もしかしたらあったかもしれない、そんな未来 作:サクサクフェイはや幻想入り
昨日のしおらしさは何だったのだろうか、と言うぐらい朝から元気な楯無さん(こう呼べって言われた)。 まぁ、隣で落ち込まれているのよりはいいんですけどねぇ...... 朝も俺より早起きして、俺がいつものランニング行くの待ってたみたいだし。 そもそも、起こしてくれても構わないのだが。 そんな風に上機嫌な楯無さんと一緒にランニングをして武道場に入ると、意外な先客がいた
「簪さん」
「白石君? それにお姉ちゃんも」
「おはよう、簪ちゃん」
そう、簪さんだ。 毎日使ってはいたが、俺や楯無さんの他に朝早くから武道場を使っている人はいなかった。 意外に思ったが、別に使用は自由だ。 俺は気にせずに持ってきた竹刀を振るう。 簪さんは薙刀か。 まぁ、簪さんの近接戦闘での主武装夢現は薙刀だ、練習していても不自然ではない。 俺が竹刀を振るっていると、休憩なのか汗を拭きながら近づいてくる簪さん
「朝早くから運動?」
「ああ。 毎日走り込みして、ここで竹刀振って、楯無さんと数本手合わせやって食堂って感じかな」
「へー」
横目で俺の隣で竹刀を振る楯無さんを見つつ、答える簪さん。 その視線が若干、羨ましそうなのはたぶん気のせいだろう。 その視線を受け、若干竹刀がぶれる楯無さん。 それを横目で見つつ、俺は竹刀を振るう
「私も参加してもいい?」
「別に俺の許可とらなくても」
「なら私も明日から走り込み参加する」
「か、簪ちゃん? やめておいたほうがいいわよ? かなりの距離朝から走るし」
あの、簪さんの発言に驚いたからと言って、竹刀放り投げて目の前に出るのやめてくれます? 危うく、面を打ちそうになりましたよ? 一歩下がることで回避したが、危ないところだった。 そんな俺の内心ヒヤヒヤしたのを気にせずに、楯無さんは簪さんの説得を続けていた。 まぁ、芳しくないみたいだけどな。
『498、499......500!お疲れ様、黒夜』
『数えてくれてありがとな白』
白にお礼を言いつつ、汗を拭く。 説得は...... 楯無さんが折れたみたいだな。 肩をがっくり落としているし。 そんな楯無さんを気にせずに、簪さんはこちらに近づいてくる
「素振りは終わったの?」
「終わり」
「なら、手合わせ、いいかな?」
「まぁ、楯無さんは終わってないみたいだし、構わないよ?」
そう言って俺と簪さんは竹刀と薙刀を構える。 まぁ武器は違うけど、ここはスポーツマンシップに則って勝負ということで
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「負けた......」
「仕方ないわよ簪ちゃん」
微妙に落ち込んでいる簪さんを慰めつつ、一緒に食事をとろうとする楯無さん。 いやいや、ちょっと待て
「なんで俺と同じテーブルに座ってるんですか?」
「何でって、なんで?」
ナチュラルに対面に座る楯無さん。 その隣では、簪さんも頷いている。 いやいやいや
「俺目立ちたくないって言いましたよね? こんななりで女子と相席してたら嫌でも目立ちますよね?」
「今更だと思う」
いやまぁ、簪さんの言うことも一理あるが、それはそれこれはこれである。 心なしか、GW前よりも注目されている気がするし。 その分、視線も嫌悪するものが増えている。 これ以上事を荒立てたくないし、楯無さんや簪さんが悪く言われるのも避けたいのだが......
「簪ちゃんの言う通り今更だし、それに......」
そこで言葉をいったん切り、小声になる楯無さん
「あの総当たり戦の件で、貴方にチョッカイかける輩もいないとも限らないわ。 なら、近くで見ていたほうが貴方も安全だし、私も余計な手間が減るもの」
まぁ、そう言われればそう、なのか? ちょっと丸め込まれているような気もしないでもないが、まぁいいか。 これ以上問答しても時間すぎるだけだし、せっかくのご飯が冷めてしまう
「はぁ...... 良いですよそれで。 いただきます」
「じゃあそう言うことで。 いただきます」
すでに食べ始めている簪さん。 俺はそれを横目に、食べ始める。 楯無さんも、話が付いたことで食べ始めた。 本当に、毎日うまいなここのご飯は。 そんなことを考えつつ、朝飯を食べ進める。 すると、聞き覚えのある声が
「あー、かんちゃんみつけた~!ひどいよ~、何も言わずに行くなんて~!」
ぷんぷんと言う擬音が尽きそうな感じで怒るのほほんさんにほっこりしつつ、声をかける
「おはよう、のほほんさん」
「あ~、シロクロ。 おはよ~!」
今日も元気に萌え袖をぶんぶんしつつ、挨拶をする本音さん。 ほんとにいつも思うのだが、その袖で日常生活不便じゃないのだろうか? 前に聞いた時は、かわいいから大丈夫!なんて言っていたが。 ナチュラルに隣に座るのほほんさんのことを気にしないようにしつつ、朝飯を食べる
「おはよう本音。 それとわざと置いて行ったわけじゃなくて、起こしても起きなかったから置いて行ったね?」
「む~、何時もなら起きるまで待ってくれるのに~」
「今日は白石君やお姉ちゃんと一緒だったから。 これから毎日そうなるからね?」
「えぇ~、そんなぁ......」
若干涙目になるのほほんさんだが、自分で起きれば問題ないのでは? と思いつつ、ご飯を食べ終えた
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「アンタ何様のつもりよ」
「えっと、どういうことでしょう?」
教室に行ったらいきなり絡まれた。 まぁ、どういう意味かは分かっているが。 GW前、俺が一夏に花を持たせなかったことを怒っているのだろう。 覚悟していたが、教室に入っていきなりとは。 まぁ、分かっていたことだ。 適当に相手をして、適当に終わりにしよう
「はぁ!? わからないの!? 自分のしでかしたことが!?」
「えっと、はい......」
「アンタはね一夏君、ひいては千冬様の顔に泥を塗ったのよ!!それくらい分かれよ!!」
胸ぐらをつかまれる。 ひー、怖いわー。 今どきの女子高生、怖いわー。 別にこのぐらい構わないが、どうでもいいし
「泥を塗ったと言われましても、自分でも何が何だか...... 後から言われましたけど、イグニッションブーストだって偶然できたものですし、葵だってスピードに引っ張られて当たっただけですし。 織斑君がワンオフを使用してなかったら、彼の方が圧勝だったと思いますけど......」
自分で言ってても、これないわーとか思うけど、目の前の女子は納得し始めている。 うせやろ? まぁ、好都合なので畳みかけるが
「ただ振っただけでSEもかなり減りましたし、自分の前の試合、日本代表候補である更識簪さんの試合の時に計器とかに不具合が出たんじゃないでしょうか?」
「そう、ね。 そうかもしれないわね!おかしいと思ったのよ、アンタみたいな素人に一夏君が負けるなんて!」
うわ、ちょれー。 まぁいいや。 思ったよりも穏便に済んだし。 女子たちはそれで納得したようだ
「でも、まぐれ勝ちで調子に乗るんじゃないわよ? アンタなんか一夏君の足元にも及ばないんだから!」
「は、はぁ......」
調子をよくした女子は、俺に興味がなくなったのかそれ以上突っかかってくることはなかった。 はぁ、これでしばらくは平気か? あとは
「皆さん席についてくだい」
この担任か