はい。原作で印象的だった、ティアナ撃墜シーンです。
望「やっぱ改変すんのか?」
それは読んでのお楽しみです。
ホテルアグスタでの任務は、一部のロストロギアが奪われたものの来場者の命は護ることができたという結果オーライになった。
任務として最低限のことはこなせたので、よしだと思う。ただ、かなり気になることがあった。あの仮面ライダー達だ。六課はあれの正体を探るようだが、あれがディエンドによって召喚されたものだとすれば、ディエンドそのものを探さなければ意味がない。だがそれは、限りなく不可能だろう。変身者が不明な上、その存在さえわからないからだ。
俺としては奴の正体よりも、変身アイテムをどうやって入手したのかが気になる。裏で作った奴がいるのか? まさかな……。
数日後。今日は分隊ごとに分かれた模擬戦の日だが、少し不安だ。何故かというと、実は最近、アグスタの一件以来ティアナとスバルが無茶な訓練をしてると、ヴァイスさんから聞いたからだ。何度言っても聞いてくれないから、同じ部隊員としてなんとかしてくれないか? と言われたが、この部隊の中で一番新参者の俺が何言っても説得力がないだろうと言って断った。ま、言ったところで聞いてくれるとは思えないしな。
って、もう模擬戦始まってるし。どれどれ……まずはウイングロードを発動させたスバルが、なのはに向かっていく。ティアナは地上でクロスファイアシュートを発動させる。ティアナの弾は誘導弾だが―――
(おかしいな…いつもよりキレがない気がする)
そんな違和感を感じていた。近くにいるヴィータとフェイトも首を傾げていた。
なのはは誘導弾を回避し、それに対してスバルが突撃する。が、
(あれはフェイクじゃない……まさか、本物か!?)
接近戦に入るなのはとスバルだが、どうにも様子がおかしい。
スバルがなのはの攻撃を受けている隙に、上空からティアナがオレンジ色の魔力刃でなのはへ攻撃する。
「おかしいな……2人とも、どうしちゃったのかな?」
スバルの拳と、ティアナの刃。それらを片手ずつ受け止めたなのははそう呟いた。
「頑張ってるのは分かるけど、模擬戦は喧嘩じゃないんだよ。練習のときだけ言うこと聞いてる振りで、本番でこんな危険な無茶するんなら、練習の意味、無いじゃない」
なのはの様子が変だ……何かわからないが、このままだとよくないことが起きる!
「ちゃんとさ、練習どおりやろうよ。ねぇ。私の言ってること、私の訓練……そんなに間違ってる?」
「私は、もう誰も傷つけたくないから! なくしたくないから! だから……強くなりたいんです!」
「……少し、頭冷やそうか」
なのはの指先がティアナに向けられ、そのまま誘導弾で攻撃する。同時にスバルをバインドで縛り、「じっとして。よく見てなさい」と言った。更に追い打ちをかけるように、なのはは戦意を喪失したティアナにクロスファイアで狙い撃とうとする。それを見た瞬間、俺の身体は自然と動いていた。
「望君!?」
「戻れ、望!」
フェイトとヴィータが声を張り上げるが、俺はそれに構わずデスティニーを起動しティアナの元へと向かった。
桃色の魔力弾が放たれ、ティアナへと向かう。だがそれは、途中に割り込んだ者によって止められた。
「いつつ…シールドを展開しててもここまで衝撃がくるとは、恐れいったぜ」
右腕にティアナを抱え、左手でソリドゥス フルゴールを展開しているデスティニーガンダム―――望だ。
望はシールドを消すと抱えたティアナをスバルの元へと運んだ。
「ティア! ティア!!」
「大丈夫、気絶してるだけだ」
そういうとスバルのバインドを引きちぎり、ティアナを預けた。
「ティアナを頼む」
スバルに伝えると、なのはへ視線を向けた。そこの目には、怒りが浮かんでいた。
「……望君、何のつもり?」
「何のつもりだと? それはこっちの台詞だ。さっきアンタが言っただろ、模擬戦は喧嘩じゃないって。じゃあアンタが今したことは何なんだよ」
望の口調は異常なまでに冷めていた。望自身にもそれはわかっていた。
「言うこと聞かない部下への制裁か? それにしては度が過ぎると思うがな。間に合ったからいいものの、防御も回避もできない奴に、いくらリミッターを掛けているとはいえ直撃させたら、間違いなく大怪我するぞ」
「でも、こうでもしなきゃ……」
「『将来間違えるから意味が無い』とでも? だからこうやって、実力差を見せつけて撃墜するのか?」
「……ティアナは焦ってる。強くなろうとして、間違った方向で無茶をしてる」
「じゃあ何で話し合いから始めなかったんだ? 部下の悩みごとや相談にのって、アドバイスするのがアンタの役割だろうが」
「私は間違ってない。どうしても間違ってると言うなら―――」
そこでなのはは、レイジングハートを望へと向ける。
「……自分が間違ってると言うなら、倒してみせろ、か。いいぜ。だが覚悟しとけよ? 今の俺は少しブチギレてるんだ。相手がアンタだろうと……叩き潰す!!」
その瞬間、望の頭の中で何かが弾けた。そんな望を見たなのはは、彼の気迫に押され始めていることに気づいた。
(私が、望君に気圧されてる? 今までこんなことはなかったのに……)
「はぁっ!」
考え事をしている隙に望はビームライフルで先制攻撃を仕掛ける。
「っ!」
なのはは咄嗟にプロテクションを張って防御する。
「次はこいつを食らえ!」
が、間髪入れずに望はアロンダイトで斬りかかる。
「ぐっ…!」
プロテクションを破られたものの、ダメージを軽微で済ませたなのはは、次の手に備える。
「まだだ! 逃がすかぁ!!」
「させないっ! ディバインバスタァァァァアアアアア!!」
長距離ビーム砲を放つ望だが、それはディバインバスターによって相殺された。
「とどめだぁぁぁぁああああああ!!」
発射後の一瞬の隙を突き、右掌を突き出しながら突撃する。それが何を意味するのかわかっていたなのはは、レイジングハートを右手に押し当て向きを変えた。
「これで、その武器は使えない!」
「それはどうかな!?」
今度は左の掌をなのはに向ける。
「いつから右手だけだと錯覚していた?」
「なっ―――」
反応する間もなく、左手のパルマフィオキーナによってなのはは吹き飛び、ウィングロードに倒れ込んだ。
望はなのはに近づくと、優しく抱きかかえた。幸いにも、意識は保っていた。
「あ…望…君……」
「……手荒な真似をして悪かったな。だがクールダウンはできただろう? 一度休憩したら、ティアナと互いに話し合ってみろよ。他の奴は邪魔しないで、面と向かってな」
「うん……」
こうして、部隊内での事件は終わりを告げた。
ティアナは撃墜されず救助され、その上でなのはに対して少し説教(物理)を…という展開でした。
望「変な言い方だな……そういや、なのはにやった攻撃って、フルウェポンか?」
一応、フルウェポンコンビネーションを参考にしています。フラッシュエッジ使ってないけど。
望「ふうん。あ、ところで俺が戦闘態勢に入った時の弾けたって、まさか―――」
残念ですが、SEEDではありません。怒りでプッツンしちゃったと言ったところですかね。
望「そうか……安心したような、残念なような……」
まあそれは置いといて、次回は―――
望「次回は、いよいよ物語の中核に入っていくらしい。重要な人物がいるとかいないとか」
……何でしょう、この横取られ感は。