もしかしたらあったかもしれない、そんな未来 作:サクサクフェイはや幻想入り
そこに居たのは、俺の現役時代チームラインアークのメンバーの一人の有澤さんだった。 ゲームACfaに登場する有澤重工を、現実で会社として作った人だ。 それに関しては笑ったが、会社としては超が付くほど優良企業らしい。 IS関連の武器も作ってはいるようだが、原作リスペクトかグレネード系しか作っていないためあまり人気がない。 まぁ、車両の頑丈さ、炸薬の優秀さで有名な企業でもある。 有澤さん自体もプレイヤーの一人ではあったが、俺と出会って引退。 それ以後は、プラモの武器を作るのに会社の人を貸してくれたり、宴会をやったり...... 無口な人ではあったが、一緒に居て退屈するような人ではなかった
「久しぶりだな。 大きくなった」
最後にあった時と同じ大きい手で握手を求めてくる有澤さん。 俺も懐かしくなり、握手をする
「お久しぶりです。 こうして会うのは、数年ぶりでしょうか」
無言で頷く有澤さんに、変わらないなと思った。 だが、有澤さんも忙しい人だ。 用件は何なのか聞くために学園長の方を向くと、ある方向を指し示される。 それは俺が見ないようにしていた方向で、そして懐かしい機体がある方向だ
「ネクスト、ホワイトグリント。 流石に
「・・・・・・」
『凄い、凄い!ホワイトグリント、君の機体だったんだよね!』
興奮している白は置いておいて、こんな機体どこから...... 見た感じ、塗装やデザイン等も俺のオリジナルのもののようだ。 いくら生みの親でデータをとっておいてあると言っても、この再現率は少し違和感を覚える。 そして、一番の問題がPAを展開可能というところだ。 機体そのもののシールドエネルギーを消費すると言っても、すぐガス欠になりそうだが、そこらへんはどうなのだろうか?
「PAを展開することで莫大なシールドエネルギーを消費する、ということでしたがそんなことをすればすぐにガス欠になるのでは?」
「そこについては問題はない。 アスピナの変態どもや、オーメルなども手を加えてはいるが有澤重工が責任をもって監修したからな」
すごく安心できない。 思わず真顔になってしまったが、安心できる要素が一つもない。 ゲームの中のようにアクアビット社やトーラスのような変態技術社がいないが、
「大丈夫ですよ、私も見ていましたから」
苦笑していた。 あー、多分かなり苦労したんだろう。 どこの変態技術者も、脱線するととことん脱線したままだから。 俺も、いろいろ苦労した。 俺の反応速度向上も、ほぼアスピナの悪ふざけの結果だ。 まぁ、そのおかげで異常ともいえる弾幕から逃げたり、撃ち落としたりしているのだが
「いろいろ脱線しましたが、貴方に
「皆さんの?」
「私たちは大なり小なり、君に申し訳なく思っていた。 大人の私たちが何もできず、君たち少年少女の夢を奪ってしまったことを」
有澤さんも忙しい中、電話をかけてきてくれたことがあった。 それはラインアークの人達もだ。 責任を感じているのも知っていたし、別に俺はみんなに感謝こそすれど、恨み言などなかった。 そして、
『わぁ...... すごい......』
『当たり前だ。
瞳を閉じ、ホワイトグリントに触れ続ける。 そして、触れていた感覚がなくなり、目を開ける
『これで、名実ともに白い閃光に戻ったね』
『・・・・・・』
白の嬉しそうな声には答えず、俺は反応を確かめる。 あぁ、そうだ、この感じだ。 懐かしい、ビルドファイターズの時と同じ過敏な反応だ。 それこそ、フルスキンで全身が覆われているというのに、動きに全く邪魔にならない。 一通り感触を確かめ、ISを収納する。 展開しているとき、白はなぜかずっと興奮気味だったが。 お前は街中で好きなアイドルを見つけた少女か
『あながち間違いじゃないね!!』
『やかましいわ』
「どうですか?」
「驚きましたね、あのゲームのままの反応を持ってきてるとは」
「今日ここにはこれなかったが、当時の技術屋が集まって作ったからな」
それを聞いて納得する。 たぶん、こうなるならないにしても、かなり前から秘密裏に作っていたのだろう。 それを今の言葉で確信した。 だが、一つだけ言っておかねばならないことがある
「俺はもう白い閃光の名を託しました。 その二代目と戦うときだけ、俺は白い閃光に戻ります。 それでいいですね?」
「それだけで十分です。
「我々
二人には了承を得られた、ならば
「わかりました。 そう望むのなら、二代目との戦いの時、俺は本当の意味で白い閃光に戻りましょう」
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「それでは、失礼する」
「はい、お気をつけて有澤さん」
「十蔵さんも。 それと黒夜、近いうちにまた会おう。 君は非公式ではあるが
「また、です有澤さん...... はい?」
無情にも閉まるドア。 なんか、最後の最後で聞き捨てならない言葉を言っていたような気がするが、聞けなくなってしまった。 というよりも有澤さん、そこにもドアがあったんですね。 俺と学園長が入ってきたドアと、別のドアから出た有澤さん。 そもそも、この部屋自体よくわからない部屋だが
「さて、私たちも学園長室に帰りましょう」
「えっと、はい......」
最早、さっきの企業連の非公式テストパイロットの話も聞くに聞けないので、俺は学園長の後をついていく。 それにしても、テストパイロットってどういうことだよ...... 学園長室につけば、学園長の奥さんが出した紅茶を飲む
「そう言えば、私のお願い、聞いていただけますか?」
「お願い? 二代目の話ではなく、ですか?」
「はい」
笑顔の学園長だが、ハッキリ言って碌な予感がしない。 ホワイトグリントを貰った手前断るに断れないが、聞いてみるだけ聞いてみることにした
「・・・・・・何でしょう?」
「そんなに警戒しなくても大丈夫ですよ。 簡単なことです、ホワイトグリントのテストをしてみませんか?」
「・・・・・・」
ほら、ろくなことじゃなかった。 確かにぶっつけ本番は心配ではあるが、あの反応を見る限り問題はなさそうだった。 いや、俺のブランクとかもあるけど。 なので、丁重にお断りしようと思ったのだが、ノックにさえぎられてしまう
「誰ですか?」
「更識です」
「どうぞ」
対応は学園長の奥さんがし、女子生徒が入ってきた
「さて、それじゃあ移動しましょうか」
そんな学園長の楽しそうな声を聞き、俺はいろいろとあきらめるのだった