もしかしたらあったかもしれない、そんな未来 作:サクサクフェイはや幻想入り
バスに揺られること数時間、長いトンネルを抜ければ海が見えてくる。 今日は臨海学校の日、二泊三日という日取りでほぼ遊びに来たようなもの俺はそう思っている。 そんな楽しい楽しい臨海学校のはずなのに、バスの中の空気はどこかおかしいものだった。 まぁ、そもそも俺は楽しみではないが
「お兄ちゃんは海に来たことある?」
「ないぞ」
まぁ、桃華は楽しみなようでさっきから窓の外を見ていた。 俺がいたころから相変わらず、あの施設は規律が厳しかったようだ。 それに桃華はついこの間まで日本代表だったのだ、自由時間なんてほとんどなかっただろうに。 なので、少しはしゃいでる妹を微笑ましく思いながら一緒になって窓の外を見ていた
----------------------------------------------------------------
「元気だなぁ......」
こちらに手を振ってくる桃華を見て、思わずそう呟いた。 太陽からの直射日光で暑く、夏のため気温も高い。 熱中症対策にペットボトルは持ってきてはいるが、最早ぬるい。 これなら海に入っていたほうが涼しいのだろうが、そんな気も起きず。 俺は砂浜に座りつつ、桃華を見ていた
「暑くないの?」
そんな俺に声をかけてくる人物がいた、簪さんだ。 見るとパラソルを片手に、不思議そうにこちらを見ていた
「いや、暑くないのか聞かれれば暑いが...... そのパラソルは?」
「貸し出しやってたから」
ほらと言われ、指さした方向を見てみれば泊る予定の旅館が無料で貸し出しをやっているようだった。 いっきに力が抜けるのを感じつつ、立ち上がる。 もはや行く気力も削られた感じだが、借りないと暑いしということで重い腰をあげたのだが
「あれー? シロクロどこ行くのー?」
「どこって、パラソル借りに......」
「心配ごむよー、かんちゃんもそのために借りてきたんだし」
なんて本音さんが言うので簪さんを見てみれば、静かにうなづいていた。 そういうことならと、砂浜に軽く穴を掘りそこにパラソルを刺し埋める。 日影ができたことで、幾分か暑さがましになった
「シロクロって、結構おっちょこちょいなところあるよねー」
「事実なだけに言い返せない」
「黒夜は海に入らないの?」
「気分が乗らないからな」
そう言いつつ、はしゃぐ桃華を見る。 それを見て簪さんも納得したのか、上着を脱いで海に入っていく。 本音さんはとも思ったが、逆に今の着ぐるみ型水着(?)で泳ぎに行かれても心配なだけなので声をかけなかった。 本人はクーラーボックスに入ったお菓子に夢中なようだし