もしかしたらあったかもしれない、そんな未来 作:サクサクフェイはや幻想入り
とーきはながれてー。 冗談はさておき、タッグマッチ選当日となった。 俺のパートナーは運命のいたずらかのほほんさんで、パートナーになった時は楯無さんに仕組んでないか確認しに行ったものだ。 もちろん、答えは仕組んでいないと言っていたが
「よろしくねー、シロクロー」
「ある意味のほほんさんも災難だな」
「なんでー?」
マイペースなのほほんさんは更衣室なのに制服でお菓子を食べていた。 ツッコミどころが多すぎて処理しきれないので、無視して世間話をしているわけだが
「俺と組んだというのもあるが、負け試合だから」
「あー、なるほどー」
あまり興味がないのか、また上機嫌でお菓子を食べ始めるのほほんさんに苦笑しつつモニターを眺める。 まだ誰と当たるのか組み合わせが発表されておらず、それ待ちなのだが
「それにしても発表されないな」
「うーん...... 確かにそうだねー、何か不都合なことでもあったのかなー」
誰が当たるかは当日のお楽しみということだったのだが、予定時間を過ぎても発表されない。 流石におかしいと思うのだが、発表されなければこちらも動けないので仕方ない。 と、そんな思いが通じたのか、モニターの電源が付く。 が、映っていたのは組み合わせではなく白い機体
「白石黒夜、いるんだろう...... 出てこい!!」
「・・・・・・」
「どうするの、シロクロ?」
そこにはのほほんとした雰囲気ではなく、いつかのように薄目を開けたのほほんさんの姿が。 まさかこんな場所で、こんな事をされるとは思わなかったが。 観念したほうがいいということだろう
「どちらにしろ決着はつけなければならないんだ、それが遅いか早いかの違いだ」
そう言って席を立ち、アリーナに歩き始める。 随分と考えたものだな、利権団体の連中も。 そんなくだらないことを考えつつ、アリーナに出る。 視線が刺さるが、ゆっくりと周りを見回す。 やれやれ、満員だよ。 こんな状態で正体を明かせば大荒れになるだろうが、仕方ない。 そして、俺の視線はある一点で止まる。 このタッグマッチ、企業のお偉方やメカニック等が来る。 早い話が将来有望な連中につばを付けておきたいということだ。 だが、招かれざる客もいるようだ。 俺のことを見下すように見る視線は無視し、今度こそ白い機体に目を向ける
「久しぶりだな」
「・・・・・・」
無言で俺に向けて右手に持つアサルトライフル051ANNRを構える白い機体。 なるほど、問答無用ってわけね。 眼鏡をとりつつ、声をかける
「挨拶はなし、ね。 まさかお前がこんなに失礼な奴になるとは思わなかったよ、なぁ
「っ!!」
『白、頼む』
『あいあいさー!』
容赦なく右手のライフルを撃ってくる白い機体だが、俺もISを展開しライフルを無効化する。 煙も晴れ、俺の姿があらわになる。 すると観客席は騒がしくなるが、俺はそんなのを気にせず高度を合わせるように上昇を開始する
「今までなら、別に気にしなかったさ。 白い閃光はお前に託したものだし、ISの世界は俺に関係なかったからな。 ただ、今はそうじゃない。 悪いが、お前に託したものは返してもらおう」
「今更!!」
「そう今更だ。 本当はもっと早くこうしてやるべきだったな......」
そう言って目を閉じる。 優しかったはずのお前が、こうなってしまったんだからな。 その言葉を飲み込み、右手に持つアサルトライフルを構える
「構えろ。 これ以上言葉は不要だろう?」
センサー保護のシャッターを下ろしAAを発動した