魔法少女リリカルなのは 運命を変える者   作:レイブラスト

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今回の話ですが、一言だけ言わせて下さい。

望「どうした?」

……やりすぎました。ごめんなさい!

望「だからどうしたんだよ!? おい!」



第31話

マンションに戻った俺達は、フェイトに公園でなのはに頼んだ内容を教えた。

 

「望。それって、何か意味があるの? そんなことをしたら、管理局が……」

 

「やっぱりそう思うだろ? どうなんだい、望」

 

「フェイトの言う通りだ。これをしたら、間違いなく管理局は来るだろう」

 

「望は管理局に介入させたくないんでしょ? 矛盾してるよ?」

 

「矛盾なんかしていない。これは管理局を地球に半永久的に来させないようにする為に必要なことなんだ」

 

フェイトの疑問を聞いて、俺はその答えを並べていく。

 

「……本当に、必要なのかい?」

 

「ああ。もちろん、管理局は俺がなんとかする。問題はその後だ」

 

軽く身を乗り出し、フェイトとアルフを交互で見やる。

 

「2人に、頼みたいことがある」

 

「どんなこと?」

 

「残りのジュエルシードを手に入れる為に必要なことでな。具体的には―――」

 

俺は2人に、俺の計画で最も重要な部分を伝えた。すると、

 

「そ、そんなことをするの?」

 

「何でアタシがそんなことをしなくちゃならないんだい!?」

 

「さっきも言ったように、ジュエルシードを手に入れる為だ。俺は無意味な戦闘はしたくないから、だから……頼む」

 

頭を下げ、頼み込む。これでダメだったら、別の手を考えなければいけないが、

 

「……いいよ」

 

「フェイト!?」

 

「今までジュエルシードを集めてこれたのは望のお陰だし、それに…望の言うことなら、信用できるから」

 

「フェイト………そうだね。他ならぬ望の頼みなんだ。聞いてあげないとね」

 

「……ありがとう」

 

よし、これで準備は完了だ。管理局を退場させる為のキーワードも、既に用意してある。かつて所属していたからこそできる技だな。

後は4日後を待つだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、4日後。時刻は朝の5時。場所は海鳴公園。

そこに2人の人影が現れた。フェイトとアルフだ。望の姿は見えない。フェイトは黒色のバリアジャケットを纏っており、手には相棒であるバルディッシュが握られている。その隣には、アルフが立っている。

そして向かい側から1人の少女と一匹の動物が現れた。少女はバリアジャケットを纏ったなのは。動物はフェレット姿のユーノだ。

 

「行くよ、フェイトちゃん……」

 

「……」

 

互いに戦闘状態をとり、アルフとユーノは2人から離れる。張り詰めた空気が漂い、今にも戦いを始めようとした時―――2人の間に、青い魔法陣が出現した。魔法陣の輝きが収まると、1人の黒衣を纏った少年が現れた。少年の手には、デバイスと思われる杖が握られている。

 

「そこまでだ。時空管理局の執務官、クロノ・ハラオウンだ。詳しい事情を聞かせて貰おうか?」

 

フェイトとなのはを交互に見据え、少年―――クロノが言った。

 

「え? 時空管理局!?」

 

管理局であるクロノの登場に、なのはとユーノは驚く。フェイトとアルフは管理局が介入することを知らされていた為、特に驚いてはいない。

 

「2人とも、速やかに武装を解除するんだ」

 

クロノが投降を促した、その直後、

 

「待っていたぞ、管理局」

 

声が聞こえた。全員がその方向を向くと、1人の男―――平田望が歩いてきた。

 

「戦闘する素振りを見せれば、必ずやってくると思っていたが……こうもうまくいくとはな」

 

「なっ!?」

 

「「え!?」」

 

クロノと、そしてなのはとユーノも望の言葉を聞いて驚いていた。

実は望はなのはとフェイトにそれぞれ「公園に来たらバリアジャケットを羽織って、戦闘するふりをしてほしい」と言っておいたのだ。フェイト達には更に詳しい話をしたので目立った反応はないが、それしか伝えられていないなのはや当の管理局であるクロノは驚きを隠せなかった。

 

「クロノ・ハラオウン……だったな。責任者を出せ。少し話がしたい」

 

「な、何を―――」

 

「いいから早く」

 

クロノの言葉を遮り、望が催促する。すると、何もない空間に大きなモニターが現れた。

モニターには、緑色の長い髪を後ろに束ね、青い制服を着ている女性が映し出されていた。

 

「艦長!?」

 

モニターの女性を見て、クロノは大きく目を見開いた。

 

「私が時空管理局提督『アースラ』の艦長、リンディ・ハラオウンです」

 

「アンタが責任者か」

 

「そうよ。それで、話とは何かしら?」

 

「単刀直入に言わせてもらう。管理局は今回のことを含めた、今後地球上で起きる魔法関係の事件に対して、一切介入しないでもらいたい」

 

「なっ! 何を言ってるんだ!? そんなバカげた話が―――」

 

「お前は黙ってろ。俺はリンディ艦長に言っているんだ」

 

反論してきたクロノを黙らせると、モニターを見つめた。

 

「……理由を聞かせてくれないかしら」

 

「わかった。だがその前に質問させてくれ。……時空管理局とはどんな組織なんだ?」

 

「時空管理局とは、数多の世界を管理する組織のことよ」

 

「なら、地球もアンタら管理局が管理しているのか?」

 

「いいえ……地球は管理外世界よ」

 

「そうか……」

 

それを聞いた瞬間、望はフッ、と笑った。

 

「だったら、アンタら管理局が介入するのは変じゃないか?」

 

「どういうこと?」

 

「アンタが今言っただろ。『地球は管理外世界』だと。それなら、地球に干渉する権利はないんじゃないのか?」

 

望の指摘に、リンディとクロノはハッとなる。

 

「それでも……目の前で起きている戦闘行為を、見過ごす訳にはいかないわ。世界の平和を管理・維持するのが、管理局の使命なのよ」

 

リンディも負けじと反論する。だが、

 

「世界の平和の維持・管理だって? 何言ってるんだ?」

 

「え?」

 

「世界を管理するなら、どうして地球は『管理外世界』に指定されているんだ?」

 

「そ、それは……」

 

「管理外世界ってことは、管理する必要がないってことなんだろ? 今までほったらかしにしといて、事件があったら解決する? ふざけてんじゃねぇぞ。神様でも気取ってんのか!?」

 

「…………」

 

望の変化した口調に、リンディとクロノは気圧された。が、言った本人も、苦い顔をしていた。以前、管理局の命令で地球に出張任務に来ていたことを思い出したのだ。その出来事と自分が言った言葉との間で矛盾が生まれ、嫌悪感を感じていた。

 

「……わかったなら、ここから立ち去れ。そして二度と関わるんじゃない」

 

「…………そうさせてもらうわ」

 

「艦長!? ですが―――」

 

「クロノ…彼の言う通りよ。私達がこの世界に介入するのは、最初から間違ってたのよ」

 

「くっ……」

 

「アースラに帰還しなさい。すぐにこの場を離脱するわ」

 

「……わかり、ました」

 

悔しそうに、クロノは声を絞り出した。

そして魔方陣を展開すると、その姿を消した。

 

「すまない……」

 

クロノが消える瞬間、望は小さな声で呟いた。その声は、誰にも聞こえなかった。

 

「……待たせたな。もうバリアジャケットは解除していいぞ」

 

「う、うん……」

 

「あ、はい」

 

フェイトとなのはは我に返ると、私服姿に戻った。そこへ、同じく我に返ったアルフとユーノが近づいてきた。

 

「望、アンタ……管理局を言葉だけで追い返しちゃうなんて」

 

「その気になれば誰でもできることだ。凄い訳でもない」

 

「ううん。十分、凄いよ」

 

「そうか? ありがとな」

 

フェイトに褒められ、微笑む望。やがて、なのは達を見ると近くに歩み寄った。

 

「さて、今回2人を呼び出したのには、ある理由がある」

 

「え、まだあるんですか?」

 

「ああ。時間がないから手短に言う。2人が持ってるジュエルシードを、こちらに渡してほしい」

 

「な、何を言ってるんですか!? ダメに決まってますよ!!」

 

当然ながら、ユーノが反論する。

すると、フェイトが歩み寄り、

 

「……私の母さんが、それをほしがってるの。詳しい理由はわからない。でも私は、母さんの為にジュエルシードを集めている。だからお願い……ジュエルシードを、渡して下さい」

 

そう言って頭を下げた。

 

「え!?」

 

「……頼む」

 

驚くなのはを余所に、アルフも頭を下げる。

そして、それを見た望はなのは達に顔を向けた。

 

「君達がジュエルシードを集めている理由も承知している。それでも、俺達にはそれが必要なんだ。悪用は絶対にしない。だから……頼む。ジュエルシードを渡してほしい」

 

言い終えた後、望も深々と頭を下げた。これが、望が考えた計画の最後の部分だった。

彼曰く、「喧嘩で相手から無理矢理奪おうとするなら、向こうは絶対に渡してはこない。逆に、素直に理由を話してお願いすれば、渡してくれる筈だ」だそうだ。

 

「えと…あ、あの……」

 

(やはり、無理があったか……)

 

なのはが言いよどむのを感じ、望はそう思った。

 

(できる限り争いは避けたかったから、こういう手段に出たが、これはさすがにダメか―――)

 

諦めかけたときだった。

 

「……ユーノ君」

 

「……うん」

 

「レイジングハート、お願い」

 

『Put out』

 

レイジングハートに命じ、なのはは自分が持ってる全てのジュエルシードを出した。

 

「え……」

 

顔を上げた望達は、思わず自分の目を疑ってしまった。本当に取り出すとは、思ってなかったのだ。

 

「渡して…くれるのか?」

 

「……正直、あなた達のことを完全に信用した訳ではありません。ですが、あなた達の言葉には、偽りのない本心からの気持ちだということが感じられました」

 

「ユーノ……」

 

「……私はよくわからないけど、フェイトちゃんのお母さんがジュエルシードを探していて、フェイトちゃんが、お母さんの為に頑張ってるなら……私も、フェイトちゃんの役に立ちたい……」

 

「なのは……」

 

2人の名前をつぶやき、驚きと嬉しさで望は笑みを浮かべる。なのははフェイトに近づくと、手に持ってるジュエルシードを差し出した。

 

「はい……フェイトちゃん」

 

「……いいの?」

 

「うん。フェイトちゃん達なら、信用できるって思ったから。だから……」

 

「……ありがとう。本当に、ありがとう」

 

お礼を言い、フェイトはなのはのジュエルシードを大事に受け取る。

 

「2人とも、感謝する。後は……これを母親のところへ持って行くだけだな」

 

望はそう言うと、なのは達に背を向ける。フェイトとアルフも背を向けるが、

 

「あっ、ま、待って!」

 

突然なのはが呼び止めた。

 

「どうした? 問題でもあったのか?」

 

「ううん、そうじゃないの。……フェイトちゃん達は、ジュエルシードをお母さんのところに届けるんだよね?」

 

「うん…」

 

「じゃあ、帰ってきたら、私と友達になってくれる?」

 

「え?」

 

なのはの問いに、フェイトは意外そうな顔をする。

 

「フェイトちゃんがよければ、友達になってほしい」

 

「えっと……」

 

フェイトは望を見上げる。

 

「……これはフェイトが決めることだ。友達になるのかどうか、自分で判断するんだ」

 

「うん……わかった。私は、あなたの友達になる」

 

「ほんと!?」

 

「でも、まずはこれを届けてから。全ては、それからだよ」

 

「うん! ありがとう、フェイトちゃん!」

 

満面の笑みを浮かべるなのはを見て、望は頬を緩める。そして改めてなのは達にお礼を言うと、公園を後にした。





望「……管理局の出番って、これだけか?」

だから言ったでしょう? やりすぎたって。

望「俺としては構わないんだが、アンタのことだ。ファンの方々の怒りを買うのが怖いんだろ?」

その通りですよ。ですから、アースラチームファンの皆さん、ごめんなさい!!

望「とりあえずこの件はこれで終わりにしてよ、次はなのはとの話し合いについてだな」

これも正直やりすぎた感がありました……

望「何故こんな展開にしたんだ?」

原作でなのはは、フェイトの力になってあげられるかもと言ってた場面があったので、こうしました。

望「俺はいいと思うぞ?」

怖いんですよ、自分は……周りから叩かれまくりそうで。

望「それはあるかもしれんが…過ぎたことを気にしても仕方ないだろう? 原作を思いっきり壊してはいるけどよ……ほら、次回予告だ」

次回は、ついにフェイト達にアリシアの存在が語られます。親子の絆は、戻るのでしょうか?

望「次回も楽しみにしていてくれ」
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