もしかしたらあったかもしれない、そんな未来   作:サクサクフェイはや幻想入り

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あー、今日七夕だったんすね...... 


第五話

「クソ、嵌められた」

 

『僕は楽しみだよ!』

 

興奮した白の声とは裏腹に、俺のテンションは下がる一方だ。 やってきたのは、さっき織斑先生とテストをやったアリーナ。 もう後始末等はやってあったのか、クレーターはなくなっていた。 打鉄はさっきの戦闘で使い物にならなくなり、残るはホワイトグリント。 俺はホワイトグリントを展開し、カタパルトにて待機している。 装備は現役時代もっとも愛用していたアサルトライフル051ANNR、063ANAR。 ゲームの初期レギュで猛威を振るった専用分裂ミサイルSALINE05。 原作リスペクトと言うわけではないが、基本的にこの装備だ。 まぁ、何度も言っているがこれはビルドファイターズではなく、ISだ。 拡張領域なんかには、ゲームの中で見たことある装備がわんさか入っているのだが...... というか社長、一番最初に来ているのがOIGAMIというのは嫌がらせか? それに、左手に持っている063ANARなのだが、見覚えのないアタッチメントがついている

 

『なになに...... 説明によると、グレネードランチャーが取り付け可能なんだって!』

 

白により装備可能なグレネードがリストアップされるが、有澤重工製となっており、見るのをやめた

 

『みんな、この機体に思いを詰め込んでるんだね!』

 

どこか嬉しそうな白におれは

 

「そうだな」

 

そう答えて、準備が完了したカタパルトで空を飛ぶ。 OBでカッ飛んでいきたいところだが、そんなことをすればアリーナのシールドに激突することになる。 仕方なく、普通にブーストを吹かし、対戦相手でもある、更識楯無さんの前に降り立つ。 余談だが、普通にブーストを吹かすと言っても、打鉄のリミッター解除状態より早いのだが

 

「・・・・・・何なの、その機体」

 

更識さんは信じられないようなものを見る目で見てきているが

 

「こんなこと言ったら悪いけど、競技用のISとゲームとは言え戦争用に開発された機体の違いでは? ISの試合とかテレビで特番組まれてみますけど、あんなもの()()()()()()()()()()に等しいですし」

 

「・・・・・・()()()() 貴方みたいな機体が、他にもあると?」

 

「それこそ愚問でしょう。 正確に言えば、違いますが最たる例で行けば、現日本代表」

 

色々と思うところがあるのか、更識さんの顔は険しい。 別に更識さんたちの努力を認めないとか、そう言うことではない。 ただ、ビルドファイターズの世界大会を経験しているものからすれば、児戯に等しい、そう言うだけ。 実際、ビルドファイターズはゲームだったが、ISの登場により軍隊落ちとかもいたし、戦争屋だっていた。 ゲームとは言え、俺たちは情熱をもって本気でやっていたのだ。 だからこその児戯に等しい、の発言だ。 そして、俺はゲームと同じ動きができるのをさっき体感したばかりだ。 後は、ホワイトグリント(この機体)でゲームと同じ動きができるかだ

 

「さて、お喋りはここまでにしましょう。 もう俺と貴女がこの場に立っている時点で言葉などすでに意味をなさない。 始めましょう」

 

眼鏡をはずし、顔の部分の装甲を展開する。 メインブーストを点火し、少し上昇し様子を見る。 更識さんはさっきまで構えていなかった槍を構え、油断ない表情でこちらを見ていた。 そして、時は来た

 

『それでは、開始してください』

 

学園長の声が聞こえ、戦闘を開始する。 マルチロックオンを使い、両肩についている専用分裂ミサイルSALINE05を使う。 少し距離は近いが、分裂は問題なく行われる距離だ。 対して更識さんは、槍を使う。 ガトリングランス、とでもいうのだろうか。 槍に搭載されているガトリングガン四門より、弾幕を張る。 だが分裂したミサイルは十六と多く、しかも有澤重工製だ。 威力はバカにならない。 弾幕を張ったガトリングガンの流れ弾を軽くよけ、そのまま様子見をする。 何発か着弾したようだが

 

『うーん、ダメージはあまりなし、かな』

 

白が表示してくれた相手のエネルギーの試算を見ると、あまり減っていないかった。 まぁ、正面を見れば納得だ。 ISはそんなに知らないが、今まで見てきたISの中で一番装甲が少ない。 何かあると思っていたが、水を防御に使うとは。 詳しいことは分からないが、どうやら水を操るらしい

 

「っぅ...... 完璧には防げなかったようね」

 

「いや、有澤重工製のミサイルをそれだけのダメージで防げれば、かなり優秀だと思いますけど」

 

本当に、有澤重工製ミサイルとか、爆発関係はえげつない威力が出る。 実際、社長はダンクタイプを使っていたがその堅牢な守りと、大艦巨砲主義のロマン武装なはずなのに現役時代は上位をキープしていた。 本当に、おかしいですね、ありがとうございました

 

「でも、おねーさんもやられてばっかりじゃないわよ?」

 

「楽しみですね」

 

「・・・・・・」

 

俺の答えの何が気に入らなかったのか、いたずらっぽい笑みは鳴りを潜め、目を細める更識さん。 そして、イグニッションブーストを使ってきた。 何か仕掛けるとは思っていたが、いきなりイグニッションブーストとは。 正直言って、舐められてる感がしないでもない。 そのくらいの速さなんて、俺には通じないし。 何よりも、動きが直線的すぎる

 

『白、よく見てろ。 これがクイックブーストと二段クイックブーストの速さだ』

 

ブースターを瞬間的に高出力で噴射し、更識さんとすれ違う。 どうやらQBで体を持っていかれるような感じはするが、問題はないようだ。 この時クイックターンで、簡単に更識さんの後ろをとる。 そして、二段クイックブーストを発動する。 正直言って、さっきの比ではなく慣れてから使わないと、ヤバイ。 連続の使用も、今はまだ無理そうだ。 そして、イグニッションブースト中の更識さんに追いつき、蹴りを放つ

 

「っ!?」

 

驚いたようだが、イグニッションブーストの仕様上、すぐには止まれない。 そして、クイックブースト分の速度の乗った蹴りだ。 威力も大きいだろう。 そして、俺は無慈悲にもその背に分裂ミサイルであるSALINE05を放つ。 ミサイルは分裂し、何とか止まって態勢を立て直そうとする更識さんに降り注ぐ。 直後、大爆発

 

『お、おぉ!すごい!すごく速かった!!』

 

クイックブーストと、二段クイックブーストは白のお気に召したらしく、かなりのはしゃぎようだった。 俺はそれを聞きながら、爆発について考えを巡らしていた。 今の爆発はおかしかった。 水で防御するにしても、触れるか触れないかで爆発が起きたのだ。 それに、有澤重工製とは言えISの装備だ。 あきらか許容範囲外の爆発が起こるわけがない。 となると、更識さん側が何かをやったんだろうが...... 爆発、爆発ねぇ...... わからないが、注意はしておいたほうがいいだろう。 煙が晴れ、そこには所々装甲が煤けた更識さんが

 

「本当に、何者なのかしら!」

 

「さっきも言いましたが、言葉なんてすでに意味を成しません。 そんなに気になるなら、後で学園長にでも聞けばいいのでは?」

 

動きや、白の試算を見てもう少しで勝負がつくのは明白だ。 一気に決めるとしよう

 

「はぁ!!」

 

今度はイグニッションブーストを使わずに迫ってくる更識さん、だが俺は引き打ちをしつつ距離を保つ。 やはりと言うか、愛銃では水のシールドは突破できない。 だが、ミサイルを放とうにも距離が近くなりつつある。 クイックブーストで距離を離してもいいのだが、何かありそうなのだ。 なので、徐々に更識さんは迫ってくるが、そのまま引き打ちを続ける

 

「ここまで、くれば!!」

 

やはり何か秘策でもあったようで、様子を見る。 一気にブーストの出力をあげて迫ってきたと思えば、いつの間にか握っていた剣を俺の方に向ける。 だが、刃渡り的に届かない。 届かないはずだったのだが、剣が伸びる。 蛇腹剣、というやつか。 俺はそれを特に焦らずに、左手のアサルトライフルで撃ち落とす。 だが、それでも接近をやめない。 何かがおかしい。 俺の勘が警鐘を鳴らしているが、原因が分からない。 それに、少し熱い。 締め切っているところでやっているわけではないのだが...... そこまで思って、あることを思い出す。 水を操っていた、その方法までは分からないが。 なら、その水を何らかの形で発熱させて気化できれば?

 

『白、サーモに切り替えてくれ』

 

『あいあいさー!』

 

ブーストを吹かしつつ、サーモグラフィーに切り替え、周りを見れば、更識さんを中心に温度が急上昇していた。 なるほど、狙いは水蒸気爆発か。 たぶんPAなら防ぎきるだろうが。 それでは面白くない

 

「これで!」

 

サーモグラフィーで見れば、さらに温度が上がっていた。 どうやら水蒸気爆発をする気のようだが、俺はQBを吹かし、範囲外まで出る。 少しシールドエネルギーは持っていかれたが、致命傷は避けられた。 連続してのQBは流石に体に堪えたが、白が気を使って痛みを和らげてくれる。 そして、俺はOBを起動。 煙の中に突っ込んでいきOBのスピードが乗った右腕をたたき込む。 だが、それもさっきよりも厚く張られた、水によって防がれてしまう

 

「ふふっ、煙に紛れて攻撃しようっていうのは分かっていたわ!」

 

「なら、そこまでですね」

 

強力なシールド、例えばPAなどを貫通して攻撃するにはどうすればいいか。 答えは簡単で、そのシールドを超える攻撃をするか、弾幕を張って壊すかである。 俺の答えは前者で、()()()()()()()()()K()I()K()U()()()()()()()()。 直後

 

『試合終了です。 二人とも、お疲れ様でした』

 

試合は終了した。 勝ったのはもちろん俺で、空中で展開が解けてしまった更識さんを抱えつつ地上へと降り立った

 

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