口だから避けるのも問題ない』
『だねぇ~』
白との話もそこそこに、楯無先輩に声をかける
「まだ続けますか? こっちは確認できましたし、もういいのですが?」
「・・・・・・もういいわっ」
どこかすねたように言う楯無先輩に首をかしげつつ、有澤さんに終了の声をかけた
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あの後は結局、楯無先輩の機嫌は直らず学園に帰ってきた時点で別れた。 俺はそのまま学園を自由気ままに散歩だ。 もちろん、何時もの眼鏡装備だ。 こちらのほうがやっぱり落ち着く
『どうだった、新しいジェネレーター』
『予想以上、だな』
新しいジェネレーターにより、PAなどの問題は解決されたと言っても過言ではない。 動き、二段QBやドリフトターンなども問題なく行える。 連続の二段QBなども、体が慣れたのもあるがPAが常時展開できるようになったのも大きいだろう。 まぁ、そもそもホワイトグリントを使うような機会が多くないことを願うが。 だが、これでピースは揃った、か...... 皮肉にも
『なんか嬉しそうだね』
『そうか?』
『うん!だって、笑ってるよ』