望「第一部だと? 敗北寸前なのに?」
「…………」
俺はもう、何かを言う気力さえなくなっていた。仲間が倒される映像を見て、精神がまいってしまっていた。
「心が砕けたか。あれだけの映像を見せればそうなるだろうな」
モニターをしまい、見下しながら言ってくる。
「さて、障害となる機動六課は全滅させたからな。後は管理局本部にデビルゆりかごをぶつけ、DG細胞で配下にでもするか」
エターナルが何かを言っているが、その言葉は耳に入らなかった。なぜなら、俺の中にはある1つの感情が渦巻いていたからだ。
俺は感情のままに立ち上がると、エターナルを睨み付けた。
「…………」
「……驚いたな。まだ立ち上がる気力があるのか。普通なら廃人になってもおかしく―――」
相手が言い終える前に、機能を失ったデスティニーの腕で俺は顔面を殴った。
「何のつもりだ?」
「お前だけは許せない。こんなことをしてもみんなが帰ってくるわけじゃないが、お前だけは……ぶっ殺してやる!!」
何度も、何度も、奴に拳をぶつける。
「……無駄だというのがわからないみたいだな」
ガッ!
「ごふっ!?」
腹にパンチを食らい、体がくの字にまがる。更に今の衝撃でデスティニーが限界を迎えたのか、待機状態になると同時にバラバラになった。
(くっ…すまない、デスティニー……! だが、まだだ。まだ諦めてたまるか! こんな奴がこのまま居続けたら、世界は崩壊してしまう! 俺はどうなってもいい、こいつだけは……倒す!!)
そうして右手を相手のベルト部分に伸ばした時だった。
バチッ
「え?」
「何っ!?」
エターナルの変身が解除され、俺は右手にロストドライバーとエターナルメモリを握りしめていた。
すぐに我に返ると、さっきまでエターナルだった黒い髪をオールバックにしている男に、渾身の左ストレートを放った。
「っらぁぁああああ!」
「しまっ、が!?」
男が吹っ飛んだ時、懐から何かが飛び出しこちらに転がってきた。拾ってみると、別のガイアメモリだった。
「くっ、おのれ……!」
忌々しそうな視線を向けてくると、男はポケットからガイアメモリを取り出す。
『UTOPIA!』
端子部分を首元のコネクタ部分に差し込むと、男の姿がユートピア・ドーパントに変わった。
「……!!」
俺は咄嗟にロストドライバーを装着すると、エターナルメモリのスイッチを押した。
『ETERNAL!』
「変身!」
メモリをスロットにセットし、斜めに傾ける。
『ETERNAL!』
ガイアウィスパーが鳴り響き、俺の姿が仮面ライダーエターナル・レッドフレアになる。が、これで終わりではなかった。青いスパークが発生したかと思うと、手足の赤い部分が青色に変化し、右腕と左腿と上半身にコンバットベルトが現れた。更に黒いマント、エターナルローブを纏った。ここで俺は感覚でエターナル・ブルーフレアに変化したことを悟った。
「なっ、バカな! お前がエターナルの適合者とでもいうのか!? そんな筈がない、適合者は俺だ!!」
俺がブルーフレアになったことに激怒したのか、ユートピアは自身のエネルギーを左足に集め始めた。気がつくと、俺は無意識の内にマントを投げ捨て、手にしていたもう1つのメモリ―――ゾーンメモリのスイッチを入れていた。
『ZONE!』
腰のマキシマムスロットに装填する。
『ZONE! MAXIMUM DRIVE!!』
どこからか大量のガイアメモリが現れ、コンバットベルトのスロットに刺さっていった。
『ACCEL! BIRD! CYCLONE! DUMMY! FANG! GENE! HEAT! ICEAGE! JOKER! KEY! LUNA! METAL! NASCA! OCEAN! PUPPETEER! QUEEN! ROCKET! SKULL! TRIGGER! UNICORN! VIOLENCE! WEATHER! XTREME! YESTERDAY! MAXIMUM DRIVE!!』
最後にエターナルメモリを専用ナイフ、エターナルエッジのスロットに入れる。
『ETERNAL! MAXIMUM DRIVE!!』
「はぁぁぁああああ!!」
全身にグリーンのエネルギーが集まる。そのエネルギーを更に右足部分に集中させる。
「メモリを返せぇぇぇぇえええええ!!」
「うぉぉぉぉぉぉおおおおおおお!!」
ユートピアが放った左跳び蹴りと、こちらの右跳び蹴りがぶつかり合う。2つの力が拮抗し、周囲に強烈なスパークが発生する。
この時俺も気づいてなかったが、強力な力がぶつかった為に次元の穴が開いた。それは俺とユートピアのすぐ近くに発生した為、為す術もなく穴に吸い込まれてしまった。
「「うわぁぁぁぁぁぁああああああああああ!?!?」」
俺達の悲鳴を飲み込み、次元の穴は閉じた。
「ん……ここは?」
目が覚めると、変身が解除された状態で仰向けになっていた。近くにはガイアメモリが散らばっている。
ふと周りを見渡すと、風景が変わっていた。今いる場所はビルの屋上。時間的には完全な夜だ。
「ゆりかごから放り出されて、気絶していたのか?」
それにしてはどうもおかしい。街中が騒ぎなど起こってなかったかの様に平然としている。
街並みもどこか違和感がある。
(いや、違和感というよりはどこか懐かしさを感じるな。妙に見覚えがある気もするし)
メモリを回収しつつ、そんなことを考える。だが―――
「っ!?」
突然殺気を感じ、その場から飛び退く。
先ほどまでいた場所に金色の魔力弾が直撃した。
(近くに戦闘機人がいたのか!?)
思考しつつ周囲を警戒する。すると、
「はぁぁぁぁぁああああああ!!」
後ろから何者かが殴りかかってきた。
「甘い!」
体を捻って躱すが、襲ってきた相手を見て目を疑った。
相手はオレンジの長髪の女性で、狼の耳と尻尾がついていた。
「あんたは……!?」
驚いていると、彼女の隣に別の誰かが降りてきた。
「なっ!?」
俺はまたもや驚くこととなった。降りてきた人物とさっき襲ってきた人物が俺の知り合いに似ていたからだ。
襲ってきた方はアルフ。これは間違いない。もう1人は姿からしてフェイト……なのだろうが、明らかにおかしかった。何故なら、姿がどうみても子供にしか見えないからだ。
(一体どうなってるんだ……?)
困惑の中で、俺はそう考えていた。
望「…………なぁ作者。これってもしかして―――」
はい。過去逆行です。
望「……どんな展開になるかと思ったら、予想の遙か斜め上をいったな…デスティニーは壊れた上に、俺はエターナルになるとか、誰が予想したよ?」
デスティニーとエターナルのことは無理ですけど、こういう展開になるのは予想できるようにしましたが?
望「どうやって?」
タイトルの『運命を変える者』と、9話の後書きで?
望「いや、わかる訳ないだろぉぉぉぉぉおおおおおおお!! てか、それでわかった人はむしろ怖いわ!!」
ですよね……ま、まあとにかく、これより無印編に入るので、改めてよろしくお願いします!
望「こうなっちまったら仕方ないな…みんな、無理にとは言わないが、このバカ作者に最後までついてきてくれ。頼む」