もしかしたらあったかもしれない、そんな未来 作:サクサクフェイはや幻想入り
旅館に降り立てば、そこには険しい顔をした織斑先生が立っていた。 他にも気絶していたはずの篠ノ之箒や、一夏もだった。 俺はそれを無視し、旅館の中にある作戦司令部に報告に行こうとしたが
「待て」
織斑先生に腕をつかまれ止められた
「なにか?」
「報告はどうした」
「そんなもの、ここでする必要があるんですか? 中の司令部でまとめて報告すれば済む話だと思うんですが?」
「お前、千冬姉にそんな態度!」
「そんな態度も何も、当たり前のことをいっただけだと思うんだが?」
織斑先生に捕まれた腕を振り払い、俺は旅館の中に入って行った
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結局あの後、報告をするも空気は最悪だった。 おもに織斑先生や一夏たちなのだが。 ともかく、シルバリオゴスペルを撃破。 そのコアを回収してきた旨を伝えたが、コアは篠ノ之束博士が持っていくこととなった。 今回のコアがどうして暴走を起こしたか、その開発者である篠ノ之束博士が原因究明したほうがいいだろうという判断だ。 あの機体を使った影響か、異常に疲れたため気分転換に砂浜を歩いていた。 流石にあの機体は早すぎたためか、山田先生や他の奴らが心配そうに俺の体の調子を聞いてきたのには少し面食らったが。 そのことで、学園に帰ったら精密検査だそうだ。 一応、簡易的には篠ノ之束博士が体の状態をスキャンしてくれたが
「やっほー、黒い鳥君」
「篠ノ之束博士」
ぼんやりと歩いていると、月をバックにこちらを見降ろしている篠ノ之束博士の姿が。 美人なだけに似合うが、会ってからずっと微笑みを浮かべているためどこか居心地の悪さを感じる
「どうしたの、こんなところに」
「散歩です」
「ふーん、そっか」
高台のようなところにいるためか、座り込み足をプラプラさせてこちらを見る篠ノ之束博士。 周りにはだれもいないし、気配も感じない。 聞くなら今か?
「篠ノ之束博士」
「うん、なにかな?」
「なぜあの機体を俺に? いえ、そもそもなぜあの機体を作ったんですか?」
「・・・・・・」
少し驚いたような表情をしたものの、すぐに微笑みに戻る
「うーん、まぁ言った通りお詫びというのは本当。
そこで言葉を切り、笑みをより一層に深める
「それは
「俺次第?」
「そう、君次第だよ黒い鳥君。 そのまま日常を謳歌するか、それとも世界に復讐するか」
なんだ、何を言っているんだ篠ノ之束博士は。 篠ノ之束博士の言葉に、俺は焦り始める。 自分でもよくわからないが、この話は
「世界に復讐? なにを......」
「君にはその権利があるってことだよ、黒い鳥君。 と言っても、それを知ってしまえば君は今の日常を捨てなければならないけど」
ほんの少し、ほんの少しだが笑みに陰りが生じる。 でもそれも一瞬で、すぐに戻ってしまった
「まぁ、そう言うことだよ!」
「っ!?」
そう篠ノ之束博士が言うと同時に、突風が吹く。 あまりの突風に目を閉じてしまう。 急いで開けるとそこに篠ノ之束博士の姿はなく、一枚の紙が俺のほうに風に乗って流れてくる。 それをとる。 そこには『君が知りたいと思うなら、君の持ってるコアに言って私に連絡を取ってね。 それとこのリストだけど、それはヒントかな。 君がかつて、家族と呼んでいたもののリストだよ。 篠ノ之束より』と書かれていた。 その下には、住所が載っている
「かつての家族? いや、まさか」
俺は漠然とした不安を覚えたまま、しばらくそのリストを見ていた