魔法少女リリカルなのは 運命を変える者   作:レイブラスト

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戦いを前に、戦士達は再び決意を固める。

望「絆こそ、最大の強さだ」



第43話

デビルガンダムFからメガビームキャノンが放たれるが、間一髪のところで望達は回避に成功した(望はエターナルに変身した後、ナスカのマキシマムを発動して難を逃れた)。

 

 

「広域結界!」

 

町の人々にこれ以上被害を出さないように、ユーノが結界を発動させる。緑色の魔法陣を足下に展開させ、公園を中心に結界を張った。

 

デビルガンダム達は、空へと逃げた一同に目を向ける。デビルガンダムと向き合い、シグナム達は覚悟を決めた。

 

「リインフォース。主はやてを連れて、遠くへ避難しろ」

 

「シグナム!? 何するつもりなんや!?」

 

リインフォースに抱かれてるはやてが、不安を隠しきれない顔で言った。

 

「主はやて。我等は主を守る守護騎士です」

 

険しい表情でシグナムは、重々しく自分達の使命を口にする。

 

「けど……!」

 

「主はやて。申し訳ありませんが、今回ばかりは貴女の言葉でも私達は止まりません。そのご無礼を、どうか許して下さい」

 

深々と頭を下げて、シグナムははやてに詫びた。

 

「シグナム……」

 

その時、はやてはシグナムの決意の重さと固さを感じた。シグナムだけではない。ヴィータ、シャマル、ザフィーラ―──他の守護騎士達も同じ覚悟を抱いている。はやては、シグナム達が止まらないと確信した。

少しためらいの表情を浮かべ、はやては決意を固めた顔になる。

 

「ほんなら……私も闘う!」

 

「えっ!?」

 

はやての言葉を聞き、シグナム達は目を見開いて驚きの声を上げた。彼女を抱えてるリインフォースも、驚きを隠せずにいる。

 

「私は夜天の主や。そうでなくても、シグナム達を置いていく事なんて出来ない。シグナム達は、私の大切な家族なんや」

 

はやては胸の内にある想いを、口から声にして出す。デビルガンダムが暴れているのに、自分は見てるだけで何もできない。そんなのは…嫌だ。そう強く思いながら、はやては両手で抱えてる夜天の書をギュッと握った。

 

「私にも魔法の力があるなら、シグナム達と一緒に闘う」

 

「し、しかし……!」

 

一緒に闘いたいと申し出るはやてに、シグナム達は戸惑う。

 

「出来るやろ、リインフォース?」

 

「え、ええ……。確かに、闘う事は出来ます。ですが……」

 

リインフォースも、はやてが闘う事には気が進まず、表情を曇らせる。

 

「お願いや、リインフォース! 私に力を貸して!」

 

はやては必死に、リインフォースに頼み込む。リインフォースは戸惑いの表情を浮かべながら、はやての顔を見る。はやては強い意思のこもった真っ直ぐな目で、リインフォースを見つめていた。家族を助けたいという強い想いが、その瞳から伝わってくる。リインフォースは、静かに目を閉じた。そして何かを決断して、ゆっくりと瞼を開けた。

 

「分かりました。主、貴女に力を与えます」

 

「リインフォース!?」

 

リインフォースの言葉にはやては喜び、シグナム達は驚く。

 

「リインフォース! お前、何考えてんだよ!?」

 

ヴィータが、声を荒げて怒鳴った。

 

「ヴィータ。主は、貴女達が思っているような弱い方ではありません。自分の意思で、あの怪物に立ち向かい、皆と共に闘うと決めたのです」

 

デビルガンダムを見て、リインフォースが言った。デビルガンダム達は、こちらが動くのを待っているように、ジッと沈黙を守っている。アレが本気で暴れ出したら、安全な所などどこにも無い。闘って勝ち、アレを倒す。それ以外に道は無いのだ。迷いの表情を浮かべていたシグナムが、決意を固めた顔になる。

 

「……分かりました」

 

「シグナム!?」

 

シグナムの決断に、ヴィータ達は驚いて振り向く。

 

「主はやての決意は本物だ。その決意を無下にする事は出来ん」

 

苦渋の決断を下したシグナムは、レヴァンティンの柄を力強く握った。シグナムの言葉で、ヴィータ達もはやての覚悟を知る。

 

「シグナム……ありがとう」

 

シグナムがどれ程悩み、自分の事を大切に想っていたかを感じ取り、はやては礼を言う。

 

「リインフォース。私の杖と甲冑を」

 

「はい。我が主」

 

はやての言葉に頷き、リインフォースの姿が消える。そして夜天の書が輝き、はやての体が光に包まれた。先端が夜天の書の十字架のデザインになってる杖を右手に持ち、黒いバリアジャケットを身に纏う。

 

「『祝福の風』リインフォース。セーット、アーップ!」

 

リインフォースとはやてが『ユニゾン』を行う。髪の色が白銀に変わり、騎士甲冑を纏い、背中には六枚の黒い翼を生やす。夜天の主に覚醒したはやては、体の内から力が溢れ出てくるのを感じた。

 

「行くで、みんな!」

 

「おう!」

 

夜天の主と守護騎士が今、勢揃いした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、エターナルとフェイト達ははやてとは別の場所に避難していた。

 

「ふぅ、危なかった。もう少し変身が遅れてたら……」

 

タッチの差だったと、エターナルは冷や汗を流す。そして、フェイト達の方を向く。

 

「……デビルガンダムが本格的に暴れ出したら、まずいことになる。残念だが、俺1人の力じゃどうにもならない。だから……力を貸してくれ」

 

頭を下げ、エターナルはフェイト達に頼んだ。

 

「そんなの、当たり前じゃないか」

 

アルフが即答し、思わず「え?」と顔を上げた。

 

「私達は今まで、望に助けられてきた。だから、今度は私が望を助ける番だよ」

 

そう、闘う理由はそれだけ。母さんとアリシアと本当の家族になれたのは、望のお蔭なんだから。

フェイトは心の中で望に感謝し、彼を助ける決意を固める。その強さを表すように、フェイトの目には光が宿り、デバイスを握る手にも力が込められる。

 

「アンタは、フェイトの笑顔を取り戻してくれた。だから、アタシも一緒に闘う!」

 

アルフの気持ちもフェイトと一緒だった。彼女にとっては、フェイトの幸せが一番の望み。そのフェイトに笑顔を与えた望は、アルフにとって恩人のようなものである。フェイトとアルフの想いを聞いて、エターナルはびっくりしていた。ここまで感謝されていたとは、思ってなかったのだ。そして、闘う決意を固めた者が、もう1人いた。

 

「フェイト、アルフ。私も一緒に闘うわ」

 

プレシアだった。杖を片手に持ち、デビルガンダムを睨んでいる。

 

「プレシア……」

 

「お母さん!?」

 

エターナルは呟くように言い、アリシアは驚いて声を上げた。

 

「私の家族を護る為に……大切な家族を取り戻してくれた貴方を護る為に、私は闘うのよ」

 

プレシアの瞳にも、強い決意の光が宿っていた。望のお蔭で、本当に大切なモノが何なのか気付く事が出来た。それに、今の望は自分の恋人でもある。助けるのは当然だ。

アリシアは、プレシアの中にある覚悟を感じ取ったのか、我が儘を口にしなかった。引き止めたい気持ちを必死に抑え、自分の服を強く掴む。涙が溢れそうになるのを、必死に我慢する。

フェイト達の決意を聞いて、エターナルももう一度覚悟を決めた。

 

「アリシア。貴女はここに残って、戦いが終わるまで待っていなさい」

 

「……うん」

 

涙目のアリシアは、プレシアの言葉に頷く。アリシアの気持ちを察して、プレシアは身を屈め、娘の頭を優しく撫でた。

 

「大丈夫よ、アリシア。母さん達は必ず帰ってくるから」

 

優しく声をかけられ、アリシアは我慢出来ずに涙を溢れさせた。

 

「アリシア」

 

涙を流すアリシアに、フェイトが近寄る。

 

「フェイト……」

 

「行ってくるね、アリシア」

 

アリシアは気持ちを抑えられず、目の前のフェイトに抱きついた。

 

「フェイト……行ってらっしゃい……」

 

「うん」

 

フェイトも腕を回し、そっとアリシアを抱きしめる。

必ず帰る。勝って、自分達を待っている大切な家族の元へ帰るんだ。

フェイトとアリシアが離れると、プレシアは足下に魔法陣を展開させ、アリシアを護る結界が張られた。

 

「……フェイト、アルフ、プレシア。みんな、ありがとう」

 

フェイト達に視線を向け、エターナルは礼を言うと、

 

「これから、デビルガンダムを破壊する……!」

 

決意を固めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デビルガンダム達の前に、なのはとユーノの姿があった。

 

「ディバイン、バスタァァァー!」

 

レイジングハートを構えたなのはが、デビルガンダム第二形態の片方(以降、デビルガンダムA)に向かって桜色の閃光を放つ。デビルガンダムAは、避ける素振りすら見せず、真っ正面からディバインバスターを受けた。閃光が直撃し、桜色の爆発が起きる。煙が晴れていくと、無傷の状態のデビルガンダムAの姿が現れた。

 

「き……効いてない!?」

 

自分の攻撃が通用していない事に、なのははショックを受けた。目の前にいるデビルガンダムAは、ガンダムヘッドを伸ばしてなのはに迫る。

 

「チェーンバインド!」

 

すかさずユーノが、緑色の魔法陣を展開させて、バインドを放った。ガンダムヘッドの胴体に、バインドを巻き付け、動きを止めようとする。が、動きを止めるどころか、全く勢いが落ちず、バインドも軽々と千切れてしまった。

 

「ダメだ! 一旦逃げよう、なのは!」

 

「あ……あ……!」

 

ユーノが声をかけるが、なのはは動けない。猛然と迫り来る醜悪な蛇に圧倒され、金縛りにあったように体が動かないのだ。

やられる……!

そう思った時だった。

 

「飛竜一閃!」

 

声と共に、炎に包まれた一本の線が横から現れ、ガンダムヘッドに激突した。ガンダムヘッドを破壊されたデビルガンダムAは動きを止め、乱入者に不気味な目を向けた。視線の先にいたのは、シグナムだった。レヴァンティンの刀身が連結刃へと変わっており、炎を纏って蛇のような動きをしている。これがレヴァンティンの三形態の内の一つ、『シュランゲフォルム』。そしてガンダムヘッドに放った一撃は、連結刃に炎を纏わせて放つ『飛竜一閃』だ。

シグナムの姿を見て、なのはは笑顔になった。

 

「シグナムさん!」

 

「大丈夫か、高町?」

 

「はい!」

 

なのはの無事を確認して、シグナムは軽く頷いてからデビルガンダムと向き合う。シグナムの周りには、ヴィータ、シャマル、ザフィーラ、はやての姿もあった。

 

「は……はやてちゃん?」

 

騎士甲冑姿のはやてを見て、なのはとユーノは驚いた顔になる。はやては、そんな2人に笑いかけた。

 

「なのはちゃん、ユーノ君。私とリインフォース、シグナム達も闘うから、一緒に頑張ろう!」

 

「はやてちゃん。うん!」

 

仲間と友達の応援に、なのはは元の元気を取り戻していく。なのは達の無事に安心したはやては、表情を一変して、険しい顔でデビルガンダム達を見る。その時だった。

 

(みんな、聞いてくれ!!)

 

「この声…望さん!?」

 

望が念話を使い、全員に語りかけてきた。

 

(今からデビルガンダムを倒す策を教える。しっかり聞いてくれ)





望「まさにクライマックスって感じだな」

ええ。こういう展開は、大好きなんですよ。

望「いい趣味してんな、アンタ。で、次回は?」

次回はデビルガンダムとの決戦となりますが……

望「どうした?」

……いえ、やはり次回のお楽しみにしておきましょう。それでは!
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