「ふう……緊張した」
部屋から出て数歩歩いたところで、俺は声を漏らした。
「途中からは勢いで言っちまったが……どうにかなったみたいだから、よしとするか」
間違いに気づいたし、自殺しないように釘を刺しておいたから大丈夫だろう。
「アルフ達のところへ行くか」
再び歩き出す。
しばらく歩いていると、扉が開いてる部屋を見つけた。中に入ると、丁度フェイトの傷の手当てを終えたアルフがいた。
「望! 大丈夫かい!?」
アルフは俺を見ると、急いで近づいてきた。
「俺は大丈夫。フェイトはどうだ?」
「……今は、落ち着いて寝てるよ」
ベッドを見ると、横になって寝ているフェイトの姿があった。それを見てほっと息をついた。
「ところで望。アンタはあの鬼婆と何を話していたんだい?」
「ちょっとした交渉さ」
アルフに向き直り、説明する。
「今日の交渉で、今後のフェイトへの折檻はなくなった」
「えっ!? ほ、本当かい望!?」
「もちろん」
驚くアルフに、頷いてみせる。
「でも、一体どんな話を?」
「プレシアの目を少し覚ましてやっただけさ。だが、気を緩めるのはまだ早い。ここからが大事だ」
俺はアルフを真剣な表情で見つめ、言った。
「ジュエルシードを、俺達が全て回収する」
プレシアに報告をしに行った翌日。
俺は草木が茂る森の中にいた。目的は当然ながらジュエルシードの回収だ。何故1人だけなのかというと、アルフとフェイトにはそれぞれ別で探すように言ってあるからだ。
「おっ、これだな」
さっそくジュエルシードを1つ見つけ、ポケットにしまう。
「さて、行くか」
ここには他に反応がないので、次の場所まで走って移動する。飛行しないのかだって? それにはちゃんとした理由がある。
この前の小規模次元震で管理局は今後何かが起きた時、こちらに来ることができるように警戒している筈だ。そんな時に飛行でもしたら、管理局に感づかれてしまう。彼らはいずれしびれを切らしてやってくるだろうが、その前になのはが持ってる以外のジュエルシードを回収しておきたいのだ。
この事はアルフ達にも言ってあるが、言った瞬間に策士でも見るような目で見られた。俺は情報を基に動いてるだけで、策士ではないんだがな。それに、元管理局員としては自分の組織を欺くようで少し申し訳ない部分もあるが。
とにもかくにも、俺達はジュエルシード探しを着々と進めて行った。
ジュエルシード集めを再開し、3日が過ぎた頃。
俺とアルフは人気のない廃墟に来ていた。そして、
「これが最後の1つか」
ついに最後のジュエルシードを発見した。
「これで残ってるのは、白い魔導士が持ってるジュエルシードだけだね」
隣にいるアルフが言った。何故なのはが持ってるのを知っているのかと言うと、ジュエルシードの反応が他にないので、おそらく彼女が集めたのだろう。と説明したからだ。
正直言うと、3日で全てのジュエルシードが集まるとは思ってなかった。だがお陰で、次の段階に早めに進めることができる。
「アルフ、少し寄り道してもいいか?」
「ん? いいけど、どこへ行くんだい?」
俺が渡したジュエルシードをしまいながら、アルフが尋ねてきた。
「高町なのはのところだ」
誰もいない公園に、2つの人影があった。1つは高町なのは。もう1つはフェレット状態のユーノ・スクライアだ。なぜここにいるかというと、望が念話を使って呼び出したからだ。しばし待っていると、望と人間形態のアルフがやってきた。
「あっ! えっと、望さんに…アルフさん?」
なのはは尋ねるように望達に声を掛けた。
「ああ。覚えててくれたのか?」
「は、はい」
望の質問に、なのはは頷いた。
「じゃあ、早速本題に入るか。ここに2人を呼び出したのは、ある頼みがあるからだ」
「頼み…ですか?」
「そうだ。内容は……4日後に、この公園に再び来てほしい」
「……え? それだけ、ですか?」
思わず拍子抜けしてしまうなのは。
「いや。他にもしてほしいことがある。それは―――」
望はなのはとユーノに、自身が考えていることを話した。
「できるか?」
「はい……それくらい、なら」
「構わないですけど……」
「ありがとう。なら、4日後にまた会おう」
そう言い残し、望とアルフは公園を去った。
「望。さっき話したことは、どういう意味があるんだい?」
公園を出たアルフは、俺に尋ねてきた。
「帰ったらフェイトにも説明するから、それまで待ってくれ」
「……わかった。帰ったらちゃんと話してもらうからね」
俺とアルフはマンションへと戻って行った。
望「なのはに話したことが何か気になるな」
次回で必要になってくることとしか、今は言えません。
望「なら、その次回はどんな内容なんだ?」
次回は、ついに管理局が介入してきます。望達は一体どうするのでしょうか?
望「これまた気になる内容だな。次回が楽しみだ」