もしかしたらあったかもしれない、そんな未来 作:サクサクフェイはや幻想入り
「鈴ちゃんにバレた、ねぇ......」
部屋に戻ってゆっくりしていると、楯無さんが帰ってきた。 早速ということで、荷物を置いた楯無さんにそう切り出す。 難しい顔をしながら、視線で話の続きを促してくる
「代表候補生ですし、流石に自分の後の試合だからわかったみたいですね」
「もう一人いるわよ、代表候補生。 まぁ、今日で増えたけど」
「実際に戦っていないから、だと思いますよ」
「まぁ、そうね」
納得しながら、かばんを置いて中のものを出していた
「それで? 私にその話をするって言うことは、何かあるんでしょう?」
「申し訳ないですけど、生徒会名義でアリーナの予約を取っておいてほしいんですよ。 別に何時でもいいので」
「まぁ、それくらいなら構わなけど」
「すみませんがお願いします」
これで凰さんとの件は片付いた。 後は実際に予約を取って、戦えばいいだけだし。 話も終わったので、ベッドに寝転がる。 何をするわけでもなくボーっと天井を見ていると、楯無さんから話しかけられる
「随分お疲れみたいね」
「まぁ、クラスでは相変わらず肩身が狭いですからね。 休み前の出来事で、特に。 それで放課後凰さんに、一夏と会いましたし。 あぁ、そう言えばシャルル・デュノア。 あれって本当に男ですか?」
「どういうこと?」
寝転がりながら視線を向ければ、意味が分からなそうにこちらを見ていた。 あぁまぁ、いきなりすぎたか
「いや、一夏と会ったときに互いに自己紹介をしたんですが、どうにも男に見えなくて」
「私は実際に会ってないからわからないけど......」
「なら遠目から見ることをお勧めしますよ。 何が目的で学園にもぐりこんだか、までは知らないですけど」
考え込む楯無さん。 俺はそこまではなし、また視線を天井に戻す
「学園長から特に何も言われてないけど、調べるだけ調べましょうか。 一応、生徒会長だし」
そんな楯無さんの言葉を聞きながら、俺は瞳を閉じる。 思っていたよりも疲れていたらしく、俺はそのまま眠ってしまった
--------------------------------------------
次の日の朝、いつも通りの時間に起きランニング。 昨日の宣言通り、簪さんとは寮の入り口で合流しそのまま一緒に走ることになった
「まさか、本当に今日から一緒にやるとは」
「冗談で言ったつもりはないよ」
「結局こうなるのね~」
三人で走っているが、今日はいつもよりペースが遅い。 簪さんが日本代表候補と言うのは知っているが、体力とかわからないしね。 なので、今日はどのくらい体力があるのか様子見、と言う形でいつもよりぺーずを下げて走っている。 まぁ軽く走った感じだが、普通の人よりは体力がありそうだ
「もしかして、私に合わせてる?」
「ん? まぁ、そうでもあるし、そうでもないと言えるかな。 昨日みたいに試合回数が増えるなら、走る量も減らさないと疲れるしね」
「ふーん、そう言うことにしておく」
別に気を使ったわけではないのだが、そういう風に言えば少しすねたように走るペースを上げる簪さん。 楯無さんはそんな俺と簪さんをニヤニヤしながら見ていた
「なんですか、その顔」
「別にー」
そう言って楽しそうに笑う楯無さんは、ペースを少し上げ簪さんに追いつく。何やら楽しそうに話をしているが、何なのやら。 俺も走るペースを少し上げ、二人の少し後ろを走る。 ランニングが終われば、次は武道場に行き素振りだ。 毎日決めた回数を素振りする。 流石に薙刀は分からないので、そっちは簪さんに決めてもらい練習を。 それが終われば練習試合だ。 そして終わるころには
「二人ともお疲れですね」
「いやいやいや、貴方の体力がおかしいだけだから。 それにそんなに汗かいてないし」
「私は、今日、始めたばっかりだから」
比較的余裕のある楯無さんと息を整える簪さん。 楯無さんはこのところの積み重ねがあるが、簪さんは意外にも体力があった。 これなら、今日より少し早いペースでも大丈夫そうだな。 そう思いつつ、二人に声をかける
「さて、そろそろ行きましょうか。 あまり遅すぎても食堂こみますし」
「私はいいけど......」
「鬼ぃ......」
簪さんがかなり失礼なことを言ってきたが、息を整え終えたようで俺の後をついてきていた。 楯無さんはその横で、楽しそうに笑っていた