魔法少女リリカルなのは 運命を変える者   作:レイブラスト

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いよいよ、リインフォースの救済に入ります。

望「救える命なら、必ず助ける!」



第40話

八神家に転移した後、俺は変身を解除し、しゃがみこんだ。

 

「望、大丈夫!?」

 

フェイト達が心配そうに駆け寄ってくる。

 

「なんとかな……」

 

「ナハトヴァールは?」

 

「逃げたよ。パワーアップして、3日後に再戦するらしい」

 

「でも、望さんなら勝てるよね?」

 

アリシアが少し心配そうに聞いてくるが、

 

「……わからない。さっきの戦いはギリギリで勝ったからな。パワーアップしてくるとなると、負けるかもしれない」

 

「そ、そんな……」

 

俺の返事に、愕然とした表情になる。俺が負けるところを見たことないから、当然か。

 

「そ、それで、これからどうするんだい望?」

 

そんな空気を変えようと、アルフが言う。

 

「……先のことを言っててもしょうがない。とりあえず、夜天の書を完成させる」

 

「えっ!?」

 

全員が、俺の言葉に同時に驚きの声を上げた。

 

「ちょっと待て、望。蒐集活動は、やらないんじゃなかったのか?」

 

狼形態のザフィーラが尋ねてくる。

 

「少し違う。魔導士を襲ってリンカーコアを集めるのはやらないが、蒐集はするってこと」

 

「は? どういう事だよ?」

 

意味が解らないと、ヴィータは眉間にシワを寄せて首を傾げる。

 

「こういうことだ」

 

1本のメモリを取り出し、それを生身の状態で腰のスロットに入れる。

 

『XTREME! MAXIMUM DRIVE!!』

 

「っく……」

 

発動と同時に、少し胸の辺りが苦しくなる。それを見たプレシアが異変に気づいた。

 

「これは……望の魔力が、上がっていく?」

 

「正解……エクストリームのマキシマムドライブで、俺の中にあるリンカーコアの魔力を極限にまで引き上げているんだ。いや、限界なく上げていると言った方が正しいか」

 

これも過去にきてから調べた方法だ。正直、これがなかったら詰んでたかもしれない。

 

「望……貴方まさか」

 

「そのまさかだよ、プレシア。この状態のリンカーコアを蒐集させて、一気に完成させる」

 

「だが、それをしたら変身が―――」

 

「心配ない。ガイアメモリはデバイスとは別物だから、魔力がなくても使用できる」

 

シグナムさんの疑問に答えると、納得したように頷く。

 

「そういう訳だから、シグナムさん。蒐集してくれないか?」

 

「…わかった。だが気をつけてくれ。痛みはあるからな」

 

「覚悟してるさ」

 

やりとりを終えると、俺のリンカーコアがシグナムさんによって抜き出された。

 

「っつぅ…」

 

シグナムさんの言う通り痛みを感じたが、なんとか我慢できた。

そして抜き取ったリンカーコアを、蒐集させる。

 

「これでいい筈だが……」

 

確認してみると、666ページ全てが埋まっていた。

 

「よし。後は起動するのを待つだけだ」

 

夜天の書をテーブルの上に置き、起動を待つ。すると、夜天の書がガタガタと揺れ出し、紫色の輝きを放った。

輝く夜天の書から、1人の女性が現れた。長く綺麗な銀髪に血のように真っ赤な瞳で、黒いワンピースのような服を着ている。彼女が、夜天の書の管制人格だ。

 

「貴方ですね。私を起動させたのは?」

 

「そうだ」

 

こちらに顔を向け、そう言ってくる管制人格に答える。

 

「また、始まってしまうのですね……破壊と悲しみが……。一体何度繰り返せば……終わるのか……」

 

管制人格は、絶望した顔で悲しげに言った。幾度となく行われる破壊行為を止めることができず、管制人格は何をしても無駄だと悟っているらしい。

 

「ちょっといいか?」

 

そんな管制人格に呼びかける。

 

「今からバグを直す。じっとしててくれ」

 

「え?」

 

「変身」

 

『ETERNAL!』

 

怪訝な顔になる管制人格に構わずエターナルに変身すると、先ほど使ったのと同じメモリをスロットに入れる。

 

『KEY! MAXIMUM DRIVE!!』

 

『GENE! MAXIMUM DRIVE!!』

 

ナハトヴァールを消滅させようとした時と同じ様に、キーとジーンのマキシマムを併用し、右手を管制人格の肩に置く。

 

探っていくと、淀んだ魔力―――バグを感じ取り、それに自己消滅プログラムを書き加えていく。何秒か待つと、バグは消滅した。

同時に、管制人格は自分の異変に気付いたのか、驚愕して目を見開く。

 

「こ……これは……!? 体の中にあった淀みが、消えた!?」

 

「ガイアメモリの力を使って、アンタの中のバグを直した。消滅させたと言った方がいいか? とにかく、これでもう防衛プログラムを造り出して、破壊行為をする事はなくなった」

 

信じられないと言った表情をする管制人格。やがて、その体が小刻みに震えてきた。

 

「で、では……私はもう……破壊をしなくて……いいんですね……?」

 

震えた声で、管制人格が聞いた。

 

「ああ」

 

変身を解除する。

 

「本当ですか……?」

 

「ああ」

 

管制人格の目から、ポロポロと大粒の涙が零れ出す。そして手を伸ばすと―――俺に抱きついてきた。

 

「うおっ!? ちょっ、何が……」

 

「ありがとうございます……ありがとうございます……!」

 

涙を流し続けながら、管制人格はお礼を言い、力強く抱きしめてくる。

ま、まずい。そんなに強くされると、その……む、胸が………

 

気持ちを切り替えようと周りを見渡すと、周囲にいる一同は、管制人格が救われた事に安堵し、微笑んでいた。

この時俺は気づいてなかったが、その中で1人、モヤモヤした気持ちになっている者がいた。

 

(私……嫉妬してるの? 他の女の子に抱きしめられている望を見て……)

 

俺を見て、プレシアはそう思っていた……らしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

文明が無い、無人の世界。

岩が転がっている殺風景な大地に、リュウガが立っていた。すぐ側にはドラグブラッカーがいる。あれから蒐集を続け、更に魔力を得てリュウガは進化していた。それでも、望には勝てない。もっと強くならなければ。

実は、リュウガ―――ナハトヴァールにはずっと前から自我が存在していた。しかし、その自我はプログラムされた破壊衝動に身を委ねてばかりだった。

 

 

理由は―――強い奴がいなかったから。

 

 

彼は強い敵と戦いたかったのだ。そしてそれは、望と出会ったことで叶うことになる。

 

「……」

 

リュウガは考える。真剣勝負で、命を賭けた勝負をするのはどれほど楽しいのだろうと。

早く、それがしたいと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の深夜、俺は窓から月を眺めていた。

管制人格を救った後、はやてが彼女に名前を贈った。祝福の風──―リインフォース。彼女は喜んで新たな名を受け取り、リインフォースと名乗った。

とりあえずの目的を達成して、俺達はマンションへ帰宅した。皆、自分の部屋に戻って眠りについている。

 

俺は起きて、窓際に座って月を眺めながら、今日起きた出来事を思い返していた。

 

「望」

 

声がしたので後ろを見ると、プレシアがいた。

 

「眠れないの?」

 

「ああ」

 

短く答え、月に顔を戻す。プレシアは静かに隣に座り、共に月を眺めた。

 

「……リュウガの戦闘力は、俺より上だった」

 

そう言葉を漏らす。それに気づいたのか、プレシアがこちらを向く。

 

「正攻法でいったら、多分勝ち目はない」

 

ましてやパワーアップしてくるとなると、確実に負けるだろう。

 

「作戦を、急いで考えないとな」

 

自分に言い聞かせるように、呟いた。





望「何か、リュウガっていうかナハトヴァールの性格が武人みたくなってるな」

こういう性格なのもいいんじゃないかと思いまして。

望「なるほど。てか、何でドラグブラッカーがいるんだ?」

ナハトヴァールの膨大な魔力が変化し、形を持ったんです。

望「ふうん。で、次回はリュウガとの決戦になるのか」

はい。互いの全力を出し合う勝負で、最後に立ってるのはどちらなのでしょうか?

望「次回もよろしくな」
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