望「相手はどんなことをしているんだ?」
22話です。どうぞ。
う……ここは? 医務室か何かか?
確か俺は、腹を剣で刺されて―――っ! そうだ、オーディンのことを早くみんなに伝えなければ!
今すぐ向か……っ!? 体が動かない! それに声も出ないぞ!? 一体何がどうなって―――
「望君、気がついた?」
この声は…なのは?
「ここ数日間眠っていたから、心配したんだよ?」
そうだったのか……。だが、何故体が動かないんだ? 俺が受けたダメージがそこまで酷かったのか?
「治療魔法で安静状態になってるから完全に治るまで動けないと思うけど、明日には動けるようになるから安心してね」
なるほど、そういうことだったのか。焦って損したぜ。
「それでね、望君」
ん? まだ何かあるのか?
「私達、明日……スカリエッティを捕まえに行くの」
!? な、何だと!?
「シャマルさん達の報告にあった、黄金のバリアジャケットを纏った人達が出てくる可能性が高いから、こんなことを言うのは酷かもしれないけど…明日、準備ができたら戦闘に参加してほしい」
駄目だ。明日じゃ遅すぎる! 今すぐ、今すぐ動けるようにしてくれ!
「望君のデバイスに、私達の状況を映像でリアルタイムに送れる機能をつけたから、まずはそれを見て」
頼むなのは、気づいてくれ! 俺は、お前達に伝えたいことが……!
「……無理に来てほしいって言ってる訳じゃない。参加するかしないかは、あくまで望君の意志だから。私達は文句を言わない。でももし、もし来てくれるなら、小型の転送装置を用意しておいたからそれを使って。場所もデバイスに送ってあるから」
ま、待ってくれ! まだ話が―――
「じゃあね、望君。明日までゆっくり休んでて」
行くな! 行くんじゃない!! 俺はあいつの……オーディンの恐ろしさをよく知っている! 俺達の前で見せた力は全てじゃない。このままだと、みんな返り討ちに遭う!!
だから俺を、俺を動けるようにしてくれ! せめて対策くらいは立て……られ………なん、だ…? 意識……が…くそ、頼む……話を………させて…………く……………れ………
望の叫びは、届かなかった。
??? SIDE
「計画は順調に進んでいるな」
白い鎧の男が、隣にいるスカリエッティに言う。
「もちろんさ。だけど、同じ物をいくつも作るのは少し面白味がないんじゃないか?」
「わかってないな。デッキにはそれぞれ強さ的に当たり外れがある。だったら、一番当たりなのを量産すれば確実に勝てる筈だ。それはそうと、タイプゼロ・ファーストはどうなっている?」
「既に洗脳済みさ。問題は君の作ったアレと適合するかだけど―――」
「それに関しては大丈夫だ。ちゃんと適合するように作ってある」
「そうか……ところで、いくつかいいかい?」
「何だ?」
「何故、ヴィヴィオに入れた『アレ』の発動条件を厳しくしたんだい? それと、平田望が来るまで六課を倒してはならないとは?」
スカリエッティが尋ねると、鎧の男は一呼吸置いて話し始めた。
「……まず発動条件だが、これは単純だ。エース・オブ・エースの―――高町なのはの心を砕く」
「心を?」
「ようやく助けられると思った直後に、これだ。中々こたえる筈だ」
「なるほど」
「そしてもう1つの方だが、これも単純。高町なのは同様、奴の心を砕く」
「つまり、こういうことかい? 彼の目の前で仲間を全滅させることで、精神的に大ダメージを与えると」
「早い話がそうだ」
「………クアットロ並のSだね、君も」
「おい、あんな奴と一緒にするなよ」
そう言って、鎧の男は肩をすくめた。
「それより、ゆりかごと例の奴を融合させる件だが……いいのか?」
「ああ。科学者として、どういう結果になるかを見ておきたいからね」
「……本音は面白そうだからじゃないのか?」
「まぁ、それもある……かな?」
そこまで言った後、2人は笑い始めた。
望「ふむ……つまり、鎧の男とスカリエッティが協力してオーディンのデッキを作ったのか」
ディエンドライバーもですけどね。
望「それがわかったのはいいが、新たな謎が出てきてしまったな。何故彼らはライダーの知識を持っていたのだろう?」
それについては終盤で明かされますから、それまで秘密です。
望「そうか。それはそうと、結局六課はオーディンの詳しい情報は得られなかった訳だが」
ええ。得られたのは、変身の瞬間と瞬間移動、後はソードベントぐらいですかね。
ろくに映像も残ってないので、正確なものではないですけど。
望「不確実だな…だが、それでも六課は戦いを挑むだろう。ヴィヴィオを取り戻す為に」
望さんは、どうします?
望「無論、手伝いに行くさ。じっとしてるのは性に合わないからな」
そうですか。
では、次回もよろしくお願いします。