望「どんな話を書こうとしたんだよ?」
とりあえず、見ていてニヤニヤできるような話というのが今回のテーマです。
望「意味がわからん……」
プレシアの治療とアリシアの蘇生。そしてプレシアへの告白から数ヶ月が過ぎた。
季節はすっかり夏であり、あちこちから蝉の鳴き声が聞こえてくる。
これまで色々なことがあった。
フェイトがなのはと同じ小学校に転入することになったり、アリシアを幼稚園か小学校のどちらに通わせるか物凄く悩んだり(最終的に双子の姉妹として小学校に転入させることになった。二年生までの知識はプレシアが教えた)、大変だったけど楽しい思い出がたくさんできた。ん? 資金はどうしたかって? 何かプレシアの研究資金がたんまりあったんで、日本円に両替してもらってそれを使ってる。……正直、ゼロの量が多すぎて目が飛び出る程だった(桁数は某日本のスパコン名を軽く超えていた)。
そして今、俺達は夏の思い出をつくる為にある場所に旅行に来ていた。
どんな場所かだって? フッ、夏と言えばあそこに決まっているだろう―――
―――そう、海だ。
「って着いたのはいいが、俺以外の誰も着替え終わってないし……」
女性の着替えは長いらしいが、退屈だなぁ。ちなみに俺の水着は、白地に黄色いラインが入ったトランクスタイプだ。
「おまたせ、望!」
「ん…」
後ろから声が聞こえたので振り向くと、アルフ、フェイト、アリシアの3人がいた。
アルフはオレンジのビキニタイプの水着を着ていて、フェイトとアリシアはお揃いのフリルのついた、ドレスタイプの可愛らしい水着を着ていた。色は、フェイトが黄色でアリシアが水色である。
「どう、似合ってる?」
「ああ。みんな似合ってるよ」
「えへへ、ありがと!」
「あ、ありがとう……」
アリシアは無邪気に喜び、フェイトは少し恥ずかしそうに頬を緩ませていた。
「あれ?」
ここで俺は、誰かが足りないことに気づいた。
「そういえば、プレシアは?」
「母さんなら、少し遅れるって言ってたよ」
「何で?」
「さぁ…?」
首を傾げる俺とフェイト。そこへ、
「ま、待たせたわね、望……」
「おっ、やっと来た……か………」
声のする方向を見た俺は、言葉を失った。
いたのは黒いビキニタイプの水着を着たプレシアだった。それだけなら何の問題もなかったが、抜群のスタイルと、その…お、大きな胸を持っているからなのか、明らかに色っぽい雰囲気を出していた。……改めて思うが、この人還暦寸前だよな? 普通ならもうちょっと年とってる筈だが……俺の常識が間違っているのか?
「えっと、ど、どうかしら?」
「え、いや、ど、どうって……」
「に、似合っているかどうかよ…」
「そ、そうか。そうだよな……」
まずい。あまりにプレシアが綺麗すぎて、俺の男としての本能が暴走しかけている……!
な、何とか誤魔化さなければ!
「思わず抱きつきたいくらいだ(凄く似合っている。とても綺麗だ)」
「え、えぇっ!?」
しまった! 本音と建前が逆になってた!!
「い、いや、今のはだな、決してアレな意味で言った訳じゃなくて、プレシアがエロ可愛いから言ってるのであって―――」
って更に墓穴掘ってどうする!?
「そ、そう……ほ、褒め言葉として受け取るわ……」
顔を真っ赤にしてプレシアは俯いた。
…………何か、物凄く気まずくなってしまったな。
この後、俺達はアリシアに促されて海に入ることになった。……アリシアの純粋さにこれほど感謝した日は、久しぶりだったと記憶しておく。
「それそれ~!」
「あ、やったなー! お返しだよ!」
それから少しして、俺達は互いに水の掛け合いっこをしていた。
これをやるのは子供の頃以来だが、結構楽しいな。
「うおっ、ぷ!? よ、容赦ないな、みんな……」
が、何故か全員で俺を狙ってくる。解せん。
「ふふ、次は私の番よ!」
「そうはいく―――ぬおっ!?」
プレシアからの水攻撃を避けようとしたが、何かに足を取られてしまい、前のめりに倒れてしまった。
「あはは、望がコケた!」
「大丈夫?」
「ぷはっ! へ、平気だ。これくらいなんとも……ん?」
手に変な感触がしたので見てみると、黒い紐のようなものがあった。
「な、何だろう……嫌な予感がしてならない……」
恐る恐るソレを広げていくと―――
「水着…だと…?」
しかもこれ、プレシアが着てるのに似てるが……そ、それって……。
「の、望……?」
ふと、プレシアが震えるような声を出してきたのでそっちを向くと―――胸の部分の水着がなくなってた。つまり……丸見えだ。
(き、綺麗だ……)
初めて見るプレシアの胸は、たわわに実った果実みたいで、触れたら弾けてしまいそうな危うさを秘めており、海の水と太陽の光によってキラキラ輝いていた。
「………………………言っておくが、わざとじゃないからな?」
「い、いやぁぁぁぁぁぁああああああ!?」
俺の言葉が聞こえたのか聞こえてなかったのか、プレシアは大きく右手を振りかぶり、
「ごべらぁ!?」
強烈なビンタを放ってきた。
「あっ!? ご、ごめんなさい望! は、恥ずかしくてつい……」
「しっかりして、望!」
「すまん……無理だ」
フェイト達の心配する声を聞きながら、俺の意識は闇へと落ちた。
「うーん……」
「気がついた?」
「ああ、なんと…か……」
何とか俺は意識を取り戻したが、どういう訳かプレシアに膝枕されていた。
「……何がどうなってるんだ?」
「嫌…だったかしら?」
「そういう訳じゃないが…」
そうやって潤んだ瞳で見ないでくれ。思わずギュッと抱きしめたくなるだろうが。……今の俺にそんな度胸はないけど。それより―――
「……悪かった」
「え?」
「せっかくの旅行なのに、色々と台無しになっちまったから……」
謝っても許してはもらえないと思うが……
「……そんなことないわ」
「…え?」
「久しぶりの旅行だから、凄く楽しかったわ。……確かに、恥ずかしかったところもあったけど」
「プレシア……」
「貴方がいたから、こうしてフェイト達と楽しく過ごすことができたのよ。それに……あ、貴方になら、その、どんなことをされても、嫌じゃないわ……」
「……ありがとう」
顔を赤らめているプレシアが愛おしくて、微笑んだ。
こういうのも、悪くはないかもしれない。望はそう思った。
ちなみに、今の光景の一部始終を見ていたアルフ達に、後でからかいまくられたのは内緒だ。
望「こ、これは恥ずかしい……!」
どうしたんですか?
望「そりゃこっちのセリフだバカ! プレシアの水着姿を見て変なことを口走るわ、水着を剥ぎ取ってポロリするわで、とんでもないことになったんだぞ!?」
最後は丸く収まったから、いいじゃないですか。
望「そ、それはそうだが……」
そうとわかれば、次回予告です。
望「何かはぐらかされた様な気がするが、いいか。次回は、ついにA's編に突入するみたいだ。でも、これも短く済みそうだな」
原作とは大きく変えますから。では、お楽しみに。