もしかしたらあったかもしれない、そんな未来   作:サクサクフェイはや幻想入り

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第四十八話

「本気で行くわよ!」

 

「・・・・・・お手柔らかに」

 

ある日の放課後、俺と凰さんはアリーナにてISを展開し向かい合っていた。 いつかの再戦というわけだ。 俺はあの時と同じ純白の打鉄を展開し、向かい合っている。 ホワイトグリントは...... もはや乗ることはないだろう。 一応公式戦等は乗らないとまずいだろうが、積極的に乗ることはしない。 白い閃光は譲ったし、あの機体もゆくゆくは桃華に譲るつもりだ

 

『開始!』

 

生徒会名義で貸してもらっているので、楯無さんの声で開始の合図がされる。 まぁ、生徒会名義で関係者以外立ち入り禁止にしているのにもかかわらず、一夏が観客席に居るのが意味が分からないのだが。 凰さんの甲龍はこの前の試合で当たっているわけだし、傾向も癖もわかりきったものだ。 不可視の龍砲を躱し、確実に距離を詰めていく。 代表候補というだけあり冷静に対処はしているようだが、距離は縮まる一方だ。 しびれを切らした凰さんさんは、双天牙月と呼ばれる青龍刀を連結してこちらに接近してくるが、それを待っていた。 イグニッションブーストで一気に距離を詰めこちらから先に間合いに入る。 驚いたようだがすぐに立て直し、双天牙月を振り下ろしてくる。 イグニッションブーストは都合上直線的な動きしか出来ないのだが、それはあくまで他の人の話だ。 俺はサイドブースターを起動させ、少し横にそれ振り向きざまに浮いている龍砲を切る。 まずは一つ目。 そのまま二つ目を切ろうとするも、ショックから立ち直った凰さんは残った龍砲で攻撃してくる。 俺はそれを躱し、再度距離を開ける

 

「アンタ、イグニッションブースト中にそんな動きしたら」

 

「悪いが、そのくらいじゃなんともない。 なんせ、これより速い機体でこれより激しい軌道をやってたからな」

 

葵を拡張領域に戻し、両手に焔火を構える。 と言ってもこの焔火、有澤重工の特注品である。 火力が段違いだし、そもそも下にアタッチメントが付いてるためグレネードも装着可能だ。 もちろん、有澤製のだ

 

「さて、そろそろ勝負を付けようか」

 

「っ!!」

 

龍砲を撃って接近してくる凰さんだが、今度は俺が射撃に徹する。 焔火で牽制しつつ、足が止まったところにグレネードを撃ち込む。 やっていることは地味だが、有澤重工製の火力だ、どんどんダメージが蓄積されていく。 それでも諦めず向かてくる凰さん

 

「らぁぁぁぁぁ!!」

 

「その負けん気には感服したよ。 君はきっと強くなるだろうね」

 

両手の焔火からグレネードを撃ちだし、迎撃する。 結果は明らかで、グレネードは直撃し凰さんはISを解除される。 俺は地面に倒れる前にそれを受け止め、立たせる

 

「あ、ありがとう」

 

「いや別に、気にしないで」

 

そう言ってISを解除しようとすると

 

「待てよ!」

 

何故か一夏がアリーナ内に白式を展開して立っている。 放送室の方を見れば、楯無さんも呆れ顔でこちらを見ていた。 なるほど、楯無さんも予想外なわけだ。 ともあれ、相手をしないとな

 

「なんだよ」

 

「なんであんなになるまで鈴のことを攻撃したんだ!」

 

「何でも何も真剣勝負だ。 相手が戦うことを望んでいるなら、どんな状況でも最後まで戦うのが礼儀だ」

 

「でももう鈴のISはボロボロだったんだぞ!あんな攻撃したら!」

 

「そんなこと考えずに攻撃するわけないだろうが。 一応、最後のグレネードは一番威力が低いものに換装してあった。 コレでも企業のテストパイロットだ、そのくらいはわきまえてる」

 

「ならこの前のは!」

 

「黙れよ」

 

いい加減にしてほしいものだ。 何も知らないやつが、上から目線で。 家族のことにずけずけと

 

「御託はいい。 俺のことが気に入らないならとっととかかってこい。 凰さん、危ないから避難してて」

 

近くに居た凰さんにそう言って、俺は葵を展開する。 すると一夏はワンオフを発動しながら切りかかってくる。 相変わらず、まっすぐに

 

「お前は何も学習してないのか?」

 

「ぐっ!?」

 

イグニッションブーストで一気に距離を詰め、がら空きの腹に蹴りをいれる。 何をされたかわからない一夏はそのまま後ろに吹っ飛ぶ。 俺は葵を拡張領域に戻し、グレネードランチャーを構える。 そして壁にぶつかった一夏に容赦なくグレネードランチャーを撃ち込む

 

「前にも言ったかが口出しをするな。 お前には関係ない話だ」

 

さっきより爆発音が大きいが、流石最大火力を求めたことだけはある。 まぁ、そのせいで弾頭が重すぎて予想よりも飛ばないのだが。 撃ち尽くしたところで、一夏の様子を見る。 ISは強制的に解除されたようだが、怪我もないようだ。 気絶しているのか動かない。 俺は打鉄を待機状態に戻す

 

「一夏さん!」

 

「一夏」

 

ちょうどいいタイミングで取り巻きも来たようだし、俺はその場を後にしようとする

 

「あそこまでやらなくてもいいじゃないですの!?」

 

「何を言いだすかと思えば。 本来なら、関係者以外立ち入り禁止であるはずなのに、ここに居て、アリーナまで乱入してきたお前たちが言えたことか?」

 

「だがここまでやらなくてもいいはずだ!!」

 

「確かにな。 だから言っておけ、俺と桃華、妹の件に口を出すなと」

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