どうぞ。
初出動を言い渡された後、俺達はヴァイスさんが操縦するヘリで現場へと向かう。
「新デバイスでぶっつけ本番になっちゃったけど、練習通りで大丈夫だからね」
「はい」
「頑張ります!」
「エリオにキャロに望さん、それにフリードもしっかりですよ!」
「「「はい!」」」
「キュルー!」
「危ない時は私やフェイト隊長、リインがちゃんとフォローするからおっかなびっくりじゃなくて、思いっきりやってみよう!」
「「「「「はい!」」」」」
こういうのは最初が肝心だ。気合いを入れていこう。
ふと隣を見てみると、キャロが僅かに震えていた。
「大丈夫?」
「あ、ごめんなさい」
エリオもキャロの様子に気付いたようで声をかけるが心配させないように振舞っているのが俺にもわかった。これは少し危険かもしれないな……
「なぁ、キャロ」
「なんですか?」
「俺、少し緊張してるんだ。だから、手握ってもいいか?」
「「「「へ?」」」」
「エリオも一緒に頼む。座ったままでいいからキャロの手を握ってほしい」
「はぁ……」
俺の言葉を聞いていたらしい他の全員が声を出すが、途中で俺の意図に気づいたらしい。
「……大丈夫だ」
「えっ?」
「キャロは1人じゃない。エリオや俺、皆がいるんだ。1人では難しいことでも皆がいれば絶対できる。……終わったら皆で一緒に帰ろう。いつものように一緒に訓練したり、一緒にご飯食べたり、一緒に笑ったりしようぜ。だから、一緒に頑張ろう!」
「……はい!」
これで少しでも緊張がなくなればいいが……。
そうしていると、現場近くで敵の数が多すぎるという報告が入った為、なのはとフェイトの隊長陣が出ることになった。
「じゃ、ちょっと出てくるけどみんなも頑張ってズバッとやっつけちゃお!」
「「「「「はい!」」」」」
ヘリのハッチが開き、俺達に檄を飛ばしたなのはは少し勢いを付けて落ちて行った。
「任務は2つ。ガジェットを逃走させずに全機破壊すること、そしてレリックを安全に確保すること。ですからスターズ分隊とライトニング分隊、2チーム分かれてガジェットを破壊しながら車両前後から中央に向かうです。レリックここ、7両目の重要貨物室。スターズかライトニング、先に到達した方がレリックを確保するですよ」
「「「「「はい!」」」」」
「で! 私も現場に降りて観戦を担当するです」
リインが1回転すると格好が変わった。それも魔法でできるのか……
ところで、さっきから爆発音しかしないんだが、やっぱなのは達は凄いな。
『さ~て新人ども。隊長さん達が空を抑えてくれてるおかげで安全無事に降下ポイントに到着だ。準備はいいか!』
「「「「「はい!」」」」」
「スターズ03、スバル・ナカジマ」
「スターズ04、ティアナ・ランスター」
「「行きます!!」」
掛け声とともにスバル達も落ちて行った。あれ、普通に考えたら結構怖いよな……そんなことを言っている場合ではないが。
「次、ライトニング! チビども、気ぃ付けてな! 子守頼んだぜ、望!」
「「「はい!」」」
キャロが怖がっているのと、俺とエリオとキャロでは体格差で落ちるスピードが違うので、俺を中心に手を握っている。ここは年長者がサポートしないとな。
「ライトニング03、エリオ・モンディアル」
「ライトニング04、キャロ・ル・ルシエとフリードリヒ」
「キュクー」
「ライトニング05、平田望」
「「「行きます!」」」
掛け声と一緒に落ちて行く。
「ストラーダ!」
「ケリュケイオン!」
「デスティニー!」
「「「セットアップ!」」」
光に包まれ、俺達の姿が変わる。
俺の姿は以前と同じデスティニーガンダムだったが、色彩が前より少し鮮やかになっていた。
バリアジャケットを装着し、リニアレールに着地する。
なんかキャロとエリオが驚いてるが、どうしたんだ?
「2人ともどうした? 着地の時にケガでもしたか?」
「いえ、どこもケガはしてませんけど……」
「この私たちが着てるジャケットって、もしかして……」
「デザインと性能は各分隊の隊長さんのを参考にしてるですよ。望さんのはデザインに変更はありませんが、機能面で改良されています。ちょっと癖はありますが高性能です♪」
エリオたちがバリアジャケットに驚いていると上空からリインが説明しながら降りてきた。そう言われると、デスティニーの出力が上昇している気がする。戦ってみないとわからないが、高性能ということは信用できる。
「ん? ……危ない!!」
「へ?うわっ!?」
「きゃっ!?」
俺は2人の手を引っ張ってその場を離れる。すると、さっきまでいた場所の下からケーブルが飛び出てきた。これはガジェットⅠ型の触手だ。勘を頼って動いたが、正しかったようだな。
「2人とも、気を引き締めていくぞ!」
「「はい!」」
「よし。なら、訓練通りにいくぞ。俺が先行するからエリオはタイミングを見て頼む。キャロもサポートをよろしく。2人とも頼りにしてるぜ!」
「「はい!」」
俺はフラッシュエッジ2ビームサーベルを構え、ガジェットの触手が引っ込んだ穴からリニアレールに突入する。AMF発動前に、できるだけ排除する!
少しして、車両にいた3体のガジェットを倒す事に成功した。
「ふぃ~、この車両のガジェットは倒したらしいな」
「「はい!」」
「エリオ、一緒に頑張ろう」
「はい。キャロ、フリード。僕と望さんが道を開くからついて来て!」
「気を付けて」
ここからは俺とエリオを先頭におき、キャロとフリードがその援護という形にフォーメーションを変更する。
そして、俺達は後ろの車両から順調に進んでいった。
俺が敵の攻撃を防ぎ、その隙にエリオが敵を片付ける。周りにいる敵をキャロがフリードにブラストフレアを放つよう指示を出して、殲滅、もしくは時間を稼いでもらう。
それにしてもこのデスティニー、以前よりも出力が上がっていることがはっきりした。スピードを出した時のGもより緩和されてるし、スピード自体も光の翼を出してないのに早くなっている。だが、決して油断はしない。油断は何かのミスに繋がるからな。
俺達が8両目に来たとき、変化があった。
そこにいたのは今まで倒してきた楕円形のⅠ型ではなく、2メートルほどの球体型のガジェットだった。どうやら新型らしいな。
(ここでは戦うのに狭すぎる。一旦外に出て態勢を整えるぞ)
((はい!))
念話で確認した直後、ガジェットが攻撃を仕掛けてきた。ガジェットの攻撃は今までのようなケーブルではなく、ベルト状のアームを2本飛ばしてきた。
俺達は避けながら、一旦外に出る。
新型ガジェットは追撃してきたが、そのくらいの攻撃なら楽に避けれる。
態勢を整え、キャロがフリードにブラストフレアをアームに放たせるが、弾き返され隣の岸壁に着弾した。意外と堅いな……ならば!
「これで、どうだぁぁぁああああ!!」
長距離ビーム砲を放つ。これによってガジェットのケーブルのほとんどを破壊しアームを半壊する事に成功した。
「おぉぉぉりゃぁぁぁぁああ!! でいっ!!」
俺の攻撃の後、好機と思ったエリオはストラーダに電撃を走らせながらガジェットに斬りかかる。だが本体のほうも相当固いらしく、斬り裂く事はおろか、刃先が入る事もなかった。その時、俺は何かが広がるのを感じた。
「まさか……AMFか!?」
「こんな遠くまで!?」
あのガジェットのAMF、近くにいる俺とエリオはまだ分かるとして、キャロの範囲にまで広がっていた。厄介だな。
ほぼ丸腰状態のエリオはガジェットの攻撃を魔力付加の付いていないストラーダで何とか耐えている。すると、レーダーが後方から迫ってるものを映していた。
「なっ……こいつらは!?」
俺達の後ろから、複数のガジェットⅠ型が現れた。確かに倒した筈だが……
「キャロ、エリオの援護を頼む。俺は後ろのガジェットを倒す」
本来ならエリオの援護に俺が向かうべきなのだが、状況から考えるとこうするしかない。
エリオには申し訳ないがもう少し粘ってもらうしかない。
「エリオ踏ん張ってくれ! ちょっと後方のガジェットを倒してくる!」
「大丈夫です、任せてください!」
俺はガジェットⅠ型を3体相手にする。固まっているなら、コンボで決める!
「はぁぁぁぁ!」
アロンダイトを引き抜き、連続で斬りかかり、一気に破壊する。Ⅰ型を倒すと、エリオを見やる。するとエリオはガジェットの攻撃を受けており、アームに捕まれて崖へとむげ捨てれられた。
「まずい! 今行く―――」
「エリオくーーーーん!」
「キャロ!?」
「大丈夫です! 平田さん!」
ガジェットが開けた穴から見えたキャロはエリオの方へと走って行き、エリオの後を追って崖に飛び込んで行った。
お、おいおい、大丈夫なのか!? 俺は急いで光の翼を展開して助けに行こうとするが、その前にキャロから『大丈夫』と言った声が飛んできた。
どう見ても大丈夫ではなさそうだが、俺はそれを信じて敵を片付けていく。
Ⅰ型を全て倒し、新型を相手にしようとした時、下の方からキャロの声が聞こえた。
今回の文は少しグダった感があるような……
望「大丈夫だろ? にしてもここで終わりなのか。気になるな」
ちゃんと次回で書き上げますから、安心して下さい。
望「そうか」
さて次回は、眠っていたフリードの力が、ついに覚醒!
そして、事件の黒幕達が動きを見せ始める。
お楽しみに。