魔法少女リリカルなのは 運命を変える者   作:レイブラスト

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騎士カリムによる予言の内容が、明かされる。

20話です。



第20話

地下水道での戦いから2日後。ディエンドの正体がわかったのはいいが、今だ足取りを掴むことができずにいた。早く捕まえて、ディエンドライバーを手に入れた経緯を聞かなければならない。もし別の誰かが開発したものだとすれば、他にもライダーシステムを作っている可能性があるからだ。……さすがにこれはないかな? そう思っていたら―――

 

「行っちゃやだああああああ!」

 

先の戦闘で保護された『レリックのケースを持った女の子』―――『ヴィヴィオ』が、泣きながら俺と近くにいたなのはに抱きついてきた。俺はどうしたらいいのかわからず、なのはの方を見た。すると、彼女は困ったようにオロオロしていた。苦手なのかよ……ていうか、この状況どうするんだよ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「"エースオブエース"にも勝てへん相手がおるもんやね」

 

「そう思ってるなら何とかしろ」

 

少しして、はやてとフェイトが駆けつけてくれた。

そして、フェイトがヴィヴィオに近づいてくる。

 

「こんにちは」

 

「ふぇ?」

 

「この子はあなたのお友達?」

 

「ヴィヴィオ、こちらフェイトさん。なのはさんの大事なお友達だよ」

 

「ヴィヴィオ、どうしたの?」

 

そう言って手に持ってるウサギのぬいぐるみを動かす。

 

(とりあえず病院から連れて帰ってきたんだけど、私たちから離れてくれなくて)

 

(懐かれちゃったんだね)

 

だからって、何で俺まで? なのははまだわかるけど…多分母性的な何かだろう。

 

「ヴィヴィオはなのはさんと一緒にいたいの?」

 

「……うん」

 

「でもなのはさん大事な御用でお出かけしなくちゃいけないのに、ヴィヴィオがわがまま言うから困っちゃってるよ? この子も、ほら」

 

ウサギに困ったポーズをさせる。すると、

 

「あぅ……」

 

「ヴィヴィオはなのはさんを困らせたいわけじゃあないんだよね?」

 

手慣れてるな……おそらく六課の中で一番子供の扱いが上手なんじゃないだろうか?

 

「だからいい子で待ってよ、ね?」

 

「うん…」

 

渡されたウサギを手にし、制服から手を放す。

 

「ありがとね、ヴィヴィオ」

 

「すぐに帰ってくるから」

 

これで一先ずどうにかなったが……今回の件、俺も行かなければいけないのだろうか? ちなみにこれから俺が向かう場所には、聖王教会所属のカリムという女性がいるらしく、彼女の能力は一定周期で予言を示すことができるというものらしい。話を聞いただけなのでどうなのかは知らないが、そんな重要なところに俺なんかが行っていいのか?

 

(はやて、俺も行かなきゃだめか?)

 

(もちろんや。今回はクロノ君が来るし、ついでに紹介しときたいんや)

 

クロノ・ハラオウン提督か……六課の後見人でフェイトの義理の兄と聞いたが、どんな人物なのだろうか。会いたいことは会いたいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「望、ついたよ」

 

「ここか…」

 

しばらく歩いていくと、目的の部屋の前についた。俺はドアをノックする。

 

「失礼します」

 

「高町なのは一等空尉であります」

 

「フェイト・T・ハラオウン執務官です」

 

「平田望二等陸士です」

 

「いらっしゃい。はじめまして、私は聖王教会、教会騎士団騎士カリム・グラシア少将です。どうぞ、お掛けになってください」

 

「失礼します」

 

言われるまま、椅子に座る。

 

「クロノ提督、少しお久しぶりです」

 

「あぁ、フェイト執務官」

 

この人がクロノ提督か……管理局で人気が高いと噂になっていたが、本当だったようだな。男である俺の目から見てもイケメンだと思うね。

 

「ふふ。お2人ともそんな堅くならないで? 私たちは個人的にも友人ですからいつも道理で結構ですよ」

 

「と騎士カリムが仰せだ。普段と同じで」

 

「平気や」

 

「じゃあクロノくん久し振り!!」

 

「お兄ちゃん、元気だった?」

 

「っ! そ、それはよせ。お互いもういい年だぞ?」

 

「兄妹に年齢は関係ないよ、クロノ」

 

すんごい動揺してる……かくいう俺も、いきなり『お兄ちゃん』と言ったフェイトに唖然としたが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後俺達は、カリムさんから礼の予言の内容を聞いていた。

 

『旧い結晶と無限の欲望が交わる地。死せる王の下、聖地より彼の翼が蘇る。死者達は踊り、中つ大地の法の塔は虚しく焼け落ち、それを先駆けに数多の海を守る法の船は砕け落ちる』

 

「これが3年前の最後の預言です。しかし、ちょうど3ヶ月ほど前からこの預言に新たな事が追加されました。これを皆さんで考えてほしいのです」

 

3ヶ月前? 俺がここに来た頃じゃないか。

 

「追加された預言は『しかして運命を切り開く翼が現れ、聖なる王を下さんとす』というものです」

 

ふむ……予言の内容を俺なりに整理していこう。

 

旧き結晶というのは、多分レリックのことでいい筈だ。無限の欲望は、スカリエッティの所謂2つ名みたいなもの。交わる地とは、決戦の舞台と考えていいだろう。聖地は……わからないな。死せる王は……死んでいる王? わからない。彼の翼…これもわからない。いや、待てよ。聖地より彼の翼……聖地で死んだ王―――聖王? 

そういや前に、資料で読んだことがある。太古の昔、聖王と呼ばれる人物が存在していたことがあると。だが、それが今回の事件とどう関係あるんだ? まあいい、これは一旦置いておこう。

次は死者達は踊りの部分だが、これもよくわからん。法の塔と法の船は……俺の見立てでは、管理局地上本部と、その次元航空船だと思う。

問題は新しい部分の、運命を切り開く翼だ。これは……俺なのか? 確かに運命(デスティニー)で間違ってはないが。

しかし、何故ディエンドのことが書いてないんだ? 小さなことだから? そんな筈はない。ディエンドの戦闘力は驚異的なものだ。なのに何故……ええい、考えてても始まらんか。

それにしても、追加される前の文だが、そろそろ動き出しそうな予感がするな。おそらくイベントにでも便乗するのだろう。近々、公開意見陳述会が行われるらしいから、動くとしたらその日だな。

 

相手の戦力は未知数だが、背中を見せる訳にはいかない。どんな敵が相手でも、勝ってみせる。





望「ディエンドの情報が載ってないってのが、気になるな」

ちゃんとした理由はあるんですけどね。今のタイミングでは秘密です。

望「次回は、スカリエッティ側が攻めてくるらしい。一筋縄ではいかないだろう」

お楽しみに。

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